2014年02月19日

続・アングレーム国際漫画祭で何が起きたか

 前回の記事の続きである。

http://hirorin.otaden.jp/e309280.html

 まずは『週刊文春』『週刊新潮』の2月13日号(発売は2月6日)を読み比べてみる。

 まずは『文春』。「韓国『慰安婦マンガ祭』の許されざる全内幕」と題して、韓国の出展したマンガの内容を詳しく紹介している。
 しかし、論破プロジェクト代表の藤井実彦氏にインタビューまでしているのに、彼と幸福の科学の関係については、一切の言及なし。

 次に『新潮』。「仏のマンガ祭から締め出された『日本人グループ』の裏に『幸福の科学』」というグラビア記事。幸福実現党から出馬したトクマ氏の写真(マスコットキャラクター「トックマくん」が写っている)と、藤井実彦氏の名刺(「トックマくん」が印刷されている)、撤去された論破プロジェクトのブースの写真(「トックマくん」が描かれている)を並べて掲載。
 さらにトクマ氏にインタビューし「藤井君は僕と同じく、幸福の科学の会員だよ」「あのマスコットは僕にちなんで『トックマ』と言うんですが、彼に使っていいよって言ったんです」という証言を引き出している。
 その一方で、韓国の慰安婦マンガがどういうものだったかは、まったく触れていない。

 うーん、両方の記事を並べて互いに補完したら、公正な記事になるのになあ(笑)。

 こうして見ると、『はだしのゲン』騒動の時とは構図がまったく逆だな。あの時は、『文春』が事件のバックに在特会がいることを報じ、『新潮』はそこにまったく触れてなかった。

http://hirorin.otaden.jp/e292136.html

 次に『週刊ポスト』2月21日号。これにもアングレーム漫画祭の記事が載った。それも二つも。
 グラビア記事は「韓国「従軍慰安婦漫画」のデタラメ」というタイトルで、漫画祭に出展された韓国の漫画を「韓国お得意の“捏造プロパガンダ”」「史実とかけ離れた、根拠も何もない作り話ばかり」と紹介する内容。
 一方、本文記事の方は「韓国の反日漫画に対抗した日本側作品の「作者」を書かなかった産経新聞」というタイトルで、論破プロジェクトが幸福の科学の支援を受けた団体であること、なぜか産経新聞がそれに触れなかったことを報じている。実際、幸福の科学広報局に問い合わせたところ、漫画のフランス語翻訳に協力したことをあっさり認め、「国益に適った活動であり、全国紙が報道することも問題ない」という回答だったそうだ。
『ポスト』は産経新聞にも取材を申し込んだが、「個別の記事については答えられない」という回答だったという。
「個別の記事については答えられない」って……意味不明の回答だな。
 なんにしても、今回の件で『週刊ポスト』をちょっと見直した。

 僕としては、こちらのサイトに書かれている主張に全面的に同意する。

アングレーム国際漫画祭で何があったのか? 韓国慰安婦漫画問題を考察してみる
http://world-manga.at.webry.info/201402/article_3.html

>>>アングレームの主催者の方
>「漫画祭に政治主張を持ち込ませるな!!」

>>>韓国
>「マンガを政治に利用するな!!」

>>>論破プロジェクト
>「マンガをなめるな!!」

 まったくその通りだ。
「Aは間違ってるから対抗するBを持ち上げる」という論法は危ない。AもBもどっちも間違ってる場合があるから。
 右だろうが左だろうが、間違ってるものには「おかしい」「間違ってる」って言わなきゃいけない。
 あと、「主張が正しければ何をやってもいい」という考え方もダメだ。いくら主張が正しくても、行動が間違ってたらアウトなんだよ。
  


Posted by 山本弘 at 14:50Comments(17)

2014年02月19日

日本版『アメージング・ストーリーズ』とアメリカSF雑誌の世界

Live Wire 14.2.28(金) なんば紅鶴|山本弘のSF&トンデモNIGHT#31
日本版『アメージング・ストーリーズ』とアメリカSF雑誌の世界

 終戦直後の昭和25年、誠文堂新光社から発売された『怪奇小説叢書 アメージング・ストーリーズ』全7巻をご存知でしょうか?
 日本初の海外SF短編の本格的アンソロジー。そこに掲載された佳作・珍作・怪作の数々を歴史の闇から掘り起こし、楽しく紹介しながら、『アメージング・ストーリーズ』を中心とした1920~50年代のアメリカのSF雑誌の栄枯盛衰を語ります。海外SFファンは必見!

[出演] 山本弘(SF作家/と学会会長)

[日時] 2014年2月28日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F / Tel. 06-6643-5159)(地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

前売り券のお求めはこちらへ
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=70727365

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 日本語版『アメージング・ストーリーズ』、以前から存在は知っていたけど、全貌がなかなか分からなかったんですよね。今回、全7巻の実物を入手したもので、「他の誰も紹介しないのなら僕が紹介するしかない!」と思い立ちました。
 いやあ、頭の痛くなる怪作が多くて(笑)。でも、そういうのも逆に楽しいかなと思います。
 背景を調べてゆくうちに、発見もいろいろありました。日本ではミステリ作家として有名なウィリアム・P・マッギヴァーンですが、実はこの時代、ものすごい数のスペースオペラとファンタジーを書きまくってたというのは、初めて知りました。特にこの日本語版『アメージング・ストーリーズ』に載った作品には、思いがけない事実が……お楽しみに!
  


Posted by 山本弘 at 14:17Comments(0)PR