2011年06月22日

今月の『SFマガジン』は初音ミク特集

『SFマガジン』2011年8月号は初音ミク特集です。発売日は6月25日。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/721108.html

特集・初音ミク
 世界的な人気を得るにいたった日本発の「歌姫」、初音ミクのSF的想像力に迫る。山本弘、野尻抱介、泉和良による小説のほか、エッセイ、インタビュウなどで構成する。
表紙イラスト:KEI(描き下ろし)

[特集内容]
小説
○「喪われた惑星の遺産」 山本 弘
○「DIVAの揺らすカーテン」 泉 和良
○「歌う潜水艦とピアピア動画」 野尻抱介

インタビュウ
佐々木渉インタビュウ インタビュアー&構成:新見 直(KAI-YOU)
内海 洋インタビュウ インタビュアー&構成:卯月 鮎
前山田健一インタビュウ インタビュアー&構成:編集部

エッセイ
○「ミライのクルマ――未来派からミクへ」 飯田一史
○「初音ミク、その越境するキャラクター的身体について」 濱野智史
○「初音ミクを縛るのは誰?──ヴォーカロイドを巡る法律問題」 小倉秀夫
○「しまった!~または、ボカロ現象に、今からでも遅くない、SF大賞メディア部門賞を!」 難波弘之

○初音ミク・イラストレーションズ・ギャラリー bob / usi

 僕も長編『輝きの七日間』の連載を1回お休みして、ミクを題材にした短篇SFを書かせていただきました。
「もしも人類滅亡後に太陽系を訪れた異星人が金星探査機〈あかつき〉を拾ったら」
 という話です。ギャグのつもりで書きはじめたら、最後は意外に感動的な話になってしまいました。

 編集さんの話によれば、今号は予約が殺到しているとか。さすがミク、人気すごいです。つーか、『SFマガジン』が特集組むのが遅すぎたのでは? ミクって3年も前に星雲賞を受賞してるんですが。

 僕はこの時、観客席にいました。「本日、初音ミク様はご欠席です」には笑いましたね。
 初音ミクという、単なるソフトウェアを超えた特異なムーブメントには、この前年の9月、発売直後あたりから注目していました。この年のSF大会でも、野尻抱介氏やクリプトンの方を招いて、「ボーカロイドが世界を侵蝕する」と題したパネルをやったんでした。『地球移動作戦』を連載していたのもこの頃。あれから3年か。早いなあ。

 なんか「流行りものに便乗するのはよろしくない」みたいなストイックなことを言う人がいるみたいなんですが、僕はSF界はもっとあざとく売ってもいいと思うんですよね。むしろ、SFファンだからこそ、こういう新しい概念に注目すべきなんじゃないのかなと。
 だいたい、ミクはすでに単なる流行じゃなくなってます。これから何十年、ひょっとしたら何百年も生き残るキャラクターじゃないかと思うのです。サンタクロースやドラキュラやシャーロック・ホームズのように。
 今回の小説も、そういう想いをこめて書きました。

 そうそう、『地球移動作戦』のマイカの名前の由来がミクだろうと言う人がよくいるんですが、マイカの元ネタは『サイバーナイト』の人工知能MICAですので、お間違えなく。
 



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この記事へのコメント
久し振りにSFマガジン買いますかね?
いや、輝きの七日間は単行本狙いですから(笑)
小説を連載で読むのは苦手なので。
Posted by ろぼ at 2011年06月22日 15:08
>「流行りものに便乗するのはよろしくない」

 誰なんですか、そんな勘違い発言をする人は。みっくみくにしてあげますよ。(←これが言いたかっただけですごめんなさい)

 もうひとつ、「言いたかっただけ」なことを(というより、只の思いつきなのですが)一言。
 お逝きなさい、そしてGo to heaven!(スカイハイ)
Posted by toorisugari at 2011年06月22日 16:20
(すいません、最初に誤って途中で書き込んでしまったので、そちらは削除してください)

>だいたい、ミクはすでに単なる流行じゃなくなってます。これから何十年、ひょっとしたら何百年も生き残るキャラクターじゃないかと思うのです。サンタクロースやドラキュラやシャーロック・ホームズのように。

 同意。というか、ミクそのものは既に存在自体SFではなかろうかと、ちょっと思ってました。
 人工的に作り出した、仮想現実内のアイドルキャラクター。それが架空の物語でなく、現実のこの世界に存在している! こんな日が現実に来るなどと、十年前二十年前には思ってもみませんでしたね。

 ウィリアム・ギブスンも、初音ミクについて言及してましたっけね。今回は日本人作家のみのようですが、今後はぜひ海外のSF作家の方々に、初音ミクを題材にした作品を書いていただきたいところです。
 海外でもコンサートが開催されるそうですし、今後もミクはもっともっと活躍してってほしーなあ。

  
 
Posted by 塩田多弾砲 at 2011年06月22日 16:30
すでにご存じとは思いますが…。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14790752

残念なのは構造上、下から覗けないってことでしょうかw
Posted by JackD at 2011年06月23日 02:41
こんにちは。
山本先生の短編読んでみたいので、これは買いたい。

>『地球移動作戦』のマイカの名前の由来がミクだろうと言う人がよくいるんですが、マイカの元ネタは『サイバーナイト』の人工知能MICAです

マイカとミクでは名前が全然似ていないのですが…?
サイバーナイトは読んだことないから、MAICの模写は知りませんが
恐らくマイカの模写はミクをモデルにしたキャラクターですか?
Posted by ゴールド at 2011年06月23日 13:17
>そうそう、『地球移動作戦』のマイカの名前の由来がミクだろうと言う人がよくいるんですが、マイカの元ネタは『サイバーナイト』の人工知能MICAですので、お間違えなく。

「サイバーナイト」を知らない読者が多いんでしょうか……。いえ、多いんでしょうねえ。
グループSNE時代の作品も再版とかされれば注目されて元ネタとかが知れるんでしょうが、
そういう意味でも再版される事を願うばかりです。

初音ミクといえば私は初めて見た時、チャイカにそっくりだと思いましたよ。
偶然の一致とはいえある意味で時代を先取りしていたというかなんというか(笑)。
そういえばチャイカは作品が後世に残るようにするために平和のため戦い続けるというラストでしたね。
この現実の世界でも、初音ミクが後世に残るように世界平和が続く事を願うばかりです。
Posted by ドードー at 2011年06月23日 21:20
野尻さんのツイッターで知って、早速予約。
SFマガジン始まって以来、こんなに予約殺到したのは無いのでは。
Posted by とりとり at 2011年06月24日 21:45
>2011年06月23日 13:17
>ゴールド
>こんにちは。
>山本先生の短編読んでみたいので、これは買いたい。
>
>>『地球移動作戦』のマイカの名前の由来がミクだろうと言う人がよくいるんですが、マイカの元ネタは『サイバーナイト』の人工知能MICAです
>
>マイカとミクでは名前が全然似ていないのですが…?
>サイバーナイトは読んだことないから、MAICの模写は知りませんが
>恐らくマイカの模写はミクをモデルにしたキャラクターですか?


私が代わりに答えますが、サイバーナイトというのは山本先生が二十世紀頃、グループSNEに所属していた時に執筆した作品です。
まあ、世の中にはただ似たところがあるから自分が知ってる何かが元ネタだと思い込む人もいるわけですね。
(私自身、そんな深読みをした事も何度かありましたが……)
あと「模写」じゃなくて「描写」ですよね。正しくは。
Posted by ドードー at 2011年06月25日 16:33
電波妖怪うわべりに反応した人が自分の他にも日本のどこかにいてくれたらいいな。と思いました!
Posted by Takaakira at 2011年06月26日 02:17
「妖魔夜行」なら、妖怪ミクさんがお出ましになってもおかしくない頃合いをとっくに過ぎていますね。
いや、大歓迎なんですけど。
Posted by 妄想竹 at 2011年06月26日 11:39
サイバーナイトはもうカラーページが取れそうなので、私も再販希望です。
いっそ、モンハンライクなアクションゲームをリメイクしてから再販すれば一石二鳥では!(単なる俺得)
Posted by Rick=TKN at 2011年06月27日 21:13
 あ・・・すいません。 「マイカ」は、てっきり「チャイカ」だと思ってました。 ^^;

 「第三段階ブレイクスルー」の彼方へ行ってしまった、あの人だったんですね・・・
Posted by javawaky at 2011年06月27日 21:24
10数年ぶりに買うか・・・
もちろん10数年前に買ったのは怪獣特集ですよ
来るだろうやるだろうやるなよ絶対に来るなよと思ってると必ず来る安心の山本
Posted by 9 at 2011年06月28日 21:50
山本弘先生。はじめまして。こんにちは。
『神は沈黙せず』以来の先生の大ファンのうちの1人、沖峰ゆいきと申します。

>むしろ、SFファンだからこそ、こういう新しい概念に注目すべきなんじゃないのかなと。

同感です!・・・・・・と言いますか、VOCALOID=初音ミクという概念自体がもう新しくない気もします☆。私も「SFマガジン動くの遅かったな。その分書き溜めたのかしら」なんて思いました。
一説によるとニコ動でのVOCALOIDカテゴリでミクが占める割合は4割だそうです。今日ちゃらっと調べてみたら、やはり過半数は切っていました。

今現在日本語で歌うボーカロイドは17体います。ボーカロイドがもっと外に出たら、この17体は全員固定ファンが付くと私は思っています。
更にプロやセミプロのアーティストが使うと耳にするのはメグッポイトやVYシリーズの方ですもの。今日ちょうどまたプロが生演奏でメインボーカルがGUMI(メグッポイド)のCDアルバム出るんですよ♪。

あ、そうそう。地球移動作戦を買いました。何度読んでも元気が出るSF小説で大好きです。
さて、そこで出てきたAIDOL達は企業製作もあるけど個人製作が主流だと言う設定を読んで、「これはボカロの進化ヴァージョンじゃなくて、UTAUの進化ヴァージョンだな」と思ったのです。
山本先生はUTAUをご存知でしょうから(ミク登場前に音声合成のエッセイ読みました)釈迦に説法覚悟で書きます。UTAUは2000人以上いるそうですが、割合は日本人:外国人=1:2だそうです(これは調べるのが難しいので、ソース:関係者筋)。特に外国人のUTAUユーザーは自分で声を録音する方が多いとか。
文庫版の解説で>ボーカロイド・アイドル達の人気は日本固有の(後略)。とありましたが、潜在的には海外の方のほうが地球移動大作戦のAIDOL達の世界に近いところにいるのかもしれません。
そういう経緯もあってUTAU世界ではチョウキョウ(漢字は入力禁止単語でした)より調声という言葉をよく使います。ジェノアPでいうところの育成ですね。

さて、8月号のSFマガジンは書店では売り切れたっだので早川書房のサイトで直接買いました!先生の小説以外では法律問題のエッセイが楽しみです。届くのが楽しみです。
それでは失礼致します。
Posted by 沖峰ゆいき at 2011年06月29日 09:46
えーと、ここ書き込んだだけだと非公開みたいですのでここに書いてしまいますが(ちょっとネタばれなので)、「喪われた惑星の遺産」で一ヶ所「八」が使われてしまってる部分があるのですが、ミス、ですかね? 何か仕掛けがあるのかといくつか計算してみましたがわかりませんでした。
Posted by ksm at 2011年07月04日 21:17
>ksmさん

 ああ、やっぱり気づかれましたか!
 そうなんです。あれは僕の痛恨のミスです。ナンナー人は手の指が4本なので8進法を使っているという設定で、作中に出てくるすべての数字を10進法から8進法に換算したはずだったんですよ。星条旗の星の数が「六二個」だったり。
 ところが、見落としがあったんです。雑誌が送られてきてからようやくミスに気がついて、しばらく落ちこみました。
Posted by 山本弘山本弘 at 2011年07月10日 19:24
>ksmさん
>「喪われた惑星の遺産」で一ヶ所「八」が使われてしまってる部分があるのですが

 言われて気が付きました。流石と言うかなんというか…でもややこしいですよね、10以外の使い慣れていない進法って。
Posted by toorisugari at 2011年07月10日 22:12
こんばんは。やはり、ミスだったのですか。ウラン238の方は翻訳の問題ということでよろしいでしょうか。
Posted by Takaakira at 2011年07月11日 00:44
山本先生の短編、今回も感動しました。
カホが雄性という初期推測にはミクさん激怒でしょうがw
はちゅねが仮面、ネギが天体観測器から派生した祭具って仮説は想定外でヤラレました。
いつも感動をありがとうございます。

山本先生の心意気に打たれ、地球移動作戦の単行本も買いました。
震災とそれに伴う原発事故、終わらない不況と、閉塞感を超えて絶望と共に無力感に苛まれる昨今。
もう僕の国には、破滅以外の未来が残されているのでしょうか?
「愛国的」なんて真っ平御免ですが、
ただ論理的に正しく、勇気を抱ける小説が読んでみたいと思っています。

これからも応援しています、どうかご自愛下さい。
Posted by eleea at 2011年07月17日 03:20
すいません。今更ですけど。

>あと「模写」じゃなくて「描写」ですよね。正しくは。

ご指摘ありがとうございます。
前から勘違いしておりました。気を付けます。
Posted by ゴールド at 2011年07月28日 10:48
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