2013年11月13日

「インディアナポリス」問題:クトゥルフ関係

 僕以外の例も挙げておこう。
 クトゥルフ関係の著作が何冊もある森瀬繚さんのツイッターより。『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典』(ソフトバンククリエイティブ)の裏話。

http://togetter.com/li/588541

>インディアンについては、まあ先住民族で妥協するとして、最大の問題はアレですよアレ。「The Blind Idiot God」! こいつをどう扱えば良いのさ畜生め。あ、「畜生」は小説のセリフでは大丈夫かもですけれど、解説書の類の地の文ではNGかもですね。>SB社基準

>最初はシレッと「盲目にして白痴の神」と書いといたわけですが、ニッコリ笑った編集担当氏から「ダメに決まってんだろこのクソボケ、さっさと書き直せ」(大意)という返事が来るのは必定でした。この戦いは、実に3週間に及び--。

>最終的に、これもダメだろうなーと半ば思いつつ「痴愚」で出してみたところ、恐怖の校正チェックを何とか潜り抜けることができたとの報が。というわけで、『ゲークト』のアザトースは「目の見えぬ痴愚の神」になった次第。まあ、他にもいろいろあったのですけど、最後までひっぱったのはこれでした。

 ああ、「The Blind Idiot God」は確かに悩むよね。
 ちなみに僕は、『クトゥルフ・ハンドブック』(ホビージャパン)の39ページで、「白痴で盲目の絶対神アザトース」という言葉を堂々と使ってる。しかし編集者には何も言われなかったし、抗議もまったくなかった。まあ25年前の本だけど。

 他にも、知り合いの時代小説作家が、「編集者が“盲船”(めくらぶね)という言葉を使わせてくれない」と嘆いていたのを聞いたこともある。厚い板で囲った軍船のことで、視覚障害者とは何の関係もないのだが。
 この時はどうしても編集者が折れないので、しかたなく、存在しない言葉をでっち上げて使ったという。

 知り合いの編集者からもう15年ぐらい前に聞いた話だが、「こいつは俺の片腕だ」という表現は自粛して、「こいつは俺の右腕だ」と書くのだそうだ。左利きのキャラクターの場合はどうするんだろう。
 どうしても片腕とか片眼のキャラクターを出したい場合、「隻腕」「隻眼」と書けばいいのだそうである。何で「片」がだめで「隻」ならいいんだろうか。分からん。

 はっきり言えるのは「○○という言葉を使ったら抗議が来る」というマスコミ関係者の思いこみは、ほとんどの場合、被害妄想で根拠がないということ。
 そもそも誰が「盲船」や「片腕」にクレームつけてくるって言うの?
 ドスエフスキーや坂口安吾の『白痴』に抗議が来たなんて話は聞いたことがないよ。



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