2011年11月20日

『検証 大震災の予言・陰謀論』

 ASIOSの新しい本が出ました。



『検証 大震災の予言・陰謀論』(文芸社)
 東日本大震災にまつわる陰謀論、予言、デマ、ニセ科学を検証した本です。

―目次―
まえがき―東日本大震災の陰謀論、デマ、予言等を検証するために(本城達也)

【第1章】東日本大震災は人工地震だった!?
東日本大震災は「地震兵器」により引き起こされた!?(寺薗淳也)
HAARPが人工地震を起こしている?(山本弘)
深さ10kmで起きる地震は人工地震?(山本弘)
大震災は地球人口半減計画の一環だった?(山本弘)
大地震は「18」に関係した日に起きる?(山本弘)
小説『GEQ』(柴田哲孝著)で描かれた世界は真実である?(山本弘)
[コラム]陰謀論者の注目の的? 地球深部探査船「ちきゅう」の本当の話(山本弘)

【第2章】大震災後に持てはやされた"震災文化人"の主張を検証する
「わかりやすい」ブログで人気の武田邦彦氏(山本弘)
超直線仮説を主張した小出裕章氏(原田実)
NGOで環境・平和問題などに取り組んだ経験を生かして発言する田中優氏(原田実)
半減期を過ぎれば放射性ヨウ素は食べても無害と主張した苫米地英人氏(皆神龍太郎)
[コラム]海外"震災文化人"列伝----クリス・バズビー、ヘレン・カルディコット、ロザリー・バーテル、アーネスト・スターングラス、バーナード・L・コーエン、ジョセフ・マンガーノ、ジャネット・シャーマン、インゲ・シュミッツ・フォイヤーハーケ(ナカイサヤカ)

【第3章】大震災後に広まったデマ・誤信
原発事故を予言したとして新たに脚光を浴びた怪文書「原発はどんなものか知ってほしい」(原田実)
震災後にレイプが多発した?(山本弘)
原発は核爆発する?(横山雅司)
[コラム]震災後、海外メディアが伝えた陰謀論・デマ・ニセ科学(アンドリュー・ウォールナー)

【第4章】大震災後に広まった予言とニセ科学
県名や地名をピタリと言い当てた(?) 松原照子氏の予言(本城達也)
特撮番組でヒーローを演じた小林朝夫氏の予言ブログ(原田実)
スーパームーンが大震災を引き起こした?(寺薗淳也)
ジュセリーノ氏、ロン・バード氏、ベンダンディ氏、王超弘氏の大地震にまつわる予言(本城達也)
放射能対策に有効なホメオパシーのレメディが開発された?(長澤裕)
放射性物質除去にはヒマワリが効く?(長澤裕)
玄米や味噌、乳酸菌が放射能除去に有効?(ナカイサヤカ)

座談会―放射能を「正しく怖がる」とは? 陰謀論はなぜ生まれるか? デマや陰謀論に騙されないためには?

 僕が執筆したのは主に人工地震関連のトンデモ説。「ちきゅう」陰謀説については前にもこのブログで取り上げましたが(「ちきゅう」陰謀説のバカさ加減)、今回は「ちきゅう」に乗船していた方々に直接インタビューし、震災の日に何が起きたのかや、「ちきゅう」が海底を掘削する方法について詳しくうかがいました。このインタビューは僕もいろいろと勉強になりました。
 また、「震災後にレイプが多発した?」というデマも検証。このデマ、単に「レイプが多発した」というだけでなく、在日外国人差別とセットになっていることが多く、きわめて悪質と言えるでしょう。
 他にも力を入れたのが武田邦彦氏の項。「原子力安全委員だった頃、『残余のリスク』に猛烈に反対した」とか「2006年から原発批判派になった」とかいった話がウソであることや、放射線の危険性について3月18日には「1ヵ月間で100ミリシーベルト浴びても安全」と言っていたことなどを取り上げています。
 それにしても、何でか知らないけど、武田氏を放射線医学の専門家だと勘違いしてる人って多いんですよね。この前の世田谷のラジウムの一件でも、武田氏にコメントを求めてた雑誌があったし。
 この人の専門は材料工学で、放射線医学はまったくの専門外なんだけどなあ。

 個人的には、原田実氏の執筆したパートですが、バルパンサーがあんな人になっちゃったというのは、古くからの特撮ファンとしては悲しいですね。

 あとがきでも言っていますが、僕は以前から原発反対派です。今回のような大きな事故が、今後も起きないとは限らない。即座にすべての原発を止めるのは無理としても、10年以上かけて代替エネルギーを確保しつつ、段階的に廃止してゆくべきだと思っています。
 だからといって、明らかに安全なレベルの放射線まで「こわいぞこわいぞ」と煽りたてている一部のメディアや「震災文化人」のやり方には、断じて反対です。それは差別や風評被害によって被災地の人々を苦しめることになる。それは下手をすると放射線よりも多くの害を及ぼしてしまう。
 考えなくてはならないのは、人への害をいかに少なくするかです。
 微量の放射線のリスクに神経質になりすぎて、他のリスクの方が大きくなっては本末転倒なんだけど……今の日本、こんな簡単なことも分からない人が多いというのは悲しむべきことですね。
  


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2011年11月16日

『詩羽のいる街』/飛べないハードルを負けない気持ちで

 山本弘作品の中で、世間的に評価が高いものは何だろう? 疑問に思って、mixiのレビューを元に調べてみた。

・レビュアー数が20人以上
・小説のみ

 という条件で、満足度の大きい順に並べてみると、こういう結果になった。

●アイの物語 (文庫)
 平均 4.63点(74人)

●詩羽のいる街
 平均 4.49点(104人)

●サーラの冒険6 やっぱりヒーローになりたい! (文庫)
 平均 4.43点(23人)

●アイの物語
 平均 4.35点(198人)

●神は沈黙せず
 平均 4.27点(180人)

●神は沈黙せず〈下〉(文庫)
 平均 4.13点(43人)

●神は沈黙せず〈上〉(文庫)
 平均 4.00点(69人)

●MM9
 平均 4.00点(84人)

●地球移動作戦
 平均 3.97点(37人)

●アリスへの決別 (文庫)
 平均 3.96点(27人)

●審判の日
 平均 3.95点(20人)

●MM9 (文庫 )
 平均 3.93点(45人)

●闇が落ちる前に、もう一度 (文庫)
 平均 3.90点(30人)

●去年はいい年になるだろう
 平均 3.83点(42人)

●まだ見ぬ冬の悲しみも
 平均 3.81点(21人)

●シュレディンガーのチョコパフェ (文庫)
 平均 3.81点(42人)

 というわけで、『アイの物語』『詩羽のいる街』『やっぱりヒーローになりたい!』がトップ3で、『神は沈黙せず』『MM9』『地球移動作戦』がそれに続くという結果になった。僕の自己評価とそんなにずれていなくて、ちょっとほっとしている。
 しかし『アイの物語』の場合、文庫の点数は高いけど、単行本と文庫の点数×人数を合わせて平均すると4.43になる。つまり、実質上、トップは『詩羽のいる街』なんである。
『詩羽』は3年前に出た本だけど、今年になってからもけっこうレビューが書かれている。ネットでも検索してみたことがあるんだけど、ブログなどでは「○○さんからすすめられて読んだ」というパターンが目立つ。どうも、口コミでじわじわ人気が広がっているようなのだ。

 どういう話かご存じない方はこちらをどうぞ。

詩羽のいる街

 今度、その文庫版が出ることになった。


 ゲラチェックのために久しぶりに読み返したんだけど、やっぱり面白いわ、これ(笑)。 思わず読みふけっちゃったよ。

 冒頭の、TCGのカード交換会に集まった子供たちの描写からして、実に活き活きしているが、その後もあれよあれよという間に、語り手が詩羽につき合わされていろんな人と出会い、いろんな体験(原理的には可能だけど日常的にはまず起きないことばかり)をするもんで、飽きる暇がない。 架空のマンガ『戦場の魔法少女』『ガールズ・テリトリー』を縦糸として、4つの話がゆるく結びついていて、最終話では、それまでに出てきたあらゆる要素が、街全体をボードとして使った巨大なゲームに収束してゆく……。
 何だこれ。こんなもん何で書けたんだ、3年前の自分?
 頭を抱えた。やばい。今書いてる『輝きの七日間』や『UFOはもう来ない』と比較すると、リアリティも人物描写も話の運び方も、格段に違う。 『詩羽』の方が圧倒的に上手い。
 3年でレベルが落ちてるのを痛感する。

 今のところ『詩羽』が僕の最高傑作であることに何の不満もないし、むしろ誇りなのだけど、これに安住してちゃだめだよなあ。 いつか『詩羽』を超えるものを書かないと。
 でも高いハードルだよなあ。どうすれば超えられるんだ、これ。

 ちなみに文庫版の解説は有川浩さん。なぜか分からない人は『レインツリーの国』を読むように。

  
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2011年11月16日

山本弘のSF&トンデモNIGHT#4 /「トンデモ本」の20年

 今月は仕事が忙しくて、なかなかブログの更新できませんでした。申し訳ない。
 しかしこの調子で、冬コミ用の同人誌書いてる時間あるかなー。

トークライブLive Wire 山本弘のSF&トンデモNIGHT#4
「トンデモ本」の20年

[出演]山本弘

[日時] 2011年11月22日(火)
 開場・19:00 開始・19:30(21:30~22:00終了予定)

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F
   南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円(当日券500円up)
 
「と学会会長」山本弘が、ついに満を持して「トンデモ本」の世界を語ります!

 これまで、世界の情けな怪獣、がっくり超能力番組など、ウルトラ脱力級の秘蔵映像に怒涛のツッコミを浴びせ、紅鶴を何度も酸欠状態に陥れてきた山本弘トンデモNIGHT。四回目にして、ついにその真打とも言うべきネタが登場。
 今回のネタは、2011年で20周年を迎えた「日本トンデモ本大賞」受賞作&ノミネート作の紹介ーーいわば「と学会」20年間のフィールドワークの成果。もうそれだけで爆笑必至ーーテッパン中のテッパンネタの宝庫なのです。

 植物さんとお話する本、ニャントロ星人の陰謀、アポロは月に行っていない等など……通常の人間の発想では到底行きつけない奇妙な発想と、あまりにワキの甘い妄想論理の積み重ね、そのダメさ加減をとことん楽しみましょう。

 LiveWire公式サイト(前売券などの情報はこちらから)
http://go-livewire.com/

  


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