2013年03月01日

愛されるデモ行進

 今週の月曜(2月25日)、産経新聞朝刊にこんな記事が載った。

着ぐるみに風船… “愛される”デモ行進が定着
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130224/wlf13022420300028-n1.htm

 新しい「デモ」が芽生えている。政治団体や労働組合が参加者を動員して党派色を打ち出し、政府批判や主義・主張を声高に訴えるのが従来のスタイルだが、新しいデモはインターネットで参加を募り、硬いテーマでも“緩い雰囲気”が特徴。大阪で定着してきた「日の丸行進」もその一つだ。現場を取材すると、過激なシュプレヒコールなどはなく、「ありがとう」の連呼が響くユニークなデモだった。(細田裕也)

■「わあ、かわいい!」と手を振る沿道の子供

 「祝祭日には日の丸を掲げましょう」「海上保安庁の皆さん、尖閣諸島巡視、ありがとうございます」

 17日の日曜日、大阪・御堂筋。カラフルな風船を絡ませた国旗を掲げる約70人が整然と練り歩いた。先頭付近にはピンクのウサギの着ぐるみ。「わあ、かわいい」。沿道の子供が笑顔で手を振った。

 何かのパレードに見えるが、開催趣旨は国旗の大切さを訴え、国民の命を守る自衛隊や警察官らに感謝の心を伝えるのが狙いだ。

 「沿道の人も気軽に加われる集いがいい。新しいデモの形を提示したい」。主催団体代表、石黒大圓(だいえん)さん(65)は語る。

 外国人参政権反対などを訴える多くのデモに参加してきた石黒さん。「日本からたたき出せ」。ときに飛び交う過激な掛け声に沿道の人々が目を背けるなど“拒否反応”を感じた。

 北朝鮮による拉致、中国が挑発を繰り返す沖縄・尖閣諸島の問題などを通じ、国民の間で愛国心が高まっているのは明白。だが、どうすれば一般の人に受け入れられるデモを演出できるか。熟慮の末、考案したのが日の丸行進だった。

■「ありがとう」連呼、「ふるさと」を合唱

 イメージは五輪の入場行進。愛国心を訴えるテーマでありながら、家族連れの目を引くため着ぐるみを用意し、風船は革新系団体のデモからヒントを得た。外国人への排他的な掛け声を禁じ、感謝の言葉や「ふるさと」など日本の唱歌を歌いながら歩く形にした。

 平成23年6月からほぼ毎月1回のペースで開始。インターネットでも告知し、毎回100人前後の参加がある。今月17日で19回目。初回から参加する女性(51)は「行進では感謝の言葉も多く、私たちが穏やかな気持ちになれる珍しいデモ。参加しやすいし、活動のたびに沿道の反応も良くなっている」と話す。
(後略)
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 この石黒大圓さんの主催する「日の丸行進の会」のデモの映像をYouTubeでいくつか見たけど、「君が代」や唱歌を歌うだけで、実におとなしい。こういうデモは僕も大歓迎だ。愛国心も穏やかに訴えるのなら、いっこうにかまわない。むしろじゃんじゃんやるべき。

 さて、何で17日のデモのことが、25日の朝刊に載ったのか? 理由は分かる人には分かるはず。
 前日の24日、同じ大阪の鶴橋でこんなデモがあったからである。

【第1部】「日韓断交」ほぼ関係なし! ひたすら罵倒とヘイトスピーチだけの鶴橋デモ(2・24)
http://togetter.com/li/461548

【第2部】中学生の「鶴橋大虐殺」宣言に喝采を送る自称愛国日本人の絶望ヘイト街宣(2・24)
http://togetter.com/li/461654

 もちろん産経新聞はこんなデモのことは報じない。
 しかし、上の記事をよく読めば、この記事を書いた記者の言いたいことは明らかだろう。

>過激なシュプレヒコールなどはなく

>「日本からたたき出せ」。ときに飛び交う過激な掛け声に沿道の人々が目を背けるなど“拒否反応”を感じた。

>外国人への排他的な掛け声を禁じ

>「行進では感謝の言葉も多く、私たちが穏やかな気持ちになれる珍しいデモ。参加しやすいし、活動のたびに沿道の反応も良くなっている」

 そう、在特会をはじめとする、過激なヘイトスピーチだらけのデモは間違っている、と言っているのだ。
 言うまでもなく、産経新聞は朝日新聞と対照的に、がちがちの右寄り。そういう新聞でさえ、レイシズムの暴走には危機感を覚えていることがうかがえる。そして、そんなやり方は支持しない、と記事を通じて表明しているのだ。そんなのは一般市民の嫌悪感を招き、かえって不利になるだけ。穏やかに訴える方が効果的なのだ、と。
 まったくその通りだ。

「死ね」とか「殺せ」とかいうおぞましいヘイトスピーチをまき散らす連中って、要するに路上で大声を出してうさ晴らししてるだけだと思う。
 そりゃあ、大声で悪口をわめき散らしたら、さぞ気分はすっきりするだろう。その快感を「正義」と勘違いしてるんじゃないだろうか。
 自分がいい気分になれればそれでいい。自分たちの行動が問題解決につながるかどうか、一般大衆に受け入れられるかどうかなんて、まったく眼中にない。
 外国人参政権反対運動にせよ、竹島や尖閣諸島の問題にせよ、多くの支持者を得たいなら、支持を得られるようなやり方をすべきだ。デモというのは自分たちの意見をアピールして支持者を増やすためのもので、大衆から見放されたら本末転倒だろう。
  


Posted by 山本弘 at 17:54Comments(71)社会問題

2013年03月01日

超常現象に迫る!オカルト番組を10倍楽しむ教室

神戸新聞文化センター

山本弘の
超常現象に迫る!オカルト番組を10倍楽しむ教室

 数多くの著書と「と学会」会長として知られる、山本弘氏の教室。超能力、心霊、UFOなど・・・テレビや雑誌、本などで取り上げられる題材をもとに様々なテーマを、講師が蒐集した資料を元に懐疑的なスタンスで検証を行い、わかりやすくオカルトの真相を解説していきます。

 曜日 第二日曜
 時間 13:30~15:00
 受講料 6ヵ月13,860円
 受講会場 三宮KCC(JR三ノ宮駅前・ミント神戸17階)
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 2006年に東京の三越カルチャーサロンでやったのを皮切りに、東京、埼玉、大阪、京都、名古屋などでさんざんやってきた企画ですが、神戸では初めてです。実際の超能力番組やUFO番組のビデオを観ながら、そこに映っているトリックやヤラセの証拠を見つけて楽しもうというもの。

 受講前に一回、体験受講できます。

 日時 2013年03月10日13:30~15:00
 参加費 1,260円

 詳しい情報・お申し込みは、神戸新聞文化センターまで。
(直リンクはできないので、画面右の「講座で探す」から、「山本弘」または「超常現象」で検索してください)
  


Posted by 山本弘 at 17:39Comments(1)PR

2013年03月01日

第10回MMD杯

 MMD杯も10回目。
 初期の頃は、少ない素材や限られた技術でどう表現するかが大きなポイントだったんだけど、最近はモデルもステージもエフェクトもすっかり充実した感がある。完成度も高くなり、プロが金かけて作った作品と見分けがつかないものも多い。
 規模も大きくなり、知名度もじわじわと上がってきてるみたい。特に今回は、選考委員「5名1社1庁」に驚いた。とうとう国まで巻きこんだか!

【第10回MMD杯】MikuMikuDanceCup Ⅹ 【本選開幕告知】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20082842

 今回、印象に残った作品をいくつか。

【第10回MMD杯本選】サンダーバードごっこ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20082842


 個人的に最高傑作はこれ! ハマっちゃって20回ぐらい見た。2号が発進する時にジェット・ブラスト・ディフレクターが起き上がるところとか、エレベーターカーがファイヤーフラッシュの機首にぶつかるところとか、細部までよくできてる。すべり台でバージルごっこは、僕らの世代ではみんなやったよ!
 欲を言えば、最後に爆弾がずり落ちるところが見たかったな。

【第10回MMD杯本選】新番組「ボーカロイドプリキュア!」【モデル配布】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20120545


 おバカなネタなのに、変身シーンの完成度がとてつもなく高くて、ため息が出る。力作。
 再現ものでは、他にも「P4MMD - ペルソナ(物理) -」「御三家で、AIRのOPに中毒になる動画 【鳥の詩】」「はつねのミクのMMD」なども好き。 「【鳥の詩】」はExも必見(笑)。
「カルチャーセンター「うさぎとかめ」ハッチポッチMTV」は個人的にすごく好きなネタなんだけど、表情の変化が乏しいのが残念。細部まで手を抜かずに作るかどうかで、印象がぜんぜん違うということが分かる。

【第10回MMD杯本選】CROSSOVER
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20060531


 格闘もの。殺陣の組み立て方、見せ方が素晴らしく、全編にすごい緊張感がみなぎっている。これは相当アクション映画見て研究したんだろうなあ。目の演技も魅力的。
 この3本が個人的にベスト3。以下、いろいろ。

【第10回MMD杯本選】東方 Fighter 2
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20097822

 海外組。まさに「魔法(物理)」というテーマにふさわしい大迫力のバトル。えぐい表現なんだけど、どうしても笑っちゃう。アリス怖い。

【第10回MMD杯本選】 戦場アイドル春香さん
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20088507

 FPSの雰囲気を見事に表現している。これも残酷な表現なんだけど、ラストでほっとする。
 バトル系では他にも「香港映画Pで香港映画Pを再現」「魔王、決戦」「天使と悪魔」「辻斬日記【般若心経】」など、それぞれ特徴があって面白かった。

【第10回MMD杯本選】サイバーサンダーサザビー
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20096141

 メカアクションものでは、これが文句なしに素晴らしい。
 他にも、「MMDでスパロボ風戦闘デモ」なども力作。

【第10回MMD杯本選】五年前 途切れた線路の 向こう側
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20098526

 前回の「トウナ ステイション」の人。ローカル駅の移り変わりをただ見せてるだけなのに、なぜか目頭が熱くなってくる。
 鉄道ものでは、「犬山橋」も良かった。実物はぜんぜん知らないけど、地元民の感動のコメントで溢れていて、読んでるこっちまで感動してくるのだ。

【第10回MMD杯本選】ドルフィン・イン・ザ・スカイ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20083295

 ブルーインパルスの妙技。これは見入る! 細かいとこまでよくできてる。 Exの地上視点映像も素晴らしいので必見。
 同系統の作品では「Sonic Angels【空を翔る翼】」もかっこいい。フランカーのプガチョフ・コブラは美しい。

【第10回MMD杯本選】マンガっぽいよ【漫画風MMD】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20108789

 MMDってマンガ描くツールとしても使えるのか!?
『コミPo!』と違ってポーズが自由につけられるし、素材もはるかに豊富なわけだから……これって同人誌界の革命になるんじゃない? 新たな可能性を見せつけられた気がした。
 革命的新技術という点では、「Crowd Simulator」「ミクダヨー VS 俺」にも注目したい。どちらもこれから応用が広がりそうだ。

【第10回MMD杯本選】その旅立ちとピアピア動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20124648

 野尻抱介『南極点のピアピア動画』を映像化。原作知ってると泣ける。あと、市場が変なことになってる(笑)。
 SFものでは、アシモフの短編をアレンジした「バイセンテニアル・ガール 〜二百周年の少女〜」も泣ける出来。

【第10回MMD杯本選】たいようのそら
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20120721

 絵本みたい……というより、昔の自主制作アニメみたいな雰囲気の作品。引きこまれた。
 まさか前回のザクアリの人だとは思わなかった。これはまたずいぶん作風変えてきたなあ。

【第10回MMD杯本選】リベルニア−After Centuries−
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20089520

 何か壮大っぽくっていい雰囲気。もっと見たい。

【第10回MMD杯本選】ODDS&ENDS【MMD-PV】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20124333

 モーションも素晴らしいけど、ラストで鳥肌が立つ。
 PVでは他にも「Jealousy of Silence【Unlucky Morpheus】」「マトリョシカ」などが良かった。

【第10回MMD杯本選】MTBチャレンジ!
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20092005

 自転車を動かすのは難しいだろうに、なおかつMTBに挑戦とは……この労力を想像すると頭が下がる。

【第10回MMD杯本選】騒がしいゆーじょー【超遅刻カオス】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20127108

 これは遅刻も無理ないクオリティ。ものすごい量のネタが詰めこまれていて、1回や2回じゃ見きれない。

 他にも「黄色のワーゲン」「大妖精1/8 Figure考察」「テキサスコロニーの赤い罠」「-Beautiful World 2013-」「蟻と宇宙」「ツンデレラ」「全力で跳べ!!【バレーボール】」など、印象に残る作品がたくさんあった。「転校生と遠足 【オカ☆ミキ】」「デフォ子の小さな旅 〜 The Small Adventure 〜 森の妖精」などのシリーズものも楽しみ。
 さて、観光庁さんは何を選ぶんだろ?
  


Posted by 山本弘 at 17:18Comments(7)ニコニコ動画