2013年07月09日

「SFのネタは科学ニュースから探そう!」報告

 遅くなりましたが、先月のSF&トンデモNIGHT#23「SFのネタは科学ニュースから探そう!」の報告を。
 今回は『日経サイエンス』の記事の中から、SFファンとして注目すべきニュース、SFのネタになりそうなニュースを探して紹介するというものでした。実はここんとこ、トークのネタが尽きてきていて、苦し紛れの企画だったりするんですが(笑)、「今回は客の入りが少ないだろうな」と覚悟してたら、意外に多くてびっくり。受けも良かったんですよ。
 過去3年分の『日経サイエンス』を持って行ったんだけど、けっこうはしょったつもりなのに、結局、半分も紹介できませんでした。『サイエンス』には面白い記事がまだまだ多いし、もちろん『サイエンス』以外の科学本もたくさんあるんで、この企画、シリーズ化できそうです。
 当日、取り上げた記事はこういうもの。重要性・話題性ではなく、「どれだけ面白いか」「SFのネタになるか」が基準。東日本大震災や原発事故関連、PM2・5、iPS細胞のニュースなんかは、みんな知ってるだろうからはずしました。

【2012年4月号】
・身体の錯覚を自由に操る科学者
・犯罪予報システム
【2012年6月号】
・宇宙100兆年の未来
・失われた大陸ララミディアの恐竜
【2012年7月号】
・平面国の量子重力
・息を止められる限界
【2012年8月号】
・特集 太陽異変
・恐怖の記憶を消す薬
【2012年9月号】
・年輪に記録された謎の放射線バースト
・特集 ヒッグス粒子
・極超新星
・パンデミックとバイオテロ
【2012年10月号】
・押し返すクッション
・特集 マイクロバイオーム 細菌に満ちた私
・南極メルトダウン
・ウソから出た大発見
・月探査レース「Xプライズ」
【2012年11月号】
・塗って作る電池
・特集 コズミックストーム
・脳丸ごとシミュレータ
【2012年12月号】
・睡眠者の殺人 意識と無意識の境界を問う
・脳で動かすパワースーツ
・100万年かければわかること
【2013年1月号】
・超長期のデータ保存媒体
・余剰次元を探る
【2013年2月号】
・特集 サイコパスの秘密
・温暖化で寒くなる冬
・雷雲からガンマ線
・もうジャンクとは呼ばせない
【2013年3月号】
・ダイヤモンドの惑星
・DNAを必要としない生命体
・血糖で動くペースメーカー
・政治家に見る反科学主義
【2013年4月号】
・「お酒で超電導」から室温超電導へ
【2013年5月号】
・隕石の衝撃 スペースガードの現在
・ナイーブな食物網
【2013年6月号】
・よみがえったウジ療法
・特集 天才脳の秘密
・覆る活性酸素悪玉説
・ロボット蜂は飛ぶ
・人類の起源 崩れる祖先像
【2013年7月号】
・今秋、天の川銀河中心に注目
・放射性物質でマグロを追跡
・Qビズム 量子力学の新解釈
・バイオニック義肢
・燃料コストの真実

 タイトルを見るだけでわくわくするけど、記事の内容もエキサイティング。

「自由に『幽体離脱』を作り出せる科学者がいて、被験者の意識をバービー人形の中に閉じこめられたと思わせることにも成功したんだよ!」
「今、太陽の黒点活動に重大な異変が起きているんだよ!」
「奈良時代に地球は謎の高エネルギー放射線バーストに見舞われたんだよ!」
「人間の体には細胞の数の10倍もの微生物が住み着いていて、その存在が脳の活動にも影響を与えているんだよ!」
「量子暗号の理論は、超常現象に興味のある科学者が唱えた『超光速通信機』の論文から生まれたんだよ!」
「2023年にはスーパーコンピュータのメモリがエクサフロップスに達して、脳を丸ごとシミュレートすることが可能になるんだよ!」
「データを3億年も保存できる記録媒体が完成したんだよ!」
「雷雲の中では反物質が生まれていて、強烈なガンマ線を発しているんだよ!」
「宇宙には地層がダイヤモンドでできた惑星があるんだよ!」
「DNAじゃなくXNAでできた人工生命体を創ろうとする研究があるんだよ!」
「恐竜を滅ぼした小惑星は、メキシコのチクシュルーブに落ちたやつじゃなく、インド沖に落ちたやつかもしれないんだよ!」
「頭に電極をつけるだけで、マッチ棒パズルの正答率が上がるんだよ!」
「ウジ虫を傷口にたからせる療法が再び注目を集めてるんだよ!」
「今年の秋、銀河中心の巨大ブラックホールに、地球の質量の2倍もあるガス雲が衝突するんだよ!」

 などなど、「な、何だってーっ!?」と叫びたくなる話ばかり。もちろん研究の中には、まだ正しいかどうか分からないものも多いんですが、SFのネタとしては使えそう。
 司会の井田さんもツッコんでたけど、意識をバービー人形の中に閉じこめるとか、犯罪の発生を事前に予測するって、フィリップ・K・ディックの世界ですよね。単語に対する反応速度を計ることでサイコパスかどうかを判定するというのも、まるでフォークト‐カンプフ検査だし。
 あと、ダイヤモンドの惑星というと、トム・ゴドウィンの「発明の母」だし、認知的脱抑制という概念はレイモンド・F・ジョーンズの「騒音レベル」そのもの。SF作家の空想に現実に追いついてきてると感じます。
 僕が『サイエンス』を読むのは、SFのネタを拾う意味もあるけど、こういう最新のニュースを常に仕入れておかないと、いつ何がひっくり返るか分からない怖さがあるから。「ジャンクDNA」なんてネタはもう使えない。活性酸素が老化を促進するという説が覆ったというのもショック。老化を防ごうと抗酸化ビタミンとかを大量に摂取したら、逆に癌で死ぬ確率が増えるんだそうです。
 あー、確か『サイバーナイト2』で、細胞内のフリーラジカルを除去して老化を遅らせるって説明、書いた気がするぞ(笑)。

 データを3億年保存できる記憶媒体というのも、目からウロコでした。やっぱり『サイバーナイト』で、超古代文明の残したメッセージがどうやって現代まで残ってることにするかで(紙や電子的記録は1万年も残らない)、さんざん悩んだ末に、超微細加工技術で硬い物質の表面に文字を彫るという手を思いついたんだけど、記事を読むと……なるほど、そういう手があったか!

『サイバーナイト』といえば銀河中心の巨大ブラックホール。20年以上前に書いた頃は、まだ質量がよく分かってなくて、太陽質量の300万倍に設定したはずなんだけど、今は430万倍ということになってるらしいです。
 それに今まさに、ガス雲が衝突しようとしている! いや、厳密に言うと銀河中心から2万6000光年ぐらい離れてるんで、2万6000年前に起きた衝突をこれから観測するわけなんですけどね。

 それにしても「幽体離脱」、体験してみたいですね。ビデオカメラとヘッドマウントディスプレイ、それに棒が2本があれば簡単にできるらしいんで、科学博物館とかで実演やってくれませんかね。

(方法の解説はこちら)↓

http://ameblo.jp/mitsulow/entry-11145594921.html


タグ :サイエンス

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この記事へのコメント
始めまして。最近スマホデビューした
jzyともうします。

しかし、超光速ニュートリノの時には
あんな盛り上がったのに、今回は静かですなあ。
ねたが拡散している上に、キャッチィな話題が少ないせいでしょうか。

でも、先生一押しの幽体離脱の話題は、サイパンの、、、失礼サイバーパンクの洗礼をもろに受けた40代としては、色々と想像が膨らみますな。
少し違いますけど、あの記事を読んで最初に頭に浮かんだのが、
「あーこれネット経由の遠隔で出来たらもろにジャックインだなあ」
でしたから。
しかも対象はバービー人形。

それと、被験者を二人用意して、互いの認識を入れ換えるのが可能になれば
リアル「転校生」状態が可能に?!
、、、今なら「僕と彼女のXXX」かなあ。


と、色々と愚考が脳みそのなかを駆け巡るのですが。皆さんそのあたり、どうですか?

それでは乱文失礼しました。
Posted by jzy at 2013年08月29日 02:10
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