2013年05月30日

『MM9-destruction-』発売&記念イベント

『MM9』シリーズの最新作、『MM9―destruction―』が発売になりました。


 内容については、こちらの解説をお読みください。

http://homepage3.nifty.com/hirorin/mm9destruction.html

 しかし、まさか発売の直前、J-PARCであんな不祥事が起きるとは……今回の主要な舞台として使わせていただいただけに、複雑な心境です。

 また、トンデモ本大賞の前日、緊急にこんなイベントをやることになりました。
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山本弘のSF&トンデモNIGHT東京出張編#2
「MM9-destruction-」発売記念
キメウチ怪獣トーク(仮)

『MM9』シリーズの第三弾『MM9ーdestruction』(東京創元社)。この世界にそっくりなパラレルワールドを舞台に、伝説の巨大怪獣と宇宙からの侵略怪獣が、地球の運命をかけてバトルを繰り広げる本格怪獣小説!
 その発売を記念し、いつもは大阪で行われている「山本弘のSF&トンデモNIGHT」の東京出張版を緊急開催します。執筆の裏話はもちろん、怪獣映画をめぐる愛にあふれる濃いトークが炸裂します。お楽しみに!

[出演] 山本弘(SF作家/と学会会長)

[日時] 2013年6月7日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] Live Wire Biri-Biri酒場 新宿
東京都新宿区新宿5丁目11-23 八千代ビル2F
・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6~8出口から徒歩5分
・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分

[料金] 1500円 (当日券500円up)

http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=59567752
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 前にも『UFOはもう来ない』の発売記念イベントをやった場所です。ちゃんこ屋さんの二階の宴会場を改造したという、アットホームな雰囲気のスペース。
 駅からそんなに遠くないんですが、ちょっと分かりにくい場所にあるので、お越しになる方は、こちらのページで事前に地図と道順を確認することをおすすめします。

http://go-livewire.com/theater.html#b

  


Posted by 山本弘 at 13:33Comments(9)PR

2013年05月24日

『ヒーローズ・カムバック』

『ヒーローズ・カムバック』 (小学館)
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC/dp/409185320X

 細野不二彦の呼びかけによって実現した、東北復興支援のための企画。小学館の有名漫画家たちが、かつての人気作品の新作を発表。単行本の収益・印税は、必要経費を除いて、被災した子どもたちや学校に本を届ける活動を続けている「大震災出版復興基金」、および岩手・宮城・福島の各県庁が主催する震災遺児への育英基金に寄付されることになっている。
 収録作品は次の通り。

細野不二彦『ギャラリーフェイク』
ゆうきまさみ『究極超人あ~る』
吉田戦車『伝染るんです』
島本和彦+石森プロ『サイボーグ009』
藤田和日郎『うしおととら』
高橋留美子『犬夜叉』
荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』
椎名高志『GS美神 極楽大作戦!!』

 これらの新作に、震災の救助活動を題材にした、かわぐちかいじの読切「俺しかいない~黒い波を乗り越えて~」を加えた、計9本。

 かつて大ファンだった者としては、何といっても『うしおととら』と『GS美神』が嬉しい! どちらも、絵柄はもちろん、話のノリも完璧に昔のまんまで、10年以上の空白をまったく感じさせない。そのうえ、しっかりいい話になってる!
 特に『うしおととら』は、震災そのものを扱ってはいないんだけど、この作品が震災遺児のために描かれたことを意識して読むと、涙が出る出来。黒い列車が津波のメタファーになってるんだよな。
 藤田和日郎、いつでも全力で本気だ。

『ギャラリーフェイク』は、震災に便乗する悪徳美術商を懲らしめるという痛快な内容で、これまた結末でジーンとくる。

『銀の匙』は八軒家の過去の歴史を描く番外編で、これも地味だけどいい話。

 逆にちょっと期待はずれだったのが、『究極超人あ~る』と『犬夜叉』。いつものメンバーを出しただけで終わってしまっている感があるがもったいない。

 あと、目次を見て、「島本和彦、何で『炎の転校生』を描かないんだよ!?」とツッコんだんだが(笑)、あとがきを読んで納得。なるほど、どうしても石ノ森作品を入れたかったわけか。
 しかし、あの名場面を公式にリメイクできて、島本和彦、本望だろうな。


 ……とまあ、ここまでならいい話なんだけど、ここから先はちょっと嫌な話。
 AMAZONでこの本に定価の1.5倍以上の値をつけている中古本業者がいっぱいいる。
 中には950円のこの本に3352円もつけてる業者まで!

http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/409185320X/ref=dp_olp_used?ie=UTF8&condition=used

 ある業者はこんなことを書いている。

 新品・未読です。全国的に品薄で大変希少な本のため、プレミア価格となりますが価値をご理解いただける方はご検討下さい。(後略)

 嘘つけ!
 昨日も近所の書店に行ったら平積みになってたよ!
 言うまでもなく、これは詐欺商法。新刊書店で普通に買える本を「品薄」と偽り、定価より高く売って差額で儲けるのである。
 AMAZONでは売れている新刊本が品切れを起こすことがよくある(この文章を書いている今も、ちょうど品切れになっている)。もちろん何日か待てば補充されるんだけど、たまたま品切れのタイミングでアクセスした人は、中古本業者の説明に騙され、手に入りにくい希少本だと思いこんでしまうらしい。
 前からよくある手で、僕も前に自分の本でやられたことがある(『アイの物語』が発売半年後ぐらいに3466円にまで値上がりしていた)。
 しかし、よりにもよって、チャリティ本でやるか!?
 この本の中の『ギャラリーフェイク』に出てくる、震災に便乗して儲ける悪徳業者を思い出したよ。

 みなさん、騙されないで! AMAZONで買えなくても書店に行けば売ってますから! たとえ売り切れてても、書店の人に頼んで取り寄せてもらうこともできますから!
  


Posted by 山本弘 at 17:29Comments(7)マンガ

2013年05月24日

「あなたの知らないマイナー特撮の世界#3」

 すみません! 今月は忙しすぎて、ここでイベントの告知するの忘れてました。

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山本弘のSF&トンデモNIGHT#22
「あなたの知らないマイナー特撮の世界#3」

 『ウルトラマン』や『仮面ライダー』や『ゴジラ』ばかりが「特撮」じゃない!
 一世紀以上に及ぶ特撮の歴史の中には、一般にほとんど存在を知られていない作品、よほどの特撮マニアでさえ言及することの少ない作品が山ほどあるのです。
 歴史の闇に埋もれたそうした作品の再評価や、作品の生まれた時代背景、特撮シーンの見どころなどを紹介しつつ、愛にあふれるツッコミを入れまくろうというのがこの企画。前回のPart2で紹介したのは1967年までの作品でしたが、今回は1968年~70年、それに第二次怪獣ブームが幕を開ける1971年の作品を取り上げます。『キャプテン・スカーレット』『バーバレラ』『妖怪大戦争』『吸血鬼ゴケミドロ』『緯度0大作戦』『宇宙からの脱出』『ウルトラファイト』……あなたの知っている作品はいくつぐらいあるでしょうか?
 また前回に続き今回も、特撮をこよなく愛する小説家でゲームデザイナーの友野詳さんと、特撮マニアでB級アイテム・コレクターの鋼鉄サンボさんを特別ゲストにお招きする予定です。

[出演] 山本弘(SF作家/と学会会長)、友野詳(小説家、ゲームデザイナー)、鋼鉄サンボ

[日時] 2013年5月31日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F / Tel. 06-6643-5159)(地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

 前売り券はこちらから。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=59035689
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 今回、緊急に、冒頭でレイ・ハリーハウゼン追悼企画をやろうと思っています。まだハリーハウゼンを知らないという人(いるのかな?)に、彼のすごさを知っていただきたいので。
 また、前回にちょっと触れた「『スター千一夜』に怪獣が出た」という記事も発掘しましたので、お見せしたいと思います。

 第3回の今回は、第一期特撮ブームと第二期特撮ブームの狭間の、ちょっと特撮が不作だった時期です。でも、『2001年宇宙の旅』のような大作がありましたし、実は『宇宙からの脱出』とか『吸血鬼ゴケミドロ』とかも、けっこう好きだったりします。
 しかし、はたして70年代にたどりつけるやら。実は70年代の話だけでも、1回や2回じゃ終わりそうにないんですけど……。
  


Posted by 山本弘 at 16:53Comments(3)PR

2013年05月13日

ハリーハウゼンの思い出

 僕がレイ・ハリーハウゼンのアニメートしたモンスターを初めて目にしたのは、たぶん1964年ごろのこと。
 当時、『森繁ハリウッド物語』という番組があった。森繁久彌がナレーションを努め、毎回、いろいろな洋画の名シーンを紹介するというもので、その中でB級怪獣映画を紹介した回があったのだ。
『大怪獣出現』『巨大カニ怪獣の襲撃』『巨人獣』などが紹介されていたと記憶している。『巨大カニ怪獣の襲撃』では、「うおー、よくも今まで俺たちをカニ缶にして食ってくれたなー」という森繁のナレーションが入っていたっけ。
 その中に、『地球へ2千万マイル』の映像があった。もちろん当時、日本未公開で、そんな映画があるなんて知るわけがない。しかし、コロシアムの上に立った怪獣が、バズーカ砲の直撃を受け、胸を押さえて苦しみながら、「うーむ、やられたー」(by森繁久彌)と言いながら落下するシーンは心に残った。「こんな怪獣映画があるんだ。見たいなあ」と。
 その後、たぶん1966年ごろ、『少年マガジン』だったか『少年サンデー』だったか忘れたが、何かの少年雑誌のグラビア記事で、『地球へ2千万マイル』のスチールを目にした。前にテレビでちらっと見た怪獣が「金星竜イーマ」であることを知った(今は「イミール」とか「イーミア」とか表記することが多いけど、僕らの世代では「金星竜イーマ」と呼ばれていた)。驚いたのは、イーマがローマの街に立って街灯をねじ曲げているカットだ。

http://file.tokusensitu.blog.shinobi.jp/cap034.jpg

 イーマの後ろに人間が立っているのが理解できなかった。当時、すでに『ウルトラQ』『ウルトラマン』に夢中の怪獣少年だった僕だが、巨大怪獣は人間と同じフレームに映らないと思いこんでいた。せいぜい、ビルの向こうに合成されているだけだと。
 なぜこいつは人間と同じ道路に、しかも人間の前に立てるのだ?
 あと、別の雑誌だったと思うが、『アルゴ探検隊の大冒険』の骸骨戦士との戦闘シーンのスチールも目にした。これも不思議だった。どうやって人間と骸骨が戦えるんだ?
 不思議だった。まったく理解を絶していた。

 そして1967年、10歳の頃に、劇場で『恐竜100万年』を見た。僕が初めて劇場の大スクリーンで目にしたハリーハウゼン特撮だった。
 原始人が投げた槍がアーケロン(当時は「アルケロン」と表記していた)に突き刺さるカットには驚いた。
「えっ? 今のどうやったの?」
 当時すでに、特撮の基本的な原理は知っていて、コマ撮りというものは分かっていたが、それでも飛んでいった槍が人形にワンカットで刺さるというのは謎だった。
 さらに興奮したのが、対アロサウルス戦。相手の突進力を利用して木の棒を腹に突き立てるというアクションにも興奮したが、その後、アロサウルスがすぐには死なず、腹が上下しているのにはしびれた。怪獣がただの人形じゃなく、本物の生物として描かれていることに感動したのだ。

 その後、テレビ放映で念願の『アルゴ探検隊の大冒険』や『シンドバッド七回目の航海』を目にした。特に『アルゴ探検隊』の骸骨戦士との死闘は素晴らしく、もうビデオで何十回見直したか分からない。
 子供の頃にちらっと見た『地球へ2千万マイル』も、その後、アマチュアの上映会とビデオでようやく見ることができた。アロサウルスと同じく、イーマはただのモンスターじゃなく、本当に生きているように描かれていた。
 ハリーハウゼンは特撮のテクニックがすごかっただけじゃない。モンスターを愛し、生命のない人形に命を吹きこんでいた。まさに本来の意味での「アニメーター」だった。

 20年ぐらい前、若いゲーマーが参入してTRPGのゲーム人口が増えていた頃、SNEの古参のメンバーに疑問をぶつけたことがある。
「ひょっとして、最近のゲーマーは、スケルトン・ウォリアーがどれほど怖いか知らないんじゃないか?」
 もちろんあれは『アルゴ探検隊』をヒントにしてるんだが、当時の若い人の中には、『アルゴ探検隊』を知らない者が多かったのだ(今はもっと多いだろう)。スケルトン・ウォリアーがどんな動きをしてどんな風に襲ってくるか、具体的にイメージを思い浮かべてないんじゃないだろうか。単にデータとして知っているのと、映像として思い浮かべるのとでは、大きな違いがあるんじゃないだろうかと。
 スケルトン・ウォリアーだけじゃない。『ソード・ワールド』のインプは、『シンドバッド黄金の航海』のホムンクルスをイメージしている。サイクロプスやヒュドラやメデューサにしても、ギリシア神話に元ネタはあるものの、やはり僕らの世代が具体的に思い浮かべる映像は、『シンドバッド7回目の航海』や『アルゴ探検隊』や『タイタンの戦い』ではないだろうか。
 ハリーハウゼンは神話の生物にも生命を吹きこんだ。
 もちろん『原子怪獣現わる』『水爆と深海の怪物』『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』『SF巨大生物の島』『SF月世界探検』『恐竜グワンジ』なんかも忘れちゃいけない。僕らにとって、ハリーハウゼンの影響はあまりにも大きい。

 レイ・ハリーハウゼン。1920年生まれ。12歳の時に初めて見た『キング・コング』に夢中になり、自分でもそんな映画を作りたくて、独学で人形を作り、アマチュア特撮映画を製作。ついには『キング・コング』の特技監督ウィリス・H・オブライエンに弟子入り。その後、次々に素晴らしい才能を発揮し、特撮の世界で師匠を超えるほどのメジャーにのし上がった男。
 まさに子供の頃の夢を実現した男だ。

 彼の素晴らしい才能を知りたければ、1949年の『猿人ジョー・ヤング』をお勧めする。オブライエンの名でクレジットされているが、事実上、ハリーハウゼンの初のメジャーでの大仕事。『キング・コング』の亜流ではあるものの、見どころがいっぱいで、映像として抜群に面白い。ジョーがライオンの檻を揺らして倒すシーン、ハンターたちが馬に乗って走り回りながらジョーに投げ縄をからみつかせるシーン(のちに『恐竜グワンジ』で再現された)、10人の力持ちとの綱引き、酔っ払ったジョーの大暴れ、そしてラストの孤児院の火災のシーンに至るまで、全編に才気がほとばしっている。
 だいぶ前にどこかの上映会で見た時、どうやって撮ったのか分からないカットがいくつかあった。のちにDVDでコマ送りで確認し、「ああ、こうなってたのか!」と、あらためて感心したものだ。半世紀以上も前の作品に、今でも驚かされるとは。「やっぱりすごいよ、ハリーハウゼン!」と。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B006LWPX30/

 言うまでもなく、『滅亡の星、来たる』は『恐竜100万年』のオマージュだし、『トワイライト・テールズ』に収録された「怪獣無法地帯」で、ヒロインの名前が「マリオン・ヤング」なのも、『猿人ジョー・ヤング』へのオマージュだからである(もちろん『北京原人の逆襲』とかも混じってるけど)。

 僕をこの道に導いてくれた恩人は何人もいるが、彼は間違いなくその一人だ。
 ありがとう、ハリーハウゼン。
  
タグ :怪獣特撮


Posted by 山本弘 at 15:41Comments(8)特撮

2013年05月04日

韓国系デマ「フジテレビは浅田真央いじめをやった」?

 ついでにもうひとつ行ってみよう。
 今年3月、韓国でサイバー攻撃事件が起きた時、こんな話が流れた。

【動画あり】またフジテレビが浅田真央いじめ!!!【これは酷い】韓国サイバー攻撃の報道、資料映像として「浅田真央を骸骨で隠した映像」を使用か!!!!マスゴミの幼稚な嫌がらせ、ニコニコ動画住民大激怒!!!!
http://www.news-us.jp/article/349288886.html

フジテレビがまたやらかした!今度は浅田真央をドクロで覆い隠す
http://unkar.org/r/poverty/1363833807

 サイバーテロを報じたフジテレビのニュース映像の中に、浅田真央の顔をドクロで覆い隠した映像があった。これはフジテレビによる浅田真央への嫌がらせである! ……というのだ。
 実際の映像がこれ。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm20386453
(37秒のあたり)

 ここに映っているのは、韓国MBN局の『시사 마이크』(スポーツマイク) という番組らしい。

http://www.mbn.co.kr/pages/vod/programView.mbn?bcastSeqNo=1043684

 グーグルで翻訳してみた。ちょっと翻訳が変な点はご容赦。


キム·ヨナの勝利!顔が答だ?

皆さんはキム·ヨナ選手がどのように浅田真央に勝つことができたのか
その答えを知っていますか?
勝利の理由は、まさに顔だ!という主張が出てきています。
どんなイェギンジ知りたいですよ。
明知情報通信学科チェチャンソク教授出ておられます。
チェ教授は、元気ですか?

1。マスコミでは教授を "顔情報処理の専門家"こう呼んでいたんです。
これは観相と一緒には全く別の分野であるのですか?

2。先立って、キム·ヨナ選手が錦衣還郷して記者会見するシーンを見たんです。教授、私は基本キム選手が浅田真央に勝っしかないわけで、顔の形を挙げてくれました。

2-1教授、私は基本人の顔を11個の部分に分けて、各部分を南方·北方·中間型に分類し、これにより、全体の顔が属するタイプを決定する手法を開発したんです。 11個の部分をどのよ​​うに分けたんですか?

3。大韓民国の人々の場合、主に北方型の顔が多いんですよ。北方型の顔を苦難を乗り越える顔だ。このように定義ましたか?韓国の人々が "早く早く"文化に慣れたのも、この顔の形と関連があるんです。

3-1我が国は、人口の55~65%が北方型の顔を持っていると言われた。南方型の顔よりも北方型の顔がより多くの理由は何ですか?

4。人は起こった新た住んでいる。このような話をたくさんしていませんか?
その後、生じたように、生きることを思い切って放棄して、骨を削る整形を敢行すれば、どうなるのでしょうか?

5。顔型に応じて、才能も違う?根拠がある話なら顔立ちに合った職業を選択した場合より成功していませんか?

5-1韓国の人々の場合は、北方型の南方型が少し混ざった "中間型の才能"の部分で競争力がある。

5-2私たちアンカーたちの顔はいかがでしょうか?
私たち二人のうちだれがよりアンカーに適した顔でしょうか?

6。その後、大統領の顔の形はどのような指導知りたいんですよ?
盧武鉉大統領が南方型のに対し、潘基文国連事務総長の顔型は北方型スリップ。朴槿恵大統領は2つの属性がすべて結合された中間型に分類されるんです?

6-1アン·チョルス前教授とムン·ジェイン議員を比較してみると?

7。最近、我々の中を燃やす北朝鮮キム·ジョンウンの顔型はいかがでしょうか?
難しく出る与えたので、キム·ジョンウンの顔も分析お願いします。

8。チェ教授ケソヌン電子工学を専攻れたのよ。大学で顔面グラフィック情報処理技術を教えございましダギョ?私たち警察が使用する "韓国型モンタージュ作成システム"も教授が造られたと聞きましたよ?

ありがとうございます。今日お話も聞きました。
今まで明知情報通信学科チェチャンソク教授でした。 7。最近、我々の中を燃やす北朝鮮キム·ジョンウンの顔型はいかがでしょうか?
難しく出る与えたので、キム·ジョンウンの顔も分析お願いします。

8。チェ教授ケソヌン電子工学を専攻れたのよ。大学で顔面グラフィック情報処理技術を教えございましダギョ?私たち警察が使用する "韓国型モンタージュ作成システム"も教授が造られたと聞きましたよ?

ありがとうございます。今日お話も聞きました。
今まで明知情報通信学科チェチャンソク教授でした。

 うわー、トンデモの匂いがぷんぷんと!(笑)  頭蓋骨の形でフィギュアの勝敗が決まるわけないだろ。

 さて、確かに浅田真央の写真の前にドクロを置いたのは、悪意が感じられる。
 しかし、それはこのMBNのトンデモ番組スタッフの悪意であって、フジテレビの悪意ではない。
 上のニコ動の映像を見れば分かるように、モニター下にはサイバーテロを報じるテロップが流れている。サイバーテロが起きたまさにその時に、この『시사 마이크』が放映されていたということだ。もちろん、いつサイバーテロが起きるかなんて、事前に分かるわけがなく、番組の放映をそれに合わせられるはずもない。
 つまり、このシーンが日本のテレビのニュースで流れてしまったのは、まったくの偶然である。
 ましてや、べつにフジテレビがドクロを置いたわけじゃない。「浅田真央いじめ」をやったのはMBNであってフジテレビじゃないのだ。

 それでもなお、「いや、フジテレビはわざわざこのカットを選んで放映したに違いない!」とか言う奴もいるかもしれない。
 でもさ、ニュース番組作ってるスタッフの心理になって考えてみなよ。
 突然、飛びこんできた大事件のニュース。その映像素材を集めて、ニュースの放映時間までに大急ぎで編集しなくちゃならんのだよ?

「うひひひ、ちょうどいい機会だ。浅田真央の顔の前にドクロが置かれているこのカットを使って、浅田真央をいじめてやれ~」

 とか、そんなこと考えてる余裕あるか?
 だいたい、そんなことをして何の得になるのだ? 視聴者の大半はこんなの気づかないよ。

 陰謀論とレイシズムは密接に結びついている。その共通点は、「相手の立場になって考えられない」ということだ。
 フジテレビのニュース番組の編集スタッフの立場になって考えてみたら、忙しいのにそんなセコい嫌がらせなんかやってる余裕なんかない、というのは想像つきそうなものなんだが。
  


Posted by 山本弘 at 18:33Comments(21)メディアリテラシー

2013年05月04日

韓国系デマ「韓国が最も安全な旅行先に選ばれた」?

 先のデマは日本人が捏造したものだったけど、逆に韓国人が流したデマ。

韓国「世界観光客危険地図で韓国が最も安全な旅行先に選ばれた!!」
http://girlschannel.net/topics/13981/

 カナダ外務省が発表した、世界観光客危険地図。これを見る、合衆国、ヨーロッパ、オーストラリア、そして韓国が緑色(take normal security precautions=通常のセキュリティ対策を講じる)なのに対し、日本はロシアやインドやメキシコと同じく黄色(avoid some area=いくつかの地域を避ける)になっている。
 日本人としては納得できないよね。日本は世界でも最も犯罪が少ない国のひとつだ。人口10万人あたりの殺人率は0.5で、これはOECD諸国の中でも最低レベルを誇る。
 それがどうしてロシアやメキシコと同じなのか? そして、なぜ日本より犯罪率の高い韓国が緑色?
 当然、

>カナダ政府にいくらお金積んだの?

>カナダは最近中華系、韓国系の移民ばかりだからね。
>こんな地図信用できないよ

>在カナダ朝鮮人が工作したんだろうね。

>いくらでこの調査買収したの?


 などという陰謀論を唱える連中がうじゃうじゃ湧いて出ている。
 まず最初の疑問。本当に韓国ではこんな報道がされたのか?
 元の記事はこれらしい。

http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=104&oid=105&aid=0000019595

 翻訳ソフトで訳してみる。


韓国が最も安全な観光スポット.観光の危険の世界地図

 米国の報道雑誌 ' アトランティック ' の4月2日のオンラインの記事で紹介されている ' 世界のツーリストのリスク地図 ' が人目を引く。
 この地図は、カナダの外務省がインバウンド海外旅行者の安全に関する情報を提供する目的で、発表したことである。昨年3月、この基準点は、大韓民国が極度の安全な目的地の一つとして選ばれたことが人目を引く。
 我が国を含め、台湾および香港とマレーシアとオーストラリアに緑色で塗りつぶされた国は、通常の安全規制を保障するであり、中国のベトナムのパプアニューギニアなどの国々は、高レベルの境界が必要な観光地として分類された。それよりも危険な黄色の国に訪問禁止区域があり、日本では福島の区域がその例である。また、オレンジの国では必須の観光以外の活動は自制心があることは素晴れらしく、赤の国の訪問は、根源に避けるべきである。

 おお、Bing優秀だ! ほぼ日本語になってるよ。昔、豊田有恒さんが「韓国語は日本語と文法構造がほとんど同じだから訳しやすい」と言ってたのは本当だったんだな。
 というわけで、確かにこういう報道があったことは確認できた。
 韓国の記事の、さらに元ネタと思われる『アトランティック 』の記事がこれ。

http://www.theatlantic.com/international/archive/2013/04/the-most-dangerous-countries-for-tourists-in-maps/274593/

 韓国にも日本にも、まったく触れられていない。これで「韓国が最も安全な観光スポット」と主張するのは変だ。
 ここからリンクの貼られているCBCニュースのページに飛び、

http://www.cbc.ca/news/interactives/travel-warnings/

 そこからさらに、カナダ政府のページに飛ぶ。

http://travel.gc.ca/travelling/advisories

 僕がこのページを最初に見た4月6日の段階では、日本は黄色の「avoid some area」になっていた。現在では緑と黄色の間に濃緑色「Exercise normal security precautions; a regional travel advisory is in effect」が追加され、日本はそれに変更されている。4月15日に変更があったらしい。つまり韓国と同じく通常のセキュリティでいいけど、地域渡航安全情報を見ろというわけだ。
 この地図で日本をクリックしてみよう。こんなアドバイスが出た。

http://travel.gc.ca/destinations/japan

 やっぱりだ。福島の原発には近づいちゃいけない、と言っているのだ。
 日本が黄色(avoid some area)になっていたのは、これが理由である。

 もうひとつ、「通常のセキュリティ対策を講じる」という部分に注目したい。
 カナダは確かに安全な国ではあるけど、10万人あたりの殺人率は1.8で、日本(0.5)の3倍以上。ドイツは0.8、イタリアは1、イギリスは1.2、フランスは1.3、ニュージーランドは1.5、韓国は2.8、アメリカは5である。

http://www.oecdbetterlifeindex.org/topics/safety/

 つまりカナダ人の感覚からすると、ヨーロッパ諸国は自国よりちょい安全、韓国はちょい危険、という感じになるのだ。
 日本から見ると韓国は「自国の5倍も危険」だけど、カナダから見ると「自国の1.5倍危険」という程度。日本国内でも、大阪府と秋田県では犯罪率が4倍ぐらい違うし、カナダだって地域によってそれぐらいの差はあるだろう。1.5倍ぐらいの差は問題にならない。カナダ人が韓国に出かける時は、自分の国にいるのと同じぐらいの、「通常のセキュリティ対策」でいいわけだ。

 つまり、この地図からは「韓国が最も安全な観光スポット」なんてことは、とうてい言えない。カナダ人にとって自国と同じぐらい安全であることが示されているだけなのだ。明らかにウソと言っていい。
 しかし、それに文句をつけている日本人もおかしい。基本的なことを調べもせず、カナダ政府が韓国人に買収された、などという荒唐無稽な陰謀論を唱えるのだからあきれる。
 僕がソースをさかのぼって、カナダ政府のページにたどり着くのに、10分もかからなかったぞ? 疑問に思ったら、それぐらいのことを調べる手間を、なぜかけない?
  


Posted by 山本弘 at 18:19Comments(4)メディアリテラシー

2013年05月04日

韓国系デマ「日本の強姦犯のほとんどは朝鮮人」?

 この前、「デマがいっぱい」をアップしたら、ある人から、「『日本のレイプ犯のほとんどは朝鮮人』というデマも取り上げてください」と言われました。しまった、それを忘れてた!

 実はしばらく前から、差別問題を扱った本(在日差別だけじゃなく、福島差別とか精神障害者差別とかもひっくるめて)を書こうと思っていて、データをいろいろ集めてたんである。まあ、これから出してくれそうなところを探すんで、いつになるかは分からないけど。
 今回はその本のためのネタを少しご紹介。

「日本で起きる強姦事件の犯人のほとんどは朝鮮人」

 多くのレイシストが信じている話だが、結論から言うと、これは完全なデマ。
 警察庁のデータによると、平成23年、強姦罪で検挙された者は768人。うち外国人35人。その中で韓国・朝鮮籍の者は10人(うち来日韓国・朝鮮人は4人)。つまり全体の1.3%である。
 日本の強姦犯の95%は日本人なのだ。
http://www.npa.go.jp/archive/toukei/keiki/h23/h23hanzaitoukei.htm
 よく、「在日が事件を起こしても通名でしか報じられない!」と言っている者もいるが、この場合は警察庁のデータなので、報道されたのが本名だろうと通名だろうと関係ない。
 念のため、平成14年から10年間の強姦罪での検挙者の統計も見てみよう。(カッコ内は韓国・朝鮮籍の者の人数とパーセンテージ)

平成14年 1355人(18人、1.3%)
平成15年 1342人(18人、1.3%)
平成16年 1107人(8人、0.72%)
平成17年 1074人(10人、0.93%)
平成18年 1058人(8人、0.76%)
平成19年 1013人(9人、0.89%)
平成20人 921人(9人、0.98%)
平成21年 918人(15人、1.6%)
平成22年 803人(15人、1.9%)
平成23年 768人(10人、1.3%)

 というわけで、年による変動はあるが、強姦犯の中の韓国・朝鮮籍の者は、年平均12人、全体の1%前後と分かる。これは来日外国人も含めた数字なので、在日韓国・朝鮮人に限定すると、さらに低い。
 2ちゃんねるなどでは、よく「朝鮮人による強姦事件はこんなに起きている!」と、事件を列挙している奴がいるが、実は強姦事件全体の1%程度の事件をピックアップして印象操作しているだけなのである。そのトリックにひっかかってしまっている者が多いということだ。
 中には「日本に帰化した朝鮮人による犯罪も含めたらもっと多いんじゃないか」と疑う人もいるかもしれないが、統計に出ないのでどれぐらいなのか分からない。しかし、帰化した韓国・朝鮮人の犯罪率が在日韓国・朝鮮人の何倍も多いとは考えにくいので、この数字を大きく上回ることはないのではあるまいか。
 これらのデータは、グーグルで「平成●●年の犯罪」と入力すれば即座に出てくるので、誰でもダウンロードできる。お疑いの方はぜひご自分で確認していただきたい。

 余談だが、この数字を見て分かるように、日本の強姦事件の数は、平成14~15年頃をピークに、認知件数、検挙人員ともに減少に向かっており、逆に検挙率は増加している。
 強姦だけではない。前にも書いたけど、殺人、強盗、放火、強制わいせつ、誘拐、侵入窃盗、路上犯罪など、あらゆる犯罪が減少しているのだ。

http://hirorin.otaden.jp/e146023.html
  


Posted by 山本弘 at 17:29Comments(16)メディアリテラシー

2013年05月04日

「昔のSFを読み直そう」報告

 遅くなりましたが、4月26日の山本弘のSF&トンデモNIGHT#21 「昔のSFを読み直そう!」の報告です。

 何で僕がクラシックSFを推すかというと、今のSFは難しくて、初心者にはとっつきにくいものが多いから。設定が複雑だったり、登場人物がやたら多かったり、専門用語が説明なしに出てきたり。
 もちろん僕も、グレッグ・イーガンとかは大好きなんだけど、さすがに初心者にいきなり『ディアスポラ』を読めとは言えません(笑)。とりあえず『宇宙消失』『しあわせの理由』『万物理論』あたりから入りましょうと。
 その点、クラシックSFというのは、難しくなくてすらすら読める。しかも面白い。クラークの作品なんかその典型で、科学をまったく知らなくてもよく分かるし、それでいて楽しませてくれます。だから人に勧めやすい。
 特に僕が好きなのは短篇SF。
 高校時代、学校の図書室で借りた早川の世界SF全集『世界のSF(短篇集)現代編』で、短篇SFの面白さにハマりました。レスター・デル・リィ「愛しのヘレン」、クリス・ネヴィル「ベティアンよ帰れ」、トム・ゴドウィン「冷たい方程式」、ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」とかは、これで読んで感動しました。リチャード・マシスンを知ったのも、この本で読んだ「次元断層」がきっかけ。シオドア・R・コグスウェルの「壁の中」とかマレイ・ラインスターの「最初の接触」とかもこれに載ってたんですよねえ。
 あと、ジャック・フィニイの実話ホラータッチのタイムスリップもの「こわい」が、個人的にすごくこわくて印象に残ってます。嘘っぱちだと分かってるけど、リアルでぞくぞくくる。いつかこの手法、換骨奪胎してやりたいと思ってるんだけど、どう考えても元ネタを超えられないのが悔しい。
 ここ数年、70年代以前のSF、特に短篇の名作がいっぱい復刻されていて、嬉しい限り。今回はそれらをまとめて紹介しようという試みでした。いずれも、2000年以降に出たか、再版されているので、現在でも容易に手に入るはず。
 まずはアンソロジー。

●日本SF作家クラブ編『日本SF短篇50 volumeⅠ』(ハヤカワ文庫)
 日本SF作家クラブ50周年を記念し、50年間に出版された短篇SF50本を収録するアンソロジー。その第一弾で、1963~1972年までの作品が収録されてます。
 光瀬龍「墓碑銘二〇〇七年」、豊田有恒「退魔戦記」、石原藤夫「ハイウェイ惑星」、星新一「鍵」、荒巻義雄「大いなる正午」半村良「およね平吉時穴道行」など、なつかしい名作ぞろい。
 筒井康隆「おれに関する噂」は久しぶりに読み返したけど、やっぱり面白かった。ぜんぜん古くなってません。

●日下三蔵編『日本SF全集 1』(出版芸術社)
 同様の企画で、2巻まで出ています。やはり星新一「処刑」、小松左京「時の顔」、平井和正「虎は目覚める」、豊田有恒「両面宿儺」、矢野徹「さまよえる騎士団の伝説」、半村良「赤い酒場を訪れたまえ」、山野浩一「X電車で行こう」など、その時代を代表する作品ばかり。
 筒井康隆「カメロイド文部省」は久しぶりに読み返したけど、やっぱり面白かった。ぜんぜん古くなってません。

●筒井康隆編『60年代日本SFベスト集成』(ちくま文庫)
 かなり前に出たアンソロジーの文庫化。『日本SF短篇50』とは「ハイウェイ惑星」と「大いなる正午」が、『日本SF全集』とは「X電車で行こう」がかぶってますが、星新一「解放の時代」、眉村卓「わがパキーネ」、手塚治虫「金魚」「そこに指が」、小松左京「終りなき負債」、平井和正「レオノーラ」などが入ってます。
 筒井康隆「色眼鏡の狂詩曲」は久しぶりに(以下略)。
 やっぱり個人的にいちばん波長が合うのが筒井さんですね。大森望編『星雲賞短編SF傑作選 てのひらの宇宙』(創元SF文庫)に収録された「フル・ネルソン」も、面白いのでおすすめです。

●中村融・山岸真編『20世紀SF①1940年代 星ねずみ』(河出文庫)
 40年代の海外短篇SFを集めたアンソロジー。ブラウンの「星ねずみ」、ブラッドベリの「万華鏡」、ハインラインの「鎮魂歌」などが有名だけど、僕のおすすめは、C・L・ムーアのサイボーグものの名作「美女ありき」と、チャールズ・L・ハーネスの奇想SF「現実創造」。特に「現実創造」は高校時代に読んで、「こんな小説、書いていいんだ!?」と衝撃を受けた3本の作品のひとつ(あとの2本は、ブラウンの「みみず天使」と、ウィリアムスンの「火星ノンストップ」)。「シュレディンガーのチョコパフェ」はこれに大きな影響を受けました。
 あと、スペースオペラ作家エドモンド・ハミルトンが、自らジャンルのバカバカしさを皮肉ったコメディ「ベムがいっぱい」や、シオドア・スタージョンの奇想時間SF「昨日は月曜日だった」もおすすめです。

●中村融・山岸真編『20世紀SF②1950年代 初めの終わり』(河出文庫)
 これも傑作ぞろい。クラシックだけど実は現代に通じる話が多いです。タイムループものであると同時に一種の仮想現実ものであるフレデリック・ポール「幻影の街」や、リヒャルト・シュトラウスを未来に復活させるジェイムズ・ブリッシュ「芸術作品」、SF界で初めて同性愛を肯定的に扱ったというスタージョン「たとえ世界を失っても」など、いずれも時代を先取りしてます。一番のおすすめはポール・アンダースン「サム・ホール」。実体のない情報が国家をも転覆するほどの力になるという展開は、インターネット時代の今こそ読んでおくべき。同じ本に収録されているアルフレッド・ベスター「消失トリック」と同様、50年代の冷戦と赤狩りが影を落としてます。
 他にも、バルンガの元ネタであるロバート・シェクリイ「ひる」が入ってるし、マシスン「終わりの日」、ゼナ・ヘンダースン「なんでも箱」、エリック・フランク・ラッセル「証言」など、感動的な話も多いです。

●フレドリック・ブラウン編『SFカーニバル』(創元SF文庫)
 ユーモアSFのアンソロジー。最近、復刻されました。1940年代にインターネットを予見していたラインスター「ジョーという名のロジック」は、一見の価値あり。バローズのパロディであるクライヴ・ジャクスン「ヴァーニスの剣士」の身も蓋もないオチにも大笑い。他には、ブラウンの奇想SF「恐竜パラドックス」が、これでしか読めません。

●中村融編『時の娘』(創元SF文庫)
 時間SFのアンソロジー。帯に推薦文を書かせていただきました。
 ウィリアム・M・リーの「チャリティのことづて」は時を越えたラブストーリー。時間が逆に流れる世界を描いたデーモン・ナイト「むかしをいまに」や、タイムパラドックスもののハーネスの「時の娘」、そしてR・M・グリーン・ジュニアの「インキーに詫びる」など、傑作ぞろい。

●大森望編『ここがウィネトカから、きみはジュディ』(ハヤカワ文庫)
 これも時間SFアンソロジー。テッド・チャンのタイムパラドックスもの「商人と錬金術師の門」、光が通り抜けるのに何年もかかるガラスが出てくるボブ・ショウ「去りにし日々の光」、南に行くほど時間が速くなる世界を舞台にしたデイヴィッド・マッスン「旅人の憩い」、タイムループもののリチャード・ルポフ「12:01PM」とソムトウ・スチャリトクル「しばし天の祝福より遠ざかり……」など。
 最高傑作は、F・M・バズビイの表題作。人生をばらばらの順序で生きる男の物語です。感動!

●大森望編『きょうも上天気』(角川文庫)
 故・浅倉久志氏が訳した短篇SFの中から傑作をセレクト。『これから「正義」の話をしよう』で言及されたアーシュラ・K・ル・グィン「オメラスから歩み去る人々」や、超能力少年の恐怖を描いたジェローム・ビクスビイの「きょうも上天気」、マック・レナルズのタイムパラドックスものの傑作「時は金」などもいいけど、個人的にはワイマン・グインの「空飛ぶヴォルプラ」を再録してくれたのが嬉しい。
 ウォード・ムーアの「ロト」は、若い頃に読んだときはピンとこなかったけど、今読むとすごくよく分かります。

●伊藤典夫編『冷たい方程式』(ハヤカワ文庫)
 こちらは伊藤典夫氏の訳した作品を集めたアンソロジー。ゴドウィンの表題作もいいけど、シェクリイ「徘徊許可証」や、C・L・コットレル「危険! 幼児逃亡中」もいい。

●中村融編『影が行く』(創元SF文庫)
 こちらはホラーSFのアンソロジー。元は2000年に出たんだけど、昨年、『遊星からの物体X』再映画に合わせて復刊。これも推薦文を書かせていただいた。
 人間に擬態するモンスターの恐怖を描くジョン・W・キャンベル・ジュニアの「影が行く」は、1938年という時代を感じさせない、古典的な傑作。不定形生物が大都市を襲うシオドア・L・トーマス「群体」は、最後が怪獣映画みたいなスペクタクルに。マシスン「消えた少女」、ジャック・ヴァンス「五つの月が昇るとき」、アルフレッド・ベスター「ごきげん目盛り」など、どれも面白いけど、やはり最後のブライアン・W・オールディス「唾の樹」がベスト。
 H・G・ウェルズへのオマージュ(ラヴクラフトもちょっと入ってる)で、19世紀イギリスの田舎を舞台にした侵略もの。たぶんオールディスはお遊びのつもりで書いたんだろうけど、普通に面白く読めます。個人的にはオールディスの作品でこれがいちばん好き。

●中村融編『地球の静止する日』(創元SF文庫)
●ハリイ・ベイツ他『地球の静止する日』(角川文庫)
 2008年、映画『地球が静止する日』の公開に合わせて出版されたアンソロジー。いずれもSF映画やSFドラマの原作を集めてますが、収録作は1951年の『地球の静止する日』の原作(あんまり似てない)であるハリイ・ベイツの「主人への告別」以外、まったく異なります。
 前者にはスタージョン「殺人ブルドーザー」、ハインライン「月世界征服」、後者には『デス・レース2000年』の原作であるイヴ・メルキオール「デス・レース」、『アウター・リミッツ』の原作であるジェリイ・ソール「アンテオン遊星への道」、クリフォード・D・シマック「異星獣を追え!」、ハーラン・エリスン「38世紀から来た兵士」などの珍しい作品が入っていて、SF映画&ドラマ・ファンなら必見。特に「宇宙怪獣メガソイド」の原作であるシマックの作品は、ずっと読みたかったから、個人的に舞い上がりましたね。

●中村融編/エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』(河出文庫)
 前に奇想コレクションから出た本の文庫化ですが、こっちの方が断然いいので買い直しました。なんといっても、「フェッセンデンの宇宙」が、1937年版と1950年版、両方入ってる! 読み比べてみると、13年の間にハミルトンが上手くなったことがよく分かります。僕らが読んでいたのは50年版の方でした。これも『神は沈黙せず』を書く時に大きな影響を受けました。
 他にも、「向こうはどんなところだい?」「翼を持つ男」は泣ける話だし、ショートショート「追放者」や、ハミルトン自身がマイ・ベストSFに選んだ「世界の外のはたごや」もおすすめ。

●中村融編/エドモンド・ハミルトン『反対進化』(創元SF文庫)
 これもハミルトンの短篇集。時代順に並んでおり、デビュー直後の「アンタレスの星のもとに」というトンデモない大駄作(笑)から、「呪われた銀河」「ウリオスの復讐」「反対進化」「異境の大地」など、スケールの大きな奇想SFの数々を経て、晩年の傑作「プロ」が最後に来るという構成が見事。最初からハミルトンの軌跡をずっとたどってくると、自伝的作品「プロ」でしみじみ泣けちゃうんですわ、これが。

●フレドリック・ブラウン『天使と宇宙船』(創元SF文庫)
 ブラウンの短篇集は何冊も出ているけど、一番のおすすめはこれ。何といっても「ミミズ天使」が入ってる! 初めて読んだ時、ラストの謎解きでひっくり返ったなあ。これも奇想SFの傑作。復刊されていて、今でも手に入ります。
 他にも「気違い星プラセット」「ユーディの原理」「不死鳥への手紙」などの短篇が面白い。ショートショートでは「非常識」が好き。

●シオドア・スタージョン『海を失った男』(晶文社)
●シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』(河出書房新社)
●シオドア・スタージョン『輝く断片』(河出書房新社)
●シオドア・スタージョン『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』(河出書房新社)
 近年、日本での再評価が進んだスタージョン。「ビアンカの手」「シジジイじゃない」「墓読み」「海を失った男」「雷と薔薇」「孤独の円盤」「マエストロを殺せ」「帰り道」「必要」など、傑作が多い。
 ストーリーは説明しづらいんで、とにかく「読め」としか言えません。

●アルフレッド・ベスター『願い星、叶い星』(河出書房新社)
●ゼナ・ヘンダースン『ページをめくれば』(河出書房新社)
 河出の奇想コレクション・シリーズはどれもはずれがないけど、特にこの二冊をおすすめしておきます。

 他にも、会場で紹介したのが、岩崎書店が2003年から復刻している児童向けSFシリーズ。『宇宙のスカイラーク号』で、ドロシーがシートンの妹になってるのも驚いたけど、レイモンド・F・ジョーンズ『合成怪物の逆しゅう』や、トム・ゴドウィン『宇宙のサバイバル戦争』は、よくぞまあ当時の岩崎書店の人はこんな残酷な話を子供に読まそうと思ったなと(笑)、感心いたします。
 あと、生命を持った雪が人間を襲うリチャード・ホールデン『光る雪の恐怖』は、子供の頃に読んでたらトラウマになってたかも。
  
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