2008年09月13日

8月18日(月)ビーム砲の内側を見学


 コミケの翌日は東海村にあるJ-PARC見学ツアーに参加。
 J-PARCとは、

Japan
Proton
Accelerator
Reserch
Complex

 の略。とにかくものすごくでかい陽子加速器があるのだ。
 まず330mのリニアック(直線加速器)。
 次に円周350mの3GeVシンクロトロン。
 最後は円周1.6kmの50GeVシンクロトロン(内側に甲子園球場が5個入る広さ)。
 この3段で陽子を加速するわけだ。
 現在、建設中のニュートリノ実験施設も見せてもらった。光速近くまで加速した陽子を、グラファイトの棒にぶつけてニュートリノを発生させるのだ。
 特に印象的だったのは、25mの地下にあるビームの通り道、ディケイボリューム。建設中でエレベーターが付いてなかったりするもんで、コンクリートむきだしの階段を5~6階分ぐらい上り下りしなくちゃならず、さすがに足がへばったが、その価値はあった。
 案内してくださった多田先生は「ビーム砲の砲口」と称してたけど、まさにそんな感じ。波動砲の内側を思わせる、金属と冷却パイプで覆われた長いトンネルが、地中を94メートルも一直線に貫いているのだ。完成したら、ここを毎秒1000兆個のニュートリノ・ビームが飛んでゆくわけである。目には見えないけど。
 僕らは砲口の方から入ったんだけど、奥(ニュートリノの発生装置)に向かうにつれてトンネルが小さくなってゆくもんで、『ドラえもん』のガリバー・トンネルのようでもある。
 ビーム砲の前にはグラファイトでできたビームダンプと呼ばれる遮蔽体があり、ニュートリノ以外の粒子はここで止められる。
 ニュートリノ・ビームが飛んでゆく先にあるのは、295km離れた岐阜県飛騨市神岡町にあるスーパーカミオカンデ。
 ニュートリノは透過性がきわめて高いので、地中を295km貫通するぐらいはたやすい。それをスーパーカミオカンデで捕らえようという壮大な実験なのだ。
 ビームのさらに先は日本海を貫いて韓国にまで達してるんだそうで、韓国では日本の実験に便乗したニュートリノ実験を計画しているとか(笑)。

 他にも、中性子を利用した物質・生命科学実験施設なども見学。
 ずらりと並ぶコイルやら、でかいクレーンやら、よく分からない銀ピカのメカやら、液体窒素のタンクやら、とにかくかっこいいものばかり。いやあ、いいなあ。来て良かったなあ。
 小説の参考になりそうなネタもいろいろ。多田先生に「『MM9』の続編でここ壊してもいいですか?」と言うと、「どうぞどうぞ」という返事。
 海が間近にあるから、怪獣が上陸するのに絶好のロケーションである。陽子加速器はもちろん、大量にある液体窒素とか液体ヘリウムなんかも、話の中で使えそう。

 一方、小説のネタにならないのが、多田先生ご自身。
 金髪で、いつも迷彩服を着て、腰の周りに工具をじゃらじゃらぶら提げてる、インパクトのある人。これでも理学博士で「素粒子物理学研究所 物理第三研究系 ニュートリノグループ」の偉い人なんである。施設の設計なんかもやってるそうな。普段はつくばの方に住んでるんだけど、週末にはつくばエキスプレスで秋葉原に繰り出すのだ。
 こんなキャラ、小説に出したって、「こんな科学者がいるわけない」「リアリティがない」って言われるよ!
「事実は小説より奇なり」と言うが、小説における「リアル」とは何なのかと、深く考えさせられましたわ。
  
タグ :サイエンス


Posted by 山本弘 at 20:14Comments(0)サイエンス

2008年09月13日

8月17日(日)コミケの収穫

 夏コミにサークル参加。新刊は『さよなら絶望先生』のパロディ本。間に合わなかった『チャリス・イン・ハザード』最終巻の代わりに作ったんだけど、急ごしらえの割には自分でも笑える楽しい本になったと思う。
 締切までに入稿したにもかかわらず、いきなり印刷会社に断られた(「発注書に予約番号が書いていなかった」という、わけ分からん理由!)時には、本当に「絶望した!」と叫びたくなったもんだが、飛びこみの仕事を引き受けてくれた親切な印刷会社があったので助かった。捨てる神あれば拾う神あり。嬉しいなあ。
 150部刷って100部ほど売れたから、まあまあかな。
『チャリス』の在庫は冬コミで買った人が多かったからか、あまり売れなかった。来年は持ちこみ数を絞ろう。

 今回は面倒なので西展示棟しか回らなかった。妻に頼まれたピンクハウス系、アクセサリー系、ペット系、医療系以外では、掘り出し物はこんな感じ。

●桑田次郎版の『バットマン』の資料本。これ、復刻困難だし、貴重だわ。

●僕らの世代では懐かしい、名イラストレーター・柳柊二のイラストを集めた本。『ボーイズライフ』版の『地底世界ペルシダー』のイラストとか、今見るとすごく色っぽい。 もっと大きなサイズで見たい絵や、カラーで見たい絵も多いので、商業出版してくれないかしらん。

●『少年マガジン』のグラビア記事を集めた本。 これまた、「未来の鑑識ロボット」とか「飛行突撃車」とか「おいばね式パラシュート」(これ覚えてる!)とか、レトロでバカっぽいけど楽しいイラストが満載。巨大な生首が宇宙に浮かんでいる「生きている星」というイラストは、思わず「伝承族だー!」とはしゃいじゃいました。

●サバイバルゲームの基礎知識を分かりやすく教えてくれるマンガ。ルールやマナーの問題にかなりページを割いていて、体験者ならではの問題提起も。

●『涼宮ハルヒの憂鬱』の英語版DVDの研究本。英語の台詞と日本版との対訳、英語版声優へのインタビューなど。

「That's classified」(禁則事項です)
「What is a glasses fetish?」(眼鏡属性って何?)

 といった具合。鶴屋さんの「めがっさ」「にょろ」は、英語では「megas」「nyoro」だそうな。
「God knows...」も英語版の声優さんがちゃんと英語で歌ってる。直リンは避けるけど、 ニコ動にもそのシーンだけ抜粋した映像がアップされてるから、興味のある人は検索してみて。

 他には、いつも行っている風俗系の同人誌。僕はソープとかイメクラとかにはいっぺんも行ったことがないんだけど、風俗嬢の作る同人誌はどれも面白いもんで、コミケでは欠かさず買っている。『詩羽のいる街』の中でも、その一部を参考にさせていただいた。感謝。
  
タグ :コミケ


Posted by 山本弘 at 20:02Comments(0)サブカル

2008年09月13日

8月16日(土)青山に少女のヌードを観に行く

 この日、コミケ2日目だったんだけど、回るブースひとつしかないし、これだったらパスしてもいいかなと思って、青山で開かれていたジョック・スタージス写真展に行ってきた。

 ジョック・スタージスってのはこういう人だ。

http://www.tokinowasuremono.com/artist-d05-sturges/index.html

 20年ぐらい前にこの人の写真集を買ったことがあるけど、まだ元気でやってたんですね。
 検索すると、ネットにアップされている写真もいっぱいヒットする。全部少女ってわけじゃないけど、だいたい1~2割は、明らかに未成年と分かる少女の裸を撮ったものである。
 本国アメリカでは、やはり一部の人たちから「児童ポルノだ」という批判を受けているらしい。だが、日本より規制のきびしいアメリカで、ちゃんと写真集が出版されている(最新の『Misty Dawn/Portrait of a Muse』は2008年出版)ということは、社会的・法律的に「ポルノではない」と認知されているということだろう。
 当たり前だ。ヌードとポルノは違う。ただ女の子の裸を撮っただけの写真は、「ヌード写真」であって「ポルノ写真」ではないのである。
 児童ポルノ法のおかげで少女ヌードは全滅したと思ってる人が多いけど、こういう芸術系の写真はしっかり生き残ってんだよ。ロリコン諸君、希望は捨てちゃだめだ(笑)。

 展示されていた写真の中では、全裸でうずくまっている金髪の女の子の写真(カラー)が最高に良かったんだけど、17万とかいう値段がついてたんで、さすがに買えません。1万以下ならともかく、10万超えたら妻に言い訳できないし(笑)。写真集を買って我慢した。
 ちなみに、この写真展のことを教えてくれたのは、某誌の編集さん。よく分かってらっしゃる。感謝!

 写真展に行ってきた後、新橋で某マンガ雑誌の編集さんとマンガ家さん(過去に有名なラブコメ作品をヒットさせたことがある人)と落ち合い、食事をする。
 最初の話では、マンガ家さんが『MM9』に惚れこんでしまって、ぜひマンガ化したいということだった。すでにヒメのイラストまで描いてたりする。
 実は『MM9』マンガ化のオファーはこれが最初ではない。他にも2社から来ている。アニメ化のオファーや実写化のオファーもある。マンガやアニメはともかく、実写は無理でしょ。ヒメ、どうやって映像化するんですか(笑)。
 それにしても、怪獣の好きな人って多いんだなあ。
 あいにく、マンガ化の話はすでに別の出版社で進んでまして……と、お断りしたのだが、向こうはそれでも僕と仕事がしたいみたいで、「それなら『MM9』以外に山本さんの原作で何か連載を」という話になってきた。
 原作と言っても、シナリオを書くんじゃなく、「設定とシノプシスを書いていただいて、それを元にこちらでマンガにするという形で」と言う。 僕としても、連載もののシナリオ書いてる時間なんてないから、これはありがたい話である。
 そこで、過去に別のところに企画を提出してボツられた『機装妖精チャイカ』やら、『詩羽のいる街』の作中作である『戦場の魔法少女』やら、いろいろアイデアを見せたのだが、どうも反応がイマイチ。
 向こうとしては、ヒメの印象が強かったので、怪獣と戦う少女がいいらしいのだよね。でも、巨大化して戦うんじゃ、『MM9』といっしょになっちゃうし……。
 と、考えているうちに、ふと思いついた。

「あのー……女ターザンものはどうですか?」

 そしたらOKだって言うのよ。女ターザンでもOKだって! まあ確かに、女の子が猛獣とか怪獣と戦うシーンがいっぱい描けるわけだし。
 いやあ、言ってみるもんだね。
 たちまちマンガ家さんと意気投合。

「山本さん、ヒロインは何歳ぐらいがいいですか? 僕は16歳がいいんですけど」
「僕は15歳かな。黒髪か金髪かどっちがいいですか? それによってヒロインの国籍が決まるんですけど。僕は金髪の方が好きなんですが」
「どっちでもいいですよ。あと、『ナディア』のジャンみたいな感じのメガネの少年を出しましょうよ。あと、原住民の色黒の女の子も」
「いいですね、それ。いただきです!」

 という具合に盛り上がってしまった。

 というわけで東京から帰った後、女ターザンもののマンガの設定を書きまくった。構想(妄想)がふくらみ、キャラクター設定やらプロットやら、A4で25ページもの分量に。 魔法と超科学と怪獣と古代文明の謎が入り乱れる、『インディ・ジョーンズ』+『ハムナプトラ』みたいな話である。
 自分で言うのもなんだが、これ、面白いんだわ。採用されるかどうか分からないが、たとえボツになっても、この設定ならどこかで流用できそうである。
  


Posted by 山本弘 at 19:41Comments(0)美少女

2008年09月13日

ブログ再開します

 1か月以上も放置していて申し訳ない。
 なぜかというと、8月から9月上旬にかけて、むちゃくちゃに忙しかったからである。
『SFマガジン』と『文蔵』の連載。新作『詩羽がいる街』のゲラチェック。コミケ。SF大会。トンデモ関連のイベント。雑誌インタビュー。編集者との打ち合わせ。娘のサマースクールの送迎。さらに今年は町内会の会長までやっている(笑)。町内で面倒な問題が持ち上がったりして、もう大変だったのだ。
 ようやく少し暇になったので、たまっていた宿題をまとめて片付けようと思う。

 ちなみにコメントは、ブログ主が承認したものだけを掲載する方式です。トラブルを避けるために、削除の基準はかなりきびしくさせていただいています。悪しからず。
   

Posted by 山本弘 at 18:53Comments(0)