2015年12月27日

『ガールズ&パンツァー劇場版』

[ストーリー]
 華道や茶道と並ぶ女子のたしなみとして、昔から「戦車道」が普及している世界。
 西住みほの率いる大洗女子学園戦車道チームは、全国大会で優勝。それを記念して、大洗市内では大規模なエキシビジョン・マッチが開催されていた。
 そんな時、一度は撤回されたはずの大洗女子学園廃校の話が再浮上。みほたち戦車道チームも愛する学園艦を追われ、山の上の廃校で共同生活を送ることに。
 文科省との交渉の末、大学選抜チームに勝利すれば、今度こそ廃校が撤回されることになる。大学選抜チームを率いるのは、西住流と並び称される島田流戦車道の家元の娘、天才少女・島田愛里寿。
 大洗女子学園のピンチに、聖グロリアーナ、サンダース、アンツィオ、プラウダ、黒森峰など、かつてのライバル校のチームも集結、30輌対30輌の大規模殲滅戦が開始される!

 もう3回観た。正月には4回目に行こうかと思っている。 まだ『スター・ウォーズ』行ってないのに。
 実はテレビ版はそんなにハマってたわけじゃない。DVDも買ってないし、アンツィオ校の話もまだ観てないぐらい。
 でも、この劇場版はハマった!
 思わずBGM集、買っちゃいましたよ。各校のテーマが入ってるの。「ジョニーが凱旋するとき」とか「パンツァー・リート」とか。あと、ボコの歌も(笑)。
 特にエキシビジョンでプラウダ高校の戦車が登場するシーンで流れる「カチューシャ」は、やっぱり燃える。

 でね、これは絶対、劇場で観るべき!
 戦車のエンジン音、キャタピラ音、砲撃、爆発と、その音響効果は劇場でないと堪能できない。東京の立川シネマシティでは、最高の音響設備で「センシャラウンド ファイナル」による「極上爆音上映」というのをやってるんだそうで、これは東京に行く機会があったらぜひ行ってみたい。(冬コミの期間中は無理かも。人が多いだろうから)
 特に丘の上のシーンのあの大爆発は、普通の映画館(梅田ブルク)の音響でもビビったぐらいだから、さぞすごいだろうと思う。

 とにかく戦闘シーンがいい。血沸き肉躍る。
 前半の大洗での大市街戦も、テレビ版の総決算という感じで面白かったんだけど、後半の大学選抜チームとの殲滅戦がその何倍もすごい!
 単に撃ち合うだけじゃなく、頭脳戦が面白い。特にクライマックスの廃遊園地でのバトルは、奇抜なアイデアをものすごい密度で詰めこんでいて、楽しいったらない。ジェットコースターそう使うかとか、バイキングそう使うかとか。

 大勢のキャラクターにみんなきちんと見せ場を作ってるのもいい。
 劇場版で初登場の知波単学園は、前半では圧倒的な弱さを見せつける(笑)。とにかく突撃して散るのが伝統。もちろん、旧日本陸軍を皮肉った自虐ギャグなんだけど、後半、彼女たちがそれまでの戦い方をあらためてトリッキーな戦法を使いはじめてからは、見違えたように大活躍して大学チームを翻弄する。
 他にも印象的なのは、やはり初登場の継続高校。フィンランド軍の自走砲BT-42が、フィンランド民謡「サッキヤルヴェンポルッカ」をBGMに、軽快なフットワークで駆けまわる。この曲を戦闘シーンに流すってのは意表突かれました。
 模型店では今、BT-42がよく売れてるんだそうだ。分かるなあ。この映画観たら買いたくなるわ。今回、いちばんかっこいい戦車だもの。
 あとアンツィオ学園の思いがけない活躍も楽しいし、カチューシャの「撤退するわよ!」というシーンはちょっと泣かせる。

 そうして奮戦する大洗チームをものすごい勢いで屠ってゆく天才少女・愛里寿が、これまたかっこいい。
 クライマックスはその愛里寿と西住姉妹の壮絶なバトル。このへんはもう台詞すらほとんどなくて、3台の戦車が縦横無尽に走り回り、撃ちまくる。熱くなるしかない展開。

 戦闘のない中盤のシーンも、本来ならダレ場のはずなんだけど、ここも大洗のそれぞれのキャラクターの日常をこまめに描いていて、退屈しない。

 小ネタもいろいろ。「ミフネ作戦」というのは『1941』のことだろうし、選抜チームの隠し玉のアレにしても、『プラモ狂四郎』の対シミュレーションゲーマー編のオマージュじゃないかと思える。
 ほんとに細かいことなんだけど、神社のシーンで、怒ってるカチューシャの後ろでノンナが手を合わせてるのが、個人的にすごくおかしかった。戦車で境内に踏みこみはするけど、いちおう礼儀は欠かしてない(笑)。
 ノンナといえば、ノンナ(上坂すみれ)とクラーラ(ジェーニャ)のロシア語の会話はファンサービスだよね。それにしても、「ロシア語ぺらぺらでソ連戦車マニアの日本人声優」と「日本語ぺらぺらで父親がスペツナズ中佐のロシア人声優」がいるんだから、日本のアニメ界は人材豊富だ(笑)。

 アニメファンだけじゃなく、一般の映画ファンにもおすすめしたい。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にしびれた人なら、この映画にもしびれると思う。 冬休みにはぜひ。
 ちなみに、映画の冒頭に、設定とテレビ版のストーリーの解説があるので、初見の人でも支障はないと思う。分からない点は「特殊なカーボン」だと思っておけばいいから(笑)。

 というわけで、ガルパンはいいぞ!



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この記事へのコメント
立川はもうその設備のせいもあってか良い席はすぐ埋ってしまうんですよね。
年明けしばらくしたら少しは良い席で観賞できるでしょうかね。
ちなみにうちの妻は戦車を戦争と切り離した武術と考えるのは難しい様でどうやってこの面白さを伝えようか非常に悩んでいます。
Posted by ろぼ at 2015年12月27日 18:29
立川シネマシティでの極上爆音上映会を今日、観てきました。
KV-2や大学選抜の隠し玉とかの砲撃が最高にしびれました。
とにかくインターネット事前予約で満席になるほどの人気なので、この映画のために先行予約ができる有料会員になりました(有料会員の会費は6か月600円ですが、休日のチケット値引きは500円なので、それほど割高感はありません)。
もし観に行かれるなら、予約で席を取るのが前提になると思いますので、冬コミ期間中でもいいのではないかと思います。
Posted by zingoroh at 2015年12月27日 18:58
…矢張り、銃所持を規制するのが先だろう、アメ●カ。

(TV)アニメで、戦車(戦)をまともに描くのは恐らく不可能、
という「常識」を覆した「ガールズ&パンツァー」。
私も本放送時には、久しぶりにド嵌まりして視聴し、最終回では心から感動した作品「でした」。
因みに、初めてセルBDを予約した唯一の作品が「アンツィオ戦」でした。

主人公西住殿の行動原理や、作中のライバル達の言動は勿論、
監督の雑誌のインタビュー記事での言動、山本先生の記事によるチハタン学園の扱いなど、
作品のテーマ上、制作陣が非常に気を使っている事は、痛いほど理解出来ます。

しかしながら、昨今の所謂「政治情勢」や、
それを反映したかのような近時放送されている、一部深夜アニメ番組の内容を見る限り、
「ガルパン」と言えども、映画館で素直に楽しめる自信がどうしても持てないんですよ。
Posted by nns at 2015年12月27日 22:14
観てきました。

このブログを見て。


確かに面白かったのですが、このブログを見る前に観る事が出来なかったのが残念です。

浜村淳さんの顔がよぎったのは私だけでしょうか。
Posted by KAITO1412 at 2016年01月04日 01:44
ジェーニャさんは「秋葉いつき」というハンドルネームで日本オタク大賞を受賞した時から注目していましたが、少しづつ夢に近づいていく姿は素晴らしいと思いますね。頑張って欲しいです。
Posted by ジャラル at 2016年01月05日 21:37
 自分も先日に、ようやく見る事が出来ました。
 この作品で、中途半端な兵器好き少年だった過去を思い出し、戦車好きになってしまった自分。
 TVシリーズから見続け、アンツィオ戦も劇場で視聴したのですが、それらをひっくるめてなお世界観を、キャラクターたちを、より一層魅力的に描いていた事が嬉しかったです。

 中盤で、そど子たち風紀委員が自棄になり、いつも注意されてる麻子が逆にたしなめる……ってのも面白かったですが。
 高圧的に見えてメンタル弱めな桃ちゃんが、「今しっかりしないでいつするんだ」とばかりに気を張って頑張ってたのが印象的かつ魅力的でした。
 
 ガルパン、もっとこの作品世界に親しみたいものですが、二期……と言わずとも、何かスピンオフか外伝でも見てみたいものです。
 さしあたっては、「リボンの武者」あたりのアニメ化に期待!
Posted by 塩田多弾砲 at 2016年01月07日 00:11
 みなさま、ありがとうございます。
 立川の爆音上映ですが、先日、東京に行ったついでに観てきました。上京する何日も前にネットで席を予約してたんですが、すでにほぼ満席で、かなり端の方の席になっちゃいましたね。
 大阪では男性客ばっかりだったんですが、立川では女性客が1~2割ぐらいいたのが印象的でした。
 エンジン音、爆発音がいちいち内臓に響いてすごかったです。

 これでもう5回観たんで、もう十分堪能した……と思ってたんですが、今度は4DXによる上映があるんだそうで(現在、上映劇場を調整中だとか)、これは6回目行かなくちゃいけないかもしれません(笑)。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年01月15日 18:28
ろぼ氏の奥様の感覚は至って健全、正常だと思います。
「現実」を土台に構築されている世界なのに醜悪な部分を排除している。受け手は、それを認識した上で割りきっているのだろうか?
占守島の戦いの記録に、撃破されて炎上している戦車の中で日本兵の内臓がグツグツ音を立てて煮たっているという描写があったが、こんな「現実」の上に自分達の楽しんでいる世界が存在している事を理解しているのだろうか?
このコメント承認されないのなら、やっぱりアニメオタクって救いがたい現実逃避君って事ですかね。
Posted by NetrightHunter at 2016年01月23日 20:12
日本陸軍を皮肉った自虐ギャグですか…?
「現実」を考えれば笑えないと思いますが。
これが完全にフィクションなら良いのですが、西住と島田とか実在の人物の名前まで使われている能天気な世界を楽しめる感性は理解できません。
ま、結局人それぞれだと言う事でしょうが、どれだけのファンが「現実」を認識した上で受け入れているのか気になります。
Posted by NetrightHunter at 2016年01月27日 14:55
 ガルパン劇場版は確かに劇場の音もいいです。宣伝で一部をネット配信していますけど、劇場とまるで印象が違いますもの。
 砲撃の重低音やエンジンはもちろん、印象深いのはクラッチミス(?)でギアがこすれる音です。戦車は操縦したこと無いから実際はどうなのか分かりませんけど、大特車でギアチェンジを失敗するとあんな感じの音が響いて、「あちゃー」って感じになります(急いでるとやっちゃうんですよねえ)。
 おお、こんなとこまで再現してる、と感嘆しました。ところが配信では音響が響かないからほとんど印象に残りません。
 音を聞くだけでも劇場にお金を払う価値がある映画だと思います。
Posted by 北長六功 at 2016年01月29日 02:09
> NetrightHunter さん

『艦これ』でもそうですが、ミリタリー・ファンというのは総体的に普通の人よりも戦争についての知識が豊富で、どんな悲劇や残虐行為があったか詳しく知ってる場合が多いです。素人が乏しい知識を元に、旧日本軍を褒めるようなことを言ったら、めちゃくちゃツッコまれまくります。

http://togetter.com/li/912378

 このへんの問題は『幽霊なんて怖くない』で、部長と武人の論争という形で取り上げたので、お読みいただけると幸いです。

http://hirorin.otaden.jp/e420754.html

>「さっき、お前が言うた“大勢の人が亡くなったという史実を忘れてる”ってところや。そんなん忘れてるユーザーなんかおるか! みんな知ってるわ。知ったうえで、ゲームはゲーム、現実とは違うと割り切って遊んでるんやないか。“史実を忘れてる”なんて批判は、まさに自分の頭の中のフィクションを、現実と混同してるんや」

 僕としては部長のスタンスに賛成で、たとえ入り口がゲームやアニメであっても、戦争を知るきっかけになるのはいいことだと思っています。興味を持たず、何も知らないまま生きるより、はるかに。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年01月31日 18:51
>北長六功さん

 確かに、YouTubeに上がってる公式映像見ても、やっぱり音がもの足りないんですよね。

https://www.youtube.com/watch?v=Am_aHKUh-uc

 いちおうDVDが発売されたら買うつもりではいますが、家ではあの素晴らしい音響を味わうのは、なかなか難しいと思います。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年01月31日 19:02
返信ありがとうございます。
山本氏の作品、及びアンチ・オカルトのスタンスは支持しますが(特に「詩羽がいる街」が大好きです)、気になっている話題だったので、いささか無礼なコメントをさせて頂きました。
こういう作品の支持者の多くは兵器のスペックや戦闘の日時、展開、結果等データ的な事には詳しくなっても、一人一人の兵士の置かれた環境への関心、知識は低いままなのでは?
「艦これ」ファンの何割が帝国海軍における「バッター」と言う言葉の意味を知っているのでしょうか?
Posted by NetrightHunter at 2016年01月31日 20:08
>劇場の音

 あーその臨場感分かります!私の場合、劇場だけでなくライヴでも体験しましたが、内臓にも響くことがありますよね。
Posted by toorisugari at 2016年01月31日 22:15
「詩羽のいる街」でした。
作品名を間違って申し訳ない。
Posted by NetrightHunter at 2016年02月10日 19:32
先日、4DXでの上映を見に行ってきました。

リビングでだらだら見る癖がある私にとって、
映画は疲れてしまう印象がありましたが、
(しかも座席が動く・・・)
疲れる暇も無いくらいのあっという間の時間でした。
とにかく大迫力!!!

4DXはいいぞ!
すごくいいぞ!!
Posted by ひまこ at 2016年02月29日 09:22
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