2014年08月18日
イベント告知「懐かしプラモを熱く語る夜」
Live Wire 14.8.29(日) なんば紅鶴|山本弘のSF秘密基地LIVE#37
あなたの知らないマイナー特撮の世界・特別編
──懐かしプラモを熱く語る夜
1980年代、子供たちの世界を席巻したガンプラ・ブーム。『ガンダム』だけではなく、多くのキャラクターのプラモデルが発売された熱い時代でした。
プラモ研究家の鋼鉄サンボ氏とともに、数々の資料を元にあの時代を振り返り、歴史の闇に埋もれかけているエピソードを掘り起こします。お楽しみに!
※今回友野詳さんはご都合により欠席です。次回9月のSF秘密基地で、浪速の特撮三兄弟揃い踏みの『あなたの知らないマイナー特撮の世界』を改めて開催します。
[出演] 山本弘(SF作家)、鋼鉄サンボ
[日時] 2014年8月29日(金) 開場・19:00 開始・19:30
前売り券のお求めはこちらへ。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=77548549
---------------------------
2年前にもやはり鋼鉄サンボくんを迎えて、「あなたの知らない趣味の世界・マイナープラモ大集合!」というのをやりました。、
http://hirorin.otaden.jp/e233829.html
あの時は本当に、よほどのマニアでないと知らないようなドマイナーなプラモがメインだったんですが、今回はガンプラあたりをメインに、正統派のキャラクター・プラモをめぐる話を語ろうという企画です。僕もあの頃、Gアーマーを手に入れるために、ずいぶん模型屋をハシゴしましたけどね(笑)。あと、『プラモ狂四郎』が大好きでした。
当時の模型雑誌などの資料をいろいろ掘り起こします。同世代の方なら「あったあった」と懐かしく思い出すでしょうし、逆に昔のことを知らない若い人たちにも興味がある話題だと思います。
あなたの知らないマイナー特撮の世界・特別編
──懐かしプラモを熱く語る夜
1980年代、子供たちの世界を席巻したガンプラ・ブーム。『ガンダム』だけではなく、多くのキャラクターのプラモデルが発売された熱い時代でした。
プラモ研究家の鋼鉄サンボ氏とともに、数々の資料を元にあの時代を振り返り、歴史の闇に埋もれかけているエピソードを掘り起こします。お楽しみに!
※今回友野詳さんはご都合により欠席です。次回9月のSF秘密基地で、浪速の特撮三兄弟揃い踏みの『あなたの知らないマイナー特撮の世界』を改めて開催します。
[出演] 山本弘(SF作家)、鋼鉄サンボ
[日時] 2014年8月29日(金) 開場・19:00 開始・19:30
前売り券のお求めはこちらへ。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=77548549
---------------------------
2年前にもやはり鋼鉄サンボくんを迎えて、「あなたの知らない趣味の世界・マイナープラモ大集合!」というのをやりました。、
http://hirorin.otaden.jp/e233829.html
あの時は本当に、よほどのマニアでないと知らないようなドマイナーなプラモがメインだったんですが、今回はガンプラあたりをメインに、正統派のキャラクター・プラモをめぐる話を語ろうという企画です。僕もあの頃、Gアーマーを手に入れるために、ずいぶん模型屋をハシゴしましたけどね(笑)。あと、『プラモ狂四郎』が大好きでした。
当時の模型雑誌などの資料をいろいろ掘り起こします。同世代の方なら「あったあった」と懐かしく思い出すでしょうし、逆に昔のことを知らない若い人たちにも興味がある話題だと思います。
2014年08月18日
SF大会「なつこん」2日目
●2014年7月20日(日)
ホテルの部屋で『トッキュウジャー』と『鎧武』と『プリキュア』を観てから、チェックアウトして会場へ。
●[028]Kindle Direct Publishingの真実を語る部屋
> 昨年の大会で好評を博した企画が今年もやってきます。KDPで電子書籍の出版を考えておられる方向けに、出版するとどういう情報が見られるのか、今電子書籍の市場はどうなっているのか、売れる本は? などの話題を語ります。
『Gene Mapper』とかの成功例を見て、そろそろこういうのもアリかな、と思いはじめたので、話を聞きに行った。
作家自身による電子書籍自費出版というのは、『神は沈黙せず』の中で加古沢がとっくにやってるんだけど、あれは加古沢みたいなベストセラー作家だから可能なんであって、なかなか普通の作家がこれで食っていくのは難しそう。何だかんだ言って、まだ紙の本の売り上げの方が多いのだ。
2003年に『神は沈黙せず』を書いた頃は、数年以内に紙の本から電子書籍への転換がなだれのように起きると想定していたし、出版関係者でもそう予想していた人が多かったんだけど、現実の変化はそんな劇的なもんじゃなかった。あれから約10年。変化は進行してるんだけど、きわめて遅い。まあ、10年後にはどうなってるのか分からないけど。
KDPで儲けるのは難しいが、今では絶版になった過去の本とか、前に同人誌で出したやつなんかをKDPで出すというのはいいかもしれない。ちょっとした小遣い稼ぎになるし、過去の作品を読みたいファンもいるだろうし。
もっとも『ギャラクシー・トリッパー美葉』とか『サイバーナイト』とかは、昔の5インチのフロッピーに入れていて、しかもWordじゃなく新松とか使ってた時代なもんで、今はもうデータを読みこめないんである。復刊するなら自炊して、それを元に原稿を起こさなくちゃいけないけど、手間がかかりそうだなあ……。
ちなみに『時の果てのフェブラリー』は今、電子書籍化されてるんで読めます。
http://yomel.mopita.com/yomel-store/store/item?id=65030
●[038]君は同人少女JBを見たか?
>一本木蛮『同人少女JB』(双葉社)が無事完結、「なつこん」前日よりテレビドラマ『アオイホノオ』がスタート、というこの時期に、当時の思い出を全力で振り返ります。 君も見たはず、あの日、あの人を……。
同じ時間にサイン会があったもんで、途中から観た。
いやあ、4巻は面白かった。82年のコミケの描写も感動したけど、『ファンロード』編集部訪問シーンでのたうち回った。2回ぐらいしか行ったことないけど、銀英社ってほんとにあんな感じだったよ。ほんとに雑居ビルのラーメン屋の上なんだよ。ほんとにリスがいるんだよ!
終了後、一本木さんにあいさつして、「『BISビブリオバトル部』の第4話で使わせていただきました」と報告する。
会場にいた人が「俺は『ファンロード』は嫌いだった。俺が2回投稿したのを2回ともボツにしやがったから、腹が立って読むのをやめた」と言ってたもんでも、「たった2回かよ!?」と笑ってしまった。
僕ら常連投稿者だって、何十回もボツにされてんだよ。どういう書き方をすれば採用されるかを試行錯誤して、少しずつ掲載率を上げていったんだもの。 それでも最終的に、ハシラとかシュミ特とかに送ったネタの9割ぐらいはボツになってたと思う。
『ファンロード』の投稿が、のちに作家になるための修業になったと思っている。 特に「読む側の目線に立って書く」ということを学んだ。
●カフェクラッチェ(茶話会)
作家とファンが語り合えるという場なんだけど、この日のスケジュールが、
11:45~12:15 池田憲章
12:30~13:00 山本弘
僕の横のスペースの池田憲章さんが、僕が来てもまだ話してて、僕らが終わってもまだ話してるんですけど(笑)。 いや、距離が離れてたから話の邪魔にはならなかったんだけど。
結局、僕も終了後、池田さんのところに移動。語り合った。厳密に言うと、池田さんの語りをほとんど一方的に聞いた。だって、面白いんだもの! 海野十三や南沢十七、昔のドラマや特撮に関するうんちくが怒涛のように流れ出して止まらない
知識量じゃ、同年代の普通のオタク3人がかりでも(いや、10人がかりぐらいでも?)、この人に絶対に勝てないよなあ。何度、「その話、本にしてください!」と頼んだことか。
結局、池田さん、カフェクラッチェで3時間以上喋ってたんじゃなかろうか。
関西に帰る都合があるので、閉会式を見ずに会場を出て、つくばエクスプレスで秋葉原へ。
まだ5時台だったけど、昼食を食べてなくて腹が減ってたもんで、適当に見つけたイタリアンレストランに入る。
そしたらまったく偶然にも、隣の席に池田憲章さんが!
ここでもまた2時間ぐらい喋っちゃったよ。僕はこの日、3時間以上、池田さんの話聞いてたことになる。
秋葉原のオタクショップで、娘の土産に『Free!』のグッズを買う。帰りの新幹線は大雨で一時間ほど運休。家に帰ったのは11時すぎだった。
ホテルの部屋で『トッキュウジャー』と『鎧武』と『プリキュア』を観てから、チェックアウトして会場へ。
●[028]Kindle Direct Publishingの真実を語る部屋
> 昨年の大会で好評を博した企画が今年もやってきます。KDPで電子書籍の出版を考えておられる方向けに、出版するとどういう情報が見られるのか、今電子書籍の市場はどうなっているのか、売れる本は? などの話題を語ります。
『Gene Mapper』とかの成功例を見て、そろそろこういうのもアリかな、と思いはじめたので、話を聞きに行った。
作家自身による電子書籍自費出版というのは、『神は沈黙せず』の中で加古沢がとっくにやってるんだけど、あれは加古沢みたいなベストセラー作家だから可能なんであって、なかなか普通の作家がこれで食っていくのは難しそう。何だかんだ言って、まだ紙の本の売り上げの方が多いのだ。
2003年に『神は沈黙せず』を書いた頃は、数年以内に紙の本から電子書籍への転換がなだれのように起きると想定していたし、出版関係者でもそう予想していた人が多かったんだけど、現実の変化はそんな劇的なもんじゃなかった。あれから約10年。変化は進行してるんだけど、きわめて遅い。まあ、10年後にはどうなってるのか分からないけど。
KDPで儲けるのは難しいが、今では絶版になった過去の本とか、前に同人誌で出したやつなんかをKDPで出すというのはいいかもしれない。ちょっとした小遣い稼ぎになるし、過去の作品を読みたいファンもいるだろうし。
もっとも『ギャラクシー・トリッパー美葉』とか『サイバーナイト』とかは、昔の5インチのフロッピーに入れていて、しかもWordじゃなく新松とか使ってた時代なもんで、今はもうデータを読みこめないんである。復刊するなら自炊して、それを元に原稿を起こさなくちゃいけないけど、手間がかかりそうだなあ……。
ちなみに『時の果てのフェブラリー』は今、電子書籍化されてるんで読めます。
http://yomel.mopita.com/yomel-store/store/item?id=65030
●[038]君は同人少女JBを見たか?
>一本木蛮『同人少女JB』(双葉社)が無事完結、「なつこん」前日よりテレビドラマ『アオイホノオ』がスタート、というこの時期に、当時の思い出を全力で振り返ります。 君も見たはず、あの日、あの人を……。
同じ時間にサイン会があったもんで、途中から観た。
いやあ、4巻は面白かった。82年のコミケの描写も感動したけど、『ファンロード』編集部訪問シーンでのたうち回った。2回ぐらいしか行ったことないけど、銀英社ってほんとにあんな感じだったよ。ほんとに雑居ビルのラーメン屋の上なんだよ。ほんとにリスがいるんだよ!
終了後、一本木さんにあいさつして、「『BISビブリオバトル部』の第4話で使わせていただきました」と報告する。
会場にいた人が「俺は『ファンロード』は嫌いだった。俺が2回投稿したのを2回ともボツにしやがったから、腹が立って読むのをやめた」と言ってたもんでも、「たった2回かよ!?」と笑ってしまった。
僕ら常連投稿者だって、何十回もボツにされてんだよ。どういう書き方をすれば採用されるかを試行錯誤して、少しずつ掲載率を上げていったんだもの。 それでも最終的に、ハシラとかシュミ特とかに送ったネタの9割ぐらいはボツになってたと思う。
『ファンロード』の投稿が、のちに作家になるための修業になったと思っている。 特に「読む側の目線に立って書く」ということを学んだ。
●カフェクラッチェ(茶話会)
作家とファンが語り合えるという場なんだけど、この日のスケジュールが、
11:45~12:15 池田憲章
12:30~13:00 山本弘
僕の横のスペースの池田憲章さんが、僕が来てもまだ話してて、僕らが終わってもまだ話してるんですけど(笑)。 いや、距離が離れてたから話の邪魔にはならなかったんだけど。
結局、僕も終了後、池田さんのところに移動。語り合った。厳密に言うと、池田さんの語りをほとんど一方的に聞いた。だって、面白いんだもの! 海野十三や南沢十七、昔のドラマや特撮に関するうんちくが怒涛のように流れ出して止まらない
知識量じゃ、同年代の普通のオタク3人がかりでも(いや、10人がかりぐらいでも?)、この人に絶対に勝てないよなあ。何度、「その話、本にしてください!」と頼んだことか。
結局、池田さん、カフェクラッチェで3時間以上喋ってたんじゃなかろうか。
関西に帰る都合があるので、閉会式を見ずに会場を出て、つくばエクスプレスで秋葉原へ。
まだ5時台だったけど、昼食を食べてなくて腹が減ってたもんで、適当に見つけたイタリアンレストランに入る。
そしたらまったく偶然にも、隣の席に池田憲章さんが!
ここでもまた2時間ぐらい喋っちゃったよ。僕はこの日、3時間以上、池田さんの話聞いてたことになる。
秋葉原のオタクショップで、娘の土産に『Free!』のグッズを買う。帰りの新幹線は大雨で一時間ほど運休。家に帰ったのは11時すぎだった。
2014年08月18日
SF大会「なつこん」1日目
コミケの報告を書こうと思ったら、SF大会のことをまだ書いてなかったのを思い出しました(笑)。もう一ヶ月も前の話になりますが、いちおうご報告を。
●2014年7月19日(土)
午前中、と学会のT夫妻とホテルのロビーで落ち合う。特別のご厚意により、国立科学博物館つくば研究施設のバックヤードを見学させてもらえることになったのである。
見学の前、と学会有志からの感謝状を贈られる。ものすごく大げさな文面を考えたのは作家の桐生祐狩さん。上質の紙に、重要無形文化財技術保持者の人に依頼したという達筆。 「無意味に思えることに全力を傾ける」という、と学会精神にあふれた感謝状である。
他にも記念品の数々。と学会会員の人たちのメッセージが書かれた寄せ書き色紙。昔ながらの製本技術で造られた大学ノートや特製鉛筆、JTB旅行券、マラウイ共和国の天然マンゴー蜂蜜……などなど、心のこもった品々。僕の身勝手で飛び出しちゃったけど、みんな暖かく見送ってくださっているのが分かる。ありがたいことである。
中でもいちばん役に立ちそうなのは、「星雲賞受賞空想科学小説家山本弘」と書かれたハンコ。さっそく翌日のサイン会で使わせていただきました。
国立科学博物館つくば研究施設のすごいコレクションは、前に『探検バクモン』で紹介されたことがあるので、ご存じの方は多いと思う。今回はテレビでも映らなかった場所を見せていただいた。
ただ、「ここはオフレコで」と言われた部分が多いんで、あまり詳しく書けない。この見学で、小説のネタがいくつも手に入った……ということぐらいしか。
中には、「ええっ、こんなすごいものが!?」「これ、世界に誇れるじゃないですか!」と驚くようなものも収蔵されてるんだけど、さる事情により、一般公開はしないんだそうだ。 もったいない。
会場に入ったら、すでに開会式がはじまっていた。茨城のローカル・ヒーロー「イバライガー」のショー。なんか瀬名秀明さんが戦闘員に拉致されてましたが(笑)。
不手際が多かった今回のSF大会。あちこちで不満の声を聞いたが、やはり一番の問題はプログラムだろう。いつもなら企画と企画の間に30分ぐらい時間があって、その間に企画担当者は準備を行ない、参加者はディラーズルームやサイン会で時間を潰し……となってたはずなのに、今回はプログラムがぶっ続けで、休み時間がない! いちおう、次の企画の準備のために、終了時間の15分ぐらい前に、前の企画を終了させることにはなっていたが。
当然、例年なら休み時間にやるサイン会も、他の企画と時間がかぶっていた。僕の20日のサイン会も、お客さんがいつもより少なかったなあ。
●[077]子供たちにSF本を
>70年代から80年代にかけての小学校の図書室、ミステリと並んでSFの全集は定番としてありました。最初のSFは図書室だったという人は多いはず。でも、いま児童向けSFはほぼ消滅。この環境で次世代SF者を育てるにはどうすればいいか! 作戦会議です。
昨年、これに参加したおかげで、『BISビブリオバトル部』のアイデアがひらめいたんである。
今回出た話題の中で興味深かったのが、学校の図書室に納入される本はカバーがはずされるという話。これは盲点だった。つまりジュヴナイルはいくらカバーアートがしゃれてても、学校の図書室では意味がないんだそうだ。そうだったのかーっ! 『C&Y』もカバーはずしちゃったらどんな本か分かんないよ!
ちなみに創元の〈Webミステリーズ!〉、無料なのに、会場の人は誰も読んでいなかった。僕の新作がただで読めるんだよ! 読まなきゃ損だよ!
http://www.webmysteries.jp/special/biblio-01.html
●[044]日本語版『アメージング・ストーリーズ』の世界
> 終戦直後の昭和25年、誠文堂新光社から刊行された『怪奇小説叢書 アメージング・ストーリーズ』全7巻をご存知ですか? 日本初の海外SF短編の本格的アンソロジー。そこに掲載された佳作・珍作・怪作の数々を歴史の闇から掘り起こし、楽しく紹介いたします。
これは僕の企画。北原尚彦さんに助けていただきました。
北原さんから聞いて驚いたのが、日本語版『アメージング・ストーリーズ』に載ってた小説が、1960年代、学習雑誌の付録のジュヴナイルに流用されていたという話。おそらく無許可。あの時代、何でもありだったんだな。
●[067]ビブリオバトル by SF文学振興会
>本を紹介するゲーム、ビブリオバトル。あなたの好きなあの本の魅力を5分間で伝えてください。誰が、どう紹介するのか。聞いて分かる本の魅力、やってわかるゲームの面白さ。あなたもすぐにバトラーデビュー。まずは、本を1冊もって、ご参加ください。
ゲストとして招かれた企画。しかし、司会の人の手際が悪かったな。会場の人たちを班分けして個別にビブリオバトルをやらせようとしたんだけど、かんじんの班分けの方法を決めてなかったのでもたついた。最初に「発表する本のある人」と言って手を上げさせて、その人たちに番号を書いた紙を配って、「何番から何番まではこっち」と分ければ良かったのでは?
ちなみに僕は、あすたりすくのゲーム会のビブリオバトルで使ったことのある中松まるは『すすめ!ロボットボーイ』で臨んだんだけど、同じ班の人がシャーリン・マクラムの『暗黒太陽の浮気娘』を持ってきてたもんで敗退。SF大会でそれは鉄板だわ! 勝てねーわ!(SFファンに大受けする本にもかかわらず、読んでいるSFファンが少ないからなあ)
あと、後で他の参加者の方からも話を聞いたんだけど、どうもビブリオバトルというものの趣旨を根本的に理解していない人がいたみたい……ルールの説明、ちゃんと聞いてましたか?
ちなみにこの日の夜の公式パーティは、8,500円も取っておきながら、食べるものが15分でなくなったと後で聞いた。SFファンの食欲を甘く見ちゃいかん。
パーティに出ずにホテルのレストランでディナーを食べた僕は勝ち組(笑)。
●2014年7月19日(土)
午前中、と学会のT夫妻とホテルのロビーで落ち合う。特別のご厚意により、国立科学博物館つくば研究施設のバックヤードを見学させてもらえることになったのである。
見学の前、と学会有志からの感謝状を贈られる。ものすごく大げさな文面を考えたのは作家の桐生祐狩さん。上質の紙に、重要無形文化財技術保持者の人に依頼したという達筆。 「無意味に思えることに全力を傾ける」という、と学会精神にあふれた感謝状である。
他にも記念品の数々。と学会会員の人たちのメッセージが書かれた寄せ書き色紙。昔ながらの製本技術で造られた大学ノートや特製鉛筆、JTB旅行券、マラウイ共和国の天然マンゴー蜂蜜……などなど、心のこもった品々。僕の身勝手で飛び出しちゃったけど、みんな暖かく見送ってくださっているのが分かる。ありがたいことである。
中でもいちばん役に立ちそうなのは、「星雲賞受賞空想科学小説家山本弘」と書かれたハンコ。さっそく翌日のサイン会で使わせていただきました。
国立科学博物館つくば研究施設のすごいコレクションは、前に『探検バクモン』で紹介されたことがあるので、ご存じの方は多いと思う。今回はテレビでも映らなかった場所を見せていただいた。
ただ、「ここはオフレコで」と言われた部分が多いんで、あまり詳しく書けない。この見学で、小説のネタがいくつも手に入った……ということぐらいしか。
中には、「ええっ、こんなすごいものが!?」「これ、世界に誇れるじゃないですか!」と驚くようなものも収蔵されてるんだけど、さる事情により、一般公開はしないんだそうだ。 もったいない。
会場に入ったら、すでに開会式がはじまっていた。茨城のローカル・ヒーロー「イバライガー」のショー。なんか瀬名秀明さんが戦闘員に拉致されてましたが(笑)。
不手際が多かった今回のSF大会。あちこちで不満の声を聞いたが、やはり一番の問題はプログラムだろう。いつもなら企画と企画の間に30分ぐらい時間があって、その間に企画担当者は準備を行ない、参加者はディラーズルームやサイン会で時間を潰し……となってたはずなのに、今回はプログラムがぶっ続けで、休み時間がない! いちおう、次の企画の準備のために、終了時間の15分ぐらい前に、前の企画を終了させることにはなっていたが。
当然、例年なら休み時間にやるサイン会も、他の企画と時間がかぶっていた。僕の20日のサイン会も、お客さんがいつもより少なかったなあ。
●[077]子供たちにSF本を
>70年代から80年代にかけての小学校の図書室、ミステリと並んでSFの全集は定番としてありました。最初のSFは図書室だったという人は多いはず。でも、いま児童向けSFはほぼ消滅。この環境で次世代SF者を育てるにはどうすればいいか! 作戦会議です。
昨年、これに参加したおかげで、『BISビブリオバトル部』のアイデアがひらめいたんである。
今回出た話題の中で興味深かったのが、学校の図書室に納入される本はカバーがはずされるという話。これは盲点だった。つまりジュヴナイルはいくらカバーアートがしゃれてても、学校の図書室では意味がないんだそうだ。そうだったのかーっ! 『C&Y』もカバーはずしちゃったらどんな本か分かんないよ!
ちなみに創元の〈Webミステリーズ!〉、無料なのに、会場の人は誰も読んでいなかった。僕の新作がただで読めるんだよ! 読まなきゃ損だよ!
http://www.webmysteries.jp/special/biblio-01.html
●[044]日本語版『アメージング・ストーリーズ』の世界
> 終戦直後の昭和25年、誠文堂新光社から刊行された『怪奇小説叢書 アメージング・ストーリーズ』全7巻をご存知ですか? 日本初の海外SF短編の本格的アンソロジー。そこに掲載された佳作・珍作・怪作の数々を歴史の闇から掘り起こし、楽しく紹介いたします。
これは僕の企画。北原尚彦さんに助けていただきました。
北原さんから聞いて驚いたのが、日本語版『アメージング・ストーリーズ』に載ってた小説が、1960年代、学習雑誌の付録のジュヴナイルに流用されていたという話。おそらく無許可。あの時代、何でもありだったんだな。
●[067]ビブリオバトル by SF文学振興会
>本を紹介するゲーム、ビブリオバトル。あなたの好きなあの本の魅力を5分間で伝えてください。誰が、どう紹介するのか。聞いて分かる本の魅力、やってわかるゲームの面白さ。あなたもすぐにバトラーデビュー。まずは、本を1冊もって、ご参加ください。
ゲストとして招かれた企画。しかし、司会の人の手際が悪かったな。会場の人たちを班分けして個別にビブリオバトルをやらせようとしたんだけど、かんじんの班分けの方法を決めてなかったのでもたついた。最初に「発表する本のある人」と言って手を上げさせて、その人たちに番号を書いた紙を配って、「何番から何番まではこっち」と分ければ良かったのでは?
ちなみに僕は、あすたりすくのゲーム会のビブリオバトルで使ったことのある中松まるは『すすめ!ロボットボーイ』で臨んだんだけど、同じ班の人がシャーリン・マクラムの『暗黒太陽の浮気娘』を持ってきてたもんで敗退。SF大会でそれは鉄板だわ! 勝てねーわ!(SFファンに大受けする本にもかかわらず、読んでいるSFファンが少ないからなあ)
あと、後で他の参加者の方からも話を聞いたんだけど、どうもビブリオバトルというものの趣旨を根本的に理解していない人がいたみたい……ルールの説明、ちゃんと聞いてましたか?
ちなみにこの日の夜の公式パーティは、8,500円も取っておきながら、食べるものが15分でなくなったと後で聞いた。SFファンの食欲を甘く見ちゃいかん。
パーティに出ずにホテルのレストランでディナーを食べた僕は勝ち組(笑)。
2014年08月09日
新刊『プロジェクトぴあの』

PHP研究所 2052円
8月19日発売
2025年、AR(拡張現実)技術が本格的に普及しはじめた秋葉原。「男の娘」の貴尾根すばる(本名・下里昴)は、電子部品を買い漁っていた不思議な少女と知り合う。
彼女の名は結城ぴあの。人気アイドル・グループ〈ジャンキッシュ〉のメンバーで、科学に関する膨大な知識と桁外れの才能を有する、突然変異的な超天才。普通の人間とは異質の感性を有し、決して人を愛せない。
アイドル業の傍ら、ガレージでの実験に熱中するぴあの。幼い頃からの彼女の夢はただひとつ──宇宙に行くこと!
『地球移動作戦』の前日談、ピアノ・ドライブの発明者である結城ぴあのの物語です。本当は『地球移動作戦』より前から構想していた話なんですけどね。
思いついたきっかけは、もう20年以上も前、あるバラエティ番組の一場面でした。某発明家がスタジオに持ちこんだ、宇宙エネルギーなんたらかんたらという、どう見ても嘘っぽい装置を、ゲストのアイドルやコメディアンが取り囲んで、しきりに感心している。
そこでふと、ひらめいたんです。
「アイドルの女の子がすごい天才で、科学的間違いを指摘しはじめたら面白い」
そのたったひとつの思いつきから、どんどん妄想と構想が広がって、結城ぴあのというキャラクターが生まれ、最終的にこんな話になりました。
僕は「変なヒロイン」が好きです。外見や喋り方じゃなく、考え方が普通じゃないユニークな女の子。詩羽がそうだし、一条(仮名)も魅波も千里もみんなそう。アイビスやマイカやカイラなんて人間ですらありません。
だから、ぴあのを頭がいいだけの普通の女の子にしたくありませんでした。そこで、いっそ人間とは異質の考え方をする突然変異体──ミュータントだと割り切って、その才能と奇行を描くことにしました。
だからこの小説は、SFのジャンルで言うとミュータントものです。ヴァン・ヴォクトの『スラン』、スタージョンの『人間以上』、パジェットの「黒い天使」などなど、枚挙にいとまがありません。ちなみに書いている間、なんとなく意識していたのは、『エイトマン』の「新人類ミュータント」でした。
あと、僕はマレイ・ラインスターのような古典的なSFが大好きなんで、「1人の大天才が生み出した発明が世界を変える」という、古典的なパターンに挑戦してみたかったということもあります。 昔からある話でも、現代風に語り直せば面白くなるはずだと。
逆に、描きたくなかったのは「本物のアイドル」です。僕にとってのアイドルは、AKBでもももクロでもなく、『ようこそようこ』と『アイドルマスター』だったりするので(笑)、リアリティを放棄して、「現代のおとぎ話」と割り切って描くことにしました。
他にも、『地球移動作戦』で重要な役割を果たすACOM(人工意識コンパニオン)やメガプロデューサーなどは、この時代に生まれたと設定し、その誕生をぴあのとからめて描いています。
『地球移動作戦』を読まれた方なら、この話の結末がどうなるかご存知でしょう。最初からネタバレしてるというのは、作者にとっては大きなハンデです。それでも読者を飽きさせまいと、胸躍る展開、いろんな小ネタを詰めこんでいます。
ラスト近くの宇宙のシーンはもちろん、中盤の山場である〈メカぴあの〉との対決は、個人的にすごくノッて書けました。
語り手のすばるを「男の娘」にしようと思いついたのは、実は連載開始の直前。ぴあのがあまりに個性的なもんで、普通の男じゃ釣り合わない。それにアイドルの女の子の周囲に若い男がうろちょろするっておかしくないか……と、さんざん悩んだ末に、「男の娘」にすることを思いつきました。いちおう計算してやってます。
逆に計算外だったのは、青梅秋穂という女の子。最初はほんのちょい役の予定だったのに、なぜか話の節目節目に出てくるようになり、最後はすっかりいいキャラになっちゃって……。
いやあ、小説書いてると、自分でも予想していない、こういうハプニングがあるんですわ。
もうひとつ、忘れちゃいけない、物語の中で重要な意味を持つ〈サイハテ〉という歌。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2053548
もうね、この歌、好きなんですよ! もちろん小林オニキスさんのオリジナルもいいんですが、「【第7回MMD杯本選】春香さんで「サイハテ」」で使われたハリさんバージョンが、泣けるほどいいんです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15356120
だもんで、『アイの物語』の「瑠璃色の地球」のように、いつか小説の中で使おうと思っていました。その夢がようやく叶ったわけです。
ですからこれは、一種のボカロ小説と言えるかもしれません。
他にも作中では、ぴあのに実在・架空おり混ぜて、いろんな歌を歌わせています。実在の歌の方は、思いっきり僕の趣味に走った選曲してます。
楽しめる作品だと自負しています。発売は今月19日。よろしくお願いします。
2014年08月09日
「アルジャーノンに花束を」は駄作になるところだった!
今月号の〈SFマガジン〉はダニエル・キイス追悼特集。キイスをめぐるいろいろな記事が載ってるんだけど、中でも興味深かったのは、長編版『アルジャーノンに花束を』(早川書房)の訳者の小尾芙佐さんが紹介している話。最初に中編版の「アルジャーノンに花束を」が書かれた時のエピソードである。
> 作品を書き上げたとき、まず読んでくれた親友フィル・クラスの「これはまちがいなく古典になる」という言葉に自信を得て、これを〈ギャラクシイ〉誌にもっていった。ところが編集長のゴールドから手直しを迫られた。「結末がうちの読者には暗すぎる。チャーリィは超天才のままアリス・キニアンと結婚する。そして幸せに暮らす」こういう結末にすれば掲載しようという彼の言葉にキイスさんは愕然とし、黙ってその場を立ち去った。(後略)
えええええーっ!
H・L・ゴールドって有名な編集者だけど、そんなマヌケなこと言ってたのか! そんなことしたら、あの名作が台無しになっちゃうだろ!
キイスが親友のフィル・クラス(SF作家のウィリアム・テン)にこのことを話すと、「もしきみが結末を変えようなんて気を起こしたら、おれはきみの両脚をバットでたたき折ってみせる」と言われた。 その言葉に勇気づけられたキイス、今度は〈F&SF〉誌に送って採用された。
同誌1959年4月号に掲載された中編版「アルジャーノンに花束を」は、1961年2月号の〈SFマガジン〉に稲葉明雄氏の訳で掲載され、日本でも知られるようになる。
その後、キイスはこれに加筆して長編にするのだが、「またもやハッピー・エンドを要求する編集者に拒絶された。そしてさらに大手出版社二社にも断られ、追い打ちをかけるように別の出版社からも拒絶の手紙が送られてくる」という有様。キイスの絶望、いかばかりか。
その後、ハーコート・ブレイス&ワールド社の編集者に認められて、ようやく出版されるのである。
『アンネの日記』や『ハリー・ポッターと賢者の石』にも、「こんなものは受けない」といくつもの出版社に断られたという話があるけど、世の中には見る目のない編集者というのが、けっこういるものらしい。
僕の場合、幸いにも、「結末を変えろ」などと言われたことは一度もないんだけど……。
もしかしたら、世の中には、編集者の理不尽な要求通りに作者が書き換えてしまって、駄作になってしまった作品がけっこうあるのかもしれない。
> 作品を書き上げたとき、まず読んでくれた親友フィル・クラスの「これはまちがいなく古典になる」という言葉に自信を得て、これを〈ギャラクシイ〉誌にもっていった。ところが編集長のゴールドから手直しを迫られた。「結末がうちの読者には暗すぎる。チャーリィは超天才のままアリス・キニアンと結婚する。そして幸せに暮らす」こういう結末にすれば掲載しようという彼の言葉にキイスさんは愕然とし、黙ってその場を立ち去った。(後略)
えええええーっ!
H・L・ゴールドって有名な編集者だけど、そんなマヌケなこと言ってたのか! そんなことしたら、あの名作が台無しになっちゃうだろ!
キイスが親友のフィル・クラス(SF作家のウィリアム・テン)にこのことを話すと、「もしきみが結末を変えようなんて気を起こしたら、おれはきみの両脚をバットでたたき折ってみせる」と言われた。 その言葉に勇気づけられたキイス、今度は〈F&SF〉誌に送って採用された。
同誌1959年4月号に掲載された中編版「アルジャーノンに花束を」は、1961年2月号の〈SFマガジン〉に稲葉明雄氏の訳で掲載され、日本でも知られるようになる。
その後、キイスはこれに加筆して長編にするのだが、「またもやハッピー・エンドを要求する編集者に拒絶された。そしてさらに大手出版社二社にも断られ、追い打ちをかけるように別の出版社からも拒絶の手紙が送られてくる」という有様。キイスの絶望、いかばかりか。
その後、ハーコート・ブレイス&ワールド社の編集者に認められて、ようやく出版されるのである。
『アンネの日記』や『ハリー・ポッターと賢者の石』にも、「こんなものは受けない」といくつもの出版社に断られたという話があるけど、世の中には見る目のない編集者というのが、けっこういるものらしい。
僕の場合、幸いにも、「結末を変えろ」などと言われたことは一度もないんだけど……。
もしかしたら、世の中には、編集者の理不尽な要求通りに作者が書き換えてしまって、駄作になってしまった作品がけっこうあるのかもしれない。
タグ :SF
2014年08月09日
続・「日本人の誇り」を忘れた日本人たち
まあ、4月のセウォル号の転覆事故の時があれだったから、予想はしてたけど。
http://hirorin.otaden.jp/e312078.html
中国雲南省で起きた地震に関して、mixiニュースのつぶやきの中からひどいものを拾ってみた。
中国雲南省でM6.3の地震、367人死亡・建物が多数倒壊
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2994713&media_id=52
>中国が災害でどうなろうと放っとけ。この前も、ウイグル人を3000人の市民を平気で殺す民族だし。漢民族は世界中からいなくなれ。
>いつも日本批判をしてる中国。バチが当たったんですよー。けど支援しまくる我が国日本の政治家 こんな国ほっとけ!
>国家は嫌いだか人間は…っていう偽善者がいっぱいいて笑った。
>自衛隊が行くと雲南の大虐殺だて言われるから行くのやめた方が良いよ
>シナの人間はもっとタヒんだらええですな
>クソワロタ
>カルマ返しが国民に行ったか。国民に恨みはないが増えすぎる人口が少しでも減りますように。国としての成長が少しでも遅れますように。日本は手を出す必要はない。
>もっと逝けば良かったのにな。
>ほら、お前らはよお得意のKI☆ZU☆NAとやらで義援金()送ったれよwwwwwまさか同じ人間なのに他国の事だからどうでもいいなんて言わんよな?wwwだとしたら絆とは脆いものですなあww
>支那人は死ね、もっと死ね、地球からいなくなれ。死ね死ね。
>人類多すぎやからええやん(笑)タヒってね(笑)
ヘイトスピーチとは違うんだけど、こんなアホなこと書いてる奴もいた。
>中国でも強い地震があるんだな、知らなかった。ブラジルと同じでは天災がなく、人災だけかと思ってた
2008年と2013年の四川省の大地震はもう記憶から消えてますか。そうですか。
中国雲南省地震の死者398人に、李首相が被災地で陣頭指揮
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2995807
>いやー愉快愉快wwwwwまたこんだけしか、死骸がないの? 倒壊した瓦礫にミサイル撃てよ(笑)あと、ゴキブリ避難所を焼き討ちしろよ(#`皿´)
>今日は一段とご飯が進むな。メシウマメシウマ。
>ウイグル人が中共に3000人以上殺されたらしい話を聞くと中国人なんて全て塵になってしまえばいいと思えてしまうね。
>日本は心を鬼にして助けないようにしなくては。
当然、こうした声があるのはmixiだけじゃない。たとえば2ちゃんねる。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1407114868/
>ざまあああああああああああああああああ
>シナチョンはセットで地球のゴミ
>死滅してくれたほうがいい
>よっしゃああああああああああwwwwwwwwwww
>まぁ中国人も13億分の1ぐらいまで人口が
>減ったら保護を考えればいいと思うわw
>チャンコロは地球からも嫌われてるんだな
>大丈夫。13億人いるから。
>たかが367人。あと、1000万人位、死んでも、大丈夫。
>シナ人を1人、みつけたら、そこには、1000人のシナ人がいる。
>漢民族なら13億匹くらいくたばった方が地球のためだと思うよ
それにしても不思議だ。「チャンコロは地球からも嫌われてるんだな」と言ってる奴は、もう東日本大震災を忘れてるんだろうか?
ちなみに、こうした発言を「不逞鮮人」などと決めつけている奴も多い。韓国人が日本人の評判を落とすため、日本人を装って嫌中発言を書きこんでると思っているのだ。もちろん、何の根拠もない妄想である。
それに、2ちゃんねるはまだしもmixiだと、発言者をたどれるのだ。いちおう発言者すべてチェックしてみたけど、案の定、他に嫌韓発言もしている奴が多かった。在日コリアンのなりすましなどではないのは確実である。
ただ、今回もまた、こうした下劣なつぶやきを批判する声や、救援活動を望む声の方が多かった。 同じくmixiニュースのつぶやきより。
>中国って国政が悪いだけで、人柄は嫌いになれないから。。。しかも、自然災害だしザマァとか言っている人の品位を疑う。。。隠蔽せずに救助活動が澱みなく行われますように。。。
>国としての中国が嫌いなのであって、人民に恨みがあるわけでは無い。至急、支援態勢を整えてほしい。前回のように一部の人民から《スパイ活動の為に来た》と言われるのだろうけど、そう言われても構わない。日本は日本の誠意を見せるだけ。
>中国の田舎を旅行して解ったが彼らは人として知り合えば下手な日本人より親切である。「TVの日本人と現実の日本人はまるで違う」とまでいう。災害は国を分かたず同情すべきである。日本政府による一刻も早い支援を望む。
>他人や他国で起こってしまった災難に対して心配する声を 「偽善者」 呼ばわりする人がいるのは同じ日本人として残念だね、、、。
>かわいそう…亡くなった方にはご冥福をお祈りします。何がかわいそうって、こういううニュースを見てざまぁって言う人がいるってことなんだよね…。同じ人間なんだからさ、せめて冥福ぐらい祈ってあげようよって思う。
>自分を鏡で見れもしない恥ずかし人種の呟きが相変わらず散見されますな。政治の建前と民衆の痛みも分けて考えられないとか…早々に義援や支援が為される事を願う
>ここで「おめでとう」とか「ざまぁ」とか言っちゃうのは日本人の対応じゃないな。俺は保守側の人間だけどこういうのは人間性が出るな。
>こういう時に「ざまぁ」とか「メシウマ」とか言ってる連中の品位なんてものはまぁ…御察しですが、よそ様の意見に「偽善乙」って言ってる人達は、一体何と戦ってるの?
>痛ましくて言葉も出ない 加えてこの雲南の人々をこれ以上苦しめるやつは人道的に許せない
>現在、日中間が緊張関係にあるとはいえ、阪神大震災や中越地震や東日本大震災を経験した人には犠牲者や被災者の悲しみや辛さが分かると思う。国は違くても同じ人間だよ。これは偽善なんかじゃない。
>海外支援、災害救援は日本が平和国家として存立するための戦略。 人道支援とか人として当たり前とかそれは国家としては方便でしょう。 絆がどうの偽善者がどうのという話が散見されるけれど 言葉は言葉でしかないと思いたい。行動が全て。
>毎度懲りずに゛喜び゛の主旨を書き込んでるのは、「日本の震災をお喜び申し上げます」とかほざいた、韓国の阿呆と同レベルなクズだな! まず゛人間゛としての品性が欠落している、「畜生」なのは確かだろう。
>人か亡くなったのに酷いとこを言う日本人が許せない。日本人として恥ずかしい。
>日本も3.11で被災したのに「ざまぁみろ」とか呟いている日本人。恥を知(怒)
>復興は大変だろうなと思う。こんな風に家が無くなってしまうと思い出の品々も無くなってしまう。せめて少しでも取り戻せますように、そして今まで以上に堅牢な街を作ってください。生活が安定すれば平和も根付くはず。
僕も中国という国は嫌いである。環境汚染とか、少数民族弾圧とか、言論弾圧とか、政治家の不正とか、もう腐りきってると思う。今の体制がひっくり返らない限り、もうどうしようもないのかな、と絶望もしてる。
だが、韓国のセウォル号の事故もそうだけど、今回の地震で亡くなった人たちの大半は政治家などではなく、中国政府の悪行の責任はない。死なねばならないような罪を犯してはいないはずである。
罪のない一般人が大勢死ぬことを喜ぶ感情は、悪と断言してよいと思う。
http://hirorin.otaden.jp/e312078.html
中国雲南省で起きた地震に関して、mixiニュースのつぶやきの中からひどいものを拾ってみた。
中国雲南省でM6.3の地震、367人死亡・建物が多数倒壊
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2994713&media_id=52
>中国が災害でどうなろうと放っとけ。この前も、ウイグル人を3000人の市民を平気で殺す民族だし。漢民族は世界中からいなくなれ。
>いつも日本批判をしてる中国。バチが当たったんですよー。けど支援しまくる我が国日本の政治家 こんな国ほっとけ!
>国家は嫌いだか人間は…っていう偽善者がいっぱいいて笑った。
>自衛隊が行くと雲南の大虐殺だて言われるから行くのやめた方が良いよ
>シナの人間はもっとタヒんだらええですな
>クソワロタ
>カルマ返しが国民に行ったか。国民に恨みはないが増えすぎる人口が少しでも減りますように。国としての成長が少しでも遅れますように。日本は手を出す必要はない。
>もっと逝けば良かったのにな。
>ほら、お前らはよお得意のKI☆ZU☆NAとやらで義援金()送ったれよwwwwwまさか同じ人間なのに他国の事だからどうでもいいなんて言わんよな?wwwだとしたら絆とは脆いものですなあww
>支那人は死ね、もっと死ね、地球からいなくなれ。死ね死ね。
>人類多すぎやからええやん(笑)タヒってね(笑)
ヘイトスピーチとは違うんだけど、こんなアホなこと書いてる奴もいた。
>中国でも強い地震があるんだな、知らなかった。ブラジルと同じでは天災がなく、人災だけかと思ってた
2008年と2013年の四川省の大地震はもう記憶から消えてますか。そうですか。
中国雲南省地震の死者398人に、李首相が被災地で陣頭指揮
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2995807
>いやー愉快愉快wwwwwまたこんだけしか、死骸がないの? 倒壊した瓦礫にミサイル撃てよ(笑)あと、ゴキブリ避難所を焼き討ちしろよ(#`皿´)
>今日は一段とご飯が進むな。メシウマメシウマ。
>ウイグル人が中共に3000人以上殺されたらしい話を聞くと中国人なんて全て塵になってしまえばいいと思えてしまうね。
>日本は心を鬼にして助けないようにしなくては。
当然、こうした声があるのはmixiだけじゃない。たとえば2ちゃんねる。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1407114868/
>ざまあああああああああああああああああ
>シナチョンはセットで地球のゴミ
>死滅してくれたほうがいい
>よっしゃああああああああああwwwwwwwwwww
>まぁ中国人も13億分の1ぐらいまで人口が
>減ったら保護を考えればいいと思うわw
>チャンコロは地球からも嫌われてるんだな
>大丈夫。13億人いるから。
>たかが367人。あと、1000万人位、死んでも、大丈夫。
>シナ人を1人、みつけたら、そこには、1000人のシナ人がいる。
>漢民族なら13億匹くらいくたばった方が地球のためだと思うよ
それにしても不思議だ。「チャンコロは地球からも嫌われてるんだな」と言ってる奴は、もう東日本大震災を忘れてるんだろうか?
ちなみに、こうした発言を「不逞鮮人」などと決めつけている奴も多い。韓国人が日本人の評判を落とすため、日本人を装って嫌中発言を書きこんでると思っているのだ。もちろん、何の根拠もない妄想である。
それに、2ちゃんねるはまだしもmixiだと、発言者をたどれるのだ。いちおう発言者すべてチェックしてみたけど、案の定、他に嫌韓発言もしている奴が多かった。在日コリアンのなりすましなどではないのは確実である。
ただ、今回もまた、こうした下劣なつぶやきを批判する声や、救援活動を望む声の方が多かった。 同じくmixiニュースのつぶやきより。
>中国って国政が悪いだけで、人柄は嫌いになれないから。。。しかも、自然災害だしザマァとか言っている人の品位を疑う。。。隠蔽せずに救助活動が澱みなく行われますように。。。
>国としての中国が嫌いなのであって、人民に恨みがあるわけでは無い。至急、支援態勢を整えてほしい。前回のように一部の人民から《スパイ活動の為に来た》と言われるのだろうけど、そう言われても構わない。日本は日本の誠意を見せるだけ。
>中国の田舎を旅行して解ったが彼らは人として知り合えば下手な日本人より親切である。「TVの日本人と現実の日本人はまるで違う」とまでいう。災害は国を分かたず同情すべきである。日本政府による一刻も早い支援を望む。
>他人や他国で起こってしまった災難に対して心配する声を 「偽善者」 呼ばわりする人がいるのは同じ日本人として残念だね、、、。
>かわいそう…亡くなった方にはご冥福をお祈りします。何がかわいそうって、こういううニュースを見てざまぁって言う人がいるってことなんだよね…。同じ人間なんだからさ、せめて冥福ぐらい祈ってあげようよって思う。
>自分を鏡で見れもしない恥ずかし人種の呟きが相変わらず散見されますな。政治の建前と民衆の痛みも分けて考えられないとか…早々に義援や支援が為される事を願う
>ここで「おめでとう」とか「ざまぁ」とか言っちゃうのは日本人の対応じゃないな。俺は保守側の人間だけどこういうのは人間性が出るな。
>こういう時に「ざまぁ」とか「メシウマ」とか言ってる連中の品位なんてものはまぁ…御察しですが、よそ様の意見に「偽善乙」って言ってる人達は、一体何と戦ってるの?
>痛ましくて言葉も出ない 加えてこの雲南の人々をこれ以上苦しめるやつは人道的に許せない
>現在、日中間が緊張関係にあるとはいえ、阪神大震災や中越地震や東日本大震災を経験した人には犠牲者や被災者の悲しみや辛さが分かると思う。国は違くても同じ人間だよ。これは偽善なんかじゃない。
>海外支援、災害救援は日本が平和国家として存立するための戦略。 人道支援とか人として当たり前とかそれは国家としては方便でしょう。 絆がどうの偽善者がどうのという話が散見されるけれど 言葉は言葉でしかないと思いたい。行動が全て。
>毎度懲りずに゛喜び゛の主旨を書き込んでるのは、「日本の震災をお喜び申し上げます」とかほざいた、韓国の阿呆と同レベルなクズだな! まず゛人間゛としての品性が欠落している、「畜生」なのは確かだろう。
>人か亡くなったのに酷いとこを言う日本人が許せない。日本人として恥ずかしい。
>日本も3.11で被災したのに「ざまぁみろ」とか呟いている日本人。恥を知(怒)
>復興は大変だろうなと思う。こんな風に家が無くなってしまうと思い出の品々も無くなってしまう。せめて少しでも取り戻せますように、そして今まで以上に堅牢な街を作ってください。生活が安定すれば平和も根付くはず。
僕も中国という国は嫌いである。環境汚染とか、少数民族弾圧とか、言論弾圧とか、政治家の不正とか、もう腐りきってると思う。今の体制がひっくり返らない限り、もうどうしようもないのかな、と絶望もしてる。
だが、韓国のセウォル号の事故もそうだけど、今回の地震で亡くなった人たちの大半は政治家などではなく、中国政府の悪行の責任はない。死なねばならないような罪を犯してはいないはずである。
罪のない一般人が大勢死ぬことを喜ぶ感情は、悪と断言してよいと思う。
2014年08月09日
『アオイホノオ』のリアリティ
岡田斗司夫解説ツィートまとめ「アオイホノオ第3話」
http://togetter.com/li/700950
>監督に出した感想メール
> 見ていてもう本当にモユルにイライラしました(笑)
>笑いながら、ダメなクリエイター予備軍だった自分を思い出して、もう痛くて痛くて。
>その痛さを、モユルにイライラとぶつけるカタチで昇華しちゃいましたよ。 #アオイホノオ
>モユルが悩むたびに「お前が悩んでる間にも、庵野は手を動かしてるぞ!わかってるのかよ!?」と叫びたくなります。
>今日、フラッシュさんが取材に来たので、見てる人へのメッセージとして
>「焔モユルみたいには、絶対になるな!」
>と断言してしまいました(笑) #アオイホノオ
いや、まったく同感。
『アオイホノオ』は(原作もドラマ版も)「リアル」な作品である。誇張され、戯画化されているが、「リアル」なのだ。
実在の人物が何人も出てくるとか、時代考証がどうとかじゃない。「ダメなクリエイター予備軍」である焔モユルの言動や考え方が、ものすごくリアリティがあるのだ。
僕は大阪芸大に行ってたわけじゃないし、マンガ家じゃなく小説家志望だったけど、焔モユルがあの頃の自分と驚くほど重ね合わさってしまう。
たとえばドラマの第3話で、モユルは学校の課題のCM制作を、「完全でないものを世に出すわけにはいかない」とかいう(自分ではかっこいいと思っている)台詞を吐いて、リタイヤしてしまう。そして、CMを完成させた他の学生に対し、「勝った」と優越感を抱く。
勝ってねーよ!
これが「ダメなクリエイター予備軍」の特徴のひとつ。自分には才能があり、絶対にプロになれるという根拠のない自信を抱いている。そして、これから創ろうと思っている作品は素晴らしい傑作で、みんなから称賛を受けると、勝手に思いこんでいる。
だが、それを完成させようとはしない。未完成で終わらせるか、あるいはそもそも手をつけることすらしない。作品の構想を練ったり、細かい設定を創る作業にばかり熱中して、なかなかスタートしない。そして、自分が完全主義者であることを、作品を創らないことの言い訳にする。
なぜなら、実際に創っちゃうと、それは思っていたようなレベルではないことが分かってしまうからだ。
完成させなければ、いつまでも「俺のこれから創る作品は素晴らしい」という幻想を維持していられる。
僕もね、アマチュア時代、そうだったよ。自分が書こうと思っている小説の設定を何ページにもわたってノートに書いたり、プロットばっかり何十本も練っていた。しかし、その作品がどれほど素晴らしいかを夢想するばかりで、いっこうに書こうとしなかった。
いざ、手をつけても、理想としているものに届かない。ちょっとしたことで悩んで、すぐに原稿用紙を破り捨てる。スランプである。
それが10年ぐらい続いた。
自分ではそれを「修業期間」だと思っていた。しかし、書かなければ上手くなるわけがないし、ましてデビューできるわけがないのだ。
スランプから脱け出せたきっかけは、前にも書いたけど、グループSNEに入って、安田均氏からパソコンゲームのノヴェライズをまかされたことである。
それまで僕は長編を書いたことはなかった。しかし、安田氏は僕が書けると信じて仕事を任せてくれた。その信頼を裏切るわけにはいかない。
プロの仕事には締め切りがある。「完全でないものを世に出すわけにはいかない」なんて青臭いことを言っていられない。多少、満足できないところがあっても、前に進むしかなかった。とにかくがむしゃらに書いた。
そうして僕の処女長編『ラプラスの魔』は書き上がった。
同時に、10年も続いたスランプが嘘のように消え失せ、書けるようになった。
だから、デビューしたければ、完全主義者であることをやめることだ。もっと正確に言えば、完全主義を言い訳にしないことだ。
なぜなら、理想に届かなくても、とにかく書きさえすれば修業になるし、締め切りまでに完成させさえすれば得点になるからだ。もちろん、完成度があまりに低いのは論外だけど、「理想に少し届かない」程度なら十分に評価してもらえるはずだ。100点満点でなくて、90点かもしれない。それでも、書かなければ0点だ。
僕の場合、「完成度100%でなくてもいい。90%でいい」と割り切ったとたん、それまでのスランプから脱け出せた。
もうひとつ、共感を覚えたのは、モユルがデビュー当時の高橋留美子の作品を読んで、「今のサンデー読者にこれがわかるわけがない!」「俺だけは認めてやろう!!」などと偉そうなことをのたまうくだりである。
まったく同じこと、僕もやった!
『うる星やつら』の連載がはじまった当初、「これは面白いけど、マニアックすぎて読者に受けないだろう」と思ったよ。せめて僕だけでも心の中で応援してやろうと。
今思うと、恥ずかしいなあ。
実はずっと後になって、同じ失敗をやらかした。『涼宮ハルヒの憂鬱』を出版直後に読んで、「これは面白いけど、若い読者に受けないだろう」と思ったのである。この話は僕がSFファンだからこそ納得でき、共感できるのであって、SFの素養がない人間はついてこれないだろうと。だから、せめて僕だけでも応援してやろうと、『monoマガジン』の連載で取り上げたりもした。
その後のことはご承知の通りである(笑)。
それ以来、自分の「これは受ける」「これは受けない」という直感は、絶対に信用しないことにしている。
その他にも、先にデビューした新人マンガ家(僕の場合は作家)を勝手にライバル視したり、プロの作品を偉そうに批判したり、逆にすごい作品を見せつけられて落ちこんだり……もうほんとに、モユルのやってることって、あの頃の「ダメなクリエイター予備軍」だった僕そっくりなんだよ。
そうそう、アニメを知らない一般人に「金田アクション」について説明しようとしたこともあったな。
おそらく僕だけじゃないはずだ。他の現役クリエイターのみなさんの中にも、モユルの姿に過去の自分を重ね合わせて、「いたたたた」と苦笑している人は多いと思う。
逆に、クリエイターやクリエイター志望でない人に、この話の面白さが理解できるのかな……と思ったりもするんだが、「これは一般人には受けない」とか言っちゃうとまた恥かきそうなのでやめておく(笑)。
もちろん、僕もそうだけど、島本和彦氏自身も、のちにちゃんとデビューして人気マンガ家になっている。
だからと言って焔モユルを見習っちゃいけないのだ。島本氏は、アマチュア時代の自分が何がどうダメだったかを客観的に分析して、ギャグにしているのだから。
焔モユルはクリエイター志望者が見習っちゃいけない反面教師なんである。
http://togetter.com/li/700950
>監督に出した感想メール
> 見ていてもう本当にモユルにイライラしました(笑)
>笑いながら、ダメなクリエイター予備軍だった自分を思い出して、もう痛くて痛くて。
>その痛さを、モユルにイライラとぶつけるカタチで昇華しちゃいましたよ。 #アオイホノオ
>モユルが悩むたびに「お前が悩んでる間にも、庵野は手を動かしてるぞ!わかってるのかよ!?」と叫びたくなります。
>今日、フラッシュさんが取材に来たので、見てる人へのメッセージとして
>「焔モユルみたいには、絶対になるな!」
>と断言してしまいました(笑) #アオイホノオ
いや、まったく同感。
『アオイホノオ』は(原作もドラマ版も)「リアル」な作品である。誇張され、戯画化されているが、「リアル」なのだ。
実在の人物が何人も出てくるとか、時代考証がどうとかじゃない。「ダメなクリエイター予備軍」である焔モユルの言動や考え方が、ものすごくリアリティがあるのだ。
僕は大阪芸大に行ってたわけじゃないし、マンガ家じゃなく小説家志望だったけど、焔モユルがあの頃の自分と驚くほど重ね合わさってしまう。
たとえばドラマの第3話で、モユルは学校の課題のCM制作を、「完全でないものを世に出すわけにはいかない」とかいう(自分ではかっこいいと思っている)台詞を吐いて、リタイヤしてしまう。そして、CMを完成させた他の学生に対し、「勝った」と優越感を抱く。
勝ってねーよ!
これが「ダメなクリエイター予備軍」の特徴のひとつ。自分には才能があり、絶対にプロになれるという根拠のない自信を抱いている。そして、これから創ろうと思っている作品は素晴らしい傑作で、みんなから称賛を受けると、勝手に思いこんでいる。
だが、それを完成させようとはしない。未完成で終わらせるか、あるいはそもそも手をつけることすらしない。作品の構想を練ったり、細かい設定を創る作業にばかり熱中して、なかなかスタートしない。そして、自分が完全主義者であることを、作品を創らないことの言い訳にする。
なぜなら、実際に創っちゃうと、それは思っていたようなレベルではないことが分かってしまうからだ。
完成させなければ、いつまでも「俺のこれから創る作品は素晴らしい」という幻想を維持していられる。
僕もね、アマチュア時代、そうだったよ。自分が書こうと思っている小説の設定を何ページにもわたってノートに書いたり、プロットばっかり何十本も練っていた。しかし、その作品がどれほど素晴らしいかを夢想するばかりで、いっこうに書こうとしなかった。
いざ、手をつけても、理想としているものに届かない。ちょっとしたことで悩んで、すぐに原稿用紙を破り捨てる。スランプである。
それが10年ぐらい続いた。
自分ではそれを「修業期間」だと思っていた。しかし、書かなければ上手くなるわけがないし、ましてデビューできるわけがないのだ。
スランプから脱け出せたきっかけは、前にも書いたけど、グループSNEに入って、安田均氏からパソコンゲームのノヴェライズをまかされたことである。
それまで僕は長編を書いたことはなかった。しかし、安田氏は僕が書けると信じて仕事を任せてくれた。その信頼を裏切るわけにはいかない。
プロの仕事には締め切りがある。「完全でないものを世に出すわけにはいかない」なんて青臭いことを言っていられない。多少、満足できないところがあっても、前に進むしかなかった。とにかくがむしゃらに書いた。
そうして僕の処女長編『ラプラスの魔』は書き上がった。
同時に、10年も続いたスランプが嘘のように消え失せ、書けるようになった。
だから、デビューしたければ、完全主義者であることをやめることだ。もっと正確に言えば、完全主義を言い訳にしないことだ。
なぜなら、理想に届かなくても、とにかく書きさえすれば修業になるし、締め切りまでに完成させさえすれば得点になるからだ。もちろん、完成度があまりに低いのは論外だけど、「理想に少し届かない」程度なら十分に評価してもらえるはずだ。100点満点でなくて、90点かもしれない。それでも、書かなければ0点だ。
僕の場合、「完成度100%でなくてもいい。90%でいい」と割り切ったとたん、それまでのスランプから脱け出せた。
もうひとつ、共感を覚えたのは、モユルがデビュー当時の高橋留美子の作品を読んで、「今のサンデー読者にこれがわかるわけがない!」「俺だけは認めてやろう!!」などと偉そうなことをのたまうくだりである。
まったく同じこと、僕もやった!
『うる星やつら』の連載がはじまった当初、「これは面白いけど、マニアックすぎて読者に受けないだろう」と思ったよ。せめて僕だけでも心の中で応援してやろうと。
今思うと、恥ずかしいなあ。
実はずっと後になって、同じ失敗をやらかした。『涼宮ハルヒの憂鬱』を出版直後に読んで、「これは面白いけど、若い読者に受けないだろう」と思ったのである。この話は僕がSFファンだからこそ納得でき、共感できるのであって、SFの素養がない人間はついてこれないだろうと。だから、せめて僕だけでも応援してやろうと、『monoマガジン』の連載で取り上げたりもした。
その後のことはご承知の通りである(笑)。
それ以来、自分の「これは受ける」「これは受けない」という直感は、絶対に信用しないことにしている。
その他にも、先にデビューした新人マンガ家(僕の場合は作家)を勝手にライバル視したり、プロの作品を偉そうに批判したり、逆にすごい作品を見せつけられて落ちこんだり……もうほんとに、モユルのやってることって、あの頃の「ダメなクリエイター予備軍」だった僕そっくりなんだよ。
そうそう、アニメを知らない一般人に「金田アクション」について説明しようとしたこともあったな。
おそらく僕だけじゃないはずだ。他の現役クリエイターのみなさんの中にも、モユルの姿に過去の自分を重ね合わせて、「いたたたた」と苦笑している人は多いと思う。
逆に、クリエイターやクリエイター志望でない人に、この話の面白さが理解できるのかな……と思ったりもするんだが、「これは一般人には受けない」とか言っちゃうとまた恥かきそうなのでやめておく(笑)。
もちろん、僕もそうだけど、島本和彦氏自身も、のちにちゃんとデビューして人気マンガ家になっている。
だからと言って焔モユルを見習っちゃいけないのだ。島本氏は、アマチュア時代の自分が何がどうダメだったかを客観的に分析して、ギャグにしているのだから。
焔モユルはクリエイター志望者が見習っちゃいけない反面教師なんである。
2014年08月08日
コミケ直前情報・2014年夏コミの新刊
今年の夏コミのブースは、
15日(金)西1ホール め-02b
こころはいつも15才
です。
新刊はこういう本です。

『日本語版〈アメージング・ストーリーズ〉のすべて』
B5判 本文132ページ
『怪奇小説叢書 アメージング・ストーリーズ』全7冊。終戦直後の昭和25年、誠文堂新光社がSF雑誌〈アメージング・ストーリーズ〉を出していたジフ・デイヴィス社と提携して出版した、日本初の海外SFアンソロジーです。今では入手困難なこのシリーズの内容を徹底紹介します。
併せて、〈アメージング・ストーリーズ〉の歴史を中心に、1920~50年代のアメリカSF雑誌の栄枯盛衰を語ります。アメリカSFの黄金時代だったはずなのに、 なぜ『怪奇小説叢書 アメージング・ストーリーズ』に載っているのは無名の作家ばかりだったのか? その原因は当時の〈アメージング〉本誌の状況にあったんですね。
他にも、あのマンガの元ネタがこんなところに!? とか、思いがけない発見もありました。お楽しみに。
15日(金)西1ホール め-02b
こころはいつも15才
です。
新刊はこういう本です。

『日本語版〈アメージング・ストーリーズ〉のすべて』
B5判 本文132ページ
『怪奇小説叢書 アメージング・ストーリーズ』全7冊。終戦直後の昭和25年、誠文堂新光社がSF雑誌〈アメージング・ストーリーズ〉を出していたジフ・デイヴィス社と提携して出版した、日本初の海外SFアンソロジーです。今では入手困難なこのシリーズの内容を徹底紹介します。
併せて、〈アメージング・ストーリーズ〉の歴史を中心に、1920~50年代のアメリカSF雑誌の栄枯盛衰を語ります。アメリカSFの黄金時代だったはずなのに、 なぜ『怪奇小説叢書 アメージング・ストーリーズ』に載っているのは無名の作家ばかりだったのか? その原因は当時の〈アメージング〉本誌の状況にあったんですね。
他にも、あのマンガの元ネタがこんなところに!? とか、思いがけない発見もありました。お楽しみに。