2013年09月19日

「あなたの知らないマイナー特撮の世界#5」

Live Wire [207] 13.9.27(金) なんば紅鶴|山本弘のSF&トンデモNIGHT#26

「あなたの知らないマイナー特撮の世界#5」

 『ウルトラマン』や『仮面ライダー』や『ゴジラ』ばかりが「特撮」じゃない!  一世紀以上に及ぶ特撮の歴史の中には、一般にほとんど存在を知られていない作品、よほどの特撮マニアでさえ言及することの少ない作品が山ほどあるのです。
 歴史の闇に埋もれたそうした作品の再評価や、作品の生まれた時代背景、特撮シーンの見どころなどを紹介しつつ、愛にあふれるツッコミを入れまくろうというのがこの企画。第二次怪獣ブーム真っ盛りの1970年代。有名作品の影に埋もれたマイナー作に、愛あるツッコミを入れていきます。
 今回も、特撮をこよなく愛する小説家でゲームデザイナーの友野詳さんと、特撮マニアでB級アイテム・コレクターの鋼鉄サンボさんのトリオ、おなじみ「ナニワの特撮三兄弟」でお送りします。。


[出演] 山本弘(SF作家/と学会会長)、友野詳(小説家/ゲームデザイナー)、鋼鉄サンボ

[日時] 2013年9月27日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F / Tel. 06-6643-5159)(地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

前売りなどの情報はこちら。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=62210923
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 予告が遅れてごめんなさい。今月もやります。
 前回は予想通り、1971年と72年だけで終わっちゃいました。この2年だけでものすごい数の特撮番組・特撮映画があったんですよ。ざっと上げると、

【1971】
宇宙猿人ゴリ(スペクトルマン) 帰ってきたウルトラマン ミラーマン 仮面ライダー 好き! すき!! 魔女先生 シルバー仮面
アンドロメダ… 地球爆破作戦 恐竜時代 ゴジラ対ヘドラ ガメラ対深海怪獣ジグラ

【1972】
ウルトラマンA 緊急指令10-4・10-10 トリプルファイター 変身忍者嵐 超人バロム・1 人造人間キカイダー アイアンキング 愛の戦士レインボーマン サンダーマスク 突撃! ヒューマン!! 快傑ライオン丸 ワイルド7 レッドマン 行け!ゴッドマン タイム・トラベラー 怪人オヨヨ 少年オルフェ 続タイム・トラベラー
時計仕掛けのオレンジ そら見えたぞ、見えないぞ 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン 怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス

 ほんと、今から思うとすごい時代だったんだなと。
 73年と74年も、72年と同じぐらい多くて、これだけでやはり2時間潰れそうです。
 
  


Posted by 山本弘 at 20:50Comments(2)PR

2013年09月19日

『RWBY』はやっぱりいい。

 前に書いた『RWBY』の話の続き。

http://hirorin.otaden.jp/e289532.html

 8話が素晴らしかった。まさに「神回」というやつ。

RWBY Episode 8: Players and Pieces
https://www.youtube.com/watch?v=ctiDu69kIho


 特に後半、主要キャラ8人による、2体の大型モンスターとのボス戦が燃える。『Dead Fantasy』で培ったテクの数々を惜しげもなく注ぎこみ、三次元空間を巧みに使った、まさに立体機動のアクション。4人が一列に並んで遠距離攻撃かけるところも胸が熱くなるけど、なんといっても最高なのは、巨大怪鳥にとどめを刺すルビーの豪快な技! これはしびれる。
 ルビーの鎌もいいけど、ノーラのハンマーの使い方もかっこいいよなあ。
 快感の秘密のひとつは、歌の使い方。劣勢に立たされてた主人公側が、テーマソングが流れ出すと反撃に転じて、歌の終わりで必殺技で仕留めてビシッとポーズを決めるってのが、日本のアニメや特撮ものが昔から洗練させてきた手法なんだよね。『コン・バトラーV』とか。
 このバトルだけ、20回以上は見直した。

 ストーリー的にも、これまでずっとルビーのことをバカにしてたワイスが、ようやくルビーの実力を認め、最後は息の合った連携プレーで敵を倒すのが、お約束とはいえ気持ちいい。ずっといいところのなかったジョーンくんが、やっと才能があるところを見せたのも嬉しい。
 最後はチームRWBYの結成、そして次回への引きと、どこまでもサービス精神旺盛だ。

 9話からまた学園を舞台にした日常コメディ路線に戻ったんだけど、ワイスの寝顔とか、4人の制服姿とか、これまた萌ポイントがいろいろ。
 ギャグもけっこう面白くて笑っちゃう。どこの世界に美少女が鼻ほじくるところをドアップで見せるアニメがあるのかと(笑)。

 というわけで、今、ものすごく『RWBY』にハマっちゃってるもんで、あんまり日本のアニメ観てません。ごめんなさい。『ヤマト』とか『げんしけん二代目』とかは観てるんだけど。

 あっ、日本に輸入する時は喜んでノヴェライズ書かせていただきますので、お声をかけてください>出版社の方。
  


Posted by 山本弘 at 20:33Comments(21)アニメ

2013年09月19日

物書きやってるとこういうことってちょくちょくあるのよ

 評論家の宇野常寛氏が新聞記者にインタビュー原稿を捏造されたという。

http://twilog.org/wakusei2nd/date-130828

>先日、インタビューしてもらったのだが、あがって来た原稿を見てビックリ。当日僕がまったく話していないことが「創作」されて載っている部分があった。

> 曰く「まとめるにあたってどうしても必要な部分をご著書を参考にこちらのほうでつくらせていただきました」……ってオイ、それ、僕のインタビューじゃなくてお前が考えた「宇野に言わせたいこと」じゃん!!!!!!!

>最初は発言校正で直そうと思ったけれど、記者がねつ造した部分がそれなりの分量あるのと、全体の構成にかかわる部分だったので断念した。記者の質問も当日のものとは変わっていて、全体的に直さないと無理だ、と判断した。これは部分修正では対応出来ない。

 あるあるある。
 僕もこういうこと、経験してる。それも何度も。
 もちろん、掲載するスペースの関係があるから、インタビューの内容はすべて活字にはできない。大幅に要約しなくてはいけないわけで、べつにそれはかまわない。
 ところが、記者やライターの中には、単なる要約を逸脱して、勝手にインタビュー相手の発言を捏造しちゃう奴がいるのだ。

 たとえば、『神は沈黙せず』の発売直後、某誌のインタビューを受けた時。
 確か1時間半は喋ったと思うけど、その女性ライターはとてもよく『神は沈黙せず』を読みこんでいて、高く評価してくれていた。
 ところが、上がってきたゲラを見てびっくり。僕が言うはずのないことを、言ったことになってる!
 そりゃあ、長いインタビューの中で何を言ったかなんて正確に覚えてはいないけど、何を言うはずがないかってことは分かる。僕がまったく意図してないことを、作品の意図として語っちゃってるのだ。
 たぶんこのライター、『神は沈黙せず』を読んで、「作者はきっとこういうことが言いたかったんだろうな」と想像して、それを書いちゃったんだろう。
 何のためのインタビューなんだか。
 しょうがないから、行数に合わせて僕の発言になっている部分を全面的に書き直した。

 某ゲーム雑誌で、アマチュアの考えたゲーム企画の審査をやった時のこと。審査員の間で意見が分かれて喧々諤々の議論になったんだけど、まあそれはいい。
 上がってきた講評のゲラを見て驚いた。僕がまったく評価しなかった作品を、僕が褒めちぎったことになってる!
 この時は、ライターの書いた原稿を一字残らず書き直して突っ返した。だって、僕が言ってないことばかり書いてあるんだもの。
 ギャラとは別に原稿料を要求したかったぐらいだ。

 別の雑誌で座談会に出た時もひどかった。僕がある人物について言及したことになってるんだけど、僕はその人の名前すら知らなかったのだ。だから言及するはずがないのだ、絶対に。
 この時もゲラを書き直したんだけど、厄介なのは、座談会の発言というのは前後の他の人の発言にはさまっているわけで、書き直すと話の流れがつながらなくなることがあるのだ。さすがに他の人の発言まで手を加えるわけにはいかないから、話の流れがおかしくならないようにするにはどうすればいいか、かなり悩んだっけ。

 他にも、インタビューのゲラを書き直したことは何度かある。ちょっとした間違いなら修正指示を出せばいいだけだけど、まったく間違っていて全面的に書き直さなくちゃいけないのは、脱力するし、気が滅入る。
 何のために1時間以上インタビュー受けたんだ。これだったら自分で原稿書いた方が早いよ。
 だから、インタビューの依頼はなるべくメールでお願いしている。メールで質問文を送ってもらい、僕がそれに文章で答える形だ。これならさすがに捏造されることは少ない。

 もっとも、文章で書けば必ずしも安心ってわけでもなく、それでも捏造されちゃうこともある。
 数年前、ジュセリーノの地震予言の嘘を暴く記事を書いてくれと依頼され、喜んで引き受けた。
 ところがゲラを見て仰天。僕の文章がほぼ全面的に書き換えられている! 表現が書き直されているだけでなく、編集者が勝手に追加した文章が何行にもわたって僕の文章の間に挿入され、あたかもそれを僕が書いたかのようになっているのである。
 元の原稿と読み比べてみても何も問題はなく、なぜ書き換えなきゃいけなかったのか、さっぱり分からない。
 それで元より良くなってるならまだしも、「彼は「夢で未来を予知する」との触れ込みで、日本では2007年頃から彼の予言が書籍やテレビ番組で取り上げられるようになっている」などと、日本語としておかしくなってしまっているのだからたまらない。 (「彼は」と「彼の予言が」と主語が二重に存在する)
 平井和正氏の「『狼男だよ』改竄事件」を思い出して、「こんなこと、現代でもまだあるんだ!?」とびっくりしたもんである。そう言えば僕は、あの事件で「改竄」を「かいざん」と読むことを覚えたのだった。
 当然、抗議して、問題のある箇所をすべて指摘して直させ、元の原稿に近い形に戻してもらった。完全に元に戻させなかったのは、それではどこがどう悪かったか理解できず、こっちを単なるクレーマーだと思いこんで、また同じことを繰り返しかねないと思ったからである。
(つーか、他の著者はこういうことをされて黙ってるのかね?)

 ちなみに、原稿を勝手にこんなに変えられたことは、これが2度目。
 1度目はもう20年以上前、今はなき社会思想社から出したゲーム本で、勝手に漢字のほとんどが開かれてしまって、チャーリー・ゴードンが書いたかのような、ひらがなだらけの文章に変えられてしまったことがある。ゲラで直そうとしたけど、あまりにも多すぎてきりがなく、「全部元に戻せー!」と叫んで戻してもらった。
 今となっては笑い話だけど、あれもひどい話だったなあ。

 なぜこういうことが起きるのか? 想像すると、3つの可能性が思い浮かぶ。

1.頭が悪くて、相手が言ったことを理解できない。
2.「プロの作家より俺の方が文章が上手い」と思い上がっている。
3.インタビュー記事や他人の原稿を自分の作品だと勘違いしていて、「俺のものだから自由にいじっていい」と思っている。

 もちろん、記者や編集者がみんなこうではなく、ほとんどの方はちゃんと仕事をしてくださっている。ありがたいことである。
 ただ、中にはこういう困った人もいる、ということは知っておいて欲しい。
 
  


Posted by 山本弘 at 20:01Comments(10)日常

2013年09月19日

続・ヘドが出るような思想であっても

 すでに旧聞に属するかもしれないが、『はだしのゲン』閉架騒動について触れておきたい。
 なんかこれを『風立ちぬ』に対する禁煙学会の抗議と同種のもの――単なる「良識」派による表現規制だと思っている人が多いようなんだけど、荻上チキ氏によれば、ぜんぜんも違うようだ。

荻上チキ氏のはだしのゲン閉架騒動について
http://togetter.com/li/549915

 つまり、最初に、一部の「市民」からの「反日マンガだから撤去しろ」という要求が強くあって、さすがにそんな政治的理由じゃ撤去できなかったのだが、その後、過激な描写を問題にすることで、結果的に「市民」の要求に応えた……ということなのである。
 では、その「市民」とは何者か。『週刊文春』9月5日号の記事「はだしのゲン騒動 松江市教育委員会を縮み上がらせた右翼男と危険な組織」は、最初に松江市教育委員会に要望を出した中島康治氏(現在は高知市在住)にスポットを当てている。
 中島氏が昨年5月1日に松江市教育委員会に抗議に訪れた際、在特会の京都支部長を務めたこともある西村斉氏や、在特会島根支部長も同席していた。中島氏は「私は在特会会員ではありませんが、共闘できる部分は共闘するというスタンス」と述べている。
 西村斉氏はこの年の3月に起こした「ロート製薬強要事件」で、汚い言葉でロート製薬を脅した人物で、松江市教育委員会への抗議の9日後に逮捕されている。

ロート製薬強要事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%88%E8%A3%BD%E8%96%AC%E5%BC%B7%E8%A6%81%E4%BA%8B%E4%BB%B6

>4人の中で最も積極的に発言した西村斉は、「金持ち喧嘩せずのふりすんな。このヘタレが、コラ」「お前国家転覆させようと思うとんのか。何外患誘致させようとしとんのか、この会社は・・・、アホンダラ。なんぼでも呼べ、警察でも」「右翼紹介するから右翼の事務所行って言え。竹島はどこの領土か分かりませんって言えや、そやったら。きっついとこ紹介したるわ。アホちゃうけ、調子乗ったらあかんぞ、コラ」などと、しきりに威圧的な言動に及んだ。またフジテレビ抗議デモ・花王抗議デモの例を挙げてロート製薬への抗議デモ実施をほのめかした。

>これに対して担当社員が「お言葉使い、ご配慮頂けますか」と自制を求めたところ、西村斉は「なんで俺こういうしゃべり方やねん。親譲りやねん。ということは俺の親否定してるのか。な、俺の家同和やから俺のとこ馬鹿にしてるのか。(中略)同和教育いるんちゃうか。ここも同和教育の担当おるやろ。そんな発言したらあかんで、あんた。差別だよそれ、差別。謝りなさい、今。俺の門地に対しての差別、謝りなさい」などと述べ、さらに威圧する姿勢を見せた。なお後述する刑事裁判で、西村斉自身は同和地区出身者ではなかったことが明らかにされている。

 この松江市教育委員会への抗議でも、「執拗に、大声で、恫喝を交えながら話す。担当者としては恐怖心で身の危険も感じた」と記録に残されているという。おそらくロート製薬の場合と同じような言葉遣いだったのだろう。
 つまり『はだしのゲン』事件は、在特会の脅迫に松江市教育委員会がビビッたことが、そもそものきっかけだったのである。

 一方、同じ日に発売された『週刊新潮』は、「大新聞が大騒ぎする「学校図書館」閲覧制限問題! 反戦だから子供でも残虐シーンOKという『はだしのゲン』応援団」と題し、現代史家の秦郁彦氏や京都大学の中島輝政名誉教授らが、『ゲン』の中に歴史的に誤った記述があると指摘している。
 高崎経済大学の八木秀次教授(あの「天皇家Y染色体説」唱えた人だ!)も、「発達段階の子供にトラウマとなるような残虐シーンや偏った主張を教えるべきではない」と朝日や毎日の論調を批判する。
 記事はこう締めくくられている。

> この国を危うくするのは他でもない、『はだしのゲン』応援団のごとく、安っぽい正義感に凝り固まった大新聞なのだ。

 しかし、この事件に『文春』が述べたような背景があることには、まったく触れていない。そもそも西村氏や在特会による抗議が発端だったことすら、1行も触れていないのである!
 ちなみに在特会の起こした事件と言えば他にも、「京都朝鮮学校公園占用抗議事件」が有名。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%85%AC%E5%9C%92%E5%8D%A0%E7%94%A8%E6%8A%97%E8%AD%B0%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 平日、授業中の学校前で、差別的な暴言を拡声器でがなりたてたので、泣き出す子供もいたという。
『はだしのゲン』は「発達段階の子供にトラウマとなる」? かもしれない。だったら在特会の行為はどうなるんだ?
 こんなことを平気でやらかす連中が、最初から子供へのトラウマのことなんか考えてるわけないだろう。
 そもそも戦争を題材にするなら、残酷なシーンはどうしても出てくるわけで、それをいちいち「子供にトラウマになる」なんて言ってたら、それこそ子供が戦争を知ることができなくなってしまう。むしろトラウマになるぐらいでないと、戦争の悲惨さは学べないのではないのか。

 こっちの記事も面白い。

三光作戦なんてウソなのは当然……それでも『はだしのゲン』を図書館から排除してはいけない理由
http://www.cyzo.com/2013/09/post_14381.html

 そうそう、あったなー、「船橋市西図書館蔵書破棄事件」と「BL小説廃棄要求事件」。
 11年前の船橋市西図書館の職員も、5年前に堺市立図書館にBL本の排除を要求した奴も、あるいは「非実在青少年」を取り締まろうとする東京都も、そして今回の『はだしのゲン』を排斥しようとしている連中も(その逆に、『はだしのゲン』を子供に読ませようとする連中も)、立場は違うが、やってることは同じである。自分が気に入らない本を排斥することで、子供の思想を自分たちに都合よく誘導しようとしている。それが正しいことだと信じているのだろう。
 しかし、その同じ論理が、自分たちのお気に入りの本に対して向けられた場合の恐ろしさを、まったく理解していない。

「歴史的に間違っている」
「政治的に偏向している」
「残酷なシーンがある」

 そんな理由でマンガを排斥するのが正しいと思っている連中はぜんぜん気がついていないようだけど、その基準だと、小林よしのり『戦争論』や山野車輪『嫌韓流』も排斥しなくちゃいかんことになるんだよ(笑)。
 もし「『嫌韓流』を子供に読ませるな」という動きが起きたらどうなるだろう。「言論の自由を守れ!」と『はだしのゲン』騒動に匹敵する反対運動が起きるのは目に見えている。僕だって反対する。
「歴史的に間違っている」「政治的に偏向している」などという理由で排斥していいなら、右寄りだろうと左寄りだろうと、ものすごい数の本がその対象となるのは明らかだ。そうした本が自由に読めなくなる世界を想像すると恐ろしい。
 それとも彼らは、自分の読んでいる本が歴史的に正確で偏向してないとでも信じてるんだろうか? (かもしれんなあ)

 僕としては、教師が『ゲン』を子供に読ませるのは間違いだと思う。しかし、子供が自主的に読むのを妨害するのも間違いだと思う。
 3年前、僕はこういうことを書いた。

ヘドが出るような思想であっても
http://hirorin.otaden.jp/e95490.html

「ヘドが出るような
 思想に対しても
 表現の自由が
 保証されなければ
 本物の自由とは言えない」

>「表現の自由を守る」とは、「自分にとっての表現の自由」だけでなく「敵にとっての表現の自由」をも守ることを意味している。そうでなくてはフェアではない。
> もしあなたが、自分にとって不快な思想を社会から排除することに賛成したなら、いずれあなた自身も排除の対象となる。なぜなら、どんなに健全に見える考えでも、誰かから見たら「ヘドが出るような思想」なのだから。
> 無論、その「ヘドが出るような思想」を批判する自由や、「ヘドが出るような思想」を聞きたくない自由もまた、保証されなくてはならないのだが。

 この考えは今も変わっていない。
 歴史的に間違っていようと、政治的に偏向していようと、そうした本を出版する権利はあるし、読む権利も保障されなくてはいけない。
 そして、その本を批判する権利も保障されなくてはならない。気に入らない本に対しては、弾圧ではなく、言論で対抗すべきなのだ。

 あっと、言うまでもないけど、在特会の起こしたような事件は「言論の自由」のうちに含まれないからね。侮辱罪・威力業務妨害罪・強要罪というのは犯罪行為だから、許しちゃいけない。
  
タグ :表現規制


Posted by 山本弘 at 18:48Comments(12)社会問題