2013年11月09日

「インディアナポリス」は差別語か?

 先日発売された創土社の『超時間の闇』だが、その中に収録された僕の原稿について、ちょっとしたトラブルがあったことを報告しておきたい。
 
 ゲラチェックも完了して編集部に返送した後、10月17日になって、編集者から電話がかかってきた。「一箇所直してほしい」というのである。
 オクラホマの田舎の農家の主人が、近くに住んでいる学者について語っている箇所だ。時代設定は1940年である。

>「いや、大学で数学を教えてたとか聞いたな。今はこのあたりで、インディアンの塚を調べてる」

 この「インディアン」が差別語だから「先住民」に変えてくれというのだ。
 いや、1940年のアメリカ人、しかも田舎の農夫が 「先住民」なんて言ったらおかしいじゃん。「インディアン」と言うのは普通でしょ?
 ちなみに、僕も地の文では「先住民」という言葉を使ってる。ここは台詞だから「インディアン」でないといけないと思ってこうしたのである。
 でも編集者は、「“インディアン”という言葉を使ったら100%抗議が来る」と主張する。いや100%は来ないでしょ。

「1人でも不快に思う人がいるなら、その言葉を使うのを控えるべきだと思うんです」

 いやいやいや、それ危険思想だから! 出版業界の人間が自分の首を絞める行為だから。
 だって、どんなことを書こうが、不快に思う人間は絶対いるんだから。世の中には『ガールズ&パンツァー』や『艦隊これくしょん』を不快に思う人間だっているんだから(バカバカしい話だけど事実)。「1人でも不快に思う人がいるなら」書いちゃいけないってことになったら、文章なんて何も書けないよ。
 まして創土社はホラーを出しているのだ。特にラヴクラフト作品は人種偏見の要素が強い。たとえば差別的表現を使わずに「レッドフック街怪事件」をどう紹介するっていうの? 

 抗議が来ることを恐れてるらしいけど、日本在住で日本語が読めるアメリカ先住民の方が『超時間の闇』を読んで、一箇所だけある(しかも差別的なニュアンスを含まない)「インディアン」という単語に抗議してくるってことなのか? もちろんそんな可能性はゼロではないけど、そういう人はまず、アメリカ国内にある膨大な西部劇の中の「インディアン」という言葉に抗議するんじゃないだろうか。

「そう言えば今、西部劇はどうなってるんですか? 『ローン・レンジャー』とかは?」
「あれも吹き替えで“インディアン”という言葉は“先住民”に変えてるそうです」
「吹き替えでは……ってことは、原語では“インディアン”って言ってるんですよね?」
「はい」
「じゃあ、“インディアン”を“先住民”に言い換えてるのは日本だけ?」
「いえ、日本だけではないと思いますが……」

 意味がない。
 そもそも「Indian」という言葉を「Native American」と言い換えることについては、当のインディアンの人たちからも反対の声があるという。なぜなら「Native American」と言ってしまうと、アラスカのイヌイット(この言葉についても議論はあるんだけど)やハワイの先住民なども含むことになり、いわゆる「American Indian」という集団を指す言葉がなくなってしまうのだ。
 逆に「Native American」を「American Indian」の同義語とすると、それ以外のアメリカ先住民の存在が無視されることになり、それはそれで問題である。

http://en.wikipedia.org/wiki/Native_American_name_controversy

 僕は前に小説で「インディアン」という言葉を使ったけど、何の問題もなかったことを編集者に説明した。『シュレディンガーのチョコパフェ』に収録した「闇からの衝動」だ。時代設定は1936年、場所はインディアナ州のインディアナポリスである。

>「インディアンの遺跡じゃないでしょうか」彼は意見を述べた。「このあたりはインディアナポリスというぐらいだから、昔はインディアンが大勢住んでたんでしょう?」

 これ、最初に『LOGOUT』に発表した時も、早川の短編集に収録した時も、何も言われなかった。もちろん抗議なんかなかった。

「“インディアン”という言葉を使っちゃいけないってことは、“インディアナポリス”という言葉もダメなんですか? 実在の人物が住んでた実在の場所なんですけど」
「“インディアナポリス”は……難しい問題ですね」

 そりゃ難しい問題だわ(笑)。
 それでも編集者は折れない。僕一人の問題だったらもう少しねばったんだけど、今回の本は共著である。僕が意地を張ったせいで出版が遅れたら、他の著者に迷惑がかかる。かと言って、素直に改変に応じた場合、事情を知らない読者に、「山本は1940年の話なのに“先住民”なんて言葉使ってやがる!」と嘲笑されるのもしゃくだし……といったことを考え、僕はこう言った。

「だったら“先住民”に変えてください。その代わり、ブログでこの経緯を説明させていただきます」

 編集者がほっとした様子で「それでいいです」と言ったので、ここでこうして経緯を紹介するしだいである。 僕は“先住民”という言葉を使いたくなかったけど、編集者に不本意な改変を強いられたということを。
 もうほんとに、こういう問題は面倒だ。

 マスコミのみなさん! 「インディアナポリス」も差別語ですか? 使っちゃいけないんですか? 外国作品に「Indianapolis」という単語が出てきたら、「センジュウミナポリス」とか言い換えなきゃいけないんですか?
「Indiana Jones」は「センジュウミナ・ジョーンズ」ですか? 『センジュ・ジョーンズ/最後の聖戦』?
 星座の「インディアン座」も「先住民座」に変えるんですか? 
 あと、「テン・リトル・インディアンズ」が使えなくなったら、クリスティの『そして誰もいなくなった』はどうなっちゃうんですか?

 僕も差別には断固反対な立場だけど、歴史的に正しい用法で、しかも差別的意図を含まない表現まで規制しないでほしい。何も考えずに、機械的な言葉の言い替えだけで済ますのは、単に厄介な問題から目をそむけているだけ。それこそ差別だから。



同じカテゴリー(メディアリテラシー)の記事画像
「イルミナティカード」でテレビに出たのはいいけれど……
鬼怒川決壊をめぐるデマ・3
鬼怒川水害をめぐるデマ・2
鬼怒川水害をめぐるデマ・1
お前の行為はアイコンに恥じないものなのか?
彼らは調べようとしない・2
同じカテゴリー(メディアリテラシー)の記事
 と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・4 (2016-11-22 18:02)
 と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・3 (2016-11-22 17:53)
 と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・2 (2016-11-22 17:35)
 と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・1 (2016-11-22 17:16)
 「イルミナティカード」でテレビに出たのはいいけれど…… (2016-08-06 20:52)
 『幻解!超常ファイル』裏話 (2016-06-18 19:14)

この記事へのコメント
電子書籍って、こういうの切り替えて表示できないんでしたっけ?
Posted by egdavez4 at 2013年11月09日 18:33
> もろちん抗議なんかなかった。
先生、「もちろん」です!

『そして誰もいなくなった』については、近年英米でも "Ten Little Soldiers" に変えられているものがあるらしいですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E8%AA%B0%E3%82%82%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F#.E5.B7.AE.E5.88.A5.E7.94.A8.E8.AA.9E.E3.81.AE.E6.94.B9.E7.B7.A8.E3.81.A8.E6.94.B9.E9.A1.8C
Posted by Kow at 2013年11月09日 19:21
これが「リアリストたち」冒頭の例の一件ですか。
差別撤廃の崇高な理念というより事なかれ主義のニオイがしますが、
まあ、創土社も在特会やかの国のような者たちと関わり合いになりたくないという気持ちはわからんでもないです。
リスクを減らしたいんでしょうけど根本的な解決にはならずまた別の新たな問題を生みそうですねぇ。
Posted by ドードー at 2013年11月09日 19:25
BIA(Bureau of Indian Affairs(米国内務省インディアン事務局)は、いったいどうやって説明すればいいのでしょう?(笑)
Posted by ふーるどっぐ at 2013年11月09日 21:10
山本先生の感覚が普通であり、同意です。

日本には不自然な差別問題が多すぎて、リスクが怖いのでしょう。

言葉を狩るよりも、内容で吟味するのが本当は正しいのでしょうね。
Posted by アリ、 at 2013年11月09日 23:59
「1人でも不快に思う人がいるなら、その言葉を使うのを控えるべきだと思うんです」

ああ…確かにそれは駄目ですね。
自分は「発達障害」という障害を抱えてて、例えば『まど☆マギ』みたいな「鬱展開」の作品が苦手なのですが、
流石に、自分みたいな少数派の意見で、そうした作品が規制される事になったら、それはそれで違うんだろうな、とは思っています。

私もつい、自分が苦手なものに対し「無くなってしまえ!!」と、短絡的な感情を抱く事がありますが、
その事が、誰かの首を絞めるのならば、その気持ちを抑える道を探らなければ、と思っています。

話が、変な方向にズレたかも知れません。
失礼致しました。
Posted by 大海笑 at 2013年11月10日 00:49
BTTF3で西部時代にタイムスリップしたマーティが「Indian!」って叫んでるのに字幕では「ネイティブアメリカンだ!」とめちゃくちゃ不自然なセリフになっていてげんなりしたのを思い出しました。
さっさとやめて欲しいです、こういった無意味な言葉狩りは・・・
Posted by 安冶 at 2013年11月10日 03:06
 封印作品シリーズの安藤賢二氏が著書『封印作品の憂鬱』の中で「オタク系コンテンツに関わる人々の多くは、まるでパノプティコンの独房の中にいるようだった。」と、述べられてましたが、この編集者は典型的なパノプティコンの囚人ですね。
 どうしても気になるのなら注釈とかつければいいと私などは思うんですけどねぇ。昔の映像作品を放送する際「この作品には現在では差別的とも取れる(中略)放送当時のまま放映します」ってテロップ出すみたいに・・・
Posted by 餃子少年 at 2013年11月10日 08:14
なにかあった時にリスクを負うのは出版社ですから、そういう事にならざるをえないと思います。
出版も結局、商売ですし、そのリスクを負うほど儲けの出る作品ではない、という事でもあるのではないでしょうか。
逆に作中で差別的な用語として使われていた方が、ひょっとしたら、通り易いんじゃないかという気もしなくはないんですが……。
Posted by とおりががり at 2013年11月10日 08:48
>クリスティの『そして誰もいなくなった』はどうなっちゃうんですか?

確か、最新の翻訳版では"Ten Little Soldiers"に改編されてるんじゃなかったですかね。
これは別に日本だけのことじゃなく、欧米で出版されているものも改編されてるらしいですよ。

そもそも、クリスティが書いた初版では"Ten Little Niggers"だったんです。
題名もこれが使われており、これじゃ出版できないってことでアメリカで"And Then There Were None"に題名が変えられ、童謡の歌詞も"Ten Little Indians"に変えられたって経緯が有るんですから、そもそも"Indians"にこだわる意味が無いんです。あくまでこの作品に関してだけの問題ですけど。
Posted by D+ at 2013年11月10日 10:11
地の文ならともかく、登場人物のせりふでもだめ、となったら、例えば差別主義者のせりふなどはどうするんでしょうか。
日本版リメイクの『許されざる者』で、同じ対象を登場人物によって「アイヌ」、「土人」と使い分けていて、ああ、この人なら、こういう言い方するよな、と納得しましたが、そういった表現手法が使えなければ、不自然になってしまいます。
Posted by davs at 2013年11月10日 17:04
先日のBSの怪奇大作戦「オヤスミナサイ」はそのまま放映していましたね。
というか、これまでこの回がセリフカットされたりしたことはあったんでしょうか?

最近それどころじゃないせいか話題に上りませんが、「エチゼンクラゲ」も地元クレームで問題になって、「巨大クラゲ」という呼称にしたようで、難しいなあと思います。
Posted by フィルムセンター at 2013年11月10日 18:03
物言いが不愉快ですね。
訴えられれば良かったのに。
Posted by てしご at 2013年11月10日 18:53
モーターレースの世界三大の一つ「インディ500(インディアナポリス500マイルレース)」とか、どうするんですかね?
センジュウミナポリス500(センジュウミン500)ですか。
Posted by クリーブランド・インディアンズ at 2013年11月10日 21:30
この手の言葉狩りは本人は気にしてなくて、周りが騒いでいることがほとんどですよね。
またはこの問題に絡むことで利益を得られるゴロがさわぐ。
シーシェパードと同じですよ。

だから個人的には断固反対姿勢ですね。引き下がってもつけあがるだけなので。
無理が通れば道理が引っ込む、をやられてしまう。ならば面倒でも戦うしかないんだろうな、と。
Posted by なまえ at 2013年11月10日 23:16
こちらのブログは、件の編集者の方のものなのでしょうか?

ずいぶん的外れな反論がされていますね。

快喜呟草~「インディアン」という差別語について~カテゴリー:編集日記 投稿:2013/11/10 20:19
http://cthulhu8soudosha.blog.fc2.com/?no=28
Posted by ふーるどっぐ at 2013年11月11日 03:33
NHKでは「(アメリカン)インディアン」も「エスキモー」もOKです。
本人たちがそう自称しているからです。
特にインディアンは「インディアンとして迫害されてきた歴史」
を忘れさせないためだそうです。

もちろん、地名としてのインディアナポリスもインディアナ州も問題ありませんし
アメフトのインディアナ・コルツ、ワシントン・レッドスキンズや
メジャーリーグのクリーブランド・インディアンスも無問題です。

言葉狩りをいとわない編集者にはホントに困りますね。
Posted by moti at 2013年11月11日 13:37
山本先生ならご存じでしょうが、「そして誰もいなくなった」では、当初「黒人」だったんですよね。アフリカの黒人。
それが差別的だというので(抗議があったかは聞いていませんが)インディアンに変更されて。
そもそもマザーグースの原文も、
北原白秋「まざぁ・ぐうす」では「十人の黒ん坊」なんですよね。
Posted by てんてけ at 2013年11月11日 15:16
同感です。かつて文筆業をしていた老爺ですが、レベルの低い編集者ほど差別用語だ差別用語だと騒ぎ立てるようですね。本来の編集作業そっちのけで。

なにか、用語に目くじらを立てることが自らの知的水準の証明になると思い込んでいるようなフシがあります。しかし、本質は編集者の責任回避でしょう。

かつて筒井康隆氏が断筆宣言をしたときに述べたように、病的な正義感が日本社会には横行している。それが編集者を心理的に束縛するのでしょうが。

むやみに著作権保護の延長を言い立てる風潮と、根は同じような気がします。
Posted by Date Suikyoh at 2013年11月11日 17:18
共同通信社「記者ハンドブック第12版」のpp.519~524には「差別語、深い用語」という項があります。「5 人種、民族の表記」には「その民族自身が名乗る呼称を使う」とあり、インディアンについては「インディアン→使用可」とあります。ただし「インディアンうそつかない」などの比喩表現は避けるようにと指示があります。
Posted by Hareno at 2013年11月11日 20:58
はじめまして。
私は図書館戦争という作品が原作から好きなのですが、
この記事を読んでドキッとしました。
似たような題材が取り扱われているからです。
文句をつけたがる人は、どんなに丁寧に拾って行っても、
無理矢理にでもアラ探しをしてくる人も中にはいますよね。
それを「ひとりでもダメ」とするのは、表現の自由がこの先保証され続けるのか、図書館戦争のように「メディア良化法」ならぬものが制定されて厳しく取り締まられるようになってしまうのか・・・
私は小説などが大好きです。音楽も舞台も好きです。もし表現の自由が保証されなくなったら、きっと今のような世界には戻りづらくなるんでしょうね・・・。
私たちの世代も、ずっとあとの世代も、皆が自由に表現できる社会があることを願います。
Posted by 瑠桜 at 2013年11月12日 00:43
 インディアンはダメなんですか? じゃあ、名作劇場の「トム・ソーヤの冒険」に出てくるインジャン・ジョーなんか、どうなんでしょうね? ※インジャンはインディアンの蔑称。
 あのキャラクターには、蔑称以前にマーク・トゥエインのアメリカ先住民に対する偏見がにじみ出ていますけどね。
Posted by ももい at 2013年11月12日 01:24
この理屈で言うと上記の
インディアナ・ジョーンズの「最後の聖戦」も原題ではラスト・クルセイダー(十字軍)だから
イスラム教徒から苦情が来るかもって事も考慮しないといけなくなりますよね。
アメリカでそんなクレームがあったなんて馬鹿馬鹿しい話、私は聞いたことありませんが。
Posted by なごやん at 2013年11月12日 02:58
先生の文庫版,全て読みました、面白かったですよ(単行本は高いし、大きいし)、ついでに ”シャナナ”も・・・(先生の趣味満載ですね)
その中では ”地球移動計画” が最高でした♪、これからもこのタイプの作品をぜひ!!

次回作(文庫化)期待してます、頑張って下さい。
Posted by KIM ura at 2013年11月12日 09:07
呉智英の「中国を支那と呼ぶのが駄目なら、支那そばも駄目なのか?」みたいなもんですな。
Posted by ロールパンナコッタ at 2013年11月12日 11:14
私も細々とですが、山本さんと同様ものを書いて生きている人間です。
以前、似たような経緯で言葉を直させられたことがあります。
抵抗したけど、ダメでした。

で、文中でおっしゃられているように、前例を引き合いに出して
「あっちはいいんですか?」って尋ねたら、
「あれは前のなのでいいんです。厳しくなったので……」と言われました。

さらにつっこんで聞いてみると社内で不快用語のリストがあるみたいです。
でも、それをくださいと言ったら「ないことになっているので申し訳ないんですが……」と断られました。
つまり、差別用語を差別用語として扱っていること自体がタブーのようでした。

また、同じ企業で差別用語に関する講演会というのが新人研修の一環として開かれるというので担当に誘われて参加しました。
そこで講演者としていらしていた大学の先生がおっしゃるには
「なんでもかんでも差別差別って言うことはよくない。そういうのが差別意識を助長するのだ」
(やはりこれも上記で山本さんがおっしゃっていることと同様ですが)
つまり研修ではこのような言葉狩りめいたことはしてはいけない、と言っているのに、
現場では「言葉狩り」が行われているのが現状なのです。

そう言えば「人身売買」についての描写も(言葉ではありませんが)カットさせられたことがありましたね……。
決して肯定的に書いていない、していた登場人物(完全に悪役として位置づけられている人物)が最後に罰せられるような展開のストーリーだったのに、人間を売り買いするような表現そのものに問題があると言われて……。
結局、売買しているシーンは書かない、売買してますよという言葉も書かない、でも、ストーリー自体は変えないという中途半端な修正で、一部意味のわからない物語になったこともありました。

言葉に差別があるのではなく、差別する意識が言葉に宿るんだと私は言いたくて仕方がありません。
例え「めくら」を「目の不自由な人」と言い換えても、その言葉に差別意識が宿れば「目の不自由な人」だって差別用語になってしまうでしょう。
こうした規制がエスカレートしたら、そのうち、上の人身売買のように「目の不自由な人」たちすら物語に出すことをはばかられるようなことになってしまうのではないかと恐ろしくてなりません。
Posted by ヒロシ at 2013年11月12日 14:00
山本先生、初めまして。「MM9」で初めて先生の
作品を読んでから興味がわき「地球移動作戦」、
「神は沈黙せず」等を読破し現在「サーラの冒険」シリーズを読んでいます。

山本先生の今回の近況を読むと
有名な話ですがマンガ「覚悟のススメ」で敵の幹部が
親指を折って「4鬼!」と描写されている個人的には
別に差別表現でもなんでもないシーン
(現実でも買い物などでこれ4つ下さい!とか指さす事はあるはずです)にもかかわらず
5本指全てがピンと立っているシーンに描き直された
エピソードや数年前にようやく藤子F先生の
「ジャングル黒べえ」が完全版として復活した事などを思い出しました。

その編集者さん1人を悪く言うつもりは毛頭
ありませんが、先生のおっしゃる通りまさに
機械的な言葉の言い換えで臭いものに蓋どころか、臭い臭と皆が言っているから
とりあえず開けないでおこう、
近づくのさえ勘弁だ、という考え方が未だにまかり
通っているのだな、と悲しくなりました。
Posted by 深爪オブ・ザ・デッド at 2013年11月12日 17:02
>Kow さん

 ありがとうございます。修正しました。

>ドードーさん

 ぜんぜん違います。「10月17日」って書いたでしょ?
 あれはぜんぜん別の一件です。

>D+さん
>てんてけさん

 ご指摘ありがとうございます。僕はずっと「10人のインディアン」で親しんでたもので。

>moti さん

 まあ、当然でしょうねえ。インディアナ・ポリスもそうですが、アメリカ国内ですでに定着している多数の「インディアン」という単語を、今さらみんな変えるなんてできませんからね。

>深爪オブ・ザ・デッド さん

 あの「4鬼!」というシーンは、編集者が部落解放同盟に問い合わせ、「問題なし」と言われたにもかかわらず修正したのだそうです。
 解放同盟が「問題なし」って言ってるのに描き変えるなんて、いったい誰のために規制してるんですかね。
Posted by 山本弘山本弘 at 2013年11月13日 18:48
>Kowさん
 なんという呼称でしたっけ?最初と最後の文字があっているなら途中の順序が逆でも普通に読めてしまう現象…
Posted by toorisugari at 2013年11月13日 20:10
>山本先生

私の早とちりでした。すみませんです。しかし、そうなると似たような事がもう一件あるんですか……。根深いですね。この問題……。
Posted by ドードー at 2013年11月14日 02:38
>「1人でも不快に思う人がいるなら、その言葉を使うのを控えるべきだと思うんです」

「先住民」という言葉に不快感を抱く人が、一人くらい居てもおかしくは無いと思うんですよね。そういう人からクレームが来たら、この編集者はどうするんでしょう?
Posted by スバル最高! at 2013年11月14日 12:58
インディアンという言葉には、歴史が刻まれています、日本人が触るべき物ではないです。

何も言わず残してやるべきです、後に各々が彼らの歴史を知る手掛かりとして。
Posted by アリ、 at 2013年11月14日 21:54
寺沢武一著「コブラ/黄金とダイヤ編」で「インディアン」という台詞が新版では全部「ランドマスター」に変えられていたのを思い出しました。
「この星のランドマスターはみんな乳母車に乗っているのか?」てな具合に。始めて見た時は何のことやら理解するのに時間がかかった。
Posted by 鉄也 at 2013年11月16日 04:54
http://ch.nicovideo.jp/shuhosato/blomaga/ar391341

 「ブラックジャックによろしく」「海猿」「特攻の島」でおなじみの漫画家・佐藤秀峰さんが山本さんの記事を取り上げた上で、「デマがいっぱい」を題材に記事を立ち上げておられました。
 ネーム内の台詞を勝手に変えられたり、映画「海猿」の続編を無断で製作されたり、プライバシーを潰されるほどの取材を受けたり等々散々な目に遭われながらも漫画家としての己を貫く秀峰さんに、クリエイターの端くれとして色々思うところがあります。
 山本さんと秀峰さんが作者同士の新たな人間関係を作り、更なる新作が生み出されるかも…などと妄想してみたり。
Posted by toorisugari at 2013年11月20日 02:45
インディアナポリスはともかく、クリーブランド・インディアンズやワシントン・レッドスキンズは愛称やロゴについて変更の要請や訴訟が起こされているので、まったくの無問題というわけではないと思いますが。

私個人は、これについて改変の是非について論じられる立場に無いと思っています。チームのファンやオーナーと先住民の方々で合議してください、という立場です。
Posted by めかちゅーん at 2013年11月27日 10:27
自分もインディアンという表現は問題発言でも何でもないと思いますよ。

http://englishtransration.blog.jp/archives/4086349.html

アメリカ人はindian=America indian=native Americanをほぼ同じように使っていると思います。

昔のインディアンの『インジャン』という表現がまずいわけでインディアンは問題にはならないと思いますが。

正論!Nice!
Posted by 英語独学への道 at 2014年03月08日 17:11
 その編集者や出版社は志が低いなあ、と思いました。 
 「図書館戦争」シリーズの言葉狩りを連想する方も多いでしょう。でもあれは、それに反対する人々が気骨を示す話ですから痛快なわけで。
 「路傍の石」を思い起こします。検閲で修正を強いられ、「ペンを折る」ことになった小説。著者・山本有三氏によると、社会主義者が登場したことが問題になったのだと。その社会主義者の言動、ましてや作品内容ではなく、ただ社会主義者が登場したことが検閲にかかったのだと。
 いまの視点からすると理不尽きわまりない。しかしこれは軍の強権発動ゆえ。出版社が自分で、問題がある言葉だからと、内容関係なしに抹消していくのは、もっとタチが悪い。
 抗議が来たなら、きちんと説明すればいいではないか。弁明を公表する手段はいくらもあろう、出版社なのだから。むしろ、これで抗議してくる無知を正す良い機会ではないか。正しいことをしているのなら、何を恐れることがあろうか。
 事なかれでその労を厭うのなら、それは出版という文化を扱う者として怠慢である。
 このような行為は文化を衰退させる愚行だと、断じざるを得ません。
Posted by 北長六功 at 2016年01月30日 23:16
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。