2013年05月24日

『ヒーローズ・カムバック』

『ヒーローズ・カムバック』 (小学館)
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC/dp/409185320X

 細野不二彦の呼びかけによって実現した、東北復興支援のための企画。小学館の有名漫画家たちが、かつての人気作品の新作を発表。単行本の収益・印税は、必要経費を除いて、被災した子どもたちや学校に本を届ける活動を続けている「大震災出版復興基金」、および岩手・宮城・福島の各県庁が主催する震災遺児への育英基金に寄付されることになっている。
 収録作品は次の通り。

細野不二彦『ギャラリーフェイク』
ゆうきまさみ『究極超人あ~る』
吉田戦車『伝染るんです』
島本和彦+石森プロ『サイボーグ009』
藤田和日郎『うしおととら』
高橋留美子『犬夜叉』
荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』
椎名高志『GS美神 極楽大作戦!!』

 これらの新作に、震災の救助活動を題材にした、かわぐちかいじの読切「俺しかいない~黒い波を乗り越えて~」を加えた、計9本。

 かつて大ファンだった者としては、何といっても『うしおととら』と『GS美神』が嬉しい! どちらも、絵柄はもちろん、話のノリも完璧に昔のまんまで、10年以上の空白をまったく感じさせない。そのうえ、しっかりいい話になってる!
 特に『うしおととら』は、震災そのものを扱ってはいないんだけど、この作品が震災遺児のために描かれたことを意識して読むと、涙が出る出来。黒い列車が津波のメタファーになってるんだよな。
 藤田和日郎、いつでも全力で本気だ。

『ギャラリーフェイク』は、震災に便乗する悪徳美術商を懲らしめるという痛快な内容で、これまた結末でジーンとくる。

『銀の匙』は八軒家の過去の歴史を描く番外編で、これも地味だけどいい話。

 逆にちょっと期待はずれだったのが、『究極超人あ~る』と『犬夜叉』。いつものメンバーを出しただけで終わってしまっている感があるがもったいない。

 あと、目次を見て、「島本和彦、何で『炎の転校生』を描かないんだよ!?」とツッコんだんだが(笑)、あとがきを読んで納得。なるほど、どうしても石ノ森作品を入れたかったわけか。
 しかし、あの名場面を公式にリメイクできて、島本和彦、本望だろうな。


 ……とまあ、ここまでならいい話なんだけど、ここから先はちょっと嫌な話。
 AMAZONでこの本に定価の1.5倍以上の値をつけている中古本業者がいっぱいいる。
 中には950円のこの本に3352円もつけてる業者まで!

http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/409185320X/ref=dp_olp_used?ie=UTF8&condition=used

 ある業者はこんなことを書いている。

 新品・未読です。全国的に品薄で大変希少な本のため、プレミア価格となりますが価値をご理解いただける方はご検討下さい。(後略)

 嘘つけ!
 昨日も近所の書店に行ったら平積みになってたよ!
 言うまでもなく、これは詐欺商法。新刊書店で普通に買える本を「品薄」と偽り、定価より高く売って差額で儲けるのである。
 AMAZONでは売れている新刊本が品切れを起こすことがよくある(この文章を書いている今も、ちょうど品切れになっている)。もちろん何日か待てば補充されるんだけど、たまたま品切れのタイミングでアクセスした人は、中古本業者の説明に騙され、手に入りにくい希少本だと思いこんでしまうらしい。
 前からよくある手で、僕も前に自分の本でやられたことがある(『アイの物語』が発売半年後ぐらいに3466円にまで値上がりしていた)。
 しかし、よりにもよって、チャリティ本でやるか!?
 この本の中の『ギャラリーフェイク』に出てくる、震災に便乗して儲ける悪徳業者を思い出したよ。

 みなさん、騙されないで! AMAZONで買えなくても書店に行けば売ってますから! たとえ売り切れてても、書店の人に頼んで取り寄せてもらうこともできますから!
  


Posted by 山本弘 at 17:29Comments(7)マンガ

2013年05月24日

「あなたの知らないマイナー特撮の世界#3」

 すみません! 今月は忙しすぎて、ここでイベントの告知するの忘れてました。

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山本弘のSF&トンデモNIGHT#22
「あなたの知らないマイナー特撮の世界#3」

 『ウルトラマン』や『仮面ライダー』や『ゴジラ』ばかりが「特撮」じゃない!
 一世紀以上に及ぶ特撮の歴史の中には、一般にほとんど存在を知られていない作品、よほどの特撮マニアでさえ言及することの少ない作品が山ほどあるのです。
 歴史の闇に埋もれたそうした作品の再評価や、作品の生まれた時代背景、特撮シーンの見どころなどを紹介しつつ、愛にあふれるツッコミを入れまくろうというのがこの企画。前回のPart2で紹介したのは1967年までの作品でしたが、今回は1968年~70年、それに第二次怪獣ブームが幕を開ける1971年の作品を取り上げます。『キャプテン・スカーレット』『バーバレラ』『妖怪大戦争』『吸血鬼ゴケミドロ』『緯度0大作戦』『宇宙からの脱出』『ウルトラファイト』……あなたの知っている作品はいくつぐらいあるでしょうか?
 また前回に続き今回も、特撮をこよなく愛する小説家でゲームデザイナーの友野詳さんと、特撮マニアでB級アイテム・コレクターの鋼鉄サンボさんを特別ゲストにお招きする予定です。

[出演] 山本弘(SF作家/と学会会長)、友野詳(小説家、ゲームデザイナー)、鋼鉄サンボ

[日時] 2013年5月31日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F / Tel. 06-6643-5159)(地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

 前売り券はこちらから。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=59035689
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 今回、緊急に、冒頭でレイ・ハリーハウゼン追悼企画をやろうと思っています。まだハリーハウゼンを知らないという人(いるのかな?)に、彼のすごさを知っていただきたいので。
 また、前回にちょっと触れた「『スター千一夜』に怪獣が出た」という記事も発掘しましたので、お見せしたいと思います。

 第3回の今回は、第一期特撮ブームと第二期特撮ブームの狭間の、ちょっと特撮が不作だった時期です。でも、『2001年宇宙の旅』のような大作がありましたし、実は『宇宙からの脱出』とか『吸血鬼ゴケミドロ』とかも、けっこう好きだったりします。
 しかし、はたして70年代にたどりつけるやら。実は70年代の話だけでも、1回や2回じゃ終わりそうにないんですけど……。
  


Posted by 山本弘 at 16:53Comments(3)PR