2016年11月22日

と学会がやっていたことは「弱い者いじめ」だったのか?・1

 先日、このブログのコメント欄に、こんな書きこみがあった。

http://hirorin.otaden.jp/e437829.html


山本さん、ツイッターで「僕はいじめ被害者だから、いじめる側の心理はわからないし、わかりたくもない」と言ってましたよね?
では、私が教えてあげましょう。あなたが「と学会」でやってた事、それ自体が「いじめ」です。

「こいつ、こんな変な本を書いてるんだぜ!」「こんな変な説を唱えてるんだぜ!」と、わざわざ商業出版本やイベントであげつらってましたよね。
単に書き手の無知や間違いを指摘したいだけなら、本人に直接言うなり手紙やメールを出すなりすれば済む事。
なのにあなたはそうせず、不特定多数が読む本で「バカらしい」「アホかほんま?」「無知としか言いようが無い」って何回書きましたっけ?

それどころか、大賞をくれた事を本心から感謝して礼状をくれた三上晃さんのことも、その文面を晒しものにして更なる笑いものにしてましたよね。

断わっておきますが、私もいじめの被害にあった事はあります。重度知能障害者の妹をネタにされてね。
靴にガムを入れられるなんて生易しいぐらいのいじめにあいました。
とはいえ、私は山本さんと違って諦めたりせず、罵倒を録音したり証拠を揃えたりしてマスコミに送りつけ、いじめっ子をきっちり叩き潰しましたけど。

そんな私から見て、あなたがと学会でやってきた事は、立派に「いじめ」です。
相手に反撃できないところから、仲間内で「あいつ変なこと言ってるぜ!みんなも見ろよ、面白いぜ!」と騒ぐのは、普通にいじめですな。
それをネタに本を出して金稼ぎに利用してた分、下手ないじめっ子よりタチが悪いです。
相手から直接金を奪ってない分、カツアゲをするいじめっ子よりはマシですけど。

「違う、僕がやったのはいじめじゃない」なんて言っても無駄ですよ、いじめっ子は皆そう言い訳するものですからね。

いじめってものは、「自分達と違うものを排除したい」「群れで生きていく以上、弱い者は邪魔になる」という本能から来るものです。
いじめは正当なものでも不当なものでもありません。
いつでもどこでも誰でも、加害者にも被害者にもなり得るものに過ぎないのです。
山本さんだって私だって、いつまた被害者になるかも、逆に加害者になるかもわからないのです。

いい加減に「自分はいじめの被害者」といつまでも言い続けるのはおやめになる事です。
あなただって、似たような事をやってたんですから。

 ちょっと前にもツイッターで同じようなことを言っている人を見かけた。どうも、僕やと学会について同様のイメージを抱いている人は多いらしい。いい機会なので、そういう人たちにまとめて反論しておきたい。

 実は、「弱い者いじめはよくない」という批判は、1995年、最初の『トンデモ本の世界』を出した時からすでにあった。それに対し、僕は翌年(今から20年も前である)の『トンデモ本の逆襲』のあとがきで、こう反論している。


 第一に、トンデモの勢力は決して「弱い者」などではない。『トンデモ本の世界』でも紹介したように、宇野正美、深野一幸、五島勉といった人たちの本は、いずれも大手の出版社から発売され、何万部、時には何十万部も売れているのだ。すなわち、「世界はユダヤ秘密結社に支配されている」とか、「太陽は熱くない」とか、「一九九九年に人類は滅びる」などと信じる人が、現代の日本に、何万、何十万という単位で存在しているということなのである。
 物理を知らない素人が「相対性理論は間違っている」と主張する本が、何万部も売れている。それに対し、まともな物理学者が相対性理論の正しい解説書を書いても、その五分の一も売れるか怪しい。万葉集は朝鮮語で読めるとか、日本人の先祖はユダヤ人だといった本もよく売れるが、まともな言語学や歴史学の本がそんなに売れることはない。常識的な説よりも、奇説を唱える本のほうがよく売れる傾向がある。多くの大衆は明らかにトンデモ本のほうを支持しているのだ。
 いったいどっちが「弱い者」なのか?
 無論、小さな出版社から細々と本を出している人もいる。しかし、彼らも決して孤立しているわけではない。その思想は多くの場合、長い歴史を持つほかのトンデモ思想と密接に関連しており、いわば大きなトンデモ勢力の裾野に位置しているのである。
 第二に、我々はこうした本を弾圧しようなどと思っているのではない。憎んでいるのなら、こんなに情熱をこめて本を収集できるわけがない。むしろ逆で、こうした奇妙な本を愛し、その奇想を楽しんでいる。そして、この楽しさをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っているのだ。世の中には、学校では教えてくれないこと、教科書や百科事典には救っていないことがたくさんある。大きな影響力を持ちながら、これまで注目されたことのなかったそうしたサブカルチャーにスポットを当て、その面白さを天下に知らしめたい──それが本書の意図である。

 ちなみに『トンデモ本の世界』で取り上げた本の著者には、他にも矢追純一、関英雄、竹内久美子、糸川英夫、あすかあきお、ドクター中松、大槻義彦などの有名人がいる。宇野正美氏のユダヤ陰謀本や川尻徹氏のノストラダムス本が、よく売れていて版を重ねていたのも事実だ。まして、古代帝國軍総統・万師露観氏など、誰がどう見ても「弱い者」ではあるまい。
 abさんがこうしたメジャーな人たちをみんな無視し、僕がいじめたという「弱い者」として、三上晃氏の名前しか挙げていないのは興味深い。五島勉氏や矢追純一氏らの名前を挙げたら、自らの論旨が崩壊してしまうことに気づいているのだろう。
 基本的な知識を解説しておく。本が出版された時に著者に入る印税は、定価×発行部数の10%が普通。つまり1000円の本が増刷を重ねて10万部出版されれば、著者には1000万円が支払われるわけである。(厳密には源泉徴収されるので、これよりも少し少ない)
 五島勉氏の『ノストラダムスの大予言』の公称発行部数は250万部、初版の定価は680円だったから、五島氏はこの1冊で約1億7000万円の収入を得たはずである。その後も『大予言』シリーズの続編やタイトルに『ノストラダムス』と書いている本を14冊も出していて、発行部数の総計は600万部を超えている。
 abさんは僕を「それをネタに本を出して金稼ぎに利用してた分、下手ないじめっ子よりタチが悪いです」と非難する。しかし、トンデモ本の著者たちがデタラメな内容の本を書いて大金を稼いでいることについては、なぜか目をそむけている。

「でも三上晃氏が弱者なのは事実だろう!?」と反論されるかもしれない。確かにその通り。しかし、僕らが弱者だけを狙って批判していたわけではないのも、明白な事実だ。
 僕は『トンデモ本』シリーズで取り上げる際、相手が有名人だろうと無名の人だろうと、金持ちだろうと貧乏だろうと区別しなかった。無名の人だから手を抜くなんてことはしたくなかった。
 また、abさんは僕がこういうことを書いていることは知らなかったようだ。『トンデモ本の逆襲』の「長いあとがき」である。(『逆襲』は読まなかったのかな?)


 どうか誤解なさらないように、催は三上氏が嫌いなわけではありません。それどころか、文章からにじみ出るお人柄にとても好感を抱いています。まだお会いしたことはありませんが、きっといい人に違いないと確信しています。実際、三上氏に会った人は口を揃えて「いい人だ」と言っておられます。
 三上氏を取材したある方の話によれば、三上氏はと学会が送った「日本トンデモ本大賞」の賞状をとても大事にされており、嬉しそうに見せびらかしておられたとのこと。お送りした甲斐があったと、僕は心の底から喜んでいます。
 ただ、「いい人」=「正しい人」とは限らないところが、世の中の悲しいところであり、面白いところでもあります。
 いくら三上氏がいい人であっても、「太陽黒点は大森林地帯だ」とか「原発から来た電気は放射能を帯びている」とかいう説に対しては、僕は「そりゃ違うよね」と言わざるを得ないのです。なぜなら、ここで「そのとおりです」と言ってしまったら、嘘をつくことになってしまうからです。三上氏がどれほど真剣に研究しようと、後援会のみなさんがいかに三上氏を崇拝しようと、太陽が熱いという事実は動かせないのです。
 三上氏の誤りを指摘することが三上氏に対する侮辱になるというのなら、「現代の天文学はすべて間違っている」と主張することは、まじめに研究している世界中の天文学者に対する侮辱になるということもお忘れなく。

 また、僕がトンデモさんたちに対してどんな感情を抱いているかも示しておく。『トンデモ本の世界V』(2007)のあとがきである。

 普通の人とトンデモさんの間に明確な境界線があるわけではない。人は誰でも(僕やあなたも)、根拠のないトンデモ説にハマってしまう可能性がある。僕自身、本やネットで勉強するうちに、これまで自分が信じていたことが間違いだと知らされて驚いた経験が何回もある。おそらくあなたも、気がつかないうちに、トンデモ説のひとつやふたつは信じてしまっているはずだ。
 言うならば、僕らはみなトンデモさん予備軍なのである。

 トンデモ本研究というのは、単に間違っている人を笑い飛ばすものではないと、僕は思っている。トンデモさんたちを自分とは違う人間だと思ってはいけない。自分も彼らと同じ人間であり、いつ同じような間違いを犯すかもしれないと常に警戒しなくてはいけない。
 他の人の間違いを参考にして、他山の石とすべきなのだ。

  
タグ :トンデモ本


2016年08月06日

『映画で読み解く「都市伝説」』

 うっかりして、6月に出たASIOSの新刊を紹介するのを忘れてました。


第1章 本当にあった「怖い事件」

旧ソ連時代に起きた怪奇事件―「死の山」でいったい何が起きたのか
『ディアトロフ・インシデント』(本城)

「アミティヴィルの恐怖」はまったくのでっち上げだった!
『悪魔の棲む家』(バーソロミュー)

元ネタとなった「悪魔祓い事件」とモデルとなった「少年」の真実
『エクソシスト』(皆神)

「死者との交信手段」「混入するはずのない“何者かの声”」
コラム・EVP(若島)
※心霊映画でおなじみの電子音声現象(EVP)、「録音される謎の音」にまつわる解説。

知っておいたほうが楽しい「アメリカ映画」と「背景知識」
コラム・「キリスト教」の多大なる影響下にあるアメリカ社会(若島)

第2章 「超能力」と「古代文明」

本当に将軍は壁を通り抜けようとして激突した!
『ヤギと男と男と壁と』(山本)


“貞子”のモデルとなった超能力者たちの末路
『リング』(本城)

「エリア51」よりもすごい!ノースカロライナ州ブラウン山の“怪光伝説”
『エリア0<ゼロ>』(加門)

箱舟も洪水も存在しなかった!?
『ノア 約束の舟』(皆神)
※キリスト教圏では最低映画とされながらも箱舟伝説の問題点はクリアしていた意外な映画。

ピラミッドは王の墓ではない……いったい、誰が何の目的で造ったのか
『ピラミッド 5000年の嘘』(ナカイ)

第3章 「呪い」と「心霊現象」

出演者やスタッフたちに襲いかかる呪い
『スーパーマン』/『ポルターガイスト1・2・3』/『プロフェシー』/『アトゥック』

場面に映りこんだ心霊現象
『the EYE』/『青木ヶ原』/『感染』/『着信アリ』/『サスペリア』(この章すべて本城)

第4章 妖しき「陰謀」の世界

アクションコメディからサイコスリラーまで「MKウルトラ」が生んだ作品群
『エージェント・ウルトラ』『ジェイコブス・ラダー』(原田)
※「MKウルトラ」とはCIAがかつて実際に行っていた秘密プロジェクト。

映画は現実より奇なり……現実は陰謀より奇なり
『カプリコン・1』(寺薗)

月面で起きる「ポルターガイスト現象」
『アポロ18』(寺薗)

「シオン修道会」という組織は妄想の産物だった!?
『ダ・ヴィンチ・コード』(皆神)

戦後の日本経済を漂流した怪伝説―「M資金」をめぐる謎
『人類資金』(原田)

巨大昆虫に投影された「恐怖」の暗喩の正体
コラム・「空を見ろ! アリだ! カマキリだ!!」(原田)

第5章 「UFO」と「宇宙人」

“ロズウェル”に本当にUFOは墜ちたのか?
『インデペンデンス・デイ』(山本)


アメリカの人気テレビシリーズに囁かれる“ある噂”
『V』(原田)

「ナチス」はハイテク技術を有するオカルト集団だったのか
『アイアン・スカイ』(横山)

“UFOロア”が散りばめられたSFコメディ
『MIB』(秋月)
※“宇宙人あるある”の解説が面白いです。

地球外知的生命体からのメッセージは届いているのか……?
『コンタクト』(皆神)

映画の内容は「すべて事実」」に基づいている!?
『フォース・カインド』(秋月)

月面着陸はNASAがキューブリックに撮らせたヤラセだった!?
『2001年宇宙の旅』(山本)


宇宙人はかつて、尖った鼻、尖った耳、そして、腕は毛むくじゃらだった
コラム・宇宙人〝グレイ〟がついに脱ぐまで(山本)


第6章 遥かなる宇宙

NASAの彗星探査機はこの映画のタイトルをパクった!?
『ディープ・インパクト』(寺薗)

地球の危機を救うには、もっと安全で確実な方法があった!?
『アルマゲドン』(寺薗)

NASAはなぜ制作協力を拒否したのか?
『ゼロ・グラビティ』(寺薗)

それでも、人類は「赤い星」を目指す―
『オデッセイ』(寺薗)

 僕の担当した原稿は4本。『ヤギと男と男と壁と』『インデペンデンス・デイ』『2001年宇宙の旅』は、前に別の本に書いた原稿を書き直した再利用で、ちょっと心苦しい(^^;)。
 完全新作は「コラム・宇宙人〝グレイ〟がついに脱ぐまで」。グレイ・タイプの異星人のイメージがどこから生まれてどう進化し、現代の「宇宙人」のイメージのスタンダードになっていったかを論じたもの。
 SF映画とアブダクション体験者の証言のフィードバック関係というのは、意外に知られてないんじゃないでしょうか。最近の若い人は、宇宙人は昔からグレイ一色だったと勘違いしていそうで、こういうことはやっぱり誰かがきちんと文章にして残しておかないといけないと思いました。
  


Posted by 山本弘 at 21:05Comments(2)オカルトPR都市伝説

2016年08月06日

「イルミナティカード」でテレビに出たのはいいけれど……

 これまでこのブログや本で何度も「イルミナティカード」(正式名称「Illuminati: New World Order」)の嘘を暴いてきた。

http://hirorin.otaden.jp/e164900.html
http://hirorin.otaden.jp/e175801.html
http://hirorin.otaden.jp/e258455.html
http://hirorin.otaden.jp/e261607.html

http://www.asios.org/books.html#b14


 こんなデマが広がったら危険だな……とは思っていたが、まさか大量虐殺をやる奴まで現れるとは、まったく予想外だった。
 この手紙のことが報じられたら、僕はすぐにツイッターでも情報を流した。

大量虐殺事件の容疑者が言及していた「イルミナティカード」とは何か?
http://togetter.com/li/1005428

 それを見たらしく、TBSから取材が来た。
 以下は7月29日放映のTBS『ニュース23』の内容。TBSの動画ニュースから引用させていただいた。(現在は掲載期間が終了したので削除)



障害者19人殺害 “犯行予告”に同封の紙入手

 植松容疑者が衆議院議長にあてた犯行予告ともとれる手紙には、7枚の紙が同封されていました。不可思議なカードが印刷されているものが5枚、イラストが2枚。「NEWS23」が独自に入手しました。
 障害者施設の入所者19人が殺害された事件で逮捕された植松容疑者。「イルミナティ」と書かれたカードにどんな意味が。

 「イルミナティが作られたイルミナティカードを勉強させていただきました」(植松容疑者が衆院議長に送った手紙より)

 イルミナティとは秘密結社の名称のこと。この「イルミナティ・カード」を持っている人物に私たちは接触することができました。SF作家でゲームに詳しい山本弘氏。アメリカで90年代に発売されたカードゲームで、秘密結社同士が組織の拡大を競い合うゲームだと説明します。しかし・・・

 「もう何年も前からカードが秘密結社の“陰謀の計画書”というばかな説が流れている」(SF作家 山本弘氏)

 きっかけは、2001年のアメリカ同時多発テロでした。

 「カードの中にニューヨークのツインタワーが爆発する絵がある。それを見た人が“現実の予言”と騒ぎ、注目を集めた。陰謀論者が“世界征服をたくらむ陰謀組織の計画書だ”と・・・ありえない」(SF作家 山本弘氏)

 植松容疑者が衆議院議長にあてた手紙。その中に、まさにそのカードのコピーも含まれていました。

 「隕石衝突、疫病、飢餓・・・あらゆる災害や事件のカードがある。現実と一致するのは当たり前」(SF作家 山本弘氏)

 一方、植松容疑者が議長にあてた手紙には、ゲームの中で“伝説の指導者”とされる人物のカードも。彼に自らを重ねたのか、指導者の名前「BOB」の文字を独自の解釈で「4013」と読み替えた上で、逆さから自分の名前と同じ「サ・ト・シ」と読んでいました。

 「私の名前はサトシです。2月15日に気が付き、愕然としました。今こそ革命を行い、全人類の為に必要不可欠である辛い決断をする時だと考えます」(植松容疑者が衆院議長に送った手紙より)

 植松容疑者は、イルミナティ・カードに勝手な解釈を加え、実際にはあり得ない陰謀論の世界に入り込んでいたのでしょうか。

 「陰謀論を信じると非常に都合がよい。自分に不利な情報が出てきても陰謀組織がばらまいたデマと言える。自分の世界が完全無欠になる」(SF作家 山本弘氏)

 背景を説明しておくと、「イルミナティカード」の件で『ニュース23』から急に取材の申し込みが来たのは、7月29日。
 その日は東京創元社「第7回創元SF短編賞贈呈式+トークイベント」のために東京に行っていた。イベント前に創元社の会議室で大森望氏らと雑談をしていたら、早川書房経由でTBSから電話がかかってきた。
 その日は、これもたまたま『SPA!』からも同じ件で問い合わせがあって、インタビューの予定があったもんで、実物を見せた方がいいだろうと、僕が所有しているINWOのスターター・キットを家から持っていっていた。(結局、『SPA!』は電話インタビューになったので、使わなかった)
 電話が来てから30分ほどして、TBSのスタッフが僕の泊まっているホテルにやってきて、ホテルの一室を借りて撮影を行なった。 インタビューのためにわざわざ部屋を借りるというのは初めて知った。

 けっこういろいろ喋ったんだけど、放映を見てがっかり。多少はカットされるのは覚悟してたけど、いちばん大事な部分がばっさり切られてる!

「これはスティーブ・ジャクソン・ゲームズが作った、陰謀論をパロディにしたトレーディング・カードゲームです」

 僕は何回も何回もそう説明したんだけどなあ。そこがいちばん重要だよねえ?
 あと、こうも言ったよ。

「こんな事件が起きたからって、ゲームをバッシングするのはやめてほしい。ゲーム会社も、ゲームで遊んでいる人たちも、これが冗談ゲームだと分かってて楽しんでるんですから。ゲームのことを何も知らない人間が勝手に騒いでるだけなんです」

 でも、そこもカット。
 これではたしてINWOについての正しい知識が視聴者に伝わったんだろうか? あの番組内容じゃ、TCGであることすら分からないんじゃないかと思うんだが。
 これを機会に、テレビを使って、INWOをめぐるデマを徹底的に潰したいと思ってたんだけど、これではちょっと難しいかも。

 なぜカットされたのか?
 実はディレクターさん自身が、TCGというものをまったく知らなかったんである。僕が「『ポケモンカードゲーム』とか『遊戯王』みたいなもんです」と説明しても、きょとんとしてた。
 どうも自分に理解できないから、視聴者にも理解できないと思ってカットしたんじゃないかと思う。
 そう言えば、フジテレビがこの植松容疑者の手紙のことをニュースで報じた時、なぜか「イルミナティ」「イルミナティカード」という箇所を黒く塗りつぶしてあったんだそうだ。なぜ塗りつぶしたのか? ネットではなんか深読みしている人が多かったけど、僕が思うに、理由は簡単。
 フジテレビのディレクターも、「イルミナティカード」って何なのかまったく理解できなかったんだと思う。それで万が一、登録商標か何かで抗議が来るとまずいと考えて消したんだろう。
 消すんだったら「フリーメーソン」の方だろって思うんだけど。イルミナティは実在しないけど、フリーメーソンは実在の団体だぞ!

 もちろん僕はTBSのディレクターに、TCGについて説明し、さらにスティーブ・ジャクソン・ゲームズの『トゥーン』とか『ニンジャバーガー』についても説明し、グループSNEにいた頃に『GURPS』関係の仕事をしてたから無関係というわけでもないと語った。

「そのがーぷすというのもカードゲームなんですか?」
「いや、これはテーブルトークRPGで……」

 そこから今度はテーブルトークRPGについても解説するはめに!(笑) あー、めんどくせえ! でも、もちろんそこもカットされた。

 他にも植松容疑者の手紙には、「18」という数字に注目してる箇所があった。僕が「ははあ、なるほど18ですね」と納得していたら、「18って何か意味があるんですか?」と訊かれた。「6+6+6。獣の数字666ですよ」と説明したんだけど……。

 ディレクター氏、「666」も知らない!

「ヨハネ黙示録の中に出てくる数字で……」と説明したけど、どうもヨハネ黙示録自体、分かってないみたい。
 まあ、しかたないなあ。オカルトとかゲームとかに興味のない一般人の知識ってこんなものか……。
 そう言えば思い出した。21年前のオウム事件の時、マスコミ関係者で「ハルマゲドン」という言葉を知らない人がいたという話を。『幻魔大戦』がアニメになった時、テレビでさんざん「ハルマゲドン接近」って言ってたはずなのに。

 もっとも、マスコミ関係者がみんな無知というわけじゃない。他にも取材してきた新聞記者の方の中には、僕が「トレーディング・カードゲームって分かります?」と言うと「『遊戯王』みたいなやつですよね」と即答された方もいた。
 だからマスコミ関係者の中にも、知識のある人とない人がいるんだろう。


 ちなみにニュースの中に出てきた「伝説の指導者」ボブというのは、亜天才教会(Church of the SubGenius)という冗談宗教の教祖とされる人物。そのBOBを数字に置き換えて13013になってるわけ。

 植松容疑者は最初の1と3を足して4にし、「4013」にして、それを逆から読んで「3 10 4」=「さとし」にしていた。
 もちろん、そんなこじつけに何の意味もないのは言うまでもない。
 亜天才教会については、解説するのは面倒だし僕も詳しくないんで、ウィキペディアを読んでほしい。

https://en.wikipedia.org/wiki/Church_of_the_SubGenius

 アメリカには他にもこういう冗談宗教がいくつもある。

http://www.h7.dion.ne.jp/~samwyn/parorels.htm

「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」は日本でも本が出ていて有名。他にもINWOには、不和の女神エリスをシンボルとする「ディスコルディアン」も出てくる。

https://en.wikipedia.org/wiki/Discordianism

 こういうものを知らない日本人が多いのはしかたないけど、検索すれば一発で出るからね? 分からなかったら検索しようね。

【8月11日追記】
 同じ7月29日に、『SPA!』からも電話で取材を受けたことは書いたけど、『SPA!』8月9日号に載った記事を見てびっくり。
 僕がこのゲームのことを「IWNO」と言ったことになってる! それも2回も!

 いや、確かにINWO(イルミナティ:ニュー・ワールド・オーダー)と言ったよ、何度も。これじゃまるで僕が間違えたように見えるじゃないか。
 それに僕の知識も正確とは限らないし、電話越しでは聞き取りミスもあるかもしれないと思って、「詳しいことはスティーブ・ジャクソン・ゲームズのサイトに行けば書いてありますから読んでください」とも言ったはず。
 でも、この記者、ゲームの名前なんて基本的なことも間違えるってことは、結局、スティーブ・ジャクソン・ゲームズのサイトも見ずに記事を書いたってことだろう。
 信じられない。
 何で記事を書く前にその程度の手間をかけないんだ?
  


2016年06月18日

『幻解!超常ファイル』裏話

幻解!超常ファイル17「超能力捜査の謎&究極UFO解析バトル」
http://www4.nhk.or.jp/darkside/5/

 9日に放送したこの番組の裏側を少し。
 スタッフが仕事場に来られて、僕の出演シーンを撮影したのは5月23日なんですが、実は本編収録前、4月にスタッフの方と東京でお会いして、打ち合わせをやってます。
 向こうは僕の『超能力番組を10倍楽しむ本』を読んでおられて、あの本の内容をベースに番組を作れないかという話でした。
 ただ問題は、さすがに『FBI超能力捜査官』や『TVのチカラ』といった民放の番組名を具体的に出すことができないということ。
 どうやって番組名を出すことなく嘘を暴けるのか……と悩んだあげくに僕が提案したのが、『超能力番組を10倍楽しむ本』の中でやった実験──ある場所で選んだ10個のターゲットを、別の場所で探してみるというのを、番組内でやってみたら、というもの。
 いちおうあの実験は実際に自分でやってみたんだけど、はたして他の人が再現してうまくいくかどうかは自信がなかったんですよね。でも、スタッフがやってみたら、かなり劇的な結果になったと分かってひと安心。

 なぜ、あの手の番組の中では、デタラメな透視の結果を元にして行方不明者が見つかるのか?
 収録の際には、「あの手の番組内で見つかる行方不明者の多くは、仮名で、顔にもモザイクがかかっているから、はたして実在の人物なのか分からない」という話もしたんですが、そこはカットされました。
 収録前に、「他局の番組がインチキをやっていると番組内で断言するのはまずいんじゃないか」という話がNHKの局内で出ているという話は聞いてたんで、まあカットされるのは予想の範囲内でしたが。

 実際、『TVのチカラ』の中では、探偵の調査や一般からの情報によって行方不明者が見つかった例はあるけど、超能力者の透視が役立ったことは一度もない。
『FBI超能力捜査官』の場合、たとえば2007年の『FBI超能力捜査官 第12弾』で、「麒麟」の田村裕の行方不明の父親を見つけているけど、これもかなりのインチキ。
 マクモニーグルが透視した、田村の父親の居場所は、

・大阪のなんば駅の近く。
・近くに丸いビルと地下街がある。
・ピーチカラーの建物の3階。

 でも、実際に田村の父親が住んでいたのは、

・なんば駅から10km以上離れており
・近くに丸いビルも地下街もなく
・古い木造アパートの2階

 つまりマクモニーグルの透視は見事にはずれていたんだけど、番組中では、あたかも透視によって見つかったように編集されていたんですな。
 さらにスタッフは、ベージュ色の建物を、画面上で色を変えて「ピーチカラー」に見せかけただけではなく、「ピーチ色の建物ってあれじゃないですか?」「ああーっ! あれかねー」というわざとらしい芝居までやってみせていました。

 なお、田村の父親発見の回について詳しく知りたい方は、『と学会年鑑BROWN』を参照してください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4903063283


『幻解!超常ファイル』では、具体的に『FBI超能力捜査官』という番組名こそ出さなかったものの、『USO超能力捜査ファイル』という架空の超常番組を再現。その映像が見事に『FBI超能力捜査官』そのまんま!
 ナレーターの声や喋り方まで似せてるうえに、「あれじゃないですか、あれ?」「あれか」「クリーム色」というわざとらしい会話(これ、明らかに田村の父親の回のパロディだ!)、最後にモザイクのかかった依頼者が父親に手紙を書くところまで完璧!
 いやー、『幻解!超常ファイル』のスタッフの凝りように感心しましたわ。

 後半はUFO映像の話。
 あのロシアのUFO、僕は藤木文彦さんの分析で終わっちゃってると思うんですけどね。藤木さんの指摘の通り、目撃者が指している方向がUFOと一致していないのがおかしいし、撮影者が言っているように手持ちの携帯電話で撮影していたなら、移動するUFOを追ってパンしないって変。
  


2016年06月06日

また『幻解!超常ファイル』に出ます。

 BSプレミアム6月9日(木)放送です。
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http://www4.nhk.or.jp/darkside/
午後9時00分~ 午後10時00分
幻解!超常ファイル17「超能力捜査の謎&究極UFO解析バトル」
アメリカ直撃取材!未解決事件を解き明かす超能力捜査はホンモノか?全米の警察が証言した衝撃の実態とは?▽究極の映像分析バトル!未解明UFOにプロ解析チームが挑む!

“光と闇”の栗山千明が超常現象の謎に迫る、シリーズ最新作!▽「ターゲットはここにいる!」未解決事件の犯人や行方不明者を“遠隔透視”で探る超能力捜査。本場アメリカを緊急取材!超能力者は本当に事件を解決しているのか?刑事たちの衝撃証言で意外なからくりが明らかに!▽これは隠しておきたかった!番組スタッフが解明できなかったUFO映像に、究極解析チームが挑む!ホンモノかニセモノか?前代未聞の映像分析バトル!

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 今回、僕が出演するのは前半の「超能力捜査の謎」。
 テレビの超能力捜査番組がなぜ的中しているように見えるのかを検証するというものなんですが、スタッフの方は僕の著書『超能力番組を10倍楽しむ本』を参考にされていました。

 東京に行った時に、事前に打ち合わせしました。資料も提供したんですが、さすがに民放の番組名は具体的に出せないので、どう取り扱えばいいかと悩んでおられた様子。そこで僕が「こういう実験をやってみたら」と提案したところ、それが受け入れられて、やっていただけました。
 どんな実験かは観てのお楽しみに。正直、うまくいくかどうかあまり自信なかったんですが、結果はかなり劇的なものになりましたよ。

  


2015年12月12日

新作『怪奇探偵リジー&クリスタル』

『怪奇探偵リジー&クリスタル』
角川書店 12月26日発売 1944円

 第二次世界大戦直前の一九三八年。ロサンゼルスのダウンタウンに探偵事務所を構える私立探偵エリザベス・コルト(通称リジー)と助手の少女クリスタル。二人の元に舞いこむのは、猟奇的な殺人事件や超常現象など、常識はずれの奇怪な事件ばかり。だが、そんな事件に立ち向かう二人も、ただの人間ではなかった!

 こんな話を思いついたきっかけは、戦前戦中のアメリカのホラー映画やモンスター映画、パルプ雑誌などについて調べているうち、こうした懐かしいB級作品の香りを現代に蘇らせられないかと考えたことです。科学が進歩し、コンピュータやインターネットが普及した現代に、こうした話は似合わない。だったらいっそ、ああいう映画や雑誌が実際に作られていた時代を舞台にした方が面白いと。
 また、『事件記者コルチャック』や『狼女の香り』、最近だと『ドクター・フー』や『秘密情報部トーチウッド』といった海外の一話完結式の怪奇・SFドラマが好きなもので、以前からああいう話をやってみたかったということあります。もちろん、先行作品とはかぶらないように、2人のヒロインは非常にユニークな設定にしています。各話のストーリーにしても、「こんなの山本弘でないと書けない」と言ってもらえるようなものばかりだと自負しております。
 ホラーあり、サスペンスあり、SFあり、ミステリあり。スプラッタもあれば笑いもあり、時にはしんみりとさせる。そんな自由奔放でにぎやかな世界が『リジー&クリスタル』なのです。


●第一話 まっぷたつの美女
 リジーの探偵事務所を訪れた美女が、奇妙な相談を持ちかける。恋人が猟奇的な表紙を売り物にしているパルプ雑誌を買い集めているのが不安だというのだ。リジーに説得されて帰っていったが、数日後、まさにパルプ雑誌の表紙を模したかのような残酷な殺人事件が起きる。

 リジーとクリスタルの人物紹介を兼ねた第一話は、この小説を書くきっかけになった、30年代アメリカで流行していたパルプ小説誌をネタにした話。作中に登場する雑誌はすべて実在のもの。この時代のアメリカでは、こんな雑誌が山ほど出てたんです。


●第二話 二千七百秒の牢獄 
 一九三二年、ユニバーサル映画が製作していたものの、さる事情で未完成に終わった密林映画『豹人の女王』。6年後、そのフィルムをめぐって、ユニバーサルの創始者カール・レムリの身に奇怪な現象が起き、リジーもそれに巻きこまれる。フィルムに潜むアフリカの邪神ニャーマトウ。クリスタルはリジーたちを救うため、名特撮マン、ジョン・P・フルトンに助けを求める。

 ジョン・P・フルトンは実在の人物。『透明人間』(33)や『フランケンシュタインの花嫁』(35)の特撮技術は、今見ても素晴らしいです。
 彼に興味を抱くうち、「もしフルトンが恐竜の出てくる特撮映画を作っていたら」と思いつき、その映画の内容を妄想するうちにでき上がったエピソード。『豹人の女王』は完全に架空の映画なんですが、いかにもこの時代に作られていそうなものを考えました。

●第三話 ペンドラゴンの瓶
 一八八〇年、コロラドの田舎町を訪れたカーニバルで、少年が目撃した正体不明の「ペンドラゴンの瓶」。一九三八年、カリフォルニアの山中で起きた謎の獣による惨殺事件。そして一六一七年、イングランドの錬金術師ペンドラゴンが美しい娘ベスを殺害した事件──三世紀の時をまたいで、事件がひとつの線となって結びつく。

 ヒントになったのはレイ・ブラッドベリの「瓶」という短編。何が入っているのか分からない奇妙なガラス瓶をめぐる話です。
 これ以上は何を書いてもネタバレになりそうなのでやめておきます。話が転がってゆく様をお楽しみください。

●第四話 軽はずみな旅行者
 とあるダイナーで、リジーはギャングのカジンスキーと話している男を目にする。数日後、ルークと名乗るその男が探偵事務所を訪れ、カジンスキーに奪われたアタッシェケースを取り戻してくれと依頼する。彼はあるアイテムを手に入れるために二十一世紀末からこの時代にやってきたタイムトラベラーで、アタッシェケースを取り返さないと歴史が決定的に歪んでしまうというのだ。

「怪奇探偵」というタイトルから受けるであろうイメージから大きくはずれた、コミカルなSF話。まあ、『コルチャック』にもロボットや宇宙人が出てくる話がありましたからね。こういう話もアリなのが『リジー&クリスタル』なのです。
 特に後半、SFファンなら大喜びする趣向を盛りこんでおります。

●第五話 異空の凶獣
 かつてクリスタルの母が取り組んでいた四次元空間の実験。科学者ウィッシュボーンがその実験を再開させたところ、地球に隣接する異空間の惑星から、透明な肉食生物ドロウルがこちらの世界に侵入してきた。人間に知られることなく凶行を重ねるドロウル。その姿が見えるのはクリスタルだけなのだ。

 クリスタルと異次元生物の死闘を描くサスペンス編。これもSFファンなら、A・E・ヴァン・ヴォクトの「黒い破壊者」を連想するでしょう。(クァールは透明じゃないですけど)

  


Posted by 山本弘 at 19:14Comments(12)美少女SFオカルトPR レトロ

2015年12月12日

『「新」怪奇現象41の真相』

ASIOS編
『「新」怪奇現象41の真相』
彩図社 12月24日発売 842円


 ASIOSの新刊です。まだまだネタは尽きないですね。
 今回は最初からコンビニ売りになりますので、初版部数も多いです。値段もこれまでのシリーズより若干安く、お求めやすくなっております。

 目次 (カッコ内は執筆者)

第一章 世界を騒然とさせた「怪奇・超常現象」の真相

夢に現れる謎の男「THIS MAN」(本城)
ボリビアの怪人「シャドーマン」(横山)
マヤのピラミッドから伸びる光の柱(本城)
ウィツタブルのポルターガイスト(本城)
宮殿に現れた悪霊「グレイ・レディ」(本城)
警察官を襲う森の精霊「ノーム」(本城)
アポカリプティック・サウンドの謎(本城)
アルゼンチン「幽霊ブランコ」の怪(若島)

第二章 宇宙からの来訪者「UFO事件」の真相その1

黒騎士の衛星は実在するか?(寺薗)
「バナナTV」のUFOは本物か?(秋月)
地球製UFO「TR‐3B」の墜落写真(蒲田)
エルサレムのUFOビデオ(皆神)
大空を飛ぶ「不定形UFO」の正体は?(秋月)
ボイド・ブッシュマンの死の告白(加門)

第三章 人類の未来を見通す「大予言」の真相

世界情勢を予言する「イルミナティ・カード」(山本)
イルカの大量座礁死は大地震の前兆か?(山本)
ネットに広まる「ヒトラーの予言」(山本)
ゲリー・ボーネルの予言(山本)
ブルガリアの予言者「ババ・ヴァンガ」(羽仁)
タイタニック号沈没を予言していた小説(山本)

第四章 宇宙からの来訪者「UFO事件」の真相その2

太陽から給油する超巨大UFO(寺薗)
喜望峰に現れた空飛ぶ円盤の写真(本城)
タリバンを攻撃するUFO型戦闘機(羽仁)
「ロズウェル・スライド」の正体(蒲田)
実在した!? アメリカ空軍UFO調査機関(秋月)
パスカグーラUFOアブダクション事件(加門)

第五章 未知の怪生物と遭遇「UMA事件」の真相

コロラドの「スカイ・クリッター」(本城)
未知の巨大地底生物「トレマーズの死骸」(横山)
謎のミイラ「アタカマ・ヒューマノイド」(本城)
「遠野のカッパ伝説」の真相(皆神)
大発見! 人魚伝説の新たな真実(皆神)
海岸に打ち上げられたドラゴンの死骸(横山)
ウィンダミア湖の怪獣「ボウネッシー」(横山)
超巨大アナコンダとタコ宇宙起源説(横山)

第六章 歴史を変える大発見!?「超古代文明」の真相

ドワーフの都市マクハニックは実在する?(本城)
マンチェスター博物館の動くエジプト像(皆神)
太陽系を司る!? ニネヴェ定数の謎(山本)
死の連鎖が続く「アイスマンの呪い」(ナカイ)
「聖徳太子の地球儀」はオーパーツか?(藤野)
ドイツ・ボンの錆びない鉄柱(原田)
伊勢神宮の神鏡にヘブライ文字がある?(藤野)


 ご覧の通り、僕が担当したのは「イルミナティ・カード」「イルカの大量座礁死」「ヒトラーの予言」「ゲリー・ボーネル」「タイタニック号沈没を予言していた小説」「ニネヴェ定数」です。
「イルミナティ・カード」については、このブログでも何度も取り上げたし、別の本でも紹介したんですが、まだ真相を知らない人が多いんじゃないかと考え、もういっぺん取り上げることにしました。これ、単なる珍説というだけじゃなく、スティーブ・ジャクソン・ゲームズに対する誹謗中傷ですからね。デマを根絶するために、何度でも事実関係を説明しておく必要があると思いました。
「タイタニック号沈没を予言していた小説」は、2年前に同人誌に書いたネタを書き直したものです。
「ヒトラーの予言」は、五島勉氏の創作だってことが知られていないまま、事実であるかのように拡散してるんですよね。やっぱり誰かが真相を書いておくべきかと思いました。
 あと、ゲリー・ボーネル。何であんなに盛大に予言をはずしてきた人物がいまだに信じられているんでしょうか? 不思議でなりません。
「ニネヴェ定数」は前に志水一夫氏が『トンデモ超常現象99の真相』で取り上げていましたが、ツッコミ方が不十分だったので、今回は徹底的に書き直しました。なぜ「「195兆9552億」などという数字が誤訳によって生まれたのか、なぜそれが特別な数字に見えるのか、これを読めばすっきりすると思います。

  
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Posted by 山本弘 at 18:53Comments(2)オカルトPR

2015年12月12日

LiveWire「死霊のクリスマス ~ホラーとゲームを語る夜 」

山本弘のSF秘密基地LIVE#53

死霊のクリスマス ~ホラーとゲームを語る夜

 今月は新作『怪奇探偵リジー&クリスタル』(角川書店)およびASIOS『「新」怪奇現象41の真相』(彩図社)出版にちなみ、怪奇特集です。作家・ゲームデザイナーの友野詳氏をゲストに迎え、若い頃から親しんできたマンガ、小説、映画、テレビドラマなどのホラー作品の魅力や、それらを創作にどう反映させているかといった裏話を語り合います。妖怪の話もいっぱい。『妖魔夜行』『クトゥルフの呼び声』『ゴーストハンター』などのホラー・ゲームの話題もいろいろ。妖怪の好きな方、ゲームの好きな方、クリスマスは怖い話で盛り上がりましょう!

[出演] 山本弘 友野詳

[日時] 2015年12月25日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] ¥1,500
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

チケットのご予約はコチラ↓
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=96140959
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 久しぶりに友野くんにゲストに来ていただくことになりました。知る人ぞ知るホラーマニアで、聞いたこともないようなゾンビ映画を山ほど観まくっている男です。
 先日、グループSNEの忘年会で会った時に、トークのだいたいの方向性でも決めておこうと思って、「みんなが食いつく話題って何だろう? 『事件記者コルチャック』あたり?」「いや、『コルチャック』はマイナーでしょ」とか、いろいろ話したんですが、結論は出ませんでした。どんな話が受けるのか予想がつかない。『コルチャック』がマイナーだったら『悪魔の手ざわり』とか『真夜中の恐怖』とかはどうなるんだと(笑)。
『悪魔の手ざわり』はまだマニアの間では名が知られてるんですけど、『狼女の香り』とかになると、SNEの内輪でも「何それ?」とか言われたりします。いや、好きなんですけどね、どれも。
 とりあえず、先日亡くなられた水木しげる先生の話を枕に、好きなホラーマンガとか、ドラマや映画やゲームの話題を語ってゆくつもりです。お楽しみに!
  
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Posted by 山本弘 at 18:23Comments(3)オカルト特撮PR映画ゲーム

2015年05月11日

新連載『怪奇探偵リジー&クリスタル』

 角川書店の電子書籍マガジン『文芸カドカワ』にて、今月号から連載開始しました。


 時は第二次大戦前の1938年。ロサンゼルスの女性私立探偵エリザベス・コルト(通称リジー)と助手の少女クリスタルのコンビが、毎回、怪奇な事件を捜査するというシリーズ。

 第1話「まっぷたつの美女」は、当時流行していたパルプマガジンの猟奇的な表紙絵に見立てた惨殺事件が起きるという話。

 第2話「二千七百秒の牢獄」は、当時ユニバーサルが製作した幻の特撮映画(もちろんフィクションですけど) をめぐる奇談。

 分かる人には分かると思いますが、『事件記者コルチャック』みたいな話をやってみたかったんですよ。主人公が毎回、いろんなパターンの怪奇事件に遭遇する話。
 あと、『ドクター・フー』とか『トーチウッド』とか『秘密指令S』とかのイギリスの変な番組ってけっこう好きなんで、ああいうノリもやってみたい。
 本当にオカルト現象が起きる話もあれば、合理的に解決する話もあります。タイムトラベラーなどのSF的なガジェットが出てくる話も予定してます。まあ、『コルチャック』だって宇宙人とかロボットとか出てきましたからね。 逆に幽霊とか吸血鬼みたいな、ありきたりの「怪奇」は出ません。
 ジャンルにこだわらず、その回の話がミステリなのかホラーなのかSFなのか読んでみないと分からない、自由奔放でごった煮のようなシリーズにしていきたいです。

 ちなみに、「怪奇探偵」という言葉には二重の意味があります。怪奇な事件を扱うという意味と、探偵自身が怪奇という意味と。
 たとえば、助手のクリスタル。『ゴーストハンターRPG』のシナリオ「月光のクリスタル」を知ってる方なら、最初から正体が分かると思います。そうです、あのキャラクターの設定、流用しました。
 リジーもかなり怪奇なキャラクターなんですけどね。それは読んでのお楽しみってことで。

 あと、基本は「エロとグロ」(笑)。

 エロいシーンとグロいシーンをなるべく入れようと思ってます。特にエロ。毎回、二人のヒロインのどっちかが(あるいは両方が)必ず脱ぎます!
 とにかく徹底的にB級を、それも最高に面白いB級を目指してます。
  


Posted by 山本弘 at 17:32Comments(4)SFオカルトPR レトロ

2015年01月09日

ビブリオバトル・チャンプ本『ゲームウォーズ』

 先月26日のLiveWire「ビブリオバトルをやってみよう」は成功でした。応援を頼んだ鋼鉄サンボくんや、阪大の菊池誠先生、神戸大学の学生さんらの協力もあり、ビブリオバトルの実演が盛り上がりました。
 紹介されたのは次の4冊。

小田雅弘『模型歳時記』(トイズプレス)
吉川浩満『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社)
高野秀行『幻獣ムベンベを追え』(集英社)
アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』(SBクリエイティブ)

 どれも面白そうだ!
 僕が投票したのは、鋼鉄サンボくんが持ってきた『模型歳時記』。いやー、『理不尽な進化』『幻獣ムベンベを追え』も前から評判は聞いていて、読もうと思ってはいたんですけどね、やっぱりストリームベースの小田さんのエッセイ集ときたら、読むしかないでしょ!
 結果は僅差で、僕の紹介した『ゲームウォーズ』がチャンプ本になりました。本当はもっと大差つけて勝つつもりでいたんだけどなあ。

 というわけで、チャンプ本になった記念に、『ゲームウォーズ』の内容を紹介いたします。できるだけビブリオバトルの雰囲気を出すために、会場で喋った内容を可能な限り思い出して再現してみました。

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 どうも、今日は勝ちに来ました!
 というのも、この本はすごく面白い! 読み終わって何日も興奮が収まらなかった。そんなすごい本なんです。冷静に紹介してなんかいられない。エキサイトさせていただきます。
 アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』。近未来を舞台にしたSFです。
 時は2041年。〈オアシス〉というバーチャル・ゲームが全世界に普及しています。単なるゲームじゃなく、すでにインターネットはほとんど〈オアシス〉と一体化しています。たとえば学校教育なんかも〈オアシス〉が使われている。生徒は自分の家にいながら、仮想空間の学校に通って勉強ができる。そういう時代なんです。
 そんな時、〈オアシス〉の開発者である天才プログラマーのハリデーという男が亡くなります。彼は死の直前に遺言を残していて、その映像が全世界に流れます。その遺言というのは──
「私の資産、総額2400億ドルを1人の人物に譲る」
 彼は〈オアシス〉のどこかに〈卵〉を隠した。いわゆる「イースター・エッグ」というやつですね。それを手に入れた者が遺産を受け継ぐことができるんです。

 さあ、このあたりでもう、頭の中に『ONE PIECE』のOPのナレーションが流れてきて(笑)、盛り上がってくるわけですが。
 当然、世界中の人間が〈卵〉探しに熱中します。〈卵〉を手に入れるためには3つの鍵が必要で、まずその鍵を見つけなくちゃいけないんですが、それがなかなか見つからない
 というのも、〈オアシス〉の世界はとんでもなく広いんです。何千というワールドがあって、それぞれに何十もの惑星がある。行き当たりばったりに探したって見つかるわけがない。ハリデーの遺したヒントを解かなくちゃいけないんです。
 ここで重要なのが、ハリデーは1972年生まれだという設定。つまり1980年代に少年時代と青年時代を過ごした。おまけに、がちがちのオタクです。
 だもんで、ハリデーの遺した謎を解くためには、80年代サブカルチャー──ビデオゲーム、TRPG、映画、ドラマ、音楽、アニメとかに関する膨大な知識が要求されるんです。

 ここに登場するのが主人公のウェイドという少年、高校生です。かわいそうな身の上なんですよ。両親を早くに亡くして、おばさんに引き取られてるんですけど、貧乏だからトレーラー・ハウスに住んでる。社会の最下層の人間です。でも、オタクなんです。ゲームに課金とかできないから、〈オアシス〉の中でも、ただで遊べる古いゲームばかりプレイしてる。
 そのウェイドが、あるきっかけで、最初の鍵を発見するんです。たちまちネットの世界で有名人になってしまいまして、〈卵〉の争奪戦に巻きこまれます。
 当然、悪役も出てきます。IOIという世界的大企業が、ハリデーの資産と〈オアシス〉の乗っ取りを企んで、〈卵〉を先に手に入れようと卑劣な工作を仕掛けてきます。目的のためなら平然と人殺しもするような、ほんとに悪い連中なんです。
 ウェイドは頼りになる仲間とともに、現実世界でIOIの陰謀から逃れながら、仮想空間で宝を探します。もちろんバトルもありますし、ヒロインとのロマンスもあります。だからこれはSFなんですけど、『宝島』のような、財宝をめぐる昔ながらのアドベンチャーでもあるんですね。
 で、やっぱりこの小説の魅力は、山のように詰めこまれた70年代や80年代のゲームや映画に関するトリビアです。それが謎を解く鍵になってる。たとえば最初の鍵のありかですけど、『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』の初期のモジュールの中にヒントが隠されてたりします。
 ネタバレになるから詳しくは話せないんですが、下巻の展開をちょっとだけ。
 クライマックス。ゲーム世界の命運をかけた一大決戦。IOIの軍団がたてこもる〈オアシス〉の中の惑星に、IOIに立ち向かう世界中のゲーマーが集結してる。その戦場に主人公が赴くんですよ。巨大ロボットに乗って。その巨大ロボットというのが──

 レオパルドンです!

 いや、ほんと。ブレスレットに向かって「チェンジ・マーベラー!」と叫ぶと、ちゃんとマーベラーに変形するんですよ。
 その最終決戦がまた、とんでもないことになってるんですけど、それは読んでのお楽しみということにしておきます。
 この小説、すでに映画化が決定してまして、監督を探してるところなんだそうですけど、でも、これを映像化しようとしたら……

 東映と東宝と円谷プロとダイナミックプロとサンライズにどんだけ版権料払わなあかんのかなと(笑)。

 でも、見たい! このクライマックス・シーンはぜひ映像化してほしい! そんな夢の詰まった作品です。

【質疑応答】
Q.私は80年代のサブカルに詳しくないんですが、楽しめますか?
A.作中にいちいち「これはこういうもので」という解説が入りますんで、理解するのに支障はないと思います。僕も正直、音楽関係のことはぜんぜん分からないんですけど、それでも楽しめましたから。

Q.主人公の冒険は仮想世界の中がメインなんですか?
A.現実の世界でIOIの魔の手から逃れながら、並行してゲーム世界での冒険も繰り広げます。現実世界とゲーム世界の比率が半々ぐらいですかね。

Q.仮想空間に入るのは、やっぱり脳にジャックインとかして?
A.いえ、インプラントとかは必要なくて、基本的にヘッドマウントディスプレイとグローブを使用します。現代の延長線上の技術ですね。

Q.サイバーパンクなんですか?
A.サイバーではあるけどパンクじゃないですね。




【補足】
 何で主人公がレオパルドンを持ってるかというと、そのひとつ前のミッションで、クリヤーするとご褒美に好きな巨大ロボットを一台もらえるんですよ。
 ガンダムやマジンガーやエヴァンゲリオンがずらっと並ぶ中、主人公が迷わず選んだのがレオパルドン! 素晴らしすぎます。

 下は台湾のSharksDenというイラストレーターが描いたファンアート。公式のイラストじゃありません。

http://sharksden.deviantart.com/art/Ready-Player-One-423782453

 冗談抜きで、こんなシーンがあるんですよ!

 ちなみに映画の監督はクリストファー・ノーランがオファーされてるらしいんだけど……うーん、ノーランじゃ何か違うかも。