2015年02月04日

Monty Oum氏、死去

 昨日、流れてきた驚きのニュース。慌ててRooster Teethの公式情報を確認しに行った。

http://roosterteeth.com/members/journal/entry.php

 以前から健康を害していたらしく、治療中にアレルギー反応を起こして急死したらしい。
 享年33歳。
 よく有名人の訃報のたびに「早すぎる死」とか言われるけど、これはあまりにも早すぎる。

 僕が初めてこの人の作品を目にしたのは、2007年10月。ニコ動に転載された「Dead Fantasy Ⅰ」。びっくりして公式に配信された動画に飛んだ。
『ファイナルファンタジー』と『デッド オア アライブ』の女性キャラたちが戦うという3分ちょっとの作品。


 これだけでもすごいのだが、次の「Dead Fantasy Ⅱ」はさらにすごかった。10分以上ある動画のほとんどが戦闘シーン! しかも単純な繰り返しじゃなく、塔の上→塔の側面を落下→マグマの上を流れる岩の上→氷の上、とステージを変えながら、ありとあらゆるアクションを見せてくれる。
 塔の側面を滑り降りながらのバトルなんて、「そんなアホな!」「ありえねー!」と思いつつも、ものすごいスピード感と迫力に見入ってしまう。

 Monty Oumの描くアクションの魅力は、その「流れ」だ。このキャラがこうきて、それに対して相手がこう動いて、それに対してさらに……という一連のアクションの組み立て、日本で言うところの「殺陣(たて)」がものすごく流麗で絶妙なんである。
 もちろん、たくさんのゲームをさんざんやりこんだ成果なんだろうけど、単なるゲーム再現じゃなく、いろんな面白いアイデアが山のように詰めこまれている。
 これは「二次創作」なんて概念を軽く振り切ってる。完全に自分の世界にしてしまっているのだ。
 だいたい、これだけの長さと密度の動画のコンテを切るだけでも、大変な労力のはず。好きじゃなきゃできるわけがない。
「この人は女の子を戦わせるのが好きで好きでたまらないのだなあ」というのが僕の印象だった。

 だからOum氏がオリジナルのシリーズ『RWBY』をはじめた時には狂喜したもんである。しかもキャラクターが見事に日本のアニメ風の美少女で、やっぱりすごいアクションを見せまくる!

 このトレイラーにしても、ルビーの武器クレセントローズの描写がとにかく素晴らしい。変形して射撃用と格闘戦用の両方に使える武器なんて、僕ら日本人はそれこそ日曜朝の番組で見慣れてるんだけど、ここまでかっこよく表現してみせるとは。

 あと、やっぱり、ルビーのかわいさ。いや、もちろんワイスもブレイクもヤンもいいんですけど。
 これまでのアメリカのアニメでも、『ティーンタイタンズ』みたいに、日本のアニメの要素を取り入れようとしていた作品はあった。それはそれで誇るべき傾向だとは思うけど、やっぱり日本人の目から見て、「何か違うなあ」という苛立ちは感じていた。
 だが、『RWBY』にはそれがない。日本の「萌え」文化を完璧に理解して、吸収している。ゲームだけじゃなく、きっと日本のアニメも見まくったはず。
 これは好きじゃないと作れない。
「美少女が戦うアニメを作りたい」という欲求と、類まれな才能が一致して、『RWBY』が生まれた。

『RWBY』は第2シーズンが終わったところ。主要キャラクターが出揃って、おそらく最終的には、敵味方が入り乱れるものすごいクライマックスが構想されていたはず。
 ぜひ続けてほしいと思う反面、あんな超絶的なコンテを切れる人が他にいるのかと、少々不安でもある。

 とにかく早すぎる。
 早すぎるよ、ちくしょー!
 僕はあんたの作ったアニメをもっともっと観たかったんだよ!

 これから世界的に有名になっていくはずだった才能が失われたことが、残念でならない。


タグ :RWBYアニメ

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この記事へのコメント
 これから……という時なのに。どうして。
 自分もRWBYは、日本語版が展開してから楽しもうかな……と思ってたのに。本当に残念です。
 心より、ご冥福をお祈りします。
Posted by 塩田多弾砲 at 2015年02月04日 20:01
山本さんのツイートを拝読して知りました。私は足元にも及びませんが、同じクリエイターの方が一人亡くなられたことはショックです。

33歳とは…私も数年で同い年ではないですか!Montyさんも無念でおられたことでしょう。

改めてご冥福をお祈り致します。
Posted by toorisugari at 2015年02月04日 23:33
なんだかケルトの妖精リャナンシーの伝説を思い出してしまいましたね。
美しい乙女の姿をした妖精リャナンシーに愛された芸術家は、さらなる才能を与えられるが代償に生気を吸われて死に至る。
故に優れた芸術家は短命なのだと……。きっと失われた若き才能へのやるせない想いがこの妖精を生み出したんでしょうなぁ。
いつの時代も若き才能が失われたことに対する想いは同じでしょうな。私も残念に思います。ご冥福をお祈りします……。
Posted by ドードー at 2015年02月05日 14:08
「ホビット」のP・ジャグソン監督のようになっていたかも知れないのに残念です。
Posted by ジャラル at 2015年02月06日 07:00
信じられません、

山本先生のブログで教えて貰い、これからの創作物を楽しみにしてました。
熱意のある人が、早くいなくなってしまうことが非常に惜しいです。

こうして、理解してくれるファンの方が功績を表し伝えてくれる事が、せめての最高の手向けだと思います。ご冥福をお祈りします。
Posted by アリ at 2015年02月06日 10:35
俺は日本語版がでて日本でもブームが起きて、数年後には世界中で映画化まで夢にみていました。
残念です。
Posted by かるがも at 2015年02月10日 12:32
山本弘さんもTwitterで呟かれていましたが…
『RWBY』日本語スタッフ、Ruby役を早見沙織さん、Weiss役を日笠陽子さん、Blake役を嶋村侑さん、Yang役を小清水亜美さんがご担当決定で発売!おめでとう御座います。
エピソード3がどうなるかまだまだ先行きが分かりませんが…まだまだ『RWBY』が続きますように。
それがMontyさんへの、せめてもの供養だと思っています。
Posted by toorisugari at 2015年06月25日 17:11
http://natalie.mu/music/news/155117


また一人、若き才能が……。ボカロって現代のリャナンシーなんでしょうかねぇ……。
人生これからだったでしょうに。悲しいです……。ご冥福をお祈りします。本当に……。
Posted by ドードー at 2015年08月04日 23:01
え、嘘…。この記事で始めて知りました。
何と言うか、もの凄いショックです。
ご冥福を祈ります。
本当に悲しいです。素晴らしい作品をありがとう。
トレーラー見て本当に感動しました。
Posted by Ryu at 2015年11月15日 12:22
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