2013年01月12日

今は太平洋戦争中なのか?

 なんか戦時中の「敵性語禁止」みたいな話で盛り上がってるんだけど(笑)。

京急品川駅で驚いた
http://togetter.com/li/436309

 京急品川駅の案内板にハングルが表示される! けしからん! と驚き、腹を立ててる奴が多数。

>@photon2039v2 @fuwari_kitten  実際に京急に乗る際、ハングルの表示しか出て来ず電車に乗り遅れ飛行機に乗り遅れそうに..。抗議をしたら現場ではハングル表記は不便との認識でしたが上層部が決めたそうです。どしどし、抗議電話して欲しいと現場で言われました。

>@Tomotann_RX7 @fuwari_kitten 本当にひどい。悲しくなりますね。大多数の日本人が犠牲になっています。

>これはいつ見ても酷い!さらに不便。表示変わるのに時間かかる。RT @fuwari_kitten: まるで移民政策。京急の品川駅。 http://t.co/rhldDsG3


 嘘である。
 実際の表示はこんな感じだ。

http://www.youtube.com/watch?v=vvP233_uexo

 日本語10秒→中国語(簡体字)5秒→英語10秒→ハングル5秒→日本語10秒というサイクルであることが分かる。つまりハングルが表示されていても5秒待てば日本語に切り替わるのだ。これで「ハングルの表示しか出て来ず電車に乗り遅れ飛行機に乗り遅れそうに」なんてありえない。当然、「抗議をしたら」云々という部分も捏造だろう。
 そもそも京急電鉄の品川駅は、羽田空港からの快速や特急から、JR線や新幹線に乗り換える駅。つまり外国人がよく利用する。外国人向けの案内が出るのは当然なのだ。

http://www.keikyu-ensen.com/train/kakueki.jsp

 なぜ韓国語と中国語と英語の案内が出るかというと、理由は簡単。今、日本を訪れる外国人の中で、ダントツに多いのが韓国人。次に中国と台湾、それに英語圏の人たちだからだ。

出入国管理統計
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001089430

 平成23年は震災と原発事故の影響で、入国者が前年の75%に激減したが、それでも713万5407人が入国している。その内訳は、

韓国 191万9876人
(全入国者の27%)

【中国語圏】
中国 133万2700人
台湾 103万8934人
香港 34万9738人
(全入国者の38%)

【英語圏】
アメリカ 59万9506人
オーストラリア 23万1399人
フィリピン 17万5759人
イギリス 15万0044人
カナダ 10万7368人
ニュージーランド 3万3712人
(全入国者の18%)

 これだけで全入国者の83%を占める。つまり案内板を韓国語、中国語、英語で表記すれば、ほとんどの外国人観光客に対応できることになる。合理的な判断である。

>ハングル文字見るだけでマジでめまいと吐き気がするんですけど((((;゚;Д;゚;)))) RT @ggtopp: キムチ悪い。マジ勘弁 RT @fuwari_kitten: まるで移民政策。京急の品川駅。 http://t.co/YrLJmvDj

 こういうことを平気で書く奴って、ハワイや香港にたくさんある日本語の案内看板について、外国人から同じことを言われたらどう思うんだろう? 「ひらがなやカタカナ見るだけでマジでめまいと吐き気がするんですけど」とか言われたら?
 コメント欄の方は対照的で、まともな意見が多くてほっとする。駅の案内板に噛みついている心の狭い連中の方が少数派なんだろう。
 それでも中には、こんなトンデモさんが。

>観光客はシナハングルだけではない。その他の国の観光客が最初に目にする駅名表示版がすべてハングル併用になっていれば、観光客は日本をハングル文化圏と錯覚する。

 いねーよ、そんな錯覚する奴(笑)。だったら英語が併記された案内板を見た観光客は、日本が英語文化圏だと錯覚するのか?
 つーか、これに驚いてる連中って、どうも京急品川駅だけがこうだと思っているらしいんである。今や日本のどこでも、中国語やハングルによる表示なんて当たり前にあることに気づいていないのだ。
 試しに「駅名 ハングル」で画像検索してみたら、実例が山のようにヒットした。

 これは大阪の堺筋線(僕もよく利用してる)の電光掲示板。

http://www.youtube.com/watch?v=WULbOl2nBCs
http://www.youtube.com/watch?v=txs54rCZpgg

 こちらも大阪・谷町線の車内ディスプレイ。

http://www.youtube.com/watch?v=a75VTKo5ij0

 こっちは九州新幹線のアナウンス。

http://www.youtube.com/watch?v=6URhrVJuzhk

 これは阪急京とれいんの嵐山観光説明アナウンス。

http://www.youtube.com/watch?v=OL59ZYNjpC4

 これは桜島フェリー。

http://www.youtube.com/watch?v=3y53nfDhyas

 ヨドバシカメラなど、もう何年も前から、日本語以外に英語・中国語・韓国語などで店内放送をやっている。

http://www.youtube.com/watch?v=Q1Tt7Ef6HZQ

 つまり京急品川駅の表示板で驚いてる連中って、普段、身の回りをぜんぜん見てないんだよね。
 もしくは何年も外出してないのか。
 昔は英語圏からの観光客が多かったから、駅の案内などに英語表記が多かった。今は韓国・中国・台湾からの観光客が多くなったから、韓国語と中国語による案内が増えている――それだけのことである。

 以前に紹介した井上純一氏の提言の繰り返しになるけど、

http://hirorin.otaden.jp/e253556.html

 そもそも日本に観光に来る韓国人・中国人の大半は親日派だろう。そういう人たちに親切にして日本の心証を良くするのは、日本の国益にかなうことだ。年間100万~200万人も訪れる観光客が、自国に戻って日本の良い印象を語ってくれたら、ずいぶん大きな宣伝効果ではないか。
 逆に親日派の外国人に不親切にしても、日本の印象が悪くなって観光収入が激減するだけで、日本にとって何の益もない。
  


Posted by 山本弘 at 17:36Comments(159)社会問題

2013年01月12日

「あなたの知らないマイナー特撮の世界part1」

Live Wire 13.1.25(金) なんば紅鶴
山本弘のSF&トンデモNIGHT#18
「あなたの知らないマイナー特撮の世界part1」

 『ウルトラマン』や『仮面ライダー』や『ゴジラ』ばかりが「特撮」じゃない! 一世紀以上に及ぶ特撮の歴史の中には、一般にほとんど存在を知られていない作品、よほどの特撮マニアでさえ言及することの少ない作品が山ほどあるのです。
 今回は特撮を深く愛する山本弘が、やはり特撮マニアの友人・鋼鉄サンボ氏をゲストに迎え、そうしたマイナーな特撮作品の魅力を徹底的に語り尽くします。
 『月世界の女』『世界大洪水』などの戦前の映画、『スーパーマン』『遊星王子』などのテレビ黎明期の番組、『原潜シービュー号』『スパイキャッチャーJ3』などの60年代の番組、そして『トリプルファイター』『魔神ハンターミツルギ』『流星人間ゾーン』『恐竜大戦争アイゼンボーグ』などの70年代の番組に至るまで、歴史の闇に埋もれた作品の歴史的再評価や、作品の生まれた時代背景、特撮シーンの見どころなどを紹介しつつ、愛にあふれるツッコミを入れまくります。
 炸裂する濃い話題の数々に、あなたはどこまでついてこれるか!?
 

[出演] 山本弘(SF作家/と学会会長)、鋼鉄サンボ

[日時] 2013年1月25日(金) 開場・19:00 開始・19:30
     約2時間を予定

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F
     (地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

 チケット予約はこちらから。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=53680987

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 最初、20世紀の特撮作品をすべて網羅するつもりで、「『月世界旅行』から『鉄甲機ミカヅキ』まで」というサブタイトルも考えてたんですが、パワーポイントで資料を作って、それを見ながらリハーサルの意味でサンボくんと二人で喋ってたら、いろいろ省略したにもかかわらず、20世紀の終わりにたどりつく前に3時間超えちゃいまして(笑)。こりゃ1回じゃとても無理。2回か、ひょっとして3回になるかも。
 1回目はとりあえず、70年代前半、第二次怪獣ブームあたりまでですかね。それでも話すネタ、山ほどあるんで、濃い2時間になると思います。

 もっとも、ゴジラとかウルトラとか戦隊とかライダーについての話は、ほとんど出ません。あまり知られていないけど実はすごい特撮シーンのある映画とか、今では忘れられたマイナー番組とかについて、トリビアやツッコミを交えながら、その魅力をおおいに語ろうという企画です。
 ジョージ・リーブス版の『スーパーマン』なんて、当時の日本でも大人気になった超メジャー番組のはずなのに、意外なことに、今、どういう番組だったのか語る人がほとんどいないんですよね。日本の特撮番組史を語る際、『スーパーマン』が日本に与えた影響とかも、きちんと語っておかないといけないと思っています。

 まあ、中には今見ると笑っちゃうトホホな作品もいろいろあるんですが、そういう作品でもそれなりに評価すべき点はあるし、ダメなりに愛おしくて、ついつい再放送で見ちゃったりするんですよね。
 そう言えば、『名被害者・一条(仮名)の事件簿』で、「これで平和人類は滅亡と決まった!」とか「凶器に値するぎざぎざのもの」というフレーズを使ったら、編集さんに「元ネタが分かりませんでした」と言われました。いや、普通、分からないですから(笑)。知らなくても人生で何の支障もないですから。
  


Posted by 山本弘 at 16:50Comments(10)PR

2013年01月06日

冬コミの売り上げ報告

 あけましておめでとうございます。
 まずは冬コミの報告から。

『チャリス・イン・ハザード』の完結編、かなりの売れ行きだった。
 100部搬入したのが、3時までにほぼ完売。上巻である3巻の方が先に切れたもんで、これ以上は売れないと判断し、残り3冊の時点で撤収することにした。

 実は今回、どきどきしてたんである。というのも、段ボール箱を運ぶためのカートを持ってくるのを、うっかり忘れたから。
 夏コミではけっこう売れ残ったもんで、また売れ残りが大量に出たらどうやって宅配便の受付まで運ぼうかと悩んでた。
 でも、ほぼ完売のおかげで、送り返す本がわずかで済んだ。1日目と2日目に買った本は、前日のうちにホテルから家に送ったので、3日目に宅配便で出したのは、当日、会場で買った本だけ。小さな箱ひとつで収まったので、カートは不要だった。
 いやー、帰りがこんなに楽なサークル参加は久しぶりだ。良かった良かった。

 意外なことに、『チャリス』って女性読者も何人かいるんである。「完結を楽しみにしてました!」と言われたり、差し入れなんかも貰ってしまって嬉しかった。チャリスというキャラクターは女性にも支持されるのかな?

 かねてからの『チャリス』の読者の方が4巻を買っていかれたのは当然なんだけど、他にも1~4巻をまとめて買っていかれる人もけっこういた。
 ブログで宣伝した効果かなあ……と思っていたのだが。
 家に帰ってから検索したら、何と、去年の9月に北原尚彦さんが紹介してくださっていた!
 5年前に出た『SF奇書天外』は読んでたんだけど、こっちの連載は読み落としてました。すみません。

北原尚彦「人気作家が好きに書いた同人作品『チャリス・イン・ハザード』」――SF奇書天外REACT【第27回】(1/2)[2012年9月]
http://www.webmysteries.jp/sf/kitahara1209-1.html

 うわー、実に詳しく内容紹介されてるよ! もしかして今回の売り上げの何割かは北原さんのおかげか!?
 ありがとうございます、北原さん!

 ちなみに『チャリス』はいくら売れても黒字出ません(笑)。印刷にかかる原価より少し高めに価格設定してるんで、コミケの参加費とか旅費・宿泊費を入れると、完売しても赤字。
 でもいいじゃん、書きたかったんだから!

 今回の心残りは、いつものMAD本が出せなかったこと。
 コピー誌で出すつもりで、ぎりぎり28日までがんばって原稿書いてたんだけど、28日の夜には大阪でイベントがあったし、どうしても間に合わないと分かって、泣く泣く落とす決意をした。
 でも、お客さんからは一度も「いつものMAD本はどうしたんですか?」とは訊かれなかったんだよね(苦笑)。
 売れ行きも落ちてたし、方向性を考え直さなきゃいけないのかな。やるんなら根本的にコンセプトを変えたうえで、急造のコピー誌じゃなく、きちんとした本として出すべきだろう。

 コミケで見つけた同人誌については、また今度。
  


Posted by 山本弘 at 13:12Comments(13)PR