2011年04月06日

花見をやろうよ!

「誰のための自粛なの?」乙武洋匡の"不謹慎厨"に対する思いとは!?
http://www.cyzo.com/2011/04/post_6969.html

 うむ、乙武さん、いいことを言ってくれた。
 僕が震災直後から言っているのは、「被災者のためになることを考えろ」ってことなんだよね。
 たとえば放射能を過度に危険視する風潮。
 医師が被災者の診療を拒否したり、トラック会社や運転手が怖がっているせいで被災地に物資が届かないっていうのは、言語道断である。
 もちろん、規制値以上の放射能が検出された野菜は出荷しない、口にしないというのは当然だ。でも、規制値以下の安全な野菜を「買わない」「食べない」ってはおかしいだろう。
 これから福島や茨城の農家は、風評被害と戦うことが大きな課題となるだろう。「安全だと分かっていても、何となく気味が悪いから食べない」という非科学的な行為、オカルト信仰とでも言うべき根拠のない行動が、被災地の農家の人たちの収入を断ち、彼らを苦しめることになるのだ。なぜそれが分からない?

 イベントに関してもそう。
 大量の電気を使うイベントが節電のために自粛するっていうのは、まだ分かる。関東地方では、大量の仮設トイレが被災地に動員されているために、野外イベントができないところもあるという。それはしかたのないことだ。
 アニメなどでも、震災を連想させるようなシーンは、被災者の心の傷を考えると、しばらく自粛した方がいいのかもしれない。
 でも、明らかにそうじゃないものがある。物理的な事情や、被災者のことを考えてじゃなく、「派手なことをやるのは不謹慎だ」とかいう理由で自粛している例が多い。
 その自粛は、はたして被災者のためになっているのか。
 今、「自粛不況」ということが言われている。多くのイベントが自粛されたせいで、損害を受けた業者、収入が落ちこんでいる業者が多いのだ。
 これから東北地方は、というか日本は復興しなくちゃいけないのに、自粛するあまり経済の活力が失われたら何にもならないだろう。それじゃ被災者も救済できない。

 また、海外からの観光客の激減、日本製品の不買とかも、これからは重くのしかかってくるはず。
 それを吹き飛ばすには、「日本はこんなに元気です」ってアピールするしかないじゃないか。
「放射能? ああ、福島第一原発の近くは深刻ですよね。でも日本の他の地域は安全ですよ。僕らも元気にやってますよ」
 って姿を世界に見せなきゃいけないだろ?

 こっちの意見も、おおむね同意。↓

東京都民よ!「自粛」なんかよして、花見に行こうぜ!
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0402&f=national_0402_011.shtml

 また、被災地の人たちも「自粛しないで」「お花見をやって」と訴えている。

被災地のお酒でお花見を! 過剰な自粛「ちょっと待って」…「二次的な経済被害」の声も
2011.4.5 20:31
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110405/dst11040520360051-n1.htm

> 東日本大震災以降、列島を覆う自粛ムード。しかし、被災地にある酒の蔵元が「酒を飲んで支援につなげてもらえれば」とインターネットの動画サイトに投稿するなど、行き過ぎた自粛に対しては、被災者側から「待った」をかける声も上がり始めている。
> 東京・上野公園などの花見スポットでも宴会自粛が求められているなか、動画サイト「ユーチューブ」に「被災地岩手から『お花見』のお願い」と題した動画が投稿された。
> 投稿したのは、明治35年創業の老舗酒造「南部美人」(岩手県二戸市)の5代目蔵元、久慈浩介さん(38)だ。自粛ムードを「経済的な二次被害」と表現する。
> 久慈さんの会社は震災で酒蔵が損壊。蔵が流され、従業員が亡くなった同業者も多いという。
> 無事だった施設でなんとか再開した酒造り。しかし、待っていたのは蔓延(まんえん)する自粛ムードだった。
> 「行きすぎた自粛は逆に復興を妨げるのでは」。短文投稿サイト「ツイッター」でつぶやくと賛同が相次いだ。このため、「あさ開」(盛岡市)など地元酒造会社と「ハナ★サケ!日本の会」を組織、動画での情報発信を始めた。
> 「花見で東北のお酒を一杯だけ飲み、東北の食材を一品だけ食べるという形で支援していただければ」と久慈さんは話す。
> 厳しい生活が続く避難所からも、過剰な自粛に反対する意見が聞こえてくる。
> 宮城県石巻市の釜小学校で避難生活を送る主婦の斉藤明美さん(42)は「こっちのために我慢して自粛しないでほしい。少しでも日常に近づいた方が気が休まります」と話す。無職の木村俊子さん(69)も「大いにやってもらったらいい」と笑った。
> 岩手県陸前高田市の避難所で避難生活を送る建設業の須藤明さん(55)は「多少は被災者を気に掛けてほしいが、全部そうなると日本経済全体の活気がなくなる。元気な地域に頑張ってもらうことが復興につながると思う」と話した。
> 経済評論家の山崎元さんは「首都圏の消費低迷が続けば、民間企業の投資意欲は冷え込み、被災地の復興を遅らせてしまう可能性すらある」と指摘。「復興には長い時間がかかる。計画停電による制約はあるが、なるべく普段通りに生活し、経済活動を活発に回していくように意識すべきだろう」と話している。

 これがその「お花見のお願い」の動画。↓

南部美人
http://www.youtube.com/watch?v=UY0FtSqrMBc

月の輪酒造店
http://www.youtube.com/watch?v=RcKCKO8ppbA

あさ開
http://www.youtube.com/watch?v=hHucTlBohfg

 こういう雰囲気が盛り上がってきたのは、やっぱり石原都知事(またか!)の「花見禁止令」に対する危機感が大きいと思う。

【東日本大震災】石原知事“花見禁止令” 戦争時の「連帯感は美しい」
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110330/mca1103302006015-n1.htm

> 死者・不明者だけで2万7000人を超えた大震災。29日の会見で石原氏は、太平洋戦争を引き合いに「同胞の痛みを分かち合うことで初めて連帯感ができてくる」「戦争の時はみんな自分を抑え、こらえた。戦には敗れたが、あの時の日本人の連帯感は美しい」と、都民に対し、事実上の“花見禁止令”を通達した。

「同胞の痛みを分かち合う」? いや、それは変でしょ。僕らが花見を自粛したって、被災地の人たちの痛みが減るわけじゃない。「痛みを分かち合う」んじゃなくて、「どうすれば痛みを減らせるか」と考えなくちゃいけないでしょ?
「あの時の日本人の連帯感は美しい」というのも、まるで今の日本人には美しい連帯感がないかのようである。冗談じゃない。4月2日までに日本赤十字に届いた義援金は約980億円、中央共同募金会に約180億円。関東地方では「ヤシマ作戦」で団結している人たちも多い。
 これが「連帯感」ってもんじゃないのか。
 だいたい、山下汽船の重役の息子で、戦争中も飢えや貧しさと無縁だったであろう人に、「戦争の時はみんな自分を抑え、こらえた」なんて言われてもなあ。その「みんな」の中にあんたは入ってなかったでしょ、とツッコミたくなるんだけどね。
 何度でも繰り返す。被災者のためになることを考えろ。

 だからね、花見をやろう!
 夜桜見物だと電力消費が増えるかもしれないけど、昼間、そこらの公園でやる分には問題ないはず。あるいは屋外でなくても、居酒屋で宴会をするだけでもいい。
 僕は酒は飲めないけど、飲める人はぜひ、岩手のお酒を買って飲んであげてほしい。
 被災者を支援するためにもイベントを自粛しないというのが、真の「連帯感」だと思うのだ。

 ちなみに、うちの町内会では先週、花見があった。焼肉や焼きソバが売られ、その収益は被災地のために寄付されるということだった。
 被災者のためになる花見なら、じゃんじゃんやるべし。
  


Posted by 山本弘 at 15:23Comments(37)社会問題