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山本弘
山本弘
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2008年11月04日

「ヤオイン」はなぜ受けたか

 長いこと書きこみをサボってて申し訳ない。先月は仕事が忙しかったり、個人的に落ちこむことがあったりしたもんで。

 さて、気分転換と行こう。今月最初の話題は、もう旬は過ぎちゃったけど、これだ。




 僕が初めてこれを聴いたのは、アップされて4日目の10月16日。感動のあまり、速攻でマイリストに入れた。その後、1日に4~5万再生というペースで伸び続け、たちまち80万再生を突破。そのうちの30回ぐらいは僕である(^^;)。
 さすがにここ数日は、新曲がアップされたこともあってか、再生数のペースは落ちたようだが、まだじわじわと伸び続けている。近いうちに100万再生を突破するのは間違いなかろう。
 このユニットの他の歌もひと通り聴いたのだが、どれもいいんだよね。特に「モエッ☆BL飛行」は気に入って、仕事中にBGMとしてエンドレスで聴いていた日もある。


 いったいなぜこんなに受けたのか?
 第一に、替え歌としての歌詞の完成度の高さがある。
 僕も昔はよく替え歌を作った。替え歌というのは、元歌の歌詞を完全に変えてしまってはだめなのだ。歌詞を可能な限り利用しつつ、元歌とまったく違うものするのがミソなんである。
「ヤオイン」の場合、「世界」→「腐海」、「デタラメ」→「見ちゃらめぇ」など、元歌の語呂をうまく生かして変換することにより、元歌との間に強烈なギャップを生じさせている。まさに替え歌としてあるべき理想的な形と言える。
「BL飛行」も同じで、「滑稽な人種のように」とか「りんかい線飛び乗って」とか、上手いなあと感心した。いや、いちばん衝撃だったのは「オス同士またがって」ですが(^^;)。
 第二に、声がいい。これで歌が下手だったら、単なる一発ネタで終わっていただろう。だが、この美しい声でこの大バカな(褒め言葉)歌詞を熱唱されると、もうたまらん。感動するしかないではないか。

 ニコ動で人気を集めるパロディ作品には、「元ネタとのギャップが大きい」「大バカなことを手間をかけて大マジメにやる」というものが多い。
 単にバカなだけのネタでも、ある程度の笑いは取れる。しかし、安直なネタはそんなに伸びない。ちょっと受けただけで忘れられてしまう。やはり伸びるのは完成度の高い作品だ。
 最近の話題作を例に取ると、たとえば「インデックスさんがテイルズオブファンタジアOP曲を熱唱し始めました」というのがある。これも発想自体は大バカだが、手間をかけて口パクを合わせているところが素晴らしいのである。(後続作品があまり伸びないのは、安直に模倣しているだけのものが多いせいだろう)
 あるいは「初音ミク-リローデッド-」とか「初音ミクの細かすぎて伝わらないモノマネ選手権SPECIAL」とか「アイドルマスター 菊地真 パンツじゃないから恥ずかしくない誕生日PV 」あたりを思い出していただきたい。技術力の高さもさることながら、「こんなバカなことにこんなに手間をかけている!」というのが感動を生むのだ。

 もうひとつ、(パンピーはともかくオタクの間では)腐女子に対する偏見が薄れていることも一因ではないかと思う。
「ヤオイン」のコメントにしても、いまだに「キモい」などとコメントしている奴もいることはいるが、圧倒的に多い賞賛のコメントにすぐ流されてしまう。この数の多さは、「同じ腐女子からの共感」というだけでは説明がつかない。僕のように、男性のファンも多くついていると見て間違いないだろう。
 そもそも、801に熱中する腐女子を「キモい」と思う感覚が、僕には理解できない。そんなことを言ったら、男がエロマンガを読んだり、アイドルの写真を見てむらむらと妄想したりするのも「キモい」ということにならないか? そういう感想を抱く人というのは、よっぽどエロに興味のない潔癖な人なのだろうか。
 男女の関係を逆転させて考えてみれば、女性が男性キャラにエロい妄想を抱くのは、べつにおかしいことではない、と僕は思う。
 それに「ヤオイン」には男でも共感できる部分がある。特に、パンピーの異性と知り合ったけど、息苦しくて話題が枯れていって「私帰りたい」と思っちゃうくだりなんて、自分の体験を思い出して「あー、あるあるある」ってなもんですよ(笑)。

 近年、マンガやアニメの世界で、『となりの801ちゃん』や、『さよなら絶望先生』の晴美、『げんしけん』の大野さんや荻上さんみたいな腐女子キャラが増えてきたのも、偏見を下げている原因かもしれない。
「腐女子はキモい」から「腐女子でもかわいい」へ、さらには「腐女子だからかわいい」へ――いわば「腐女子萌え」という動きが出てきているのではないか。

 無論、本物のA子&B子さんがどんな顔なのかは分からない。しかし、妄想は自由である。声だけ聴いて「実物はものすごくかわいいんじゃないか」と妄想したって、何も悪いことはあるまい。
 さらに進んで、今度の冬コミあたりでは、2人の百合本とか出たりするかもしれない(油断はできない。冗談がすぐ本当になるのが同人界だ!)。まあ、腐女子のみなさんも、実在の芸能人やらスポーツ選手やらでホモ本を出しているのだから、自分をモデルにレズ本を出されても怒れまい。

 繰り返す。妄想は自由だ。どんな不道徳な行為だろうが犯罪行為だろうが、頭の中でやっている分には何も悪くない。
 そしてこうも思う。こんな歌が自由に歌われ、支持される日本という国は、言論の自由の保証された素晴らしい国だと。(いや、皮肉じゃなくマジで)


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この記事へのコメント
替え歌と言えば…
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2032978
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2030232
Posted by Xbeta at 2008年11月05日 08:25
なぜオタ女子向けエロというのは
男同士を描いた物が多いのだろうか。
ほぼ全部じゃないかというぐらい。
なぜ男同士にエロ興味が集中するのだろう。
男×女じゃオタ女子はダメなんだろうか。
Posted by とよよ at 2008年11月08日 08:55
>Xbetaさん

 すみません、それ、ずっと前から知ってます(^^;)。
 取り上げなかったのは、自分から紹介するのは恥ずかしかったのと、完成度がイマイチだったからです。もっといい出来なら紹介したんですが。

>とよよさん

 いちおう女性向け恋愛ゲームというのもありますから、女性向けの男×女エロの需要はないわけではないのでしょうね。ただ、やはり女の方から男の肉体を求めるというのは、心理的障壁が大きいのかもしれません。男×男の方が、まだ垣根が低いのかも。
 あと、やおいほどじゃないかもしれないけど、男向けのレズ系エロ同人誌というのもたくさんあります。特に最近は、主要キャラクターが全員女性、男の入る余地なし、というアニメもありますし。
 好きなキャラクターが異性とSEXするのは許せないけど、同性間なら許せる……というのは、男女共通の心理ではないでしょうか。
Posted by 山本弘山本弘 at 2008年12月10日 14:23
そういえば今年5月に公開された映画で『腐女子彼女』というのがありまして,今DVDになってるのですが,あれはどうでした?
Posted by ダーク・ディグラー at 2009年09月18日 13:10
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