2013年02月24日

『僕の妹は「大阪おかん」』

 最近ちょっとハマってる作品。

http://www.nicovideo.jp/watch/1356079576


 第1話を観た勢いで、一気に8話まで観てしまった。手間と予算かけてぐりぐり動き回るアニメももちろんいいけど、こういう最小限の手間で楽しませようというgdgdなアニメもいいよね。毎回変わるEDテーマも楽しみ。
 昔あった「オバタリアン」みたいな感じだけど、「妹」にしたことで萌えアニメに……なってんのか?  公式タグが「残念アニメ」だしなあ(笑)。

 京都生まれで大阪に20年近く住んでる人間として言わせてもらうと、ここに出てくる「大阪おかん」の特徴の多くは、時代遅れか、誇張されている。「冷コー」という言い方は昔はよく聞いたけど、最近はあまり耳にしない。「豚まん」も551の蓬莱の豚まん限定ではないだろうか。「飴ちゃんあげよか」と言うおばちゃんにも会ったことがない。ましてや「でんがなまんがな」なんて言う女の子はいない(笑)。
 そう言えば、『定吉七番の復活』でもネタにされてたけど、最近は関西人も普通に納豆を食べるようになってるな。
 つまりここで描かれている「大阪おかん」は、あくまで関東人がイメージする架空の大阪人なんである。だから「大阪人ってこうなんだ」とマジで信じるのも、「大阪をバカにするな!」と怒るのも間違い。ギャグと割り切って見ないと。

 阿澄佳奈の大阪弁が下手だと言ってる奴がいるけど、これは戯画化された大阪キャラだから、逆にリアルでない方がいいと思うんだよね。 関西出身の白石涼子に兄をやらせるというのも、意図的なキャスティングではないかと思う。
 あと、毎回、井口裕香が何の役やるのかも楽しみ。おばちゃんの声とか少年の声とかおっさんの声とか、脇役はみんな井口裕香。『らき☆すた』でも2人いたのに、無茶だ。

 やっぱり僕は石舘光太郎作品が好きなんだってことを再確認。『gdgd妖精s』大好きでした。
 スタッフの代わった『gdgd妖精s』2期も観てる。特に第5話のタイムマシンの話には仰天した。この適当に作ってるように見えるgdgdな番組で、まさかそんな緻密な伏線が張ってあったとは!(笑)

 新番組『直球表題ロボットアニメ』も、予想通り、もろに『gdgd妖精s』で、
「それ、メンタルとタイムの部屋やろ!?」
 とかツッコミながら観てる。 ダイサンワの「コマネチ!」には爆笑した。

 あー、でもさすがに『バックステージ・アイドル・ストーリー』はついていけませんでした(苦笑)。
  
タグ :アニメ


Posted by 山本弘 at 18:13Comments(9)アニメ

2013年02月24日

日本SF作家クラブ設立50周年記念出版『SF JACK』

 日本SF作家クラブ設立50周年を記念する、SF作家12人によるオール書き下ろしアンソロジー。角川書店より3月1日発売。
 収録作品は次の通り。

冲方丁「神星伝」
吉川良太郎「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」
上田早夕里「楽園(パラディスス)」
今野敏「チャンナン」
山田正紀「別の世界は可能かもしれない」
小林泰三「草食の楽園」
瀬名秀明「不死の市」
山本弘「リアリストたち」
新井素子「あの懐かしい蝉の声は」
堀晃「宇宙縫合」
宮部みゆき「さよならの儀式」
夢枕獏「陰態の家」

 昨日、見本が届いたので、ひと晩で一気読みしました。
 冒頭の冲方丁「神星伝」がとにかく傑作! たった48ページの中に、長編アニメ1本分ぐらいのストーリーとアイデアを詰めこんだ和風ワイドスクリーン・バロック。クライマックスは巨大ロボ戦だ!
 話自体はアニメとかでよくある要素の寄せ集めなんだけど、世界観と文体が独特で楽しい。読みながら、『ファイブスター物語』や『ブラックロッド』を連想してたんだけど、読み終わってしばらくしてから、はたと気がついた。

 これって『ニンジャスレイヤー』だよ!(笑)

「アッパレ=ナリ!」という掛け声とか、絶対意識してる。あれを冲方風にアレンジしたらこうなるんだ。うん、すごく面白い。

 上田早夕里「楽園(パラディスス)」は、シミュレートされた死者と対話できる近未来の技術を描いた話。これはじきに現実になりそうだな。
 山田正紀「別の世界は可能かもしれない」は、『アルジャーノンに花束を』のサスペンス版という感じ。現代の脳科学から連想される架空理論の炸裂は、まさに山田氏特有の味。
 宮部みゆき「さよならの儀式」は、泣けるロボットもの。
 夢枕獏「陰態の家」は、これまた作者の持ち芸とも言うべきオカルト・ハンターもの。
 他にも、どの作家もそれぞれの持ち味を色濃く出しています。

 ちなみに僕の作品は、昨年、僕の身に実際に起きた事件からヒントを得て、未来の話に置き換えたもの(とは言っても、実際に体験したのは冒頭のシチュエーションだけなんだけど)。
 こういうテーマは一般小説では扱いづらい。SFだからこそ真正面から書けるんですよね。
 これも読んでいただければ、「いかにも山本弘だな」と思ってもらえるはず。


 この日本SF作家クラブ設立50周年記念出版、他にも『日本SF短篇50』(早川書房・全5巻)の刊行がスタート。1963年から現在までの、日本SF作家の代表作50本を収録したアンソロジー。僕の作品も5巻に収録予定です。
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21098.html

 ちなみに1巻に小松左京氏の作品が入ってないのは、2巻に「ゴルディアスの結び目」が入るからです。
  
タグ :PRSF


Posted by 山本弘 at 17:30Comments(4)PR

2013年02月23日

東郷隆『定吉七番の復活』

 1980年代、大阪商工議所秘密会所の殺人丁稚・定吉七番は、スイスのユングフラウで秘密結社NATTOの重要人物を追跡中、氷河に落ちて氷漬けになった。
 時は流れて現代。仮死状態から解凍された定吉は、時代の変化にとまどいながらも商工会議所に復帰。NATTOの残党の陰謀を追って新潟に向かう。
 一方、NATTOの最高評議員である新潟出身の政治家・田長マキコは、ドイツ人マッド・サイエンティストを雇い、新たな計画を進めていた。それは死んだと思われていた父・岳永を復活させることだった……。

 定吉七番が帰ってきた!
 本屋で見つけて嬉しくて、即、買った。『小説現代』に連載されてたのは知ってたけど、まとめて一気に読みたくて、単行本になるまで待ってたのだ。好きだったんだよね、このシリーズ。
 いやー、堪能しました。時代はあの頃とすっかり変わったけど、軽妙でスピーディな語り口の中に、風刺とパロディを山ほど詰めこんだ「定吉ワールド」は健在、四半世紀のブランクなどまるで感じさせない。
 いつものことながら、ものすごく荒唐無稽な話なのに、随所にいろんな薀蓄が挿入されていて、変なリアリティを醸し出している。「新潟トルクメニスタン友好の架け橋村」なんていう変なテーマパーク、さすがに作者の創作だろうと思ったら、どうやら「柏崎トルコ文化村」というのがモデルらしい。

 定吉以外のキャラクターもみんな個性的。今回は特に、無敵のスイス娘・ハイディが豪快すぎる。
 最後の方は、いろんなキャラクターが入り乱れ、「残りこれだけのページ数で決着つくの?」「もしかして次巻に続くとか?」と心配になったのだが、アクションとギャグを盛りこみ、ちゃんと話を収めてしまったのには感心した。(ちょっと駆け足だったけど)
 しかし、何でナチ+『ハイジ』なのかと思ったら、最後にあの映画のパロディをやらせるためだったとは。笑った笑った。

 旧作のファンなら必読。旧作を知らない人も、この機会におすすめしておく。

  
タグ :小説


Posted by 山本弘 at 18:52Comments(13)最近読んだ本

2013年02月13日

「あなたの知らないマイナー特撮の世界part1 」ご報告

 遅くなりましたが、先月のイベント「あなたの知らないマイナー特撮の世界part1」についてのご報告。

http://hirorin.otaden.jp/e263835.html

「はたして70年代の第2期怪獣ブームまでたどり着けるかなー?」と思ってたら、案の定、ネタが多すぎて、2時間20分話して、ようやく1964年まででした。『ウルトラQ』にさえたどり着かなかった! すみません。次回は第1期怪獣ブームの話がメインになります。
 イベントで紹介した写真や動画、いろいろ。この他にもいろんな映画やテレビ番組を紹介しました。
 
『メトロポリス』の撮影風景。ロボットの中にブリギッテ・ヘルムが入ってるという話は本当だったんだ!

 おそらく世界初の女性スーツアクター。着ぐるみのこの形状からすると、たぶん中は全裸に近い格好だったんじゃないかと思われます。ほとんど拷問ですな。
 ロボットの「マリア」(実は作中ではロボットに名前はない。人間の女性・マリアに化けるから、便宜上「マリア」と呼ばれている)は劇中では前面しか映らず、背面の形状が不明。熱がこもるのを防ぐために、背中が開いてたんじゃないかという説もあります。

 1936年のイギリス映画『来るべき世界』に出てくる未来のヘリコプター。いいデザインです。

 そもそも世界最初のヘリコプター、フォッケウルフ Fw61が飛行するのは1937年。つまり本物のヘリコプターはこの時代にまだない。まさに想像力が生んだ「未来メカ」です。
 ストーリーはかったるいけど、後半の未来都市建設シーンのミニチュア・ワークは今見てもすごい。『サンダーバード』を作ったスタッフは、子供の頃、こういうのを見てたんでしょうね。

 1938年の日本映画『江戸に現れたキングコング』。

 面白そうな映画だけど詳細は不明。おそらくフィルムは現存していないと思われます。このポスターからすると、巨大怪獣じゃなく等身大のように見えるんですが……。

The Mysterious Island (1929) Fragment
http://www.youtube.com/watch?v=KJ4XEmL-8vk
 ジュール・ヴェルヌの『神秘島』は、『SF巨大生物の島』など、何度も映画化されています。これは1929年のサイレント映画。日本では1932年に『竜宮城』という題で公開されているとか。
 原作と違うのは、潜水艦(ノーチラス号か?)で海底に降りていったら、そこに海底人の国があるということ。海底人が何百人もぞろぞろ出てくるんですな。けっこう金かかってる?
 さらに、海底人の守り神らしき巨大怪獣も登場! ワニにひれ付けただけだけど。もしかして、これが史上最古の「トカゲ・ワニ特撮」なのかな?

Deluge (1933)
http://www.youtube.com/watch?v=kAFQcEnUxhs
 日本では『世界大洪水』という題で公開。全世界を大地震と洪水が襲い、文明が破壊されるという話。
 大がかりな特撮シーンはこの4分間のみですが、ニューヨーク壊滅の一大スペクタクルには圧倒されます。ビルの崩れ方なんか、ある種の美学すら感じさせますね。
 これは映画の最初の方のシーンで、後は生き残った人々のドラマが描かれるんですが、特撮ファン的にはそのへんはどうでもいいです(笑)。

The Thief of Bagdad (1940) Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=QXqFLiO8ATQ
 1940年の『バクダッドの盗賊』。日本での公開はかなり遅く、1951年。(戦争があったから)
 これは予告編だけど、すでにパブリックドメインなので、全編、YouTubeで見られるし、日本でも廉価版のビデオが出ています(僕は280円で買いました)。
 今見ても話の展開が早くて飽きないし、特撮シーンも多いです。冒頭の帆船からして、よく見るとミニチュアなんですね。
 ビンの中から出てくる魔神ジニーとか、少年盗賊が潜入する異教の神殿のミニチュアとかもすごいけど、いちばん不思議なのが空飛ぶ馬。たぶんブルーバック合成だと思うんだけど、ものすごく大きなブルーホリゾンドの前で馬を走らせたのかな?
 他にも『雨ぞ降る』とか『悪魔の人形』とか、パブリックドメインになった古い映画の特撮名シーンだけ集めたDVD、誰か出してくれませんかね。安上がりにできると思うんだけど。

Gatorsaurus vs. Tegudon
http://www.youtube.com/watch?v=upBlYi0PnJo
 やはり1940年の『紀元前百万年』(『バクダッドの盗賊』と同じく、日本公開は1951年)より、トカゲとワニの壮絶な格闘シーン。今じゃ動物愛護団体が許してくれません。このシーンはその後、いろんなB級映画に流用されることになります。
 格闘シーン自体もすごいけど、その後の、瀕死のトカゲの横を歩いていくシーンが上手いなあ。
 言うまでもなく『恐竜100万年』(1966)はこの映画のリメイク。最初に出てくるのがコマ撮りの恐竜じゃなく本物のトカゲなのは、この映画へのオマージュでしょう。
 アーウィン・アレンの『失われた世界』(1960)の中にも、トカゲとワニの格闘シーンがあります。これも『タイム・トンネル』や『原潜シービュー号』に流用されておりました。
 そう言えば、お客さんの中に「トカゲとワニの出てくるシーンだけ見たい」と言ってた女の人がいました。「トカゲ・ワニ特撮特集」というのも面白いかも。『地底旅行』とか『大蜥蜴の怪』とかのトレーラーも集めて。

 他にも、たぶんパブリック・ドメインじゃないのでおおっぴらには言えないんですが(笑)、『縮小人間ハンター』World of Giants とか『宇宙探検』Men Into Space といった50年代のSFドラマも、YouTubeに上がってます。
 『縮小人間ハンター』は15センチの小人になってしまった諜報員メル・ハンターが、相棒のブリーフケースに潜んでいろんなところに潜入するという番組だそうです。明らかに『ロンドン指令X』の元ネタですね。細部の描写が凝ってて、真面目に作ってる印象です。猫に襲われるのは縮小もののお約束ですね。
 『宇宙探検』の方は、IMDBのエピソード・リストで見ると、 第1話で月周回、第2話で月着陸、第3話で宇宙ステーション建設、第4話で月面基地建設、第5話で原子力ロケットのテスト……と、宇宙開発を大真面目に描いていたようです。ちなみに作られたのは1959年、つまり人間がまだ宇宙に飛び出す前。
 脚本家の名前を見ると、『SF巨大アメーバの惑星』『冷凍凶獣の惨殺』のイブ・メルキオール、のちに『将軍』を書くジェームズ・クラベル、『アウター・リミッツ』のメイヤー・ドリンスキー、『人工衛星物語』のデヴィッド・ダンカン、「今日も上天気」のジェローム・ビクスビイなど、知ってる名前がぞろぞろ出てきてびっくり。そうか、ビクスビイって『スター・トレック』の前はこんなの書いてたんだ。
 特撮の歴史、調べれば調べるほど泥沼です。
  
タグ :特撮怪獣


Posted by 山本弘 at 18:17Comments(10)特撮

2013年02月13日

「安田均氏と語る・TRPG&ボードゲームの世界」

Live Wire 13.2.22(金) なんば白鯨|山本弘のSF&トンデモNIGHT#19
「安田均氏と語る・TRPG&ボードゲームの世界」

 毎月、様々な方面のマニアックな話題を語る「山本弘のSF&トンデモNIGHT」。今回はゲーム・デザイナー集団「グループSNE」社長の安田均氏をお招きし、テーブルトークRPGやボードゲームについて語ります。

 26年前のグループSNE創設当時のエピソードから、日本におけるゲームブックやテーブルトークRPGの興隆、お気に入りのボードゲーム、そして最新のボードゲーム事情まで、コンピュータにはないアナログなゲームの魅力を存分に語りつくします。ゲーム初心者からベテラン・ゲーマーまで、楽しめる話題が満載!

[出演] 山本弘(SF作家/と学会会長)、安田均

[日時] 2013年2月22日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば白鯨(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F / Tel. 06-6643-5159)(地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有
(※今回のみ開催場所が通例の「紅鶴」から、同フロアの「白鯨」になります。ご注意くださいませ)

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

 チケット予約はこちらから。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=54891585

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 今回は安田均社長にご登場いただきます。SNE創設当時のエピソードとか、どれだけ語れるかなー?
 実は僕も忘れてることが多いんで、資料として当時の『コンプティーク』とか『ウォーロック』とか『モンスター・コレクション』とか持って行こうと思ってます。
  


Posted by 山本弘 at 17:38Comments(9)PR