2016年01月31日

新刊『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』

『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』

 東京創元社 1800円+税

 シリーズ第3作。 2月末予定の新刊です。

>ライバル校のミステリ研究会と交流試合を行うことになったBIS(美心国際学園)ビブリオバトル部。しかしミステリ研会長の早乙女寿美歌(さおとめ・すみか)は圧倒的なプレゼン力と膨大なミステリの知識を持つ強敵で、周囲は振り回されるばかり。両校のビブリオバトル対決の行方は?  寿美歌の個性的なキャラクターの陰に隠された素顔とは?  空(そら)がコミケに初参加する番外編「空の夏休み」を収録した、シリーズ最新刊。


 番外編「空の夏休み」は、空のコミケ初体験を描いたドタバタ話。最近はテレビで何度も取り上げられ、一般の人にもコミケというものの存在が知られるようになりましたが、まだまだ知られていない事が多いんじゃないかと思い、こういう話を書いてみました。

 本編の「世界が終わる前に」は、前作の最後に出てきたミステリマニアの中二病美少女・早乙女寿美歌をめぐる物語。劇中のビブリオバトルで何冊もミステリが紹介されるのはもちろん、この小説自体がミステリになってます。
 現実寄りの設定の話なんで、密室殺人とかの派手な展開はできないんですが、それでも謎めいた事件は起きます。「日常の謎」というやつです。詳しくは書けませんが、派手ではないけども大きなドンデン返しのある話だとだけ言っておきます。
 寿美歌は空のSF知識に匹敵するミステリ知識の持ち主ですが、かなり痛い性格。そのうえ重大な謎を隠している、危険な雰囲気の少女です。
 でも、謎を秘めているのは寿美歌だけじゃありません。実はレギュラーメンバーの中にも、大きな秘密を持つ人物がいたことが明らかになります。

 東京創元社さんはミステリをたくさん出してる出版社なんで、編集者にもミステリ好きが多く、原稿を読んで、僕が仕掛けた大きなトリックを途中で見抜いた人も何人かいたそうです。まあ、アンフェアにならないように、途中で大きなヒントを出してますからね。知ってる人なら、「あのトリックのバリエーションか」と気づくでしょう。
 ただ、最後の最後の意外な展開だけは読めなかったらしいです。実はこれ、1巻からずっと企んでた構想なんですよ。大半の読者が予想しているであろう展開を、わざとはずしたらびっくりするだろうなと。
 編集さんから「びっくりしました」という言葉を聞けて、してやったりと思いました。

 なお、「世界が終わる前に」というタイトル、同じ題名の歌がありますけど、まったく関係はありません。実は作中に登場するSF作品と関係しています。






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この記事へのコメント
ミステリは某「大説家」の「犯人は○○○」を読んで呆れて、しかもそれがミステリファンから喝采されている・・・というので足を洗って?からほとんど読んでませんのでライバルヒロインがビブリオバトルでどういう作品紹介するか楽しみです。
Posted by ジャラル at 2016年01月31日 22:52
東京創元社さんと言えば北村薫さんを始め日常の謎をたくさん出している出版社ですね
楽しみにしていた最新刊ですが、益々楽しみになりました
Posted by くまくまねこねこ at 2016年02月02日 02:08
 表紙画像のすぐ下に書いてある「1944円+税」というのは、「1944円(税込)」か「1800円+税」が正しいのではないでしょうか?
 それはそれとして、ミーナのBL好きが作中で「そもそも腐女子という概念自体、正しい女子の姿からはずれてるように思うんですが」だの「女性が男色に興味があるということ自体、すでに心のバランスが崩れているように思うのだが」だのと酷い評価を受けていますが、21世紀の現在、先進諸国の精神医学会は同性愛を「性的倒錯ではない」つまり“健全でノーマルな”愛の形としており、そのように愛し合う関係の男性たちを(あるいは「あの人とあの人が恋人同士だったら」という空想を)「素敵だ」「いとおしい」と感じる(つまり萌える)ことがそんな異常なことだと罵倒する権利は誰にもないと思います。
 最近よくテレビ番組などでも「約20人に1人がLGBT」と紹介されていますよね? つまり、ランダムに男性を100人を集めたらその内5人くらいゲイでもまったく何の不思議もない訳です。「ランダムに」を「山本さんの男友達や仕事でお世話になっている」とか「ビブリオバトル好き中高生の」に置き換えても同じですから、山本さんが「SFって面白いんだよ」「差別はよくないよ」「ニセ科学に騙されないで」と誰かに伝えたい時、その「誰か」がLGBTやアライ(支援者)である可能性は常に意識していただきたいです。
 作中のセリフや地の文でミーナのBL好きが否定されるのを読むたび、わたしは我が身のことのようにつらいです。
Posted by ヨネマサカシラ at 2016年02月09日 07:42
 先ほどのわたしのコメントについて、一点どうしても補足説明というかお詫びしておきたい箇所があったので、すみませんが連続コメントさせてください。
 「ランダムに100人の男性を集めたら~」のくだりですが、元々この段落はその前の、同性愛は健全でノーマルな愛の形だから男性同性愛に萌える腐女子も異常呼ばわりされる理由はない、という段落に入れようと思っていたのを、「100人中5人いるからノーマルだ、という理屈では、100億人に1人しかいないならアブノーマルだ、という話になってしまうから、この文章は別のところにつなげよう」とその次の段落に移した時、腐女子の萌えの対象について語っていたからゲイに限定していたのを、うっかりLGBT全般の話に直し忘れてああなりました。ゲイ以外のLGBTの皆さま、排斥するような形になってしまいたいへん申し訳ありません。
Posted by ヨネマサカシラ at 2016年02月09日 18:27
>ヨネマサカシラさん

 価格の間違いの指摘、ありがとうございます。訂正いたしました。

 さて、あなたは僕の小説『アイの物語』をお読みでしょうか?
 あの小説の大きなテーマは、「異質なものは理解できなくてもいい、許容すればいい」というものでした。このテーマは『BISビブリオバトル部』でも貫かれています。
 部長である聡のモットーは、「自分の嗜好を他人に押しつけてはならない」というものです。

>「理解できないのは分かる。僕だって正直、BLなんて理解できない。でも、否定もしたくない。やっちゃいけない」

>「だからさ、このBIS、特にBB部は、安らげる場なんだよ。人と違ってて何が悪い。変わった趣味を持ってるからって、それがどうした。ユニークなのってサイコー!――そう胸を張って主張できる。それどころか理解者を増やせる」

 それは空や武人も同じです。
「ミーナのBL好きが否定されるのを読むたび、わたしは我が身のことのようにつらいです」? いや、2人ともミーナの趣味を理解できず、変だと思っているだけで、否定はしていませんよ。
「異常なことだと罵倒する権利は誰にもない」? 確かにその通りです。しかし、2人がミーナの趣味を「異常なことだと罵倒」している場面など、いったいどこにあるのですか? 「異常」なんて言葉は使っていませんし、ましてや「罵倒」などしていませんよね?
 つまりあなたは、作中に存在しない場面が「ある」と勝手に誤解しているだけです。

 また、あなたの主張がおかしいのは、かんじんのミーナの発言を無視していることです。

>「はあ、今どき同性愛者に対して、こんな感覚抱いてる若者がいるんだ」蟹江のツイートを読みながら、ミーナはあきれていた。「生きた化石だなあ」

 こういう台詞を読んで、僕がBLや同性愛に対して偏見を抱いていると思う人はいないはずです。あなたはこうした箇所を無視し、さらに空や武人の台詞を「異常なことだと罵倒」と歪曲することで、この小説を読んだことのない人に間違った印象を植えつけようとしています。
 そういうやり方ってアンフェアだと思いませんか?

 もうひとつ、いちばん重要なことを。
 僕の娘は現在19歳、大学生です。立派な腐女子です。
 今は『刀剣乱舞』の燭台切光忠がお気に入りで、イベントでコスプレもしていますし、グッズも集めています。もちろんBL同人誌も買っています。
 僕も妻も、娘の趣味を暖かく見守っています。妻など、コスプレ用の衣装を作ってやったりしています。
 作中のミーナの言動は、娘のそれがヒントになっている部分があります。

 そんな僕が腐女子を「異常呼ばわり」していると?
 つまりあなたは、僕が娘を異常呼ばわりしているとおっしゃっていることになりますよね?
 それは僕に対する重大な侮辱なんですが。

 もちろん、差別や偏見と戦うのは正しいことです。
 でも、誰かの著作の内容を誤読して文句をつけたり、その誤解を元に作者を差別主義者であるかのように決めつけるのは、明らかに間違っています。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年02月10日 20:13
>山本先生
まあ、さすがにヨネマサカシラさんはそんな工作をするような悪意の持ち主ではないんじゃないですかね。
そんな工作を当の作者のブログでやるなんざそんなの恐ろしい頭の悪さですし、まあ、悪意は無かったのでしょう。
ただ、いつぞやの流離の転校生さんみたいに読解力と熱意が明後日の方向に空回りしてるとは思いますがね……。
むしろヨネマサカシラさん自身が自分が腐女子なことに引け目を感じているのかもしれませんね。
まあ、山本先生には迷惑な話ですけどね。
Posted by ドードー at 2016年02月10日 20:37
そういえば、私の「山本先生は妖魔夜行の時にお祓いには行きましたか?」(山本先生の回答なし)という質問を、
「山本弘はお祓いに行った事実」と読み取った吉田清二さんという思い込みの激しい軽率な人もいましたよね。
流離の転校生さんとかもそうでしたが、ヨネマサカシラさんもおそらく同類なのでしょう。悪意は無くとも迷惑ですよね。本当に。
地獄への道は善意で舗装されているとはまさにこの事でしょうな。
Posted by ドードー at 2016年02月10日 20:57
まあ、何はともあれ今月末の発売日を楽しみにしています!
Posted by ドードー at 2016年02月10日 20:58
1巻で張られ、まだ未回収の伏線と言うと、鷲羽雄平が遂に登場するのでしょうか。
Posted by UL at 2016年02月21日 00:04
今さっき読み終わりましたが、これは一本取られましたよ。ええ、もう、伏線の数々が素晴らし過ぎですね!
P296まで読んでて、そんな長い間そんなことをしていたという彼女の心の闇に戦慄していましたが、ここからさらに……。
ここではネタバレできないので編集部にハガキを送りますが、間違いなく風景が変わりましたよ。
色々な意味ですごく面白かったので次巻も楽しみにしています!
Posted by ドードー at 2016年02月28日 16:14
読みました
期待を裏切らない面白さで一気に読了しました
『ミステリ仕立て』に関しては、先にこのブログを読んでいたので、心構えがあって気付くとが出来ました。ヒントも親切でしたし

でも、それがマイナスポイントには全くなって無くて、むしろ『やっぱり~~~』とニヤニヤ嬉しくなったほどです(と、偉そうなこと書いてますが、銀君の推理にはまったく気付かなかったです^^;)

自分はSFもミステリも大好きなので、今回も非常に楽しみました
なにより寿美歌さんの十角館の発表、めちゃくちゃ聞いてみたかったです

次巻も期待してます!!
Posted by ジョナ at 2016年03月01日 16:49
仕事で時間が取れず、購入から1週間かかって、ようやく読了。
今回も、楽しく読ませて頂きましたし、読んでみたい本も増えました。
ただ、今回は確かに感想は書きにくいですね。
タイトルが、あの小説からなのにはニヤリ。思えば、あの作家さんを知ったのも、山本先生の作品からでした→ミノタウルスのロンド です(笑)
4巻も楽しみにしてます
Posted by キャット at 2016年03月09日 14:00
先ほど読了しました!
感想は…いや〜、何を言ってもネタバレになりそうで怖いです(^_^;) ひと言だけで表せば「騙された!」(笑)
いや、叙述トリックにはこんな使い方があるんですね。しかも本人が自分で自分を「信頼できない語り手」と言い切ってるんで、実にフェア。職場の昼休みに例のどんでん返しを読んだ時には思わず声をあげちゃいました。まさしく「世界が変わった」感じです。

あ、その後の歌のシーン、泣きました。職場だったんで涙を隠すのに大変でしたよ!

コミケ編、番外編とか言いながら、もの凄く重要な位置を占めてますね。いや、まさかあれがああなって、こんな伏線になっているとは!

堪能しました。とりあえず、明日から2巻を読み直します。お風呂のシーンをしっかり吟味しながら読むつもりです!

今回も素晴らしい作品、ありがとうございました。次巻も「ゾクゾクする」作品をお願いします。

追記。iTunes Storeで「さよならジュピター」の歌、探してみます。
Posted by スバル最高! at 2016年03月09日 18:48
お久しぶりです。

読了しましたが、こう来るとは、完全に意表を突かれました。
まさか、まさか、あの人が…しかも2巻のあの場面が伏線だったなんて。

つかぬ事をお伺い致しますが、この様な作品で現存する小説のタイトルを出しちょっとした内容を紹介したり、以前先生の作品にあったような矢尾一樹の様な妖怪でしたか?を登場させる場合等、全ての権利者や、声優本人等に許可を取る必要があるのでしょうか。
Posted by nns at 2016年03月11日 17:48
 みなさま、ありがとうございます!
 かなり不安だったんですが、受け入れられたようでほっとしています。

> ULさん

 あいつは4巻に出てきます。

>nns さん

 歌詞を引用する場合はJASRACの許諾が必要ですが、小説や映画のタイトルを書いたり内容に触れるぐらいなら許諾は必要ありません。ミステリでも、過去のミステリ作品のタイトルが作中に出てくるものがよくあります。
 もちろん、トリックのネタばらしをするのはマナー違反ですが。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年03月16日 13:46
 叙述トリックもさることながら、作品そのものに凝らされたある仕掛け……ミステリである事の必然性を追及された事の証しでもあるのでしょうが、先人たちへのリスペクトが織り込まれた作品。しかもその射程がとんでもなく長い(^^!
 言及される図書の丹念なチョイスにも脱帽。「ひとめあなたに……」の地球は「宇宙魚顛末記」の宇宙魚に仕掛けられたフェイクなんですよね。壮大な騙し絵に対する一つの答えがあの作品な訳で……
 しかし今回「ビブリオバトル? 『書物戦争』ですか?」と言うボケがあまり洒落にならなくなった気がする(^^;
Posted by 魔道化マミった at 2016年03月17日 03:13
それにしてもヨネマサカシラさんが本作品を読まれたのか気になりますねぇ。
ぜひとも感想を聞きたいものです。あと山本先生への謝罪の言葉もまだですよね。
過ちを犯したら謝罪するのが人間のルールだと個人的には思ったりしますが。
Posted by ドードー at 2016年04月15日 21:47
>ドードーさんへ

 ああ確かに。
 ちなみに今回のあれは3巻になってから思いついたわけじゃないんですよね。1巻からずっと考えてた設定で、ミーナの「はあ、今どき同性愛者に対して、こんな感覚抱いてる若者がいるんだ」という台詞のすぐ後に、こっそり伏線張ってたりします。
 まあ、誰も気がつかなかったでしょうけど(笑)。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年04月16日 19:13
>山本先生
先ほどあらためて確認してみましたが本当ですね!いやはや、さすが山本先生です。
妖魔夜行やソードワールドノベルを読んでた頃から思ってましたが、山本先生はさりげなく伏線を紛れ込ませるのがやはり上手いですね。
あらためて感服いたしました!
Posted by ドードー at 2016年04月19日 00:47
葬儀に出て取りすがったというあたりが
ちと芝居じみててキャラに合わんなあと思いました。
あともっと精神の深いところで打撃を受けてそうな経緯なのにそれほどでもない。

しかし根拠事実は見つけてなかったので読み切りはできず、楽しみました。
あ、謎解き役がちょっと違和感だったかも。誰が気づいてもおかしくない潜在能力の持ち主と思いますが、彼が必然的だったかどうかが。

あと、タイトルと装丁が、怖すぎるように思います。愛は重いということとしても。

裏面は遠くの逆三角の建物に向かってカートをひく女子にするとかでオチが欲しいですね。
明日世界が滅ぶとしても、私は新刊を買いにいく!みたいな。
Posted by taka at 2016年08月10日 20:07
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