2016年08月11日

コミケ直前情報:『ミステリー・ゾーン』徹底解説

 今年の夏コミのブースは、土曜日(13日)東パ-21b「心はいつも15才」。
 新刊は

『ミステリー・ゾーン』徹底解説


 半世紀前に作られた伝説のSF・ホラー・ファンタジー番組。メイン・ライターのロッド・サーリングはもちろん、レイ・ブラッドベリ、リチャード・マシスン、チャールズ・ボーモントらが脚本を手がけた傑作アンソロジー・ドラマを徹底的に解説。
 全話ストーリー・ガイド(一部を除いてネタバレなし)はもちろん、脚本家と演出家のリスト、日本での放映リスト、翻訳のある原作リスト、幻のエピソード、特撮シーン、登場する怪人・宇宙人、評論「僕らはみんなメープル通りに住んでいる」など、マニアのための1冊!


 あとがきでも愚痴ったんだけど、今、海外ドラマに関する本は日本でたくさん出ているのに、そのどれも、『ミステリー・ゾーン』について、ほんの数行しか触れてないんですよ。まあ『スタートレック』や『謎の円盤UFO』あたりに負けるのはしかたないけど、『事件記者コルチャック』や『悪魔の手ざわり』よりも扱いが小さいなんて信じられない。
 だから今の日本人、プロの作家でさえ、『世にも奇妙な物語』は知っていても、その元ネタである『ミステリー・ゾーン』は知らない。

 あんなにすごい番組だったのに!
 あんなに大きな影響与えたのに!

 それが悔しくて、いったいどういう番組だったのか、その魅力や見どころを現代に語り継ぐ同人誌を作りました。
 B5判、180ページ!
 がんばりすぎだ自分!(笑)

 だって、好きなエピソードがいっぱいあるんだもの。
 ホラーなら「誰かが何処かで間違えた」「ヒッチハイカー」「めぐりあい」「マネキン」「遠来の客」「墓」「No.22の暗示」「亡き母の招き」「二万フィートの戦慄」などなど。
 泣ける感動作なら、「過去を求めて」「弱き者の聖夜」「縄」「遠い道」……もう「遠い道」なんて、何度見てもラストで泣けちゃうんですよ。
「沈黙の世界」「到着」「狂った太陽」「奇妙な奈落」あたりは、最後のすごいどんでん返しに仰天するし、逆に「みにくい顔」「合成人間の家」「生きている仮面」あたりは、オチが途中で読めるけどやっぱり衝撃的だし。
「子供の世界」なんて、原作(ジェローム・ビクスビイの「今日も上天気」)をよくぞここまで見事にアレンジしたなと感心するしかありません。クライマックスで悲鳴あげそうになりましたよ。
 あと、「疑惑」「生と死の世界」「亡霊裁判」「日本軍の洞窟」「暗闇の男」などにこめられた強烈な問題意識。今、こんな重いテーマで、なおかつ面白い話を書ける作家や脚本家が何人いるか。

 とにかく、半世紀前の番組とはいえ、とんでもなくレベルが高くて、今見ても古くない。十分すぎるほど面白いんですよ。
 こんな番組が忘れられるなんて、あってはならない──そう強く思います。

 執筆の途中、資料を調べていて、番組のトリビアもいろいろ知ったんだけど、どこまで入れるかは悩みましたね。やっぱりマニア的に見て面白いものに厳選しようと。
 たとえば演出陣。ドン・シーゲルやリチャード・ドナーやジャック・スマイトが演出してたのは知ってたけど、『キャット・ピープル』や『遊星よりの物体X』や『宇宙水爆戦』の監督がいたっていうのは、恥ずかしながら、今回初めて知りました。そう言えば『宇宙水爆戦』って特撮は注目してたけど監督の名前覚えてなかった(笑)。

 下は裏表紙。この意味、分かる人なら分かりますよね?




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この記事へのコメント
山本先生、ご無沙汰です、以前BBSにお邪魔していたちくまくです。

『ミステリー・ゾーン』と聞いてしゃしゃり出てしまいました。これほどの名作なのに、「何それ?」状態の昨今は悲しいですよね・・・。

シリーズに関する体系的な解説や資料が、ほとんど刊行されていないのも淋しい。
一部未刊とはいえ、アシェットのDVD(サーリング製作分はコンプしました)完結はうれしかったですが、付録のマガジンがおざなりで、資料的価値がほとんど無いのが残念でした。

山本先生の研究本、自分も欲しいですが、田舎暮らしのため当日出向くことはできません、ごめんなさい。

今後もご活躍をお祈りしております。

あ、「子供の世界」は傑作ですよね、本当に。
Posted by ちくまく at 2016年08月12日 00:04
お疲れ様です。

すみません、『ミステリー・ゾーン』知りませんでした(汗)

話は変わりますが、シン・ゴジラはご覧になりましたか?まあ愚問でしょうが、先生の口からいつか感想をお伺いしたいなあ、と。

あと妖怪ウォッチ3、実はアレ"と"的に(製作者がトンデモではなくて、製作者と知恵比べしてみたい方向で)おすすめなので一度暇ならプレイされてはいかがでしょうか。
Posted by Xbeta at 2016年08月13日 16:37
アンド・ナウさんからの委託本共々、午前中の完売おめでとう御座います!そしてお疲れ様でした。
Posted by toorisugari at 2016年08月13日 17:39
コミケお疲れさまでした。

早速ですが、新刊委託予定ありますでしょうか?
もし完売ということなら、kindle 販売検討ください。

値段は、、、同人誌としては1500円コースでしょうが、電子データに1000円超は怯むので、
600-800円位にしていただければ。
いや、私は1000円でも買ってレビューもさせていただきますが。


kindle にするなら表紙のロゴはちょっと不味いですかね。
引用を越える用法に見えます。
Posted by taka at 2016年08月15日 18:11
この本は通販とかやってますか。
Posted by もらいもん at 2016年08月18日 06:06
夏コミで買い逃しました…再販とかはされないでしょうね。
Posted by gamby13 at 2016年08月23日 15:04
是非一冊譲っていただきたいのですが
どうすれば入手てきますか?
Posted by よしひろ at 2016年08月25日 19:44
>ちくまくさん

 ええ、ほんとに知名度が低いのは悔しいですね。もっと多くの人に知ってほしんですが。
 ちなみに僕は「子供の世界」がシリーズ中で最高傑作だと思っています。

> Xbetaさん

『シン・ゴジラ』は公開直後に観に行きました。
 感想も書きたいんですが、まだちょっとネタバレするのは早いかなと、様子を見ています。

>takaさん
>もらいもんさん
>gamby13 さん
>よしひろ さん

 この同人誌はコミケ持ちこみ分が午前中で完売したうえに、在庫もほとんど残っていません。
 ただし、現在、商業出版できないかと、某出版社に売りこみをかけているところです。できれば前に出した『世にも不思議な物語』本と合本で。
 うまくすれば来年ぐらいには本になるかもしれません。それまでお待ちください。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年09月14日 12:40
たしかになぜ解説書やファンブックがなかったか不思議です。
山本先生が商業出版されるのであれば作品の為にもまったく適切な巡り合わせだったかと思います。

アメリカにはいくつか解説本出てそうですが、商業出版されるならそれら先行研究もチェック、、、言わずもがなですみません。同人誌拝見出来てないので。

ともあれ商業出版楽しみにしてます。
Posted by taka at 2016年09月30日 14:59
お返事ありがとうございました
商業ベースでの出版、楽しみにしております
Posted by よしひろ at 2016年10月20日 19:04
 アンド・ナウの会より発売の『僕らを育てたシナリオとミステリーのすごい人3』、遅れながらアマゾンで予約・これから読む予定です。夏コミの時はお会いした時には既に完売でしたので…(サークルの席にスマホをご覧になられていた山本さんがおられましたが、ひょっとしてポケモンGOでしたでしょうか…?)

 ところで疑問があるので質問いたしますが、この本で山本さんは唐沢俊一さんも含め辻真先さんとお話なされたそうですが、またご一緒になるお仕事を復活なされたのでしょうか?
 原田実さんや眠田直さんらとのご交流がまだ続いているとはいえ、もう一緒に仕事をすることはないでしょうと呟きなさったり、最新のブログ更新で繰り返し仰られましたがと学会を引退なされていますし……
Posted by toorisugari at 2016年11月23日 12:45
>toorisugariさん

 あの『僕らを育てたシナリオとミステリーのすごい人』のインタビューは、実は3年以上前のものです。唐沢氏との関係が壊れる前の。
 いちおうアンド・ナウの会とは親しくさせてもらってますが、と学会の関係者とは最近ほとんど顔を合わせていません。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年12月26日 23:33
 山本さん、ご返答有難うございます。手元にあるものには、確かにインタビュー収録日は記載されていませんでした。
 しかし「関係が壊れ」たとは……残念とも勿体ないとも思いました。
Posted by toorisugari at 2016年12月31日 20:46
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