2015年11月23日

『ハヤカワ文庫SF総解説2000』

『ハヤカワ文庫SF総解説2000』
早川書房 1500円+税 11月20日発売


 小さい写真だとよく分からないでしょうけど、この表紙、ハヤカワ文庫SFの表紙がばーっと並んでるんですよ。
〈SFマガジン〉に三回分載された企画をまとめたもの。帯には「文庫創刊から現在まで2000点の書影・書誌データ」を全収録」とあるけど、正確には『ターザン』シリーズで未刊に終わったのが4点あるので、書影は1996点です。
 僕以外には、こういう豪華執筆陣。

縣丈弘、秋山完、東浩紀、天野護堂、池澤春菜、石和義之、いするぎりょうこ、礒部剛喜、乾石智子、卯月鮎、榎本秋、海老原豊、円城塔、大倉貴之、大迫公成、大野典宏、大野万紀、大森望、岡田靖史、岡本俊弥、小川一水、岡和田晃、オキシタケヒコ、忍澤勉、小田雅久仁、尾之上浩司、尾之上俊彦、小山正、風野春樹、片桐翔造、香月祥宏、勝山海百合、鼎元亨、樺山三英、川又千秋、菊池誠、北原尚彦、木本雅彦、日下三蔵、久美沙織、倉田タカシ、coco、五代ゆう、小谷真理、小林泰三、酒井昭伸、堺三保、坂永雄一、坂村健、笹本祐一、佐藤大、佐藤道博、塩澤快浩、下楠昌哉、新城カズマ、水鏡子、鈴木力、スズキトモユ、瀬尾つかさ、関竜司、添野知生、代島正樹、高槻真樹、高橋良平、立原透耶、巽孝之、田中啓文、タニグチリウイチ、東野司、飛浩隆、鳥居定夫、酉島伝法、中野善夫、中藤龍一郎、中村融、七瀬由惟、鳴庭真人、難波弘之、二階堂黎人、仁木稔、西崎憲、西田藍、西村一、野崎六助、野尻抱介、橋本輝幸、長谷敏司、林譲治、林哲矢、東茅子、東雅夫、福井健太、福江純、福本直美、藤井太洋、藤田雅矢、藤元登四郎、船戸一人、冬木糸一、冬樹蛉、古山裕樹、片理誠、細井威男、細谷正充、牧眞司、増田まもる、丸屋九兵衛、宮風耕治、深山めい、六冬和生、森晶麿、森下一仁、森奈津子、八代嘉美、八杉将司、柳下毅一郎、山岸真、山本弘、YOUCHAN、遊山直奇、ゆずはらとしゆき、横道仁志、吉上亮、吉田親司、吉田隆一、渡邊利道、渡辺英樹

 どんなSFがあるかだけじゃなく、誰がどの本をどういう風に紹介しているかを見るのも楽しい一冊。「ほう、やっぱりあの人はこの作品が好きなのか」とか、逆に「えっ、この人がこれを推薦する!?」という意外性があって面白いです。 二階堂黎人さんが〈ペリー・ローダン〉シリーズと〈ターザン〉シリーズを紹介してたり、田中啓文さんが〈ドック・サヴェジ〉紹介してたり。
 僕が紹介したのはこうした本。

ラインスター『青い世界の怪物』
アシモフ『ミクロの決死圏』
ヴァン・ヴォクト『地球最後の砦』
ローマー『突撃!かぶと虫部隊』
ウィリアムスン『航時軍団』『パンドラ効果』
ホワイト『宝石世界へ』
シュミッツ『悪鬼の種族』
キャンベル『暗黒星通過!』
クラーク『天の向こう側』『前哨』『10の世界の物語』『明日にとどく』『楽園の日々』
クラーク&バクスター『過ぎ去りし日々の光』
マッコーラム『アンタレスの夜明け』
モフィット『木星強奪』
スティス『マンハッタン強奪』
アンダースン&ビースン『臨界のパラドックス』

 いやあ、執筆者間の競争がきびしかったです(笑)。人気のある作品はたいてい先に誰かに先に取られてるんですよ。イーガンもソウヤーもベイリーもホーガンもティプトリーも好きなんだけど、1冊も取れませんでした。
 クラークは短編集が意外に人気がなくて、僕にかなり回ってきたんだけど、本当は『渇きの海』がいちばん好きなんですよね。ストルガツキーの『ストーカー』とか、ハリスンの『テクニカラー・タイムマシン』とかも書きたかったなあ。 レムの『星からの帰還』や、シェクリイの『人間の手がまだ触れない』、ムーアの『暗黒神のくちづけ』も。
 このうち、他に書き手がいなくてしかたなく引き受けたのは、『地球最後の砦』と『暗黒星通過!』ぐらい。他はどれも面白いです。『宝石世界へ』 は「夢幻潜航艇」がすごく影響受けたし、『サイバーナイト』の艦隊戦のシーンは『アンタレスの夜明け』 に刺激を受けたもの。あっ、もちろん『時の果てのフェブラリー』のヒントは『ストーカー』です。
 それにしても、『青い世界の怪物』『航時軍団』『悪鬼の種族』あたりに立候補者がいなかったのが、ちょっと驚き。面白いのに!
 まあ、『突撃!かぶと虫部隊』や『マンハッタン強奪』あたりは、僕しか褒める人間はいないかなという気がするんですが(笑)。


タグ :PRSF

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この記事へのコメント
いつもブログ、楽しみにさせていただいてます
この本、購入しました
非常に読み応えがあるし、楽しいです
名作・傑作といわれる作品もまだまだ読んでないのが多い未熟者ですので、今後に生かしたいです
山本先生紹介の『ミクロの決死圏』ものすごく読んでみたくなりました。映画のみの知識なので、たしかにあの潜水艇気になってました(笑)

ちなみに…この形で創元SFの方も出してくれないかなーと思ったのはしょうがないですよね(笑)
山本先生に惑星カレスの魔女とか書いてほしいです
Posted by ジョナ at 2015年12月20日 11:23
こんにちは。
『かぶと虫部隊』は巽孝之氏がSFを読み始めた頃
の思い出の一冊として「~なんて最高だったではないか」と、以前エッセイでコメントしておられました。
あとつぐもとれいこと宮武一貴氏が『聖戦士ダンバイン』でダンバインをデザインするときのヒントにされたとか。以上、既にご存じであれば大変失礼いたしました。お仕事頑張ってください。
Posted by 通りすがり at 2016年01月24日 20:50
>通りすがりさん

 確かに、昆虫をベースにしたデザインはダンバインに通じるものがありますね。
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年01月31日 19:22
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