2009年11月29日

『超ミステリーの嘘99』

 東京怪奇現象研究会編『超ミステリーの嘘99』(双葉社)という本が出ている。
 巻末の主要参考文献には、僕も書いているASIOS『謎解き超常現象』(彩図社)が挙げられている。実際、多くの項目が『謎解き超常現象』を参考にして書かれているようだ。
 まあ、引用されるのはいっこうにかまわない、と言うか大歓迎なんだけど……。
 明らかにこの著者たち、題材に興味を持っていない。UFOや超常現象が好きな人間なら絶対に犯さないはずのミスを何箇所も犯しているのだ。
 たとえば、【03 ロズウェル事件狂想曲の真相① 発生から40年間も事件は忘れ去られていた!!】には、こんな記述がある。
(前略)事件発生から実に40年もの間、何故かロズウェルは人々から忘れられることとなるのだ。これは不自然だろう。
 ところが突如としてロズウェル事件は発掘される。1984年のことだ。ロサンゼルスのTV番組プロデューサーであるジェィミー・シャンドラの元に匿名の手紙とフィルムが届く。手紙には「MJ12に関する概要説明書」(P24参照)という書類が添付されており、ロズウェル事件を“秘密裏に処理した”というMJ12委員会(マジェスティック12)という謎の謀略機関の存在とその構成メンバーが詳細に記されていた。

 おいおい、ロズウェル事件発掘のきっかけがMJ-12文書って(笑)。順番がまるで逆だろ。
 ウィリアム・ムーアとスタントン・フリードマンが1978年からロズウェル事件の再調査を開始し、さらに1980年、チャールズ・バーリッツとムーアの共著の『The Roswell Incident』(邦訳『ニューメキシコに墜ちた宇宙船』〔徳間書店・1981〕が出て、ロズウェル事件が一気に有名になった……なんてことは、UFOマニアなら常識なんだけど。
 だいたいなんで「40年」なんだ? 1947年から84年じゃ、37年だろう。
【63 FBIに「超能力捜査官」など存在しない!! 米ソ超能力研究は「成果なし」で終了していた!!】

 ここは明らかに『謎解き超常現象』の僕の担当した文章を参考にしている。しかし、トンデモないことが書いてあった。
「FBI超能力捜査官」という肩書きも、マクモニーグルが勝手に名乗っているだけだ。アメリカ大使館占拠事件を解決したのは彼ではなく特殊部隊デルタフォースだし、田村裕の父親の居場所が見つかったというストーリーもスタッフのヤラセだという。

 デルタフォースはアメリカ大使館占拠事件を解決してません!(笑)
 僕が『謎解き超常現象』に書いた文章はこう。
 イランのアメリカ大使館占拠事件では、アメリカは特殊部隊デルタ・フォースを送りこんで人質を救出しようとしたが、作戦は途中で中止された。しかも撤退の際にヘリコプターが輸送機と衝突、8人の死者が出る惨事になった。結局、人質は事件発生から444日も経って、イラン政府によって解放された。

 こんなひどい誤読をするとは、よほど急いで書いたんだろうか。
 それに「FBI超能力捜査官」と名づけたのは日本テレビのスタッフであって、マクモニーグルじゃないんだけど。(まあマクモニーグルがそれを黙認しているのは確かだが)
 これも僕は、
(前略)「FBI超能力捜査官」というのは、日本テレビのスタッフがつけた呼称にすぎないのだ。

 と、ちゃんと書いているのだが。
【76 太陽系が「フォトン・ベルト」に包まれるという人類滅亡説は似非科学だった】

「フォトン」とは、陽子と電子が衝突する際に生まれる素粒子だ。(後略)

 フォトン・ベルト本にはよく、フォトンは「電子と陽電子が衝突した際に生まれる」と書かれている。この説明自体は間違いではない。このライターは陽電子という言葉を知らず、「陽子」の誤植と思ったのだろうか?
(前略)フォトンといってもただの「光」だ。フォトンが危険だというならば、電磁波もX線も赤外線も電波も、目に見えなければすべてが危ないように思えてしまう。

 X線も赤外線も電波も電磁波の一種なんですけど(笑)。「目に見えなければすべてが危ない」というのも、何が言いたいのかよく分からない。
 これも僕はこう書いている。
 そもそも、フォトンというのはただの「光」である。厳密に言えば、光を含めた電磁波である。太陽から発する可視光線や赤外線や紫外線、人体から発する赤外線、テレビやラジオや携帯電話の電波、レントゲン撮影で用いられるX線……これらはすべてフォトンなのである。

 科学をぜんぜん知らないライターが、僕の文章をものすごく不正確に要約したのが分かる。
 繰り返すけど、引用するなら正しくやっていただきたい。
 
 他にも、「いくらなんでもそれはない」という記述がいろいろ。
【44 世界中で目撃される怪鳥ビッグバードだが…古代の翼竜は飛べなかった説が有力だった!】

 ちっとも「有力」じゃありませんって(笑)
 東京大学の佐藤克文氏が唱えた説のことだろうが、そもそもこの人の専門は海洋生物学で、古生物学は専門外なんである。
 ちなみにその主張は、「体重40キロ以上の鳥は、風速ゼロの環境下では離陸するのに十分なだけの羽ばたきができない」というもの。しかし、翼竜がはばたいて飛んでいたんじゃなく、もっぱら滑空していただろうというのは、古生物学の世界で何十年も前から言われていたことである。「はばたいて離陸できなかった」と「飛べなかった」はまったくイコールではないのだ。
 実際、40キロを超えるハンググライダーがいくらでも飛んでいる。翼竜だって同じで、崖の上や斜面からでもジャンプして滑空すればいいだけのことだ。
 僕もビッグバードはいないとは思うけど、否定するのにそんなトンデモ説を持ち出されてもなあ。
【67 「ノストラダムスの大予言」は複雑な散文形式 原文を読めばなんとでも解釈可能なポエムだった!!】

 ノストラダムスの予言は「散文」じゃない。
 かの有名な「恐怖の大王」の出てくる第10章72番の詩を見ても明らか。1行目の末尾と3行目の末尾、2行目の末尾と4行目の末尾が韻を踏んでいる。

L'an mil neuf oens nonante neuf sept mois,
Du ciel viendra un grand Roy d'effrayeur,
Resusciter ie grand Roy d'Angolmois,
Avant apres,Mars regner par bon heur.


 この詩についての『超ミステリーの嘘99』のライターの解釈は、「大雨や竜巻を指しているだけかもしれない」というお粗末なもの。一番有力なフランソワ一世説に触れてないのは落第である。
 さらにこのライター、「通称『ノストラダムスの大予言』と呼ばれる著作『諸世紀』」なんて書いている。『諸世紀』という題が誤訳であることもご存じないらしい。

【82 「赤穂浪士=四十七士武士道の鑑」にあらず 英語圏では「47人のテロリスト」だった!!】

 だが彼らは、英語圏では「47 terrorists」(47人のテロリスト)として知られる。いくら主君の無念を晴らすためとはいえ、謀議をめぐらせてテロ攻撃を仕掛けたことに変わりない。(後略)

「"47 terrorists"+kira」とか「47 terrorists"+ronin」とかで検索したけどヒットなし。ほんとにそんなこと言われてるの?

 いちばん笑えたのはこれ。
【94 ペットボトルや古紙リサイクルは環境に優しくない!! ゴミは分別しないほうが「エコ」だった!!】

(前略)実はペットボトルをリサイクルするためには、新品を作るときの3.5倍もの石油が必要となる。(中略)実際のところ、製品として再び使われているペットボトルは3~4%に過ぎない、残りのペットボトルは、リサイクルするふりをしながら埋め立てや焼却処分に回されているのだ。

 うわあ、こいつ武田邦彦教授の言ってること信じてやがる!?(笑)
 あれは捏造だって言ってんのに。
 翼竜の件もそうだけど、オカルトやニセ科学を批判する本でニセ科学を広めちゃだめだよなあ。

 不思議なのは、巻末の参考資料リストの中に、と学会や山本弘名義の本が1冊もないこと。
 皆神龍太郎・志水一夫・加門正一『新・トンデモ超常現象60の真相』は入っているのに(「龍」の字が間違っているうえに、なぜか加門正一氏の名が抜けているが)、なぜか『トンデモ超常現象99の真相』はない。
 それどころか、『「環境問題のウソ」のウソ』も『超能力番組を10倍楽しむ本』も『トンデモノストラダムス本の世界』も『人類の月面着陸はあったんだ論』も入っていない。武田邦彦氏の本は3冊もあるのに(笑)。すごく不自然なセレクトのように思えるのだが。

 最大の問題は、対象に対する愛情がまるで感じられないこと。UFOやUMAや超常現象にまるで関心のないライターが、仕事を依頼されて、適当に資料を集めて適当に引用して作った……という感じがする。
「好きこそものの上手なれ」というやつで、やっぱり好きでない人間が書いても良い本にはならんのだろうな。
  


Posted by 山本弘 at 13:56Comments(9)トンデモ

2009年11月25日

小松左京コレクション『すぺるむ・さぴえんすの冒険』

『すぺるむ・さぴえんすの冒険』小松左京コレクション(ボクラノSF)
 福音館書店 1890円


 解説を書かせていただきました。
 収録作品は以下の通り。なお、収録作品を選んだのは僕ではありません。

「夜が明けたら」
「お召し」
「すぺるむ・さぴえんすの冒険」
「牛の首」
「お糸」
「結晶星団」

 個人的には「お糸」がものすごく好きです。パラレルワールドものの傑作。この魅力的な世界をぜひ多くの読者に知っていただきたいと思います。
「夜が明けたら」は、初めて読んだ時、ものすごく怖かった作品。なぜこんなことが起きたのかという説明が何もないところが、不安でたまりません。
「牛の首」は、今や有名になった都市伝説のルーツ。

 以下に僕が書いた解説文の一部を引用。「本はあとがきから読む」という読者のために、「読んだら必ず本編を読みたくなるあとがき」を目指しました。対象年齢は10代の若い読者です。


   偉大なSFの巨人

 小松左京さんは間違いなく日本で最高のSF作家です。
 一九三一年生まれ。雑誌記者やラジオの漫才台本の作者などの職業を経て、一九六二年、『SFマガジン』一〇月号に掲載された「易仙逃里記」でプロ作家としてデビューされました。代表的な長編には、『日本アパッチ族』『エスパイ』『復活の日』『明日泥棒』『果しなき流れの果に』『見知らぬ明日』『継ぐのは誰か』『こちらニッポン…』『さよならジュピター』『首都消失』『虚無回廊』などがあります。一九七三年の『日本沈没』は大ベストセラーになり、二度も映画化されました。短篇はデビューから二〇年間に約二五〇本も発表されており、同じぐらいの数のショートショートもあります。
 その作品傾向もバラエティに富んでいます。現代日本を襲う異常事態を描いた『日本沈没』『首都消失』のような社会派SFや、『果しなき流れの果に』『さよならジュピター』『虚無回廊』のような壮大なスケールの本格SFがあるかと思えば、爆笑のドタバタ・コメディやパロディや社会風刺、ぞっとするホラーやサスペンス、軽いオチのついたショートショート、しんみりした人情話、子供向けのSF童話、大人向けのエロチックな小説……小松さんが書いていないジャンルを探す方が難しいぐらいです。しかも苦手なジャンルというものがないのか、どんな話もとても上手いのです。小説だけでなく、エッセイやノンフィクションもたくさん書かれています。
 僕の場合、小学校高学年の時に、父が買ってきた小説誌に載っていた、「子供たちの旅」や「模型の時代」といった短篇SFを読んだのが最初です。特に「模型の時代」は、人々がプラモデル作りに熱中している未来世界を描いたコメディで、子供心に「こんな面白いものを書く人がいるんだ」と感心したものです。それ以来、多くの作品を読んできて(それでも膨大な全作品の三分の一ぐらいでしかないのですが)、いろいろな影響を受けました。
 今では僕もSF作家です。しかし、最初の長編の出版から二〇年以上になるのに、作品の数でも質でも、この巨人の足元にも及びません。この先も当分、小松さんを上回るSF作家は現われないのではないかと思います。
 その小松さんの短篇の中から、ここに紹介するのはたった六作品です。本当はこの何倍もの数の傑作がひしめいているのですが、一冊の本に載せられる分量には限りがあるので、しかたありません。いわば“小松左京入門編”として、その才能の一端を味わっていただきたいと思います。
(以下略)

  
タグ :SF


Posted by 山本弘 at 14:46Comments(3)PR

2009年11月09日

同人誌通販

 このほどCOMIC ZINさんに同人誌の通販を取り扱っていただくことになりました。
(価格はすべて税込み)

『MADなボクたち 2009』 420円
 ニコニコ動画・YouTubeのMADを応援する本。 (残部わずか)

『みづき・ふりーだむ!』 1050円
 娘の学園生活をヒントに創作した「字で読む4コママンガ」。

『チャリス・イン・ハザード1 魔島からの脱出』 1050円
『チャリス・イン・ハザード2 脅威の少女核爆弾』 1050円
『チャリス・イン・ハザード3 ファイナル・オーバーヒート(上)』 1050円
 18禁。美少女エロチック・アクション小説シリーズ。

アンド・ナウの会『僕らを育てたSFのすごい人』 945円
 日本SF会の重鎮、柴野拓美氏へのインタビュー。


 なお、『チャリス』の最終巻は来年出版予定です。(今年の冬コミは急遽、『生徒会の一存』のパロディ本を出すことにしたもんで)
  
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Posted by 山本弘 at 18:24Comments(3)PR

2009年11月03日

単行本を雑誌と間違える人

 ちょっと前に、本をラー油と間違える人たちをご紹介したが、今度は単行本を雑誌と間違える人が現われた。

 阿修羅板なんてバカバカしくて普段は読まないのだが、『9.11テロ疑惑国会追及』の著者の一人の「バルセロナより愛を込めて」こと童子丸開氏が、『トンデモ本の世界W』への反論を書いていると聞いて、読みに行ってきた。
 そしたらいきなり大爆笑。

http://www.asyura2.com/09/warb1/msg/323.html

「と学会」の雑誌「トンデモ本の世界W(楽工社)」を日本の友人から送ってもらい、読んでみました。

結論から申しますと、「この雑誌はもう終わりだな」ということです。

その記事を書く人とそれを掲載する雑誌

こういう他人の書いた本を「詐欺本」呼ばわりする雑誌を作って

●今回は、この「トンデモ本の世界W」から「民主党を汚染するトンデモ説(山本 弘)」という記事について、この記事と雑誌が、

 何度も何度も「雑誌」と書いている。この人、マジで『トンデモ本の世界W』を「雑誌」だと思いこんでいるのだ!
 日本の友人から送ってもらったとのことだが、ページをスキャンしたものだけ送ってもらって、実物を手にしていないのかもしれない。それにしても『トンデモ本の世界W』というタイトルで雑誌だと思いこめるって、どういう器用な勘違いなんだろうか。

●そもそも「トンデモ本」とは何か、というと、きっと、
◎全く根拠の無いことを事実であるとする虚偽が数多く書かれ、読者を事実に基づかない虚構の世界に導く、詐欺的な内容が書かれた本、
ということなのでしょうね。

要は、
◎書かれている多くの事柄について「事実である」と証明することができず、
◎それらの「事実である」と証明できないようなことを根拠にして「真実はこうである」と断定し、
◎その断定によって、読んだ人々の社会的な出来事に対する判断を狂わせ、
◎そのことによって製作者が直接・間接に利益を得る、
◎社会的に許しがたい本、ということになるのでしょう。

早い話が「トンデモ本」とは、単なる嘘のばらまき、詐欺、ペテンを目的とした本、というわけですね。違いますかな?と学会さん。

 違います(笑)。トンデモ本の本来の定義は、「著者の意図とは異なる視点から楽しむことができる本」である。
 だいたい、知らないなら検索しなさいよ、Wikipediaでも何でもいいから。調べずに思いこみだけで書くから、ああいうデタラメな本になっちゃうんだよ。

 まさに唖然呆然とすることなのですが、『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか』からの引用、そしてそれを「この部分は嘘である」と証明している箇所が、どこにも…、本当にどこをしげしげと見回しても…、1箇所たりとも見当たらないのです。
 つまり、この記事の初めから最後まで通して、『9.11テロ疑惑国会追及 オバマ米国は変われるか』がトンデモ本であるとする判断の根拠が、何一つ書かれていないのです。

 嘘である。
 僕は33ページでこう書いている。

 本書の中で藤田氏は、9・11をめぐる疑惑を列挙している。長くなるので詳述は避けるが、そのリストを見て、僕(=山本)は失望した。それらの「疑惑」なるものは、二〇〇七年に出版された奥菜秀次『陰謀論の罠』(光文社)や、ネット上の反陰謀論サイトで論破済みのものばかりだったのだ。
 特に次のサイトが、多くの疑問に対する回答を網羅しており、よくまとまっている。

・分解『911 ボーイングを捜せ』
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/index2.html
・9.11Plot(?)FAQ
http://mltr.ganriki.net/faq10b02w02.html
・Skeptic’s Wiki
http://sp-file.qee.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi

 藤田氏らが言っていることは、とっくに論破済みのものばかりだ、と僕は(参考資料を明示して)言っているのだが、これでなぜ「判断の根拠が、何一つ書かれていない」ことになるのだろうか。
 そもそも、『9.11テロ疑惑国会追及』の間違いを逐一指摘しようとしたら、『陰謀論の罠』や上の3つのサイトに書いてあることの繰り返しにしかならない。だから省略したのである。
 他にも僕は、36~38ページで、9.11陰謀論者の主張がいかに非論理的でつじつまが合わないかを書いているのだが、それに対する童子丸氏のまともな反論は何もない。

 山本氏がこの本を読まずに記事を書いたわけではないでしょう。氏は、東京工大の和田教授について書かれている本書153~156ページの内容を要約し一部を引用していますが、それは彼が「この記述は虚偽である」と言っているものではありません。

 制御解体説をきっぱり否定している和田教授の言葉を、僕が引用していることが、なぜ「この記述は虚偽である」と言っていないことになるのだろうか?
 童子丸開氏は、『9.11テロ疑惑国会追及』の中で、いろんな理屈をこねて制御解体説を主張しているだが、建築学や物理学の素人である童子丸氏の考察と、建築学の専門家である和田章教授学術研究、どっちが信頼できるかは分かりきった話ではないか。

 そして、そのブログにはどこにも「ジュセリーノを信用した」などと書かれていないのですが、

 藤田氏はジュセリーノのことを「スマトラ沖大地震、阪神・淡路大地震、東京地下鉄サリン事件、中国四川省大地震、イラクのサダム・フセイン元大統領の逃亡先の所在、アメリカの9・11テロなど数多くの予言を的中させ」と断定調で書いているのだが、これは信用していることにはならないというのか?
 どうもこの方の基準では、「この記述は虚偽である」とか「ジュセリーノを信用した」とはっきり書かないと、そう言っていることにならないらしいのである。どういう俺様基準ですか。
 じゃあ、ここではっきり言おう。「童子丸開氏の記述は、建築学の専門家の研究によって否定されており、従って虚偽である」と。これでOKかな?

 さらに、記事著者の山本氏は、国家の指導者が自国民を殺すわけがないと、国家(アメリカ国家?)に対する忠誠心を遺憾なく発揮しておられるのですが、それでは戦争はどうなんですか?

 僕はそんなこと、どこにも書いていない。37ページでこう書いているだけだ。

 さらに大きな問題がある。そもそもアメリカ政府がペンタゴンを攻撃して大勢の軍人を殺す意味がどこにある? ニューヨークを攻撃するだけで十分だろう。

 ニューヨークで国民を殺せばいいだけで、ペンタゴンを攻撃する意味がないと言っているのだが、これを「国家の指導者が自国民を殺すわけがない」とすりかえるのはムチャクチャである。

 単行本を雑誌を間違えた件もそうだが、この人には論理性とか文章読解力というものが根本的に欠如しているようだ。まあ、論理的な思考力のある人なら、そもそも非論理的な9.11陰謀説にハマったりなんかしないのだろうが。


 ちなみに『週刊文春』11月5日号で、宮崎哲弥氏に『トンデモ本の世界W』を絶賛していただきました。ありがとうございます!
  
タグ :9.11陰謀説


Posted by 山本弘 at 15:14Comments(11)トンデモ