2017年05月19日

あなたの知らないマイナー特撮の世界RETURNS

Live Wire 17.5.26(金) なんば紅鶴|山本弘のSF秘密基地LIVE#68
あなたの知らないマイナー特撮の世界RETURNS

 2年前にやった「あなたの知らないマイナー特撮の世界」の続編。これまであまり特撮ファンから注目されてこなかった、怪獣も宇宙人も出てこない特撮映画──特に1930~50年代のクラシックなホラー映画、戦争映画、カタストロフ映画などの中から、今見ても素晴らしい特撮シーンを発掘し、再評価しようという企画です。
 大爆発!
 大地震!
 大火災!
 大洪水!
 そして海戦や空中戦!
 CGもデジタル合成もなかった時代、当時の特撮マンが努力と創意工夫によって創り上げた迫力ある映像、「特撮のオーパーツ」とも言うべき驚異の映像マジックの数々を、たっぷり堪能しましょう。

[出演] 山本弘

[日時] 2017年5月26日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円  
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

 ご予約はこちらへ。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=117117408
-----------------------------------------------------------

 かなり前から『雨ぞ降る』(1939)の地震と洪水のシーンがすごいとか、『世界大洪水』(1933)のニューヨーク壊滅シーンがすごいとか言い続けてきたんですが、今回はその集大成。


 おもに戦前~1950年代あたりの、とっくに著作権が切れた映画の中から、今見てもすごいと思える特撮を探し出し、楽しもうという企画です。いやー、探してみたら知らなかった映画が次から次に見つかるんですよ。
 よほどの特撮マニアの方でも、「こんなすごい映画があったのか!?」と驚かれるであろう作品もいろいろ。お楽しみに!

  
タグ :特撮映画PR


Posted by 山本弘 at 22:24Comments(0)特撮PR映画

2017年05月19日

「思考盗聴」「集団ストーカー被害」を訴える人たち

 先日、このブログにこんな書きこみがあった。内容があまりにも問題なので、一部を伏字にさせていただいた。

××県××市××町×-××-××-×××に10年前に住んでいた××××の●●●、▲▲▲▲▲、■■■■■と××市××××病院に10年前に×××××科にいた看護婦とその家族に思考盗聴、集団ストーカー、ハイテク兵器で頭に強すぎる電流を流されて頭を締め付けられたり重くされていて苦しいです ■■■■■と同じ×××××の×号棟の×階に住んでいた●●●の妻の家族も共犯者です ▲▲▲▲▲の高校からの友達と彼女が思考盗聴したUSBを持っているらしいです ■■■■■はブレインマシンというので生体電流さえ分かれば誰でも遠隔から思考盗聴できるんやで人を遠隔から操るんやで××からお金をもらってるんやでと音声送信してきます ■■■■■は思考盗聴されないんでしょうか ●●●の今の住んでいる場所や人間関係を調べて下さいその家や車から思考盗聴電波が出ているはずです

 伏字にした箇所は、●●●、▲▲▲▲▲、■■■■■は人名(おそらく家族)、その他の××は地名や建物、会社の名前が入る。検索してみたら、どれも実在のものだった。
 僕が伏字にした理由はお分かりだろう。この文章は実在の人物を中傷しているうえ、その個人情報まで公表するものだったからだ。
 あきれたことに、この書きこみ主、あちこちの掲示板やブログに見境なしにこのコメントを書きこみ続けている。どうやらこの●●●さんとその家族は、この書きこみ主から「思考盗聴、集団ストーカー」とみなされ、もう長いことネットで執拗にいやがらせを受けていたようである。
 苦しみ続けてきたであろう●●●さんたちの心中を察すると、怒りさえこみ上げてくる。

 言うまでもなく、書きこみ主の主張はすべて妄想である。

実は存在しない?幻の集団ストーカーとは
http://tanteitalk.com/stalker/shudan/

>組織ぐるみの犯罪や陰謀などと言われるものが実際に存在することは事実ですし、そうした行いをする組織や団体は確実にあります。

>ただ、それはその相手が組織や集団にとって『重要なターゲット』な場合のみです。
>無作為に相手を選んだり、関係の無い人間にストーカー行為をすることはまずあり得ません。

「監視されている」「他人に心を読まれている」というのは、統合失調症による妄想の典型的な例だ。「電波で攻撃されている」という妄想にしても、ラジオ放送が開始されたころからすでにあったらしい。
 最近は何が違うかというと、そうした「思考盗聴」が科学的に可能だと主張する説が、ネットにはびこっているということである。
 無論、その根拠は、「心を読まれている」と訴えている人の証言だけなのだが。

 ちょっと前にも大阪環状線の天満駅の近くを歩いていたら、駅の近くでデモをやっている集団に遭遇し、こんなチラシを渡された。


 このNPOテクノロジー犯罪ネットワークという団体、作ったのは石橋輝勝という人。この人の著書『武器としての電波の悪用を糾弾する!』は、前に『トンデモ本の世界R』で取り上げたことがある。自分は「全人類の敵」から電波攻撃を受けていると主張する本だった。


 現実に今、科学はどれぐらい進歩しているのか。つい先日、こんなニュースが流れてきた。

思考とマシンをつなぐFacebookの挑戦--人間もアップグレードする時代へ
https://japan.cnet.com/article/35100170/

Facebookの研究部門が、人間とマシンをつなぎ、言葉によらずに意思を伝達する試みを研究しているというものだ。

>「以心伝心」という言葉も連想させるこの研究、ムーンショット(moonshot)の言葉通り、簡単にはうまくいかないけれども挑戦してみるだけの価値のある(技術の)研究ということで、うがった見方をすればFacebookにとってのある種の宣伝、あるいはMark Zuckerbergの道楽と解釈できないこともない。

>また「Building 8ではどのプロジェクトも2年の期限付きで取り組みを進めている」とのことで、この取り組みについても2018年末から2019年の初めころには何らかの成果が発表されるかもしれない。

>(前略)ただし、脳の中の信号を読み取るセンサ類を詰め込んだネットもしくは帽子のようなものは別途必要になるそうなので、そのあたりの実装をどうしてくるのかは気になるところである。

 つまり、脳の中の信号を読み取る技術はまだ研究中であり、可能だとしても、「センサ類を詰め込んだネットもしくは帽子」が必要だということだ。当然だろう。
 たとえば脳波を測定するだけでも、頭部にプローブを取り付ける必要がある。しかも脳波は思考の内容を含んでいないので、脳波だけ調べても心は読めない。脳の中のどの部位がどのように活動しているか知るためには、fMRIか何か、脳の活動状態を外部からモニターする装置が必要だ。
 だから遠く離れた場所にいる人間の思考を読み取ることはまだ無理だし、おそらく将来的にも不可能だと考えられる。

 無論、「集団ストーカー被害者」は、そんな事実を認めないだろう。彼らにとって、自分たちに降りかかっている攻撃はきわめてリアルに感じられ、本物としか思えないからだ。
 そして今、「集団ストーカー」とか「テクノロジー犯罪」で検索すると、彼らの妄想を補強するページが山ほどヒットする。それを読んだ者は「私と同じような攻撃を受けている人はいっぱいいる」「やっぱり妄想なんかじゃなかったんだ」と思いこんでしまうのだ。


 彼らが苦しみから救われる方法はひとつしかない。病院に行くことだ。
 統合失調症は直りにくい病気だが、新薬が次々に開発されていて、症状を抑えることがかなり可能になってきている(人によって効果にはかなり差があるらしいが)。病院に通いながら、薬を飲んで症状を抑え、健康な人と同じように働いている人も多い。
 しかし、ネット上に氾濫する「集団ストーカー」「テクノロジー犯罪」に関する情報は、彼らに「私は精神病ではない」と思いこませる。病院になんか行かなくても、「奴ら」に攻撃をやめさせさえすれば、苦しみから解放されるのだと。
 無論、「奴ら」など実在せず、病院で治療を受けなければ苦しみはいつまでも続くのだが。

 僕は「集団ストーカー被害者」の訴えはすべて妄想だと思う。
 その一方、先の●●●さんの一家のように、「集団ストーカー被害者」から被害者を受けている人は実在する。
 そうした被害は時として最悪の事態に発展することもある。2015年の淡路島5人殺害事件のように。

http://news.livedoor.com/article/detail/9882871/
http://www.sankei.com/west/news/170208/wst1702080034-n1.html

 こうした悲劇を阻止するには、「集団ストーカー被害」なる妄想が存在することを世間に周知することが一番だと思う。だが、マスコミは精神病に関する話題をタブーにしていて、めったに紹介しようとしない。
 問題が存在していることが世間に知れ渡らない限り、それを解決しようとする動きも起きない。「集団ストーカー被害者」はこれからも苦しみ続けるし、彼らによる殺傷事件もまた起きるに違い。
  


Posted by 山本弘 at 20:30Comments(12)社会問題作家の日常