2012年10月30日

それってすごく安全なんじゃね?


韓国産即席ラーメンに発がん物質 厚労省が回収指導
http://news.nicovideo.jp/watch/nw412342?marquee

 韓国内の基準値を超える発がん性物質「ベンゾピレン」を含んだかつお節が即席めんや調味料に使われ、韓国内で自主回収されているとして、厚生労働省は26日、これらの食品を輸入した業者に回収を指導するよう自治体に通知した。厚労省は「微量で食べても影響はないレベルだが、韓国の回収を受けて対応することにした」としている。

 回収対象は基準値を超えた製造時期のかつお節が使われた即席めんや調味料で、韓国の大手食品メーカー農心の「ノグリラーメン」などを含む9製品。日本でも人気のある「辛ラーメン」は含まれていない。ベンゾピレンは食べ物の焦げにも含まれ、日本国内では基準値は設けられていない。

 このニュースについたコメントを読むと、

>韓国・中国産の食べ物は信用できない。

>韓国の衛生基準は当てにならんと何回言ったら・・・

>なんで大陸の大雑把な危ないもの食べる気になるのか

>太古から悪い物は大陸から到来する。大陸は人間が多い分、人の価値は低く、限りある資源の価値が高い。

>中韓の食品なんざ絶対食わんわ

>韓国製品がクズなのは世界常識でしょ?、何をいまさら…

>この国に食品衛生は存在しない。

>検疫なしで入ってくるから当然だよね

>家にここのメーカーのやつあったから捨てるか。

>こんなもん食えるはずがないだろ。考えろよ。


 といったコメントがずら~っと並んでるんだけど。

 ……あのさあ。

 君ら、記事ちゃんと最後まで読んだ?

「ベンゾピレンは食べ物の焦げにも含まれ、日本国内では基準値は設けられていない」

 NHKのニュースも見てみよう。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121026/k10013044841000.html
ベンゾピレンは、魚を焼いた際のこげた部分などに含まれる発がん性物質ですが、一度に摂取する量が少ないため、直ちに健康への影響はないとして、日本では規制の対象になっていません。

 そう、日本の食品ではベンゾピレンは野放しなんである。今回も、本当ならベンゾピレンを含んだ食品を日本で回収する必要なんかなかった。日本の基準は破っていない(そもそも基準が存在しない)からだ。もちろん厚労省も「微量で食べても影響はないレベル」と言っている。
 他の物質はともかく、ベンゾピレンに関しては、規制している韓国の食品の方が「安全」ということになりはしないか?
 記事の文章からこの程度のことも読み取れないというのは、日本語が読めないのか、お前ら本当に日本人か、と疑問に思ってしまう。見出しだけしか読んでないんじゃなかろうか。

 誤解を受けないように言っておくが、僕は韓国を擁護する気はない。特に今回、問題になった農心というメーカーは、以前から何度も異物混入事件を起こしているので、その点について非難されて当然だと思う。
 ただ、このベンゾピレン事件に関して、僕が非難したい点はそこではない。

 まず、ベンゾピレンというのはどういう物質かを見てみよう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%BE%E3%83%94%E3%83%AC%E3%83%B3

> 2001年、アメリカ国立癌研究所は十分に焼いたバーベキュー、特にステーキ、鶏肉の皮、そしてハンバーガー等の食べ物にも一定量のベンゾピレンが含まれているという報告を出した。日本の研究者は、焼いた牛肉に変異原が含まれており、DNAの化学構造を変化させる可能性があるとの報告を出した。

 実はベンゾピレンは、350~400度の高温で炭水化物やタンパク質や脂肪を調理した場合に発生する。珍しい物質ではなく、直火で焼いた肉や魚には必ずベンゾピレンが含まれているのである。
 韓国発のニュースでは、ベンゾピレンのことを「一級発がん物質」だと報じている。いかにも恐ろしそうに見える単語だ。
 ところが、この「一級発がん物質」という言葉、定義を知ろうと検索してみても、なぜか韓国のニュースしかヒットしない。どうやらこれは、国際がん研究機関(IARC)による発がん性リスクの分類、「Group1」の誤訳であるらしい。
 しかし、この分類は毒性の強さによるものではない。Group1は「ヒトに対する発癌性が認められる(Carcinogenic)」、Group2Aは「ヒトに対する発癌性がおそらくある(Probably Carcinogenic)」、Group2Bは「ヒトに対する発癌性が疑われる(Possibly Carcinogenic)」、Group3は「ヒトに対する発癌性が分類できない(Not Classifiable as to its Carcinogenic)」、Group4は「ヒトに対する発癌性がおそらくない(Probably Not Carcinogenic)」という分類だ。

IARC発がん性リスク一覧
http://ja.wikipedia.org/wiki/IARC%E7%99%BA%E3%81%8C%E3%82%93%E6%80%A7%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E4%B8%80%E8%A6%A7

 ちなみにWikipediaのリストでは、ベンゾピレンはGroup2Aになっているが、IARCの2012年のデータによると、Group1に昇格していた。確かに発がん性があることが証明されたらしい。

http://monographs.iarc.fr/ENG/Classification/ClassificationsGroupOrder.pdf

 このGroup1には、危険そうな物質も多い反面、「太陽光曝露」(紫外線に当たりすぎると皮膚がんになるから)「アルコール飲料」「タバコの喫煙」なども含まれる。IARCの基準によれば、太陽光も「一級発がん物質」なのである。
 つまりこれは発がん性があるかどうかの可能性による分類であって、Group1だからといって危険性が高いわけではないのだ。
 ではベンゾピレンの毒性はどれぐらいか。環境省のデータのデータを見てみよう。

http://www.env.go.jp/chemi/report/h18-12/pdf/chpt1/1-2-2-22.pdf

 ベンゾピレンを経口した場合の無毒性量は、0.21 mg/kg/day。このレポートでは、動物実験の結果がそのまま人間にあてはまるかどうか分からないから10で割り、さらに発がん性を考慮して10で割って、0.0021 mg/kg/dayを無有害影響量としている。
 0.0021 mg/kg/dayというのは、体重1kgあたり1日に0.0021mgという意味。つまり体重50kgの人なら、ベンゾピレンを0.11mg以上、毎日継続して(←ここ重要)摂取し続けると、体に何らかの影響が出る可能性があることになる。
 韓国での燻製乾燥魚肉食品のベンゾピレンの基準値は10ppbだという。

http://www.meari.org/2012/10/1.html

 1ppbは10億分の1の濃度だから、その10倍、1億分の1の濃度である。
 今回、韓国で基準値の超過が見つかったかつお節は、10.6~55.6ppbだという。最大の55.6ppbだとすると、体重50kgの人が毎日2kgのかつお節を食べて、ようやく0.11mgに達する。
 食えるか!(笑) 
 しかも、そのかつお節は粉末スープに使われるものだったという。

http://health.chosun.com/site/data/html_dir/2012/10/24/2012102401619.html
(以下、google翻訳)
国会保健福祉委員会、民主統合党イオンジュ議員は23日、食品医薬品安全庁が提出した `スモーク乾燥かまぼこ(かつおぶし)粉末ベンゾピレン試験成績書"を引用して粉末スープで発ガン物質のベンゾピレンが検出されたことを明らかにした。この議員によると、袋製品の "まろやかなたぬき" "辛くてぴりぴりするたぬき"、使い捨て機製品の "いきいきうどん" "セオタン大きなサバルミョン" "たぬき大きなサバルミョン" "たぬきカップ"など農心ラーメン6種のスープで㎏あたり2.0〜 4.7ppbのベンゾピレンを検出した。
しかし、食品医薬品安全庁は、ベンゾピレン量がスモーク乾燥魚肉基準値である㎏あたり10ppbにはるかに及ばない水準に安全だと説明した。市中流通しているラーメンのスープ重量が10g程度であることを照らしてみればならスープを食べた時ベンゾピレンにさらされる量は一日平均0.00005㎍にこれをグラムで比較してみると、100万分の1グラム程度だ。普段三枚肉などの肉を焼いて食べるときに公開されるベンゾピレン量が1日平均0.08㎍であることと比較すると不十分なレベルである。

 つまり基準値の10ppbを超過したのは原料のかつお節粉末であって、それから作られた粉末スープは基準値以下の2.0〜4.7ppbだったのである。スープにはかつお節以外の成分も混ざっているのだから当然だろう。つまり日本だけではなく韓国でも回収する必要はなかったことになる。
 ただ、この記事の計算はおかしい。濃度なのに「㎏あたり」と書いているのも変だが(このへんはgoogleの誤訳かもしれない)、10gの4.7ppbなら0.000047mg、つまり0.047μgのはずである。
 つまりそのラーメンスープを1日に2300杯ぐらい飲んで、ようやく無有害影響量である0.11mgを超えるかどうかといったところ。
 ちなみに、先ほど引用した環境省のレポートでは、日本人が水や食事から摂取するベンゾピレンの平均暴露量を「0.00044μg/kg/day 以上0.0010 μg/kg/day 未満」としている。体重50kgの人間なら、1日0.022~0.05μgである。つまり韓国製のラーメンスープなど飲まなくても、僕らはそれぐらいのベンゾピレンは常に摂取しているのだ。
 ラーメンスープを飲んだ場合に摂取するベンゾピレンの量は、焼き肉を食べた場合より少ないらしい。

 すなわち、今回の事件に関して、韓国を非難すべきなのは、

 ベンゾピレンの基準がきびしすぎる!

 という点なのである。
 何で10ppbなんて基準を使ってるんだろうか。つーか、日本と同様、基準なんかいらないんじゃないか?
 実は加工食品に対するベンゾピレンの基準を設けている国は韓国だけらしい。そりゃそうだ。店で売られている加工食品のベンゾピレンだけ規制したって意味がない。家庭で肉や魚を焼くだけでベンゾピレンは発生するのだから。
 というわけでみなさん、ご家庭で肉や魚を焼く際には、なるべく焦がさないように、焦げた部分は食べないようにしましょう。
  


Posted by 山本弘 at 17:16Comments(35)メディアリテラシー

2012年10月28日

ライトノベルについていろいろと(後)

 次は「ライトノベルの源流を探る」。
 先に挙げたラノベの表面的なフォーマット──「表紙が女の子でカラー口絵があって本文イラストがある文庫本」の元祖が、創元推理文庫の『火星シリーズ』だというのは、みんな笑うけど、でもそうでしょ?

 創元がこうしたスタイルで当てたもんで、対抗して早川が創刊したのがハヤカワSF文庫。今は違うけど、昔のハヤカワSF文庫はみんなカラー口絵があって本文イラストがあった。表紙も女性キャラが描かれていることが多かった。ジェイムズ・H・シュミッツの『悪鬼の種族』なんて表紙買いしちゃったし。

 ムーアの『大宇宙の魔女』も、あの表紙じゃなかったら手に取らなかっただろう。

 他にも『砂の惑星』の石森章太郎、『ジェイムスン教授』シリーズの藤子不二雄、『テクニカラー・タイムマシン』のモンキー・パンチなど、当時の人気マンガ家を起用していた。

 だから高千穂遙氏がソノラマ文庫の『クラッシャー・ジョウ』のイラストレーターとして安彦良和氏を指名したのも、そうしたことがヒントになってたんじゃないかと思うんである。

 イラストじゃなくて内容に目を向けるなら、大森望氏の主張する「ライトノベルの源流は平井和正『超革命的中学生集団』」という説には賛成。確かにあれより過去には遡れない。『超革中』は従来の児童小説とは完全に一線を画した画期的な作品だったと思う。

 ちなみに、これも知らない人が多いようだけど、『超革中』は2003年に『超人騎士団リーパーズ』とタイトルを変えて、青い鳥文庫fシリーズから新版が出ている。

 他にも、辻真先『キリコ&薩次』のシリーズはいかに先進的だったかとか、新井素子『いつか猫になる日まで』(壮大な宇宙戦争とヒロインの恋が同時進行で描かれる)は今でいうセカイ系のはしりなのかとか、笹本祐一『妖精作戦』がのちのSF作家たちにどれほど大きな影響を与えたか……といった話も熱く語った。
 これらの作品も今、復刊されてるんで読めます。久しぶりに読んだ『仮題・中学殺人事件』は、トリックが分かっててもやっぱり面白かった。
 ちなみに有川浩『レインツリーの国』は『妖精作戦』へのオマージュ。だから創元SF文庫版『妖精作戦』の1巻は有川さんが解説を書いている


 その後は、90年代から現代までのいろんなライトノベルを紹介。有名な作品を今さら取り上げるのも芸がないので、知名度じゃなく、あくまで僕の思い入れを基準にセレクトした。
 90年代の作品では、『バーンストーマー』『星虫』『宇宙豪快ダイザッパー』『風の白猿神』『電脳天使』『タイム・リープ』『ロケットガール』『ブラックロッド』など……『風の白猿神』は今でもちょくちょく語り草になってますな。
 21世紀に入ってからでは、『紫色のクオリア』『ヴィークルエンド』『パララバ』『アンチマジカル』『邪神大沼』『“菜々子さん”の戯曲』『超妹大戦シスマゲドン』『千の剣の舞う空に』『消閑の挑戦者』『声で魅せてよベイビー』などなど。
 中でもどうしても取り上げたかったのは、桜庭一樹さんの『竹田くんの恋人』。純粋に作品として見ると、明らかに失敗作なんだけど、クライマックス、ゲームの世界からやってきた女の子が、ついに探し当てた自分のプレイヤーに告白するくだりが、もうボロボロ泣けちゃって……個人的に忘れがたい作品である。
 あと三雲岳斗氏による『絶対可憐チルドレン』のノヴェライズは、原作ファンには絶対おすすめ。スケールが大きいうえに、原作の設定を緻密に織りこんでいて、ファン・サービスもたっぷり。『チルドレン』の劇場版作るんだったらこういう話にすべき!
 他にも、タイトルを見ただけで笑っちゃう作品とか、設定がトンデモない作品もいろいろ紹介。『名門校の女子生徒会長がアブドゥル=アルハザードのネクロノミコンを読んだら』『魔王が家賃を払ってくれない』『ウルトラマン妹』『うちのメイドは不定形』『パンツブレイカー』『奥の細道オブ・ザ・デッド』『寄生彼女サナ』『五年二組の吸血鬼』などなど……トンデモない設定でもつまらないかというと、決してそんなことはない。問題はその設定をうまく使いこなしているかどうか。特に『うちのメイドは不定形』はおすすめ。
 あっ、もちろん『ココロコネクト』『這いよれ!ニャル子さん』『ベン・トー』『文学少女』『俺の妹がこんなに可愛い』などのメジャーな作品もいろいろ取り上げましたよ。
『俺の妹』は次が最終巻だけど、どう決着つけるのかなあ。さすがに桐乃エンドだけはないだろうと思ってたんだけど、最新刊の最後のページの桐乃の宣言で分からなくなった。ありうるのか、桐乃エンド!? もうドキドキですよ。

 結論としては、

 ライトノベルには「遠慮」がない。

 普通、「半径2メートル以内のパンツを消す能力」なんて、思いついても小説に書こうとは思わない(笑)。それを書いちゃうのがライトノベルだ。アイデアだけじゃない。「こんな変なキャラクターを出したらバカにされるんじゃないか」とか「こんな荒唐無稽な設定を受け入れてもらうには、日常に密着したリアルな部分をみっちり書かないといけないんじゃないか」とか「こんなに会話ばっかりでストーリーが進まない小説なんて許されるのか」といった遠慮をしないのである。
 そうした自由奔放さこそ、ライトノベルの魅力だし、一方で、ライトノベルを生理的に受け付けない人がいる原因でもあるのではないかと思う。
 ライトノベルは長所と欠点が表裏一体なのだ。
  


Posted by 山本弘 at 16:38Comments(17)ライトノベル

2012年10月28日

ライトノベルについていろいろと(前)

 先日のLiveWireの企画「語りつくすぞ!ライトノベル」の報告をかねて。
 何年か前に某出版社からライトノベルについて解説する原稿を書いてくれと頼まれたけど、お断りしたことがある。「僕はそんなに詳しくない。今、発行されているライトノベルの1/10も読んでませんから」「もっとたくさん読んでいる人に頼んでください」と。
 今回、この企画をやるために調べてみて分かったのは、2011年にはライトノベルがなんと968冊も出てたという事実。

http://d.hatena.ne.jp/yuki_tomo624/20120122/1327244524

 うん、やっぱり1/10も読むのは無理(笑)。97冊読もうとしたら月に8冊だもの。他の本読んでる時間がない。というか、かなりのライトノベル好きでも、年に100冊以上読むという人はあまりいないんじゃないかと思う。
 だから今回は、本当に自分が知っている範囲の話に限定して進めることにした。

 まずは「ライトノベル畑からデビューした作家」の紹介。ライトノベル系の新人賞でデビューしたり、あるいはデビュー後しばらくライトノベルを書いていた人が、一般文芸に移ってくる例が多い。冲方丁、桜庭一樹、有川浩、乙一、小川一水、野尻抱介、橋本紡、長谷敏司……最近の注目は『ビブリア古書堂の事件手帖』の三上延氏。2002年にデビュー以来、電撃文庫で30冊近く書いていた。

 やっぱりね、栞子さん萌えるよね!(笑)
 会場でも言ったんだけど、年配のミステリ作家が『ビブリア古書堂』と同じ題材で小説を書いたとしても、栞子さんはあんな魅力的なキャラにはならなかったと思う。『ビブリア古書堂』はライトノベルの方法論をうまく取り入れたのが、ヒットの要因のひとつ(あくまでひとつだけど)ではないだろうか。

 次に「児童小説とライトノベルの境界が曖昧になってきている」という話。
 2004年頃、当時小学生の娘に読ませる本を本屋で探していて、『妖界ナビ・ルナ』の表紙を見つけた時には、「えっ? 最近は児童書でもこんな絵ありなの?」と驚いたもんである。

 ところが今や、フォア文庫も青い鳥文庫も、さらには角川のつばさ文庫も、アニメチックなキャラクター、ラノベ風の表紙のものが当たり前になってきている。

 会場で意外だったのが、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『キノの旅』や『生徒会の一存』が角川つばさ文庫から児童書として出てることを知らない人が多かったこと。

 読んでるんですよ、小学生の女の子が『生徒会』を! 公式サイトに載った感想に「中学校か高校生になったら、生徒会に入りたいと思いました」と書いてあって、「いや、あんな生徒会ないから!」と思わずツッコんでしまいましたよ(笑)。
 つまりこれ、小中学生のうちからラノベを読ませて、ラノベ界にひきずりこもうという角川の戦略なんである。
 この戦略、正しいよ! 先日、ニュースで、中学生にいちばん人気がある作家は山田悠介だというのを知って暗澹たる気分になったもんで(笑)、よけいにそう思う。『リアル鬼ごっこ』読ませるぐらいなら、『ハルヒ』や『キノ』を読ませた方が、はるかに教育上よろしい。

 次は「ライトノベルの定義」の話。これ、意外に考え出すとややこしい。ライトノベルと言っても、SFもファンタジーもホラーもミステリも恋愛小説もあり、ドシリアスな作品からハチャメチャなギャグ作品まで、あらゆるものが揃っていて、ひと言でくくれないのである。
 まあ、「ライトノベル・レーベルから発売されているものがライトノベル」というトートロジーみたいな定義は、つい納得したくなるし、「表紙が女の子でカラー口絵があって本文イラストがある文庫本」というイメージも、だいたい合ってるとは思う。
 でも、そうなると、『化物語』はライトノベルじゃないのか、という問題が発生してしまう。あれを「ライトノベルじゃない」と言い切るのは、何かおかしい気がする。
 あと、桜庭一樹さんの『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が富士見ミステリー文庫から出てた時はライトノベルで、後で角川から出たのはライトノベルじゃないのか、とか。(ちなみに僕は富士見ミステリー文庫で読んだ)

 有川さんの『図書館戦争』も、先に挙げた定義からは完全にはずれてるんだけど、ノリはライトノベルなんだよなあ……。
 というわけで、厳密に定義できません、ライトノベル。読者が「これはライトノベルだ」と思ったものがライトノベルなんだろう、たぶん。
  


Posted by 山本弘 at 15:42Comments(15)ライトノベル

2012年10月24日

副島隆彦先生に謝罪します

 最近、むちゃくちゃ腹が立つことがあった。
 ここ数年、これほど怒ったことはない。
 事情を説明するために、まず2年前、2010年6月26日に書いた僕のmixi日記からそのまま引用する。6月22日に新宿のロフトプラスワンで行なわれたトンデモ本大賞後夜祭での出来事である。


 先日のトンデモ本大賞後夜祭、ネタがそこそこ受けたもんで、まあ成功だったと思っているのだが。

 ひとつだけ、ひどく不快だったことが。

 終了後、知らない人が楽屋に入ってきた。いや、もしかしたら前に会ったことがあるのかもしれんけど、僕は軽い相貌失認で人の顔を覚えられないもんで(編集者の顔なんか、5回ぐらい打ち合わせをやらないと記憶できない)、僕にとっては知らない顔なんである。
 その人が「これ、山本先生に差し上げます」と言って差し出したのが、副島隆彦『人類の月面着陸は無かったろう論』。
 その瞬間、「これはヤバそう」と直感した。

僕「いや、要りませんよ、こんなの。持ってますから」

 と断るのだが、その人は「いや、違うんです」と本の最初のページを開いた。
 そこには、

  山本弘様
  副島隆彦

 というサインがあった。
 つまりこの人、副島氏のサイン会に行って、僕の名前でサインをもらってきたのだ。

 あの……。

 何でそんなことするの?

 僕は「副島氏のサイン貰ってきて」なんて頼んでないよ。だいたい有名人のサインを集める趣味もないし。
 原田さんみたいに自分で出かけて行って自分の名前で本にサインしてもらうならいいけど、何で他人の名前でサインを求めるの?
 しかも、その人は自慢そうにこう言うのである。

X「これが例の騒動の発端になったサインです」
僕「えっ? 何か騒動があったんですか?」
X「……え?」

 よく分からんけど、この人が「山本弘」という名前で副島氏にサインを求めたことで、何か騒ぎが起きたらしいんである。
 僕はそんなことぜんぜん知らなかったのだが、この人は「例の騒動」について僕が当然知っているものと思っていたらしい。
 そして、このサイン本を渡せば、僕が喜ぶと思ったらしい。

 やめてよ、そんなこと。

 僕はそんなこと一度でも望んだか? 「副島氏のサイン会に行って騒ぎを起こせ」なんて頼んだか?
 むしろ自分の知らないところで名前を勝手に使われて、迷惑だよ。

 いちおう礼儀として本は受け取っちゃったけど、こんなのは突き返すべきだったかと後悔している。

【コメント欄より】

 某氏より指摘あり。問題の人物は、と学会員らしいとのこと。
 ごめん、100人以上いる会員の顔なんて、とても全員覚えてないよ。
 2008年10月28日のメーリングリストで、副島氏のサイン会に行って「山本弘」という名前でサインを貰ったと報告しているという。そんなことがあったのか。記憶から完全に抜け落ちてたよ。まあ、あの頃は他の問題で大変だったからな……。
 で、そのメールの中では、彼は申し訳ないことをしたと繰り返し謝罪しているのだが。

 でも、先日、楽屋に現われた彼には、反省の態度など微塵も感じられなかった。それどころか、サインを貰ったことや「騒動」を起こしたことを自慢しているように、僕には感じられた。
 ……実は反省してないんじゃねーの?
 本気で反省してたら、こんな「証拠のブツ」を僕に渡そうなんて思わないんじゃないの?
 何度も言うけど、僕はこんなもん、欲しくないですから!

 この「副島氏のサイン会」というのは、2008年10月12日、品川で開かれた「船井幸雄オープンワールド」だとのこと。
 文中にもあるが、この2008年10月というのは、と学会内部で大きな騒動が起きていた頃。僕は他の問題を考えている余裕がまったくなかった。だからKのメールにも注意を払わず、完全にスルーしていたのである。
 ロフトプラスワンの楽屋での一件も、その後、すっかり忘れていた。

 ところが先日、副島隆彦『陰謀論とは何か』(幻冬社新書)という本を買ったら、5ページ目にいきなりこんなことが書いてあったのだ。


 かつて5年くらい前に、山本弘という、その「と学会」なる奇妙な団体の会長を名乗っている人が、突然私の前に現れたことがあります。その日は、他の数人と一緒の私の講演がありました。その講演後のサイン会の列に、その山本君が並んでいました。そうやって山本弘なる、何を職業にしているか分からない不思議な人物が、目の前に現れました。
 私は自著に署名(著作への署名は正しくはオートグラフautographと言う。サインではない)する時には、希望者にはその人の名前も書きます。それで「名前を書きますか」と尋ねたら、「山本弘」と名乗ったのです。それで私が見上げたら、大きな熊さんのような顔をした人だった。「きみが山本君かー」と私が言ったら、彼は耳の横で両手を開いて、ベロベロバーという仕草を私にした。ピョンピョンピョンと跳ねながら。
──それが本当なら、ちょっと変ですね
副島 いや、もともとそういう人(たち)なんでしょう。それで私が、「君が山本君かー。冗談であれ何であれ、私に賞をあげると言うなら、君たちの授賞式に行くから、招待ぐらいしなさい」と言った。「なぜそういうことをしないの」と言いました。
 彼は何も答えないで、あとずさりして向こうへ行ってしまいました。
 向こうはおちゃらかしでお遊びでやっているかどうか知りませんが、変な人たちです。

 何だとー!
 今の今まで、てっきり僕に代わって副島氏にサインを貰いに行っただけ(これだけでも僕にとっては十分に不愉快なことだけど)だと思ってたよ。
 実は副島氏に、自分が山本弘本人であるかのように誤解させたというのである。
 それどころか、副島氏の言葉によれば、ベロベロバーして飛び跳ねたというのである。

 これを読んだ瞬間、顔から血の気が引いた。
 そしてむらむらと怒りが湧き上がってきた。

 副島氏がこのエピソードを本に載せたことで、日本中の読者に、僕に関する間違った印象を与えてしまったではないか!
 今さら副島氏に何を言われてもかまわない。でも、まさかと学会員の中に、僕になりすまして僕の名誉を毀損する奴がいたとは思わなかったよ!

 さっそくその人物(仮にKと呼ぶ)を問い詰めようと思ったのだが、彼はどういう事情なのか、現在はネットに接続していないのでメーリングリストも読めないという。彼の知り合いに仲介してもらって、どうやら事情が判明するのに何日もかかってしまった。
 Kの言葉によれば、ベロベロバーはやっていないという。ただ、副島氏に「君か。と学会は」と言われ、とっさに両手を振って否定のしぐさをしたのが、副島氏にはベロベロバーに見えたのではないか、ということである。
 このサイン会には原田実氏も行っている。原田氏によると、副島氏の著書に自分の名刺を重ねて差し出し、サインを求めたところ、原田氏がと学会のメンバーだと気づいた副島氏は、サインしながら「君たちは陰でこそこそ言っているだけだ。正々堂々、私を招きなさい」と言ったという。つまり副島氏の記憶は、Kに関するものと原田氏に関するものがごっちゃになっている可能性がある。
 ただ、原田氏もKがサインを貰うところは見ていないらしい。なにぶん4年も前のことなので、当事者たちの記憶も曖昧になっており、実際にどんな会話が交わされたのか、真相はよく分からないところがある。
 ただひとつ、はっきりしているのは、Kが自分は山本弘本人ではなく本人の代わりにサインを貰いに来ただけだと、副島氏にきちんと説明しなかったことだ。
 それどころか、山本弘本人と間違われ、とっさに「いいえ、同姓同名です」と嘘をついてしまったという。そんな見え透いたことを言ったら、逆に誤解されるのは当然だ。副島氏はおそらく、「嘘をついてごまかすということは、こいつは山本弘本人だな」と思いこんだのだろう。
 これは副島氏を責められない。むしろ彼はKの言葉に翻弄され、著書の中に間違ったことを書いてしまった被害者だ。

 Kは僕に謝罪した。彼も悪気があったわけでなく、「なりすまし」も故意にやったことではないと分かったので、僕は彼を赦し、処分はしないことにした。
 その代わり、僕はKに、副島氏に謝罪の手紙を送り、サインを貰いに行った自分が山本弘ではないことを説明するように命じた。
 10月23日、Kから連絡が来た。副島氏に謝罪文を発送したという。

 もちろん僕も、と学会会長としての責任があるので、これから副島氏に謝罪文をメールで送ることにしている。また、この場を借りて、副島氏に謝罪するものである。

 副島先生、会員がご迷惑をおかけして申し訳ありません。と学会会長として、監督不行き届きでした。謹んで謝罪いたします。
  

Posted by 山本弘 at 12:16Comments(14)

2012年10月13日

山本弘のSF&トンデモNight #15「語り尽くすぞ、ライトノベル」

山本弘のSF&トンデモNight #15
「語り尽くすぞ、ライトノベル」

【出演】山本弘(SF作家/と学会会長)
【時間】開場19:00〜 開演19:30〜(約二時間)
【場所】トークシアターなんば紅鶴
大阪市中央区千日前2-3-9 『レジャービル味園』2F
南海なんば駅より南海通り東へ180m
【入場料】前売り¥1500- (当日500円up)
 ※飲食代別途

 今や年間1000冊近くも出版されているライトノベル。熱心なファンも多い反面、表紙だけを見て毛嫌いする人も多く、よく誤解を受けています。
 ライトノベルを愛し、自らも多くのライトノベルを書いてきた山本弘が、今回はライトノベルの世界を熱く語ります。ライトノベルの歴史。SFとライトノベルの密接な関係。ライトノベルの魅力と問題点。トンデモ・ライトノベルの世界。そして、おすすめの傑作ライトノベルの数々……。
 ライトノベル・マニアの方も初心者の方も、熱いトークを堪能していってください。

 チケットご購入の方はこちらから。

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 今回、こういう企画を考えたのは、世間ではライトノベルについてひどい偏見がまかり通っているので、一度、きちんと擁護しておかないといけないと思ったからです。批判している人間の多くは、明らかに現物を読まずに批判してますよね。
 もちろん、ライトノベルに駄作が多いのは確かだけど、それはスタージョンの法則だからしかたがないと思うのです。これを機会に、10%の方に目を向けていただきたいと思っています。
  


Posted by 山本弘 at 18:57Comments(19)PR

2012年10月07日

『非実在少女のるてちゃん』観てきた

 先日紹介した『非実在少女のるてちゃん』を観てきた。
 面白かった!
『朝まで生ゴヅラ』も面白かったけど、あれの数倍、笑えた。展開がものすごくスピーディで、ダレる間がない。素早い場面転換(役者がくるっと回るだけで場面が変わってる)そのものがギャグになってる。
 題材が題材だけに、濃いネタやアブないネタも飛び交う。実在のマンガのタイトルがぽんぽん飛び出すし、明らかに実在の人物をモデルにしたキャラクターが何人も出てくる。
「漫画の神様」はもちろんあの人。非実在青少年の定義をのるてちゃんが訊ねる時の、「幼女のように見えるけど実は大人の奇形嚢腫の女の子」「9歳の女の子がキャンディーを舐めて大人に」「蔵の中に閉じこめられた女の子が近親相姦」というネタの3連発には爆笑した。

 何と言っても圧巻は、後半の表現規制推進派と反対派の討論のシーン。キャラクターが入れ代わり立ち代わり主張をぶつけ合う中で、この問題に関する主要な論点がほぼ完璧に網羅されているのに感心した。作者の方、すごく勉強したなあ。
 しかもこの討論が、ちゃんとエンターテインメントになってるんである。端々に隙あらばギャグが入っていて、確実に笑わせてくれるのだ。
 さらに感心するのが、そのギャグの多くが、元ネタとなった発言が実際にあること。「穴という穴に突っこまれてるんです」とか「ジャニーズも乳首が映ってたら児童ポルノ」とか「メールは開く前に分かる」とか「ロリコンは認知障害者」とか、知らない人が聞いたら作者の創作かと思うかもしれないけど、本当にそういう意味のことを言ってる人がいるんだもんなあ。「アンケートを黒塗りにして発表」というのも実際にあったことだし。 もちろん、いちばん笑えたのは都知事でしたが(笑)。
 つまり舞台を見て笑いながら、規制推進派の主張がいかにおかしいものかが分かる仕組み。いや、恐れ入りました。
 もっとも、推進派だけが笑われてるわけじゃなく、反対派の方でも、BL好きの女教師とか獣姦好きのマンガ家とか2次元しか愛せない少年とか、笑えるキャラばっかりなんだけど。
 もちろんマンガやアニメのパロディもいろいろ。たびたび出てくる『まど☆マギ』パロ(キュゥぶうのインパクトすげえ!)もおかしかったけど、クライマックスで展開される数分間の『エヴァ』パロが見事。げらげら笑えるけど、最後はなぜか感動しちゃうのだ。

 日程はあと2日しかないけど、未見の方にはおすすめしておきます。
  


Posted by 山本弘 at 13:27Comments(19)社会問題

2012年10月03日

マスコミから無視されているニュース

 大ニュースのはずなのに、ほとんどのマスコミから無視されてるニュースってけっこうあるなあ……と思い、いくつか取り上げてみた。
 最初に言っておくけど、僕は政治的にはノンポリ。この前も電話アンケートで「あなたが支持されている政党は何ですか?」と訊かれて答えられなかった。支持政党なんてないよ! 右だろうと左だろうと、おかしなことを言っている人に「おかしい」と言うだけ。

●尖閣に上陸した日本人2人の正体 1人は幸福実現党員で歌手の男性
http://www.j-cast.com/2012/09/19146931.html

●幸福の科学のサイト ザ・リバティweb
尖閣に上陸した幸福実現党員は「愛国無罪」
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4875

●やや日刊カルト新聞
尖閣上陸の幸福実現党員、同行の政治団体代表者にも正体を隠していた?
http://dailycult.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html#more

 幸福実現党員だと報じたマスコミは、朝日デジタルだけだったらしい。読売や産経的には、こういうことをやったのが幸福の科学信者だと国民に知られるのはまずいと判断したんですかね?
 でも産経新聞なんて、いつもいつも幸福の科学の広告をでっかく載せてる(先日も『神秘の法』の全面広告載せてた)、いわばお得意様なんだから、この機会に宣伝してあげても良かったと思うんだけどね(笑)。
 ちなみに、上陸したTOKMAさんが歌ったというのはこういう歌。

プロモーションビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=XG89R3A83BI

尖閣でのライブ映像
http://www.youtube.com/watch?v=-f-J0dx8fwA

 ……あのさあ、歌詞もうちょっとひねろうよ(笑)。
 ストレートすぎてギャグになっちゃってるわ。

●安倍総裁婦人・昭恵氏による「明日、31日正午、福島原発の水に愛と感謝を送って下さい」などへの反応
http://togetter.com/li/381122

 水伝キターッ!
 鳩山由紀夫夫人の「太陽むしゃむしゃ」もどうかと思ったけど、こっちはそれ以上だぞ。夫人だけじゃなく、夫婦そろって疑似科学にハマってるのだ。安倍総裁自身がTOSSと関係が深く、「親学」推進議員連盟会長なんだから。
 親学のことを知らない人は「親学 トンデモ」で検索していただきたい。これはヤバい。
 何でマスコミはこの事実を騒ぎ立てないの? カツカレーなんかよりよっぽど重大な問題だろうに。

●【NHKニュース】短時間で内部被曝検査【節子、それWBCやない】
http://togetter.com/li/378932

 福島県郡山市にある桑野協立病院が、セシウムなどの内部被曝が測定できるという装置をアメリカの会社から2000万円で購入したと、NHKや福島民報が報じた。
 しかし、装置の国内正規代理店は「内部被ばく検査には使えません」と表明。しかも実際の価格は658万円だった。何じゃそりゃー!?
 これ、誰が誰を騙してるんだろう。きちんと究明してほしい。

●防衛省資料よりオスプレイ事故率データ決定版
http://obiekt.seesaa.net/article/293628835.html

●オスプレイのクラスC事故とは「整備士の転落事故」まで含まれる
http://obiekt.seesaa.net/article/288588951.html

 実はオスプレイの事故率は他の軍用機と比べてぜんぜん高くない。
 ……じゃあ「事故率が高い」という話はどこから出たんだ?
 マスコミが騒いだから? それで「危険」というイメージがすりこまれたのか?
 コメント欄でも、

>「日本政府の言っている事が100%正しい」という根拠が無い以上、なんの意味も無い資料ですね。

 などと言ってる奴がいるけど、正しくないという根拠を示さない限り、何の意味もない反論だよね。
  


Posted by 山本弘 at 14:02Comments(15)社会問題

2012年10月03日

『検証 予言はどこまで当たるのか 』

 新しい本が出ました。


ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)・菊池 聡(信州大学人文学部准教授)・山津 寿丸・著
『検証 予言はどこまで当たるのか 』
文芸社
定価(本体1400円+税)


●帯コピー

2012年地球滅亡説から、マクモニーグル、ノストラダムス、聖書の暗号やファティマ、聖徳太子や出口王仁三郎等、日本・海外を舞台とした古代から現代までの主要な予言をすべて取り上げ、予言は本当に当たるのかを徹底検証。さらに「予言を信じてしまう」心理にも迫る!

●目次

まえがき――予言はどこまで当たるのか(本城達也)

第1章 海外の予言

2012年に人類は滅亡するのか?(本城達也)
「みずがめ座の時代」には世界は大きな変革を迎える?(山本弘)
ピラミッドには過去の重要な歴史が記録され、未来も予言されている?(本城達也)
ジョン・タイターは未来からやってきたタイムトラベラーだった?(本城達也)
ジョー・マクモニーグルはリモート・ビューイングで未来も過去も透視できる?(秋月朗芳)
[コラム]中東の終末予言と予言者たち(羽仁礼)

第2章 世界の三大予言者

ノストラダムスは王家の運命から自分の死まで予言した? (山津寿丸)
ノストラダムスはフランス革命を予言した?(山津寿丸)
ノストラダムスは2012年人類滅亡を予言した?(山津寿丸)
ノストラダムスは21世紀のために極秘予言を残していた?(山津寿丸)
エドガー・ケイシーのリーディングは、未来を予言した?(皆神龍太郎)
ジーン・ディクソンの予言の的中率は85パーセントだった?(本城達也)

第3章 日本の予言

出口王仁三郎は日本史上最高の予言者だった?(原田実)
聖徳太子は死後2000年の未来を予言していた?(本城達也)
「伯家神道の予言」は本当に存在するのか?(藤野七穂)
『をのこ草紙』は実在した予言書なのか?(藤野七穂)
[コラム]予言の心理学――人は無知や愚さから信じるのではない(菊池聡)

第5章 キリスト教・聖書・カルト関連の予言

「ヨハネの黙示録」は神の終末計画書だった?(蒲田典弘)
「ヨハネの黙示録」はチェルノブイリ原発事故を予言していた?(秋月朗芳)
聖書の暗号――聖書は神の予言の書だった?(皆神龍太郎)
ファティマの予言はすべて現実となった?(本城達也)
聖マラキは代々のローマ教皇を予言した?(山津寿丸)
[コラム]UFOと予言「少しだけ先の未来」(秋月朗芳)

第5章 こんなにあった! 当たらなかった世界滅亡・大異変予言オンパレード(外れたときの言い訳つき)(山本弘)

予言との賢い付き合い方(座談会)
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 今回、いつものASIOSの執筆陣に、ゲストを2人お招きしています。
 1人は信州大学人文学部准教授の菊池聡さん。認知心理学の分野から、「人はなぜ予言を信じるのか」を解説していただきました。
 もう1人は「ノストラダムスの大事典」を運営されている山津寿丸さん。最新の資料を元に、これまで流布してきたノストラダムスにまつわる伝説や予言詩解釈がどれほど間違いだらけだったかを解説してくださっています。
 他にも、ジョン・タイター、マクモニーグル、ジーン・ディクスン、エドガー・ケイシー、出口王仁三郎、『をのこ草紙』、『聖書の暗号』など、予言関係の話題がぎっしり。

 僕の執筆した記事は2本。
 ひとつは「みずがめ座の時代」についての解説。よく「みずがめ座の時代」って言われるけど、ほとんど人は歳差運動や春分点移動なんて知らないんじゃないだろうか……と思い、図解入りで分かりやすく説明しました。
 もうひとつは「こんなにあった! 当たらなかった世界滅亡・大異変予言オンパレード」。かつてデヴィッド・ワルチンスキーが作ったリストを元に、故・志水一夫氏が作った「世界大予言年表」というのがあるのですが、それにさらに大幅に加筆修正。過去約2000年の間に、人類滅亡や大災害の予言がどれだけたくさんあったか、それがどれだけ見事にはずれてきたかをまとめたリストです。作るの疲れました(笑)。
 予言に興味のある方、お買い求めいただけると幸いです。

  


Posted by 山本弘 at 12:57Comments(10)PR