2015年03月30日

『怪獣文藝の逆襲』

『怪獣文藝の逆襲』

角川書店 2052円 発売中
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見届けよ。
世紀の大決戦がいま、幕を開ける

怪獣と特撮を愛してやまない作家、映画監督、気鋭のコンセプト・アーティストが大集結!!
希代の怪獣マニアたちの筆が生みだすオリジナル怪獣が、縦横無尽に暴れまわる、夢の競作集。

迫力に満ちたカバー絵を手掛けたのは、『GODZILLA』『ハンガーゲーム2 キャッチングファイア』『レ・ミゼラブル』『寄生獣』『進撃の巨人』『ターミネーター ジェネシス』ハリウッドで活躍するコンセプト・アーティストの田島光二。

ここでしか味わえない驚きと興奮を、ぜひご堪能あれ。

【本書に収録されている作品】
樋口真嗣「怪獣二十六号」…秘蔵の怪獣映画の企画書、本書で初公開!

大倉崇裕「怪獣チェイサー」…怪獣省のベテラン職員が直面した、いまだかつてない危機。

山本弘「廃都の怪神」…密林の奥深く、先住民に育てられた白人少年が遭遇した恐るべきモノとは?

梶尾真治「ブリラが来た夜」…突如現れた怪獣に呼応するように、血族に隠された戦慄の事実が明らかになる……。

太田忠司「黒い虹」…謎の転校生と奇妙なTVドラマ「世紀の大怪獣ドノポリカ」との意外な関係とは?

有栖川有栖「怪獣の夢」…幼い頃から夢を見る。血にまみれ、おぞましく、神々しい怪獣の姿を……。

園子温「孤独な怪獣」…園監督初の怪獣小説! 映画監督を夢見る貧乏青年が語る、知られざる怪獣映画とは。

小中千昭「トウキョウ・デスワーム」…東京の地下に巣食う巨大な生物はいったい何なのか?

井上伸一郎「聖獣戦記 白い影」…元寇に立ち向かう家清の前に現れた黒い影の正体とは。


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 怪獣小説のアンソロジーです。
 前に『怪獣文藝』という本が出た時に、「何でこの企画で僕に声がかからなかったんだ?」といじけたもんでしたが(笑)、今回はちゃんとお声がかかりました。
 僕の作品「廃都の怪神」は、アフリカ奥地の秘境を舞台に、野性の少年ティムが邪教集団の崇拝する怪獣と対決するという話。1996年にメディワークスから出たアンソロジー『ドラゴン殺し』のために書いた「密林の巨龍」と同じシリーズなんですけど、覚えてる人いますかね?
 時系列的にはこっちの事件の方が一年前という設定にしてます。(「密林の巨龍」ではティムは13歳、「廃都の怪神」では12歳)
 19年ぶりのシリーズ第2作ですよ。このシリーズ全部書けるのは、何年先になることやら。

 樋口真嗣さんの「怪獣二十六号」は、幻に終わった怪獣映画の企画。怪獣を番号で呼ぶなど、『MM9』と似てる設定ですが、実は『MM9』より前の企画なんだそうです。 大倉崇裕さんの「怪獣チェイサー」もやっぱり『MM9』っぽい世界観。僕は逆に、「山本弘だからどうせ『MM9』だろう」と予想する人がいるだろうから、わざとぜんぜん違う話にしました。
 もっとも「密林の巨龍」を読み直してみると、怪獣は白人文明の世界観とは異なる世界の存在なんで、その近くでは銃が使えなくなる……という、多重人間原理みたいな設定を使ってるんですよね。この頃から『MM9』っぽい発想してたんだな。

 KADOKAWA代表取締役専務の井上伸一郎さんの初の小説「聖獣戦記 白い影」は、元寇に怪獣がからむという歴史もの。ネタバレになるので詳しくは書けませんけど、クライマックスでみんな驚くはず。いやー、権利持ってる強みだなあ(笑)。
 実は昨年、お会いした時に、二人とも怪獣映画が好きなもんで、怪獣の話をさんざんしたんですよね。その時に、僕がぽろっと口にしたちょっとしたアイデアがあるんですが、後で井上さんに「あのアイデア使っていいですか」と言われて、「どうぞどうぞ」と返事しました。こんな見事な小説になるとは、感慨深いです。

 怪獣小説というジャンルはまだまだ可能性があって、アイデアしだいでもっといろんなバリエーションが生み出せると思うんですよ。現代日本にこだわることはない。前に『トワイライト・テールズ』で、アメリカやタイやコンゴを舞台にしましたけど、他にもいろんな国を舞台にしていいし、他の惑星や異世界を舞台にしてもいいはず。夢枕獏さんや宮部みゆきさんみたいに、時代ものにしてもいい。舞台の数だけ異なるドラマが描けるはずなんです。SFにもミステリにもホラーにもギャグにもラヴロマンスにもできる。
 他にも、僕はからんでませんけど、洋泉社から『日本怪獣侵略伝 ~ご当地怪獣異聞集~』という怪獣小説アンソロジーも出るそうで、期待してます。今年は怪獣小説の当たり年になるかも?
日本怪獣侵略伝 ~ご当地怪獣異聞集~


タグ :PR怪獣

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この記事へのコメント
>山本先生
>前に『怪獣文藝』という本が出た時に、「何でこの企画で僕に声がかからなかったんだ?」といじけたもんでしたが(笑)、

ええ、私も「なんでこの企画に山本先生を呼ばないんだ!?」という失望から『怪獣文藝』の購入を見送ってたのですが、今回は購入しますよ!
とても楽しみです!!
Posted by ドードー at 2015年03月30日 19:34
しかしまあ、高校時代に図書室で偶然見つけたアンソロジーで出会ったティム君と再会できる日が来るとは感無量ですね!
「地球移動作戦」にも出てませんでしたし、このまま忘れられていくのかと思っていたのですが本当に良かったです。
重ね重ね読むのが楽しみです。
Posted by ドードー at 2015年03月30日 21:56
 以前に自分のMIXIの日記にて、「小説で怪獣がもっと盛んにならないものか」と書いたことがありましたが。
 それが徐々に実現していくようで、すごくわくわくしております。

 考えてみれば、「電光超人グリッドマン」の「コンピューターウイルス=怪獣」ってのも、怪獣という存在に広がりを与えたものかなと、今にして思います。
 シリアスもギャグも、コメディもホラーも、何でもできる。むしろ今までがバリエーション少なすぎたんじゃないかと。
 自分も、こういう怪獣を産み出せる力、発想力と筆力とが欲しいです。
 
Posted by 塩田多弾砲 at 2015年03月31日 02:12
小説も頑張って欲しいですが、ウルトラマン関係以外では製作されなくなった怪獣映画も見たいですね。ゴジラ復活という話もありますが・・・。
Posted by ジャラル at 2015年03月31日 21:11
読みました!しかし、「密林の巨龍」を読んだ時も思いましたけど、山本先生の作品でターザンでありながら性別が男なんて珍しいですねぇ。
山本先生の作品のターザンキャラで性別が男なのってティムくんと妖魔百物語のあの人しかいないくらいレアですよ。そういう意味でも珍しいシリーズだと思いますね。
ストーリーはストレートな冒険活劇でしたけど個人的には物足りない感じです。機会があればまたティムくんに会いたいですね。
Posted by ドードー at 2015年04月03日 12:01
実は「怪獣文藝」は持っており、楽しく読めたのですが、「山本先生は書いてないのか・・」と思っていました。
その続刊が出て、且つ山本先生の作品が入っているというのは読者としては嬉しい限りで、さっそく購入しました。

あと一つだけ先生に訂正を求めますが、「山本弘だから”どうせ”MM9だろう」という人はそんなに多くないと思います。
「山本先生”なら”MM9だろう」と期待しているMM9ファンや先生の書く小説のファンはたくさんいますよ!
Posted by けんけん at 2015年04月03日 14:31
 みなさま、ありがとうございます。ティムを覚えている方がおられたのには感激しました。
 この後、僕は書いてませんけど、洋泉社から『日本怪獣侵略伝 ~ご当地怪獣異聞集~』というアンソロジーが出ましたし、6月には筑摩書房から小路幸也『怪獣の夏 はるかな星へ』という長編怪獣小説が出るそうです。今年は怪獣小説の当たり年みたいですね。怪獣好きとしては嬉しい話です。
Posted by 山本弘山本弘 at 2015年05月11日 17:06
>「山本弘だからどうせ『MM9』だろう」と予想する人がいるだろうから

 …そんな悲しいことは仰らないでください。ドラマ版は山本さんの納得なされるものではなかったようですけど…

 山本さん自身の多才さは、もっと前面に出されるべきです!
Posted by toorisugari at 2015年05月11日 22:46
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