2013年03月11日

「FBI超能力捜査官」が透視したオウム逃亡犯

 前に告知した「超常現象に迫る!オカルト番組を10倍楽しむ教室」の体験講座が、昨日、神戸新聞文化センターで開かれました。

http://hirorin.otaden.jp/e269356.html

 今回のメインは『FBI超能力捜査官』シリーズのウソ暴き。前に『超能力番組を10倍楽しむ本』や『と学会年鑑BROWN』とかでもやりましたけど、あれで全部じゃないんですよね。他にも山ほどウソがあるんです、あの番組。
 この日は開催場所にちなんで、神戸を舞台に、ジョー・マクモニーグルが行方不明の女性(北朝鮮への拉致が疑われている)を捜索する回(2005年4月10日放映)と、大阪を舞台に、麒麟の田村裕の父親の居場所を探す回(2007年9月25日放映)を紹介しました。どちらも、マクモニーグルの描いた地図が実際の地図とぜんぜん合わないのを、スタッフが何とか合ってるように見せかけている小細工が笑えます。
 また、昨年のASIOSのイベントでもやりましたが、2005年4月10日放映の『FBI超能力捜査官』第8弾の中で、当時まだ逃亡中だったオウム真理教の菊地直子と高橋克也の行方を透視するくだり。

 マクモニーグルは、菊地直子の写真を見てこう言います。

マクモニーグル「この女性はターゲットとしてふさわしくありません。もう死んでいるからです。おそらく1996年に死んでいます」


 高橋克也については、

マクモニーグル「彼が今いる場所を強く感じます」
(島の地図を描きはじめる)
マクモニーグル「この場所にいる。日本ではない。東南アジアの小さな島。彼はここにいる」
マクモニーグル「彼は山の中の小さな村で暮らしている。テロリストの組織……もしくは海賊などに匿われている」

 マクモニーグルが描いた島の地図を、司会のみのもんたが「これ、すごい似てない?」と言って、インドネシアの地図と比較してみせます。

みのもんた「この湾になってるとこと、この島が……はっはあ、驚きましたね、これ」

 しかし画面上では、地図にぼかしがかかっていて、本当に島の形が一致しているのかどうか分かりません。
 でも、地図と比較してみると、みのもんたが指さしている位置は、ジャワ島の東にあるスンバワ島であることは間違いありません。
 はい、実際のスンバワ島を見てみましょう。

http://maps.weblio.jp/content/%E3%82%B9%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AF%E5%B3%B6

 これっぽっちも似てねーよ、みのさん!
 思うに、これは最初から放映ではぼかしを入れる前提で、スタッフがみのもんたに「すごい似てない?」と言わせたんじゃないでしょうか。いくらみのもんたの目が節穴でも、これを「似てる」と思うはずがない。
 たぶんスタッフは「いちいち世界地図と見比べるようなヒマな視聴者なんていやしない」と侮ったんでしょうね。いや、僕みたいな視聴者もいるんですけど(笑)。バカにされたもんです。

 この番組にはナンシー・マイヤーとジョン・オリバーも出演していて、やはり菊地直子の写真を見て透視します。

マイヤー「この写真からは彼女(菊地直子)が生きているという反応が感じられません。亡くなっています」


オリバー「彼女(菊地直子)は彼(高橋克也)と行動を共にしていません。なぜなら彼女はすでに殺されていて、大きな山の中に埋められています。富士山です」


 というわけで、「菊地直子はすでに死んでいる」というのが、3人の「FBI超能力捜査官」の一致した見解でした。
 実際はどうだったか、みなさんご承知の通りです。

 この「超常現象に迫る!オカルト番組を10倍楽しむ教室」、他にもオカルト、心霊写真、UFOなどを扱ってゆく予定です。写真じゃなく動画でないとよく分からないネタもあって、本にしづらいネタも多いです。

 詳しい情報・お申し込みは、神戸新聞文化センターまで。
(直リンクはできないので、画面右の「講座で探す」から、「山本弘」または「超常現象」で検索してください)



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この記事へのコメント
とうの菊地直子本人はどういう思いでこの番組を見てたんでしょうねw
まあ、見てないかも知れませんが。

こういういい加減なTV番組で、ウソばっか垂れ流すから、
TVはウソばかり、真実はネットにある系の人が増えているんじゃ無いかと思います。
Posted by 秘密指令1919は本当だ(キリッ at 2013年03月12日 07:10
思うのですが、こんな悪質な嘘だらけな番組は
法律で規制することはできないのでしょうか?
番組を放送したスタッフを処分するとかしないのはなぜか?
もし、可能なら規制すべきだろうか?
Posted by 通りすがり at 2013年03月12日 13:07
>通りすがりさん

 難しいですね。『FBI超能力捜査官』や『TVのチカラ』などは特にひどい例ですが、オカルト番組でなくても、ヤラセや捏造というのはどこのテレビ局の番組でも行なわれているものです。なかなか根絶できないでしょう。
 今朝も産経新聞の朝刊にこんなニュースが載っていました。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130313/waf13031308150006-n1.htm

 こういう事件はたぶん氷山の一角だと思います。
Posted by 山本弘山本弘 at 2013年03月13日 12:13
 規制よりも、時間がかかるのは確実ですが番組作りについて根本から見直さなければならないと思います。
Posted by toorisugari at 2013年03月13日 13:59
こういう適格な指摘はお見事だなと思います。
子供のころ、オカルト的な物、世界の不思議とか好きでしたね。
Posted by アリ at 2013年03月13日 18:02
山本先生今晩は。

著書から拝見する限り、先生は、マスコミがこの手のインチキ番組を流すことが許せないようですが、およそある程度表現の自由が許容された社会において、所謂商業マスコミ(的な媒体)がこの手の誇張、ねつ造をするのは、ある程度致し方の無いことなのでは無いかと思います。

仮に法規制をした場合、悪質な故意のインチキ報道のみならず、結果とし間違った報道をしてしまった場合も罰せられることになる危険があるような気がしてなりません。
特に我が国においては、刑罰付きの法を遡及的に適用する事に対する危険性が十分に認識されていない上に、死ぬかもしれない事を承知で生徒を殴りまくっていたヨットスクールの先生よりも、運転ミスで子供を轢いてしまったドライバーの方がより強く非難されるなど、故意よりも過失がより重い罪と認識される傾向があるので、尚更です。

正直この件については、子供の頃から、「TVだって商売でやっているのだから、ある程度嘘がある」と言う事を地道に教育し、「民放なのだから」という前提でTVと付き合っていくしか無い様な気がしますね。
Posted by nns at 2013年03月15日 20:55
逆に言うと、ネットに真実がある…系の人は、テレビニュースや新聞読んでなくて、さらに家に引きこもってるから、報道されてる事が現実世界に起こってるのを確認してないんじゃないでしょうか? で、捏造バラエティーは気楽に視れて、余計混乱する、と。

天気が悪くて不作と報道されれば、スーパーで野菜が高騰するし、消費税アップや消費税還元セールの規制のゴタゴタなんて、政治と生活が直結してる出来事です。そういう皮膚感覚っていうか、嘘を見破る経験則の蓄積がない。

オレなんかサンフラワーサークル(マルチまがい商法)の集会見物に行きましたし、御光信仰?の道場?見物にも行きました(神道系だったんで、驚いた!)。あわよくば洗脳が解けないかっていうのと、キリスト教に触れるいい機会になるかなと、エホバの証人の人の個人授業にも一年付き合いました。もちろん引っかかったりしてません。

詐欺を見破る目と科学合理主義者たらんとする精神は、あの頃からちっともブレてないですよ。
Posted by ギルス at 2013年05月06日 11:29
というのは、肉体は、そのままであっても、「魂」自体が産まれた時の魂と入れかわっていて、本人であることの確認がとれなかったのかもしれない。超能力者と言われる人を軽視しないほうがいいよ。
Posted by 間違いとは、言い切れませんよ。 at 2016年02月15日 16:15
>間違いとは、言い切れませんよ。さん

 そういう奇想天外で荒唐無稽で非科学的な仮定の導入を許したら、どんな矛盾でも説明できてしまいます。よって、それは何も説明したことになりません。この理屈、お分かり?

 あと、「超能力者と言われる人」は軽視してよいです! そういう人たちが犯罪捜査でどれほど役に立たないかは、こちらの本をお読みください。
http://www.amazon.co.jp/dp/4903063089
Posted by 山本弘山本弘 at 2016年02月16日 19:41
↑そーかー、魂が入れ替わると島の形も変わるのかー。自称超能力者の魂も入れ替わっちゃって、知能も凡人以下に低下したかも知れませんな。狸の魂でも入ったかな?

 柳田理科雄氏に話をさせた後、間違ってるって検証ビデオを流してた番組もありました。スタジオの芸人も「やっぱり」て感じだったので、毎度のことかも知れません。まー、彼自身、過去の人なんで視聴率稼げなかったみたいではあります。
Posted by 理力不足 at 2016年03月06日 12:02
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