2016年06月06日

また『幻解!超常ファイル』に出ます。

 BSプレミアム6月9日(木)放送です。
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http://www4.nhk.or.jp/darkside/
午後9時00分~ 午後10時00分
幻解!超常ファイル17「超能力捜査の謎&究極UFO解析バトル」
アメリカ直撃取材!未解決事件を解き明かす超能力捜査はホンモノか?全米の警察が証言した衝撃の実態とは?▽究極の映像分析バトル!未解明UFOにプロ解析チームが挑む!

“光と闇”の栗山千明が超常現象の謎に迫る、シリーズ最新作!▽「ターゲットはここにいる!」未解決事件の犯人や行方不明者を“遠隔透視”で探る超能力捜査。本場アメリカを緊急取材!超能力者は本当に事件を解決しているのか?刑事たちの衝撃証言で意外なからくりが明らかに!▽これは隠しておきたかった!番組スタッフが解明できなかったUFO映像に、究極解析チームが挑む!ホンモノかニセモノか?前代未聞の映像分析バトル!

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 今回、僕が出演するのは前半の「超能力捜査の謎」。
 テレビの超能力捜査番組がなぜ的中しているように見えるのかを検証するというものなんですが、スタッフの方は僕の著書『超能力番組を10倍楽しむ本』を参考にされていました。

 東京に行った時に、事前に打ち合わせしました。資料も提供したんですが、さすがに民放の番組名は具体的に出せないので、どう取り扱えばいいかと悩んでおられた様子。そこで僕が「こういう実験をやってみたら」と提案したところ、それが受け入れられて、やっていただけました。
 どんな実験かは観てのお楽しみに。正直、うまくいくかどうかあまり自信なかったんですが、結果はかなり劇的なものになりましたよ。

  


2015年11月14日

「このエピソードがおすすめ! 勝手に『ミステリー・ゾーン』傑作選」

山本弘のSF秘密基地LIVE#52
このエピソードがおすすめ! 勝手に『ミステリー・ゾーン』傑作選

 アシェット・コレクション・ジャパンの〈ミステリー・ゾーンDVDコレクション〉が、旧シリーズ分56巻を消化し、『新トワイライト・ゾーン』に突入しました。これを記念し、今回は『ミステリー・ゾーン』の魅力を徹底的に語る特集です。
 1959年に放映開始されたSF・ホラー・ファンタジーのアンソロジー番組。番組クリエイターで名脚本家であるロッド・サーリングをはじめ、リチャード・マシスン、チャールズ・ボーモント、ジョージ・クレイトン・ジョンソンといった作家たちが紡ぎだした、5シーズン全156本のエピソードから、〈問題作〉〈びっくりする話〉〈こわい話〉〈笑える話〉〈泣ける話〉を選び出して紹介します。「狂った太陽」「2万フィートの戦慄」「子供の世界」などの名作はもちろん、日本での未放映エピソードまで。この2時間のトークで『ミステリー・ゾーン』のすべてが分かります!

[出演] 山本弘

[日時] 2015年11月27日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 前売り¥1,500- 当日¥2,000-
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

チケットのご予約はコチラ↓
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=95224733

もしくは紅鶴・白鯨へメールで
namba_hakugei999@yahoo.co.jp
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 今の人には「『世にも奇妙な物語』の元ネタ」と言った方が早いのでしょうか? でも、古いからといって甘く見てほしくないんですよ。半世紀以上も前の番組なのに、今観てもまったく遜色がない。それどころか、扱われている題材が、現代の目で観ると逆に面白かったりするんです。

 たとえば「人形の家で」というエピソードは、本物の女性とつき合ったことのないマザコンの男が、博物館に展示された人形の家に飾られた小さな女性の人形に恋をするという話。このまま現代日本に移し替えてリメイクしてもいけるんじゃないでしょうか?
「悪意の果て」は、自分を正義だと思いこんでる男の話。世の中にいるいろんな悪人(と彼が考える人)のことを調べ上げ、上司に「あいつはアカです。辞めさせなさい」と密告の電話をかけたり、ただ一度のミスで患者を死なせた医師を執拗に糾弾し続けたり……これ、現代のネット社会の方がリアリティあるんでは?
 この他にも、「疑惑」「生と死の世界」「鏡」「暗闇の男」「暗黒の死刑台」など、人間の心の闇を描いたシリアスな社会派のエピソードがいくつも。特にサーリングの脚本は、台詞の緊張感が素晴らしくて、同じ創作を生業とする者として感心させられます。

 ホラーの秀作もいろいろ。マシスン脚本では「2万フィートの戦慄」が有名だけど、「遠来の客」「亡き母の招き」あたりもかなり怖い。 「夢の中に消えた男」は、今回のDVD化で初めて目にしたエピソードなんですが、『謎の円盤UFO』の「謎の発狂石」の元ネタこれか!? とビックリしました。
 ロッド・サーリングもけっこう怖い話が上手くて、やはり今回のDVD化で初めて目にした「誰かが何処かで間違えた」(マシスンの原作をサーリングが脚色)「ヒッチハイカー」「めぐりあい」などはどれも秀作。じわじわと不安をかきたてていって、最後のシーンでぞっとさせるというテクニックが絶品です。血しぶきもモンスターも出さなくても、ホラーはいくらでも創れるんですな。
「ヒッチハイカー」なんて途中でオチが読めちゃうんだけど、その予想通りのオチにたどりつく瞬間の怖さときたらもう……「子供の世界」もそうだけど、「これは子供の頃に観なくて良かった!」と思いましたわ、痛切に(笑)。こんなの子供の頃に観てたらトラウマになる。
 その一方で、マシスンは「すべては彼の意のままに」、サーリングは「西部劇作法」みたいな大バカなコメディも書いてたりするんで、もうこの人たちの才能には脱帽するしかありません。
 あと、もちろん、「弱き者の聖夜」「8時間の奇蹟」「遠い道」などの、感動するエピソードもいろいろ。

 今回はそうした『ミステリー・ゾーン』の魅力を存分に語ろうと思っています。DVDに収録されなかった「ふくろうの河」「対決」などの幻のエピソードも紹介します。
 なお、オチが命の作品に関しては、オチまで語りません。この機会に、ぜひDVDを買って実物を観ていただきたいと思っていますので。
  


Posted by 山本弘 at 17:59Comments(2)PR レトロテレビ番組

2015年10月12日

『六花の勇者』で考えたこと

注・ネタバレはありません。

 今年夏のアニメで、個人的にいちばん面白かったのが『六花の勇者』。
 古来より、魔神が復活する時に現われるという伝説の6人の勇者。選ばれた者は身体のどこかに六花の紋様が浮かび上がる。
 また魔神復活の時が迫り、新たに勇者たちが集まってくる。だが、森の中の神殿で、何者かが作動させた結界の中に閉じこめられ、脱出できなくなる。
 しかも集まった勇者はなぜか7人。結界は内部から作動させることしかできず、7人目は魔神に味方する偽者である疑いが濃い。だが、いったい誰なのか?

 ファンタジーものの定番の「魔神の復活」「選ばれた勇者」という設定を利用した犯人当てミステリ。閉ざされた状況下で、誰が犯人か分からず登場人物が互いに疑心暗鬼に陥るという、『そして誰もいなくなった』以来の王道の設定なんだけど、それをファンタジーでやったのが面白い。
 最後に犯人を指し示す決定的証拠が唐突に出てくるのは、ややアンフェアだと思うけど、そこに至るまでのサスペンス、結界の作動方法のトリックの解明は、きっちりミステリの手順を踏んでいた。特殊能力を何も持たないアドレットが、7人目だと疑われて窮地に陥るも、知識と論理で謎を解いて危機を打破するという構成は見事。
 さらに、最終話を見てあっと驚いたのはエンディング。基本的に第1話のEDと同じものなんだけど、7人目が誰かを知ってから見ると、あるカットの意味が違って見える! いや、これには恐れ入りました。

 放映の翌日、さっそく原作1巻を買ってきて読んだ。 以前から評判は耳にしていたのだが、アニメ化すると聞いた時から、アニメが終わるまで読むのを待とうと思っていたのだ。
 今回の1クールは原作の1巻だけを使っているというのは知っていたのだが、読んでみて驚いたのは、アニメがびっくりするほど原作に忠実だったこと。 どのシーンも台詞もほとんど原作にあるもので(一部、アレンジはされているけど)、何も足してないし何も引いていない。

 ネットでは「展開が遅い」という批判もある。
 それは当然だ。ライトノベルのアニメ化といったら、1巻の内容を3話か4話ぐらいでやるのが普通だ(『ニャル子さん』など、たった2話だった)。当然、冗長な台詞とか、アニメにしてもあまり面白くないくだりとかは、ばっさりカットされる。
 それに対し、『六花の勇者』は、1巻のストーリーを12話かけてやった。だから当然、ラノベのアニメ化を見慣れた層からは、「遅い」と思われるだろう。
 でも、この作品に関しては、それはしかたがないことなのだ。ミステリである以上、下手に改変できない。伏線を削るわけにいかないのはもちろん、些細なシーンでもミスディレクションとして機能している場合がある。だからカットせずに、原作に忠実に描くのが正解なのだ。

 もっとも、アニメならではの面白さもある。特に戦闘シーン。第一話から炸裂する自称「地上最強の男」アドレットの繰り出すトリックプレイをはじめ、ナッシェタニアが無から生み出す剣、チャモの能力の気色悪さなど、絵的にすごく面白いものに仕上がっていて、毎回、興奮した。
 あと、美術が凝っている。アステカ文明あたりがモチーフらしいが、これまでの中世ヨーロッパ風のファンタジー世界とは一味違う雰囲気だ。
 これはまったく理想的なアニメ化だ。

 このアニメが楽しめない層というのは、そもそも、これがミステリだということを理解してないんじゃないかという気がする。「さっさと魔神を倒しに行け」とかいう感想を見ると、特にそう思う。
 たとえて言うなら、『孤独のグルメ』に対して「飯ばっかり食ってないで仕事しろ」と文句つけてるような、そんな印象があるのだ。
 確かに第一話だけ観たら、王道のファンタジー・アニメだと誰でも思うだろう。それを期待していたら、そういう作品じゃなかったので裏切られた、という不満もあるんだろう。 それは分かる。
 でも、考えてみてほしい。

『新世紀エヴァンゲリオン』にしても、『魔法少女まどか☆マギカ』にしても、最初からああいうアニメだと思ってましたか?
『涼宮ハルヒの憂鬱』もそうだし、最近だと『がっこうぐらし!』もそう。原作を読んでいない人、最初からああいう話だと思ってましたか?
 途中で、「えっ? これってそんなアニメだったのか」と気づいて、見る目を変えたんじゃないですか?

 たとえて言うなら、レストランでメニューを見て、「こういう料理だろう」と予想して注文したけど、イメージしたのと違う料理が出てきたようなもの。
 それでも美味しければいいはずだ。

 作り手は常に読者や視聴者の期待通りの料理を出さなきゃいけないわけじゃない。期待を裏切ってもいい。失望させてもいい。その失望を上回る面白さを見せればいいのだ。
  


2014年12月11日

NHKバリバラ ドラマ「悪夢」

 先日、再放送で視聴した。

「悪夢」
http://www.nhk.or.jp/baribara/special/akumu.html
 
 いやー、すごいドラマだった。
 素晴らしかった。 絶賛しておく。

 ストーリーは、こちらのレビューを参考にしていただきたい。

バリバラ「悪夢」レビュー ~障害者ドラマを超えた何か~
http://togetter.com/li/754668#c1700249

 実は僕はこのレビューを読んで、再放送を観てみようという気になったのである。うまく後半のネタバレを伏せてくれているのもありがたかった。
 公式サイトでも触れられていないし、この人も触れていないけど、主人公をはげますマキちゃんという明るい少女(少年? どっちだかよく分からない)の存在が大きい。劇中でどんな役割を果たすのかは、それこそネタバレになるから書けないけど。

 さて、公式サイトでは「ハートフルコメディー」ということになってるけど、正直言ってあまり笑えない。扱っているテーマがシリアスで重いということもあるけど、こわいシーンがいくつもあるからだ。

 特にこわいのは、統合失調症の主人公(ハウス加賀谷)がいつも苦しめられている幻覚「シロイヒト」。
 特撮も何も使わず、昼間の普通の商店街を、裸で白塗りの男たちがのたのたと歩いてくるというシュールな映像。通行人は誰もそれに気がつかない。
 手抜きのように思えるかもしれないけど、これはリアルな表現なんである。幻覚というのは(まだ見たことはないけど)、多くの場合、現実と同じぐらい存在感があるのだそうだ。実際にそこにいるかのように思える。だから特撮なんか使うとかえってぶち壊しなんである。
 幻覚のために奇行に走る主人公。しかし、周囲の健常者にはそれが見えないから、何をやってるか分からない。そのギャップがうまく表現されている。
 しかも幻覚と現実の区別がつかないというのが、ちゃんとクライマックスの伏線になっている。
 ちなみに主演のハウス加賀谷自身、12歳の時から統合失調症を発症しており、彼の実体験も作中に反映されているのだそうだ。

 で、やっぱり素晴らしいと思えたのは、「健常者お断り」と書かれた障害者だけが集まる店の描写。
 本物の障害者(脚がない人、顔が変形している人、脳性まひの人、などなど)が大勢出演してるんだけど、最初こそ緊張するが、だんだん普通に見えてくるのだ。
 そうか、こんな風に普通に障害者を描いても良かったんだな。
 このへんはほんと、テレビのタブーを大胆に破ってくれて快感である。

 さらに秀逸なのは、この店に迷いこんだ主人公が、障害者たちにおびえ、「ここに普通の人はいないのか!?」と叫ぶところ。彼は明らかに障害者に対する差別意識を持っている。
 同じ台詞を健常者に言わせたら単に不快になるだけだけど、精神障害者である主人公に言わせるのだ。
 障害者を扱ったドラマというと、差別表現回避に過敏になるあまり、障害者を無垢な存在として描きがちなんだけど、ここでは障害者でさえ差別意識を持っていることを示すことで、逆に障害者も普通の人間であることを表現している。

 この脚本書いた人、ただ者じゃない!

 少なくとも、この表現方法は僕には思いつかなかった。いや、思いついても「これ、やっていいの?」と悩んだと思う。

 そこに現われた謎の男が、主人公に「食べれば障害が治る」という不思議な果実を渡す。ただし、副作用として、過去の記憶を失う。
 障害に苦しみながら生きるか、それとも記憶を失うか。
 この二者択一が秀逸で、特にクライマックスで大きな意味を持ってくる。

 で、ラスト。
 一見するとハッピーエンドのように見えるけど、「ほんとにそれでいいの?」と視聴者に考えさせる、そんなもやもやした結末になっている。
 安易な結論は出ないし、出しちゃいけない──そこまで考えて作っている。

 ぜひ多くの人に観てほしい。再々放送、もしくはソフト化を熱望する。
  
タグ :障害者NHK


Posted by 山本弘 at 12:33Comments(9)テレビ番組

2010年07月13日

人類が消えるとキムチの蓋が音を立てる?

 最近、僕が毎週見ている番組のひとつが、テレ東系の『空から日本を見てみよう』である。
 タイトル通り、日本各地を空中撮影で紹介する番組。変わった形の建物やモニュメント、変わったことをやっている人を見つけては、地上での取材で、それがどういうものなのかを紹介する。
 先日の放送では茨城県を空から紹介。ばかでかい牛久大仏や、ダイダラボッチ像、鵜飼いに使うウミウを捕獲する意外な方法、鉄の圧延工程などを紹介していて、なかなか面白かった。知的好奇心を刺激する、かと言ってシリアスすぎない、気軽に楽しめる娯楽番組なんである。

 チーフプロデューサーへのインタビューが興味深い。
http://www.tvco.tv/interview/?action=detail&id=160

>ただ、ちょっとうれしいリアクションがあって。「日光」の回の“分計”(毎分ごとの視聴率)で下がってた部分の全てが、日光を紹介するときには必ず取上げるところだった。つまり東照宮とか、いわゆる観光名所ですよ。「他番組でもよくやってるからいいよ、君達はヘンなもの探して来いよ」って視聴者から言われてる気がして。これはある意味視聴者からの応援だと思ってます。それで今は「ここは押さえておこう」とか「そろそろグルメスポット入れとくか」みたいな、よくある小賢しいテレビマン的なものの考え方にとらわれずに番組作りができるようになっていますね。

 ああ、それは分かる。日光で東照宮、要らんわ。

 しかし、けっこう手間がかかってるんだな。空撮も1テイクではないだろうとは思っていたが、平均5テイクも撮っていたとは驚いた。その手間を感じさせないところが、またいいんだけど。
 さらに、この番組が楽しめる大きな理由がある。

 スタジオでのタレントのトークがないのだ。

 番組は、くもじい(伊武雅刀)とくもみ(柳原可奈子)というキャラクターのかけ合い、それにナレーターによる簡潔な解説で進む。くもじいもくもみも、番組の最初から最後まで、 声だけで淡々と紹介を続ける。
 のんびりとした雰囲気なのだが、次から次に名スポット珍スポットが紹介されるもんで、見ていて飽きる暇がない。
 裏番組の『奇跡体験!アンビリバボー』との最大の違いは、山場になるたびにスタジオでのタレントのトークをはさんで、番組を寸断したりしないこと。

『アンビリバボー』だけじゃない。『ザ・ベストハウス123』『世界まる見え!テレビ特捜部』『ザ!世界仰天ニュース』……ああいうの見てて、イライラすることありません?
 何で合間にタレントのトークを入れなくちゃいかんの?
 いや、タレントがメインの番組なら別にかまわないんだけど、明らかにVTRがメインでタレントはおまけ。なのに、そのVTRを途中で何度もぶった切って、ありきたりの感想を述べ合ったり、「○○さんは何か××したことありますか?」などと、番組内容と無関係なタレントの体験談を語らせたり、あるいはクイズやゲームで時間を潰し、せっかく盛り上がったテンションを落としてくれるんである。
 まあ、『アンビリバボー』や『世界仰天ニュース』の場合、スタッフの用意したVTRだけでは尺が持たないんで、トークで水増ししてるかな……という気がするんだが。
 でも、『世界まる見え』に、トークとかゲームとかは必要なのか?
 正直言って、ビートたけしや所ジョージ目当てで『世界まる見え』を見ている人って、あんまりいないんじゃなかろうか? メインはあくまで海外の面白い番組の紹介なんだから、トークを削ってその番組を1分でも2分でも長く見せてくれよ、と思う。
 最近は番組改編期に、世界の衝撃映像や珍事件を集めた特番をよくやる。それらもたいてい、タレントが出てきて、適当なコメントを述べ合い、時には寒いギャグを飛ばしたりする。その部分がものすごく退屈だ。
 僕はそういう番組を見る場合、ビデオに録画して、タレントの出てくる部分は早送りですっ飛ばす。ストレスが軽減できて、時間の短縮にもなる。

 最近、腹が立ったのは、日本テレビ系で6月28日に放映された『人類ZEROの未来!』という番組。
 ヒストリーチャンネルが制作した『LIFE AFTER PEOPLE』と、イギリスで制作された『THE FUTURE IS WILD』という2本の科学ドキュメンタリーを編集した番組。前者は人類が消滅したら文明はどのように崩壊してゆくかをシミュレートしたもの。後者は未来の地球の生物がどのように進化するかを想像したもの。どちらも前にケーブルテレビで見たが、なかなか面白い番組である。

 そのままの形で放映されていれば。

 やっぱりね、寸断するんだよ、タレントのしょーもないトークやクイズで。世界の有名なランドマークを五つぐらい見せて、「この中で最も長く残るのはどれでしょう」とかいうクイズをやるんだよ。
 いや、クイズなんかいらんから! 先を見せろよ先を!
 そもそも何でタレントを呼ぶの? 「上田晋也とテリー伊藤が出てるから見なくちゃ」なんて思う視聴者いないだろ!(笑)

 さらに最低だったのは、東京から人間が消えたらどうなるかを、日本でスタッフが撮り足したVTRである。
『LIFE AFTER PEOPLE』は、多くの専門家の助言を仰いだり、都市が自然に浸食されて崩壊してゆく過程をCGでシミュレートしたり、手間と金をかけて作っている。ところが、日本のスタッフが作るとどうなるか。
 まず予算をかけない。CGなんか使わない。
 舞台は一軒の焼き肉屋である。たぶんスタッフの行きつけの店なんじゃないかしらん。(笑)
 人間が消えた店内で、肉が網の上でじゅうじゅうと焼けている。「人間がいなくなるとこの店内で何が起きるだろうか」というナレーション。
 なんと、厨房にあるキムチの容器の蓋が持ち上がっては元に戻り、パックンパックンと音を立てはじめるのである。
 どうして? 人間がいなくなると、キムチが発酵して二酸化炭素が発生し、容器内の圧力が上がって、蓋が持ち上がるというのだ。

 あのさ(笑)。

 それって常温で何日とか何週間とか放置しておいたら、圧力が上がってそうなるってことだよね? しかもいったん蓋が持ち上がったら、二酸化炭素が抜けてしまい、また圧力が上がるまで何日もかかるはずだよね?
 でも、画面上では、網の上の肉がまだ焦げてもいない。つまり人間が消えて数分しか経っていないはずなのである。なのに、キムチの蓋が動き出しているのだ。パックンパックンと。
 つまりこの番組のスタッフは、人間がいなくなったとたん、キムチはものすごい勢いで発酵しはじめると思っているのだ!
 ここまで科学知識も論理的思考力も欠如したスタッフが番組を作ってるかと思うと、頭がくらくらしてくる。だいたい、キムチ以外に注目するところあるだろうが。
 さらに、人の消えたコンビニにゴキブリが現われるシーンもすごかった。
 スタッフは本物のゴキブリを使わなかった。CGも使わなかった。なんと、棒の先にゴキブリのおもちゃをつけたものを、手でへろへろと動かしてみせただけ!
 ヒストリーチャンネルが作った部分とのすさまじい落差に、またもくらくら。腹が立って、もうその先は見なかった。
 こんな非科学的でしょぼい映像を追加することは、オリジナルへの冒涜である。

 もうね、日本で撮り足さなくていいから! タレント出さなくていいから!
 ディスカバリーチャンネルやヒストリーチャンネルやナショナルジオグラフィックで作った番組を買ってきて、そのまま放送してくれればいいから! その方がタレントのギャラが浮いて安上がりだし、あんたらだってその方が楽でしょうが。
 ディスカバリーチャンネルの『怪しい伝説』なんて、地上波でゴールデンで放送したら、きっとかなりの視聴率が取れると思うよ。だって日本の同種のバラエティ番組よりはるかに面白いもの。

 なぜ日本のテレビ局はそうしないのか? 
 いろいろ理由を考えたんだけど、やっぱり「俺たちがこの番組を作ってるんだ」というスタッフの意地というか、見栄なんじゃないかという気がする。
 違うと思うぞ。番組が面白いのは、あんたらの力じゃなく、オリジナルの番組を作った海外のスタッフの功績だぞ。
 まして『人類ZEROの未来!』みたいに、オリジナルの番組に不必要なものをつけ足して改悪する行為に、僕は何の正当性も認めない。

 その点、『空から日本を見てみよう』は、タレントのトークで水増しをしたりせず、さくさくと番組が進む(CMが入るのはしかたないけど)。たったそれだけで、見る側のストレスがずいぶん軽減されるのだ。

http://www.tv-tokyo.co.jp/sorakara/

 おお、次回(7月15日放送)は「ゆりかもめ」だ。絶対見なくちゃ!
  


Posted by 山本弘 at 16:48Comments(19)テレビ番組