2009年07月24日

『サマーウォーズ』(ネタバレなし)

 細田守監督の新作『サマーウォーズ』の試写に行ってきた。

公式サイト

 設定を読んで、「なんか『ぼくらのウォーゲーム!』ぽい?」と思ったんだけど、実際に見てみたら……。

 びっくりするほど『ぼくらのウォーゲーム!』でした!(笑)

「ええっ、こんなとこまで!?」と驚くほどよく似てる。これはもう、細田監督自身の手による『ぼくらのウォーゲーム!』リメイクと考えていいと思う。
 知らない人は気にせずに楽しめるし、逆に僕みたいに『ぼくらのウォーゲーム!』にどっぷりはまった人間なら、「うわー、来た来た来たーっ!」「やっぱりそう来るよなーっ!」と盛り上がること間違いなし。

 まあ、明らかに「それは無理だろ」「そんなことありえないだろ」というツッコミどころもいくつかあるんだけど、話が面白いのと、演出の上手さで許せてしまう。中盤にある長い横パンのカットなど、さすが「レイアウトの鬼」だ、と嘆息。
『ぼくらのウォーゲーム!』の「衛星携帯ですよ!」みたいな、「そう来るか!」という仕掛けもいろいろ。特にポスターに大きく描かれている漁船が、何のために運ばれてきたかを知った時には爆笑した。
 ラストバトルも「さんざん盛り上げてきて決着はそれかよ!」「あれ伏線かよ!?」と大笑い。

 やっぱりいいのは、『ぼくらのウォーゲーム!』と同じく、日常がネットを通して地球の危機と直結してるという感覚なんだよね。 先端テクノロジーが可能にした「お茶の間ハルマゲドン」。
 現実世界の舞台は、冒頭を除くと、ほぼ長野の田舎の旧家に限定されている。世界を救うのが科学者や戦闘のプロなんかじゃなく、ただのおじさんやおばさんや少年少女たちだというのがいい。

 試写会は業界関係者で満席で、追加でイスを出さないと座れないほど。
 終了後、角川の編集者3人と、谷川流、乙一を交えて食事。
 乙一くんとは初対面。「『GOTH』や『ZOO』が好きです」と言うと、「『ジェライラの鎧』が好きでした」とか言われて、こちらも大感激。僕が最初に書いたソード・ワールド小説だよ。



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この記事へのコメント
山本弘先生,すいません。
『サマーウォーズ』全然駄目でした。

最初見たときは情報量が多すぎてリドリー・スコットの『ワールド・オブ・ライズ』観てる気がして食いつけませんでした。

それと伏線の部分は5秒で解ってある意味地獄でした。

レイアウトは完璧でしたが動画が悪いなと思ったら海外発注の部分が結構あったので驚きました。

それと細田監督の悪い癖でヒロインがワンワン泣くシーンは酷すぎです。

ペドロ・コスタ先生が言うように「映画を観るということは映画の人と一緒になって涙流す事ではありません。」と言う言葉が過ぎりました。

大体『サマーウォーズ』というタイトルは大阪夏の陣をモチーフにしてるのですが,歴史に詳しい人ならすぐにわかりますが大阪夏の陣って負け戦ですよ。

それに真田幸村は奇襲戦法で徳川家康をビビらせたなんだからそこを描かなきゃ意味無いだろう!

それと貞本キャラなのに妙にジブリ臭い。

それと柳下毅一郎さんが副音声映画って言ってたけど自分もその口かな?とは思いました。

まぁ何はともあれテンションが高い映画なので普通のお客さんは満足するとは思います。
Posted by ダーク・ディグラー at 2009年07月25日 08:07
 ダーク・ディグラーさん。
 おっしゃっておられることは分かりますが、僕はどれも気になりませんでした。
 情報量に関しては、僕も最初は「こんな大勢のキャラクター覚えきれるか!?」と思ったんだけど、最後にはほとんど誰が誰か分かるようになってましたし。
 ヒロインが泣くシーンにしても、僕は『時かけ』で真琴が顔をぐちゃぐちゃにして泣くシーンが大好きだったもんで、「これは『細田泣き』として定着させるのかな」と思ってたりしましたし(笑)。
 大阪夏の陣にしても、結果はどうあれ、歴史ファンの多くは真田幸村に肩入れしてると思いますから、真田をモチーフにするのは間違いではないと思います。

 伝え聞くところでは、SF界の中でもけっこう否定派がいるらしいです。まあ、主観の相違なんでしょうけどね。
Posted by 山本弘山本弘 at 2009年08月03日 16:05
>大阪夏の陣にしても、結果はどうあれ、歴史ファンの多くは真田幸村に肩入れしてると思いますから、真田をモチーフにするのは間違いではないと思います。

いや,山本弘先生のおっしゃりたいことは分かりますが僕の意見だと“真田幸村は奇襲戦法で徳川家康をビビらせたなんだからそこを描かなきゃ意味無いだろう!”と書いてますよ?

ネタバレにならないように書きますがあの
ラストのヒロインの戦法は『007/カジノロワイヤル』だとカジノで失敗して冷静さを失ったために、追加資金(=イギリス国民の血税)を要求する未熟なジェームズ・ボンドというのを上手く表現していたのですが,こちらは世界の危機に瀕して違和感がない魅力がないヒロインとずいぶん対照的な組み合わせ(笑)

>伝え聞くところでは、SF界の中でもけっこう否定派がいるらしいです。まあ、主観の相違なんでしょうけどね。

まぁそれは理解出来ますね(笑)

『攻殻機動隊』や『007/ゴールデン・アイ』みたいにネットが世界感覚で作られた時代とは違い『サマーウォーズ』の頃になると目新しくないと感じる人もいます。

まぁ昔ながらのジョン・ウェイン映画の現代ネット世代現代版とは思いますよ。

SFは残ったけど西部劇は衰退したという悲しい現実が残ります。
Posted by ダーク・ディグラー at 2009年08月04日 16:32
 あれ?ここに以前ロシア語?で書かれたコメントがあったような…
Posted by toorisugari at 2011年06月17日 10:57
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