2017年09月06日

『ビーバップ!ハイヒール』出演裏話

 番組の放映から1週間が経ったので、番組の裏側をお話ししましょう。

https://www.asahi.co.jp/be-bop/

「常識を超越している。科学的に説明不可能。そんな言葉に騙されてはいけません」
「超常現象の多くには、調べてみると意外な真相が隠されています」

 これは僕が考えたんじゃなく、台本に書いてあった台詞です。当たり前ですけど、こういう「かっこつけた台詞」は、あらかじめ台本で決められていて、出演者はその通りに喋ることを要求されるんです。もちろん、あまりにも自分の意図と違う場合は改変させてもらいますけど。
 この場合も、言い回しがなんか僕の言いたいことと違うので、何箇所か修正をお願いしましたが、だいたい台本通りに喋ってます。
 もっとも、トチって何度もリテイクしましたけどね(笑)。台本通りに喋るのってすごく苦手。あと、自分の演技力のなさにがっくりきます。まったく棒読みです。

 このシーンで画面にちらっと映る本の一冊は、ポピュラサイエンス臨時増刊、ジェラルド・ハードの『地球は狙われている』(講談社・1951)。〈BISビブリオバトル部〉の2巻『幽霊なんて怖くない』に出したので、ご存知の方も多いのでは?

 あと、パソコンのキーを叩いているシーンが映りますけど、実はあそこはテレビ局の会議室で撮影されています。ノートパソコンも僕のじゃなく、スタッフの私物。おまけにロックがかかっていて、キーを叩いても画面に文字は出ません(笑)。叩いてるふりをしてるだけです。
 小説家がこんな風にバラエティ番組に出演する時には、必ずと言っていいほど、パソコンで何かを打っているふりをさせられるんです。僕なんかもう何回やらされたことか。小説家の仕事風景のつもりなんでしょうが、当たり前ですけど、すべてヤラセです。TV局の取材が来てるのに、その前で仕事する小説家なんていません(笑)。
 学者の方の場合、分厚い本を読んでいるカットがよく映りますよね。こんな映像に何の意味があるのかなと、いつも疑問に思うんですが。

 たむらけんじがスペインで撮影したUFOの話。放映ではカットされてますけど、実は彼はかなりしつこかった!
 僕が「手ぶれでしょ?」と言うと、僕の席まで来て、スマホの画面を見せつけるんですよ。「これは絶対に手ぶれじゃありません」と、力強く。でも、僕は相手にしませんでした。
 というのも、その直前、「(手ぶれしないように)がっつりと脇を締めて」と撮影の模様を実演しているまさにその瞬間、彼の手が動いているのを目にしちゃったからです(笑)。でも、彼は自分の手が動いていたことにまったく気がついていませんでした。
 だからUFOを目撃した瞬間もそうだったんでしょう。本人は「スマホを固定していた」と思いこんでるけど、実際は興奮して揺れてたんじゃないかと。

 UFOの正体については、「凧じゃないですか」と推理を口にしました。海外にはLEDのついた凧があって、日本でも2011年に荒川で、それがUFOと誤認されて騒ぎになってるんです。それに似てるなと。でも、そこもカットです
https://www.youtube.com/watch?v=8754uaV_h_c
 あと、大晦日のカウントダウンの最中に撮影されたというのもひっかかります。カウントダウンの時には、他にも住民がいろんなものを飛ばしてるんじゃないでしょうか? 凧が飛んでいてもおかしくない気がします。
 まあ、正体が分からないという点では、まさにUFO(未確認飛行物体)ではあるんですが。

 お分かりでしょうけど、番組中で紹介されている謎解きは、ほとんど僕がやったものじゃありません。海外のニュースから拾ってきたネタや、ASIOSのメンバーが解明したやつばかりです。
 例外は最初から2番目の「トワイライト・フェノメノン」。あれはフジテレビの『ザ・ベストハウス123』で放映されたネタなんですが、当時、番組が終わった直後にすぐにインターネットで検索かけたら、2時間ほどで、日時や場所、原因から、なんというロケットかまで、すっかり特定できました。
 テレビでは「謎」と呼ばれていても、実はその程度の調査で真相が判明することが多いんです。ほとんどの人は、そんな調査をやらないだけで。

 三田光一の念写した「月の裏側」。
 僕はこの時、写真の背景の星空を指差して、江川達也氏に「これランダムじゃなく、手で打ってますよね?」と話を振りました。マンガでは星空を描く場合、黒いバックにブラシにつけたホワイトを散らすのが普通です。マンガ家さんならこの星の分布の不自然さにすぐ気がつくだろうと。
 実際、江川さんも「手で描いてますよね」と同意してくださったんですが、そこもカットされました。


 ノストラダムスの話だけは、僕の方からスタッフに、「このネタは受けるんじゃないんですか」と提案したもの。案の定、「五島勉」という人名は具体的に出せませんでしたし、構成は向こうにおまかせしたので、再現ドラマの考証がいろいろおかしいんですが、「実はインチキでした」というのは視聴者に伝わったと思います。
 オイルショックやトイレットペーパー騒ぎなんてものがあったことは、今の若い人は知らないでしょうし。

 ちなみに今発売中の『RikaTan(理科の探検)』という雑誌の10月号に、『ノストラダムスの大予言』という本のインチキを解説した記事を載せています。興味のある方はお読みいただければ幸いです。

 というわけで、どうにか本番は乗り切れた……思ってたんですが、最後の最後でハプニングが。「奥様は超常現象というのを信じておられるんですか」という質問を振られて、嘘をつくわけにもいかず、「我が家のトイレにドイツの幽霊がいる」という話をするはめになっちゃいました(笑)。
 前にも本に書きましたけど、妻は実は霊媒体質なんですよ。幽霊は見えないけど感じられるんだそうで。新婚直後、妻は友人たちとドイツに観光にいったんですが、帰ってからしばらくして「トイレに幽霊がいる」という話をしだしたんですよ。たぶん古城観光に行ったんで、その時についてきたらしいと。
 ドイツの古城の幽霊! それはかなり由緒正しい奴なんでは?
 妻の話によれば、特に悪い霊ではなかったらしく、お祓いをすることもなく、気がつくとどっかに行ったらしいんですけどね。

 その後、さらに放送ではカットされた部分があります。
「お子さんはどう思ってらっしゃるんですか?」と問われて、またも「娘も小さい頃は妖精さんや幽霊さんが見える子で……」という話をしちゃいました。
 いや、ほんと。小学校に入る前までは、当たり前のように妖精が見えてたり、亡くなったお祖父ちゃんが見えたりする子だったんですよ。今はもう大人になって、見えなくなってますけど。
 たぶん子供というのは誰でも、小さい頃は「見えない友達」がいるんじゃないかと思うんですよ。大きくなるにつれて見えなくなって、忘れてゆくだけで。

 というわけで、僕は家ではオカルトに関しては寛容なスタンスを貫いています。「そんなの見えたってたいしたことないよね」と。
 ですから我が家は、結婚以来20年以上、とても平和です。

  


2017年08月28日

テレビに出演します

 8月31日(木)にテレビに出演します。
 朝日放送の『ビーバップ・ハイヒール』という番組です。
 関西ローカルですが、放送から7日以内なら見逃し配信がありますので、他の地方の方でもご覧になれるはずです。
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2017年08月31日(木)よる11時17分
驚愕ミステリー~超常現象の謎を解け!
https://www.asahi.co.jp/be-bop/

UFOや呪い、超人など、不思議に満ちた“超常現象”の謎を解き、真相を解明する!
髪の毛が伸びる日本人形の真相とは!?衝撃の超常現象の謎を解く!
日本中を恐怖の渦に陥れた「ノストラダムスの大予言」!だが、外国人はほとんど知らなかった!なぜ、日本人だけが信じてしまったのか!?

(中略)

出演者

ハイヒール(リンゴ・モモコ)
筒井康隆、江川達也
たむらけんじ
大野聡美(ABCアナウンサー)
ブラックマヨネーズ(小杉・吉田)
女性ゲスト:岡田紗佳
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 最初にちょっと経緯を説明しておくと、朝日放送のスタッフは、僕も所属しているASIOSの『謎解き 超常現象』のシリーズを読んで、会に連絡を取って来られたんです。僕が関西在住ということで、ASIOSを代表して出演することになりました。
 ただ、番組の構成としては、毎回、一人の専門家をゲストに呼んで話を聞くというものなので、ASIOSについてほとんど触れられませんでした。なんか僕一人で調査してるかのように誤解されるかもしれませんけど、本当はみんなでやってるんですよ。

 あと、番組中で扱われる超常現象は、ASIOSの本の内容などを基に番組スタッフが選んだものです。だから僕が関わっていないエピソードもあります。
 あくまでバラエティ番組なので、現象を解明する再現ビデオなども、コント風に笑いを取れるように作られています。ご了承願います。

 僕の方から提供したネタは「ノストラダムスの大予言」です。
 さすがに五島勉氏の名前は出せませんでしたが、『ノストラダムスの大予言』という本の真相について、バラエティ番組の中で言及されることは珍しいんじゃないかと思います。90年代のテレビのバラエティ番組って、ノストラダムスの予言で視聴者を怖がらせるものばっかりでしたしね(笑)。
 ただ、「外国人はほとんど知らなかった!」「日本人だけが信じてしまった」というのはさすがに大げさです。日本ほどではないけど、海外でもけっこうノストラダムス本は出ていますから。僕は「ここは違うよな」と思ってスタッフにそう言ったんですが、すでに台本に書かれちゃってたんで(笑)。ただ、他の国と違い、日本でのブームが異常だったのは確かなんですが。
  


Posted by 山本弘 at 20:32Comments(5)オカルトPRテレビ番組

2017年08月24日

海外SF・ホラードラマの“戦うヒロイン”の魅力を語ろう

Live Wire17.8.31(木) なんば紅鶴|山本弘のSF秘密基地LIVE#71

海外SF・ホラードラマの“戦うヒロイン”の魅力を語ろう

 今回のテーマはSFヒロイン! 海外ドラマ研究家の松岡秀治氏をゲストに迎え、最近、映画にもなった『ワンダーウーマン』にちなみ、海外SF・ホラードラマに登場した戦うヒロインたちの魅力について語ります。リンダ・カーター版の『ワンダーウーマン』をはじめ、『バイオニック・ジェミー』『バフィー~恋する十字架~』『チャームド~魔女3姉妹~』など、日本でも話題になった作品から、『マイティ・アイシス』『ブラック・スコーピオン』『闘姫ジーナ』など、日本ではあまり知られていない作品群まで、SFヒロインが総登場! お楽しみに!

 なお、いつもは毎月最終金曜日ですが、今月は31日(木曜日)です。お間違えなく。

[出演] 山本弘、松岡秀治

[日時] 2017年8月31日(木) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)(地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円  
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)


 ご予約はこちらへ。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=120756205

 今回のゲストは松岡秀治さん。ご存知の方も多いでしょうが、ものすごく濃い海外ドラマ研究家です。僕でもついていけない濃い話題が炸裂することと思います。お楽しみに!
  


Posted by 山本弘 at 22:29Comments(1)SFPRテレビ番組

2017年04月07日

『世にも不思議な怪奇ドラマの世界』発売記念イベント

『世にも不思議な怪奇ドラマの世界』(洋泉社)の発売を記念して、大阪と東京の2箇所でトークイベントをやります。
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Live Wire 17.4.27(木) なんば紅鶴|山本弘のSF秘密基地LIVE#67
山本弘のSF秘密基地LIVE#67
懐かしの海外SFドラマの世界


 今月は『世にも不思議な怪奇ドラマの世界 「ミステリー・ゾーン」「世にも不思議な物語」研究読本』(洋泉社)発売にちなんで、懐かしの海外ドラマの特集です。海外ドラマ研究家の松岡秀治さんをゲストにお招きし、60~70年代、日本のお茶の間のブラウン管を賑わせた海外ドラマの数々、特にSFやファンタジーを中心に語ります。
『ミッション:インポッシブル』の原作の『スパイ大作戦』って、実はけっこうSFだった?
 ジョージ・リーヴス版の『スーパーマン』って、どんな話だったの?
 他にも『ミステリー・ゾーン』はもちろん、『インベーダー』『奥さまは魔女』『タイムトンネル』『原潜シービュー号』などなど、名前だけは有名だけど、内容があまり語られない番組や、『セイント/天国野郎』『スパイのライセンス』『秘密指令S』『CSI』などの中のSF風エピソードについて、思い出を熱く語りまくります。お楽しみに!
 いつもは最終金曜日ですが、今月は最終木曜日です。お間違えなく。


[出演] 山本弘、松岡秀治(海外ドラマ研究家)

[日時] 2017年4月27日(木) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円  
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

 ご予約はこちらへ。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=115433691


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Live Wire 17.5.5(金/祝) 山本弘のSF秘密基地LIVE 東京出張編#5
山本弘のSF秘密基地LIVE 東京出張編#5
怖いこどもの日・『ミステリー・ゾーン』と海外怪奇SFドラマの世界

 いつもは大阪でやっている「山本弘のSF秘密基地LIVE」。今月は東京に出張いたします。
 新刊『世にも不思議な怪奇ドラマの世界』(洋泉社)出版にちなんで、伝説のSF・ホラー・ファンタジー番組『ミステリー・ゾーン』を中心に、懐かしの海外SFドラマの魅力をたっぷりと語ります。お楽しみに。


[出演] 山本弘

[日時] 2017年5月5日(金/祝) 開場・19:00 開始・19:30 (約2時間を予定)

[会場] Live Wire HIGH VOLTAGE CAFE
     東京都新宿区新宿5丁目12-1 新宿氷業ビル3F (1F割烹「いちりん」右階段上がる) (Googleマップ)
    ・都営新宿線「新宿3丁目」駅 C6~8出口から徒歩5分
    ・丸ノ内線・副都心線「新宿3丁目」駅 B2出口から徒歩8分
    ・JR線「新宿」駅 東口から徒歩12分
 
[料金] 1500円 (当日券500円up)

※終演後にフリーフード&フリードリンクの懇親会を開催します(21:00終了予定。出演者は参加できない場合があります)。参加費は3500円です。懇親会参加者には、入場時にウェルカムの1ドリンクをプレゼント。参加希望の方はオプションの「懇親会」の項目を「参加する」に変更してお申し込みください。参加費も一緒にお支払いただきます。
 
※懇親会に参加されない方は、当日受付時に別途1ドリンク代500円が必要となります。(2ドリンク購入の場合は100円引きの900円とお得です)

ご予約はこちらへ
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=115803915
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 二箇所のイベント、ちょっとだけ内容が違います。まあ、喋る内容はだいたい同じなんですが(笑)。
 なんば紅鶴の方のイベントは、今度の本を担当していただいた洋泉社の編集さんに、ジョージ・リーヴス版『スーパーマン』の変なエピソード(「スーパーマン製造機」とか「人間電送機」とか)を語ったら、けっこう受けたんで、イベントで話しても受けるんじゃないかと思ってます。
 あと、『スパイ大作戦』って、実はタイムスリップ起こしたり大地震起こしたり第三次世界大戦起こしたり(もちろんトリックで)、けっこうSF的な話が多かったと思うんですよ。今の『ミッション:インポッシブル』しか知らない人には、かなり意外な話じゃないかと思います。
  
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Posted by 山本弘 at 19:39Comments(3)SF特撮PR レトロテレビ番組

2017年04月07日

新刊『世にも不思議な怪奇ドラマの世界』


山本 弘 (著), 尾之上 浩司 (監修)
『世にも不思議な怪奇ドラマの世界』
洋泉社 1944円+税


アメリカの伝説のオカルト番組『世にも不思議な物語』と、怪奇・SF・ファンタジーのアンソロジー番組『ミステリー・ゾーン』、日本の人気番組『世にも奇妙な物語』に大きな影響を与えた、伝説の番組を徹底解説したディープなガイドブック!『ミステリー・ゾーン』の未訳短編「家宝の瓶」(The Man in the Bottle)も特別収録!

 こちらも新刊です。前に出した同人誌2冊を合本にしたもの。
 同人誌の原稿を少し書き直すだけでいいかな……と侮ってたんですが、かなり書き直すはめになりました。
 やっばり力を入れたのは『ミステリー・ゾーン』です。近年、昔の外国番組を扱った本やムックはたくさん出てるんですが、『事件記者コルチャック』とかについては詳しく書かれていても、なぜか『ミステリー・ゾーン』の紹介がすっぽり抜けてるんですね。ほんの数行しか触れられていなくて、内容がさっぱり分からない。これじゃ『ミステリー・ゾーン』の素晴らしさがまったく伝わりません。
 本当に面白い番組だったんだから!
 何と言っても注目していただきたいのは脚本。全エピソードの半分以上を書いたクリエイターのロッド・サーリングの才能は言うまでもありませんが、リチャード・マシスン、チャールズ・ボーモント、レイ・ブラッドベリらの書いた話も素晴らしい。もちろん、中には駄作や凡作もありますが、傑作率がきわめて高いんです。
「誰かが何処かで間違えた」「ヒッチハイカー」「めぐりあい」「マネキン」「遠来の客」「No.22の暗示」「亡き母の招き」「消えた少女」「二万フィートの戦慄」などの、ものすごく怖い話。
「過去を求めて」「奇蹟」「トランペットに憑かれた男」「弱き者の聖夜」「縄」「幻の砂丘」などの泣ける人情話。
「奇妙な奈落」「みにくい顔」「合成人間の家」「生きている仮面」などの、ラストがショッキングな話。
「疑惑」「悪意の果て」「日本軍の洞窟」「暗黒の死刑台」などの、強い問題提起を含んだ話。
 第3シーズンの「到着」「生と死の世界」「遠い道」「栄光の報酬」「鏡」「墓」「子供の世界」「亡霊裁判」「狂った太陽」なんて並びは傑作ぞろいで、もう神がかってますね。
 この本では、それらのエピソードをすべて解説しています。
 あと、スタッフの紹介。脚本家陣だけじゃなく、演出家もすごい人が揃ってたんですよ。ドン・シーゲル、バズ・キューリック、リチャード・C・サラフィアン、ジャック・スマイト、ボリス・セーガル、リチャード・ドナー……『遊星よりの物体X』や『宇宙水爆戦』の監督までいたとは、調べてみるまで気がつきませんでした。
 本国での放映日はもちろん、日本での放映日のリストも掲載。だいぶ前に『宇宙船』にも載ってたんですが、間違いだらけで使いものにならなかったんで、新たに調べ直しました。原作のあるエピソードについては、原作のリストもつけました。

 もちろん『ミステリー・ゾーン』だけじゃなく、『世にも不思議な物語』も全エピソードを解説しています。
 データ面はもちろん、僕の評論「僕らはみんなメープル通りに住んでいる」も掲載。あと、レノア・ブレッソンの『世にも不思議な物語』やJ・マイケル・ストラジンスキーの『新トワイライトゾーン』を訳された尾之上浩司さんには、未訳のノヴェライズ「家宝の瓶」を訳していただきました。
 これ一冊あれば、『世にも不思議な物語』と『ミステリー・ゾーン』はほぼ網羅できると自負しております。これからDVDを買われる方のガイドブックとしても最適です。
 半世紀以上前にこんな素晴らしい番組があったことを、多くの人に知っていただければと思います。


   


Posted by 山本弘 at 19:09Comments(2)SF特撮PR レトロテレビ番組

2016年11月18日

僕たちの好きだった80年代アニメ Part.4

山本弘のSF秘密基地LIVE#63
僕たちの好きだった80年代アニメ Part.4

 1980年代──アニメがまだセルに描かれていた時代。でもストーリーや表現の面では、急速に新しい波が押し寄せ、激動の時期を迎えていました。
 山本弘と鋼鉄サンボ、いい歳してアニメが大好きな二人が、あの時代を振り返り、様々な作品の思い出話や裏話、マニアックなトリビアを熱く語りまくるという連続企画。時代は1985年に突入。OVAも爆発的に増加。いよいよあの作品やあの作品も登場します。あなたも懐かしさと恥ずかしさをこめて振り返ってみませんか?


[出演] 山本弘、鋼鉄サンボ

[日時] 2016年11月25日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円  
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください。

 詳しい情報、およびご予約はこちらへ。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=109171105

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 このシリーズ、もう3回やったんですが、ようやく1985年にまで到達しました。まだ半分か!?(笑) あと3回ぐらいはやらなくちゃいけないみたいです。
 でもね、自分で言うのもなんだけど、こうやって昔のアニメの話をするのってすごく面白い! 劇場アニメ、TVアニメ、OVAを各年ごとに振り返ってゆくんですが、「そうそう、この年にこれが公開されたんだよね」とか「あったあったこんなビデオ!」とか、懐かしさでいっぱいです。『軽井沢シンドローム』の最初のやつは、シャワーシーンになると実写になるんだけど、不評だったので後で全部アニメになったバージョンが出たとか(笑)、こんな話なんかいくらでもできます。
 だいたいほとんど打ち合わせせずにアドリブで話すんですか、今回は話しているうち、僕も鋼鉄サンボくんも『マジカルエミ』のファンだったことが判明。
「何も起きない話がいいよねー」
 と、意見が一致しました。
 知らない人は信じられないかもしれないけど、『マジカルエミ』はたまに大きな事件が何も起きない日常描写だけの回があって、それが下手にドラマのある回より面白いんですよ。普通に日常描写だけで30分、退屈させずに見せちゃう。後で出たOVA『蝉時雨』もやっぱり何も起きない話で、「これが『エミ』だよね!」と大満足でした。

 あとね、この時代でいちばん日本のアニメ界に最も衝撃を与えた作品は『トランスフォーマー』じゃないかという気がします。
 だって『エルガイム』とか『Zガンダム』とか『ボトムズ』とかが当たってた頃ですよ? 巨大ロボというのは人が操縦する兵器で、ロボットアニメはシリアスな戦争ものが常識だった時代(『超力ロボ ガラット』なんてギャグ作品もあったけど、いまいち受けなかった)に、いきなり口をもごもご動かして喋るロボットがアメリカからやってきた衝撃ときたら!(笑) カルチャーショックでした。
 当時、ハマりましたよ、『トランスフォーマー』。同人誌出しちゃったぐらいで。デタラメな話ばっかりだったんだけど、逆に「アニメってこんな自由で良かったんだ!」と思い知らされた気がします。TFがなかったら、のちの勇者シリーズとかもなかっただろうし。ロボットアニメの流れを劇的に変えたという気がします。
 さあ、次はいよいよ『ポップチェイサー』あたりが出るかな……。
  


Posted by 山本弘 at 20:00Comments(1)PRアニメテレビ番組

2016年08月11日

コミケ直前情報:『ミステリー・ゾーン』徹底解説

 今年の夏コミのブースは、土曜日(13日)東パ-21b「心はいつも15才」。
 新刊は

『ミステリー・ゾーン』徹底解説


 半世紀前に作られた伝説のSF・ホラー・ファンタジー番組。メイン・ライターのロッド・サーリングはもちろん、レイ・ブラッドベリ、リチャード・マシスン、チャールズ・ボーモントらが脚本を手がけた傑作アンソロジー・ドラマを徹底的に解説。
 全話ストーリー・ガイド(一部を除いてネタバレなし)はもちろん、脚本家と演出家のリスト、日本での放映リスト、翻訳のある原作リスト、幻のエピソード、特撮シーン、登場する怪人・宇宙人、評論「僕らはみんなメープル通りに住んでいる」など、マニアのための1冊!


 あとがきでも愚痴ったんだけど、今、海外ドラマに関する本は日本でたくさん出ているのに、そのどれも、『ミステリー・ゾーン』について、ほんの数行しか触れてないんですよ。まあ『スタートレック』や『謎の円盤UFO』あたりに負けるのはしかたないけど、『事件記者コルチャック』や『悪魔の手ざわり』よりも扱いが小さいなんて信じられない。
 だから今の日本人、プロの作家でさえ、『世にも奇妙な物語』は知っていても、その元ネタである『ミステリー・ゾーン』は知らない。

 あんなにすごい番組だったのに!
 あんなに大きな影響与えたのに!

 それが悔しくて、いったいどういう番組だったのか、その魅力や見どころを現代に語り継ぐ同人誌を作りました。
 B5判、180ページ!
 がんばりすぎだ自分!(笑)

 だって、好きなエピソードがいっぱいあるんだもの。
 ホラーなら「誰かが何処かで間違えた」「ヒッチハイカー」「めぐりあい」「マネキン」「遠来の客」「墓」「No.22の暗示」「亡き母の招き」「二万フィートの戦慄」などなど。
 泣ける感動作なら、「過去を求めて」「弱き者の聖夜」「縄」「遠い道」……もう「遠い道」なんて、何度見てもラストで泣けちゃうんですよ。
「沈黙の世界」「到着」「狂った太陽」「奇妙な奈落」あたりは、最後のすごいどんでん返しに仰天するし、逆に「みにくい顔」「合成人間の家」「生きている仮面」あたりは、オチが途中で読めるけどやっぱり衝撃的だし。
「子供の世界」なんて、原作(ジェローム・ビクスビイの「今日も上天気」)をよくぞここまで見事にアレンジしたなと感心するしかありません。クライマックスで悲鳴あげそうになりましたよ。
 あと、「疑惑」「生と死の世界」「亡霊裁判」「日本軍の洞窟」「暗闇の男」などにこめられた強烈な問題意識。今、こんな重いテーマで、なおかつ面白い話を書ける作家や脚本家が何人いるか。

 とにかく、半世紀前の番組とはいえ、とんでもなくレベルが高くて、今見ても古くない。十分すぎるほど面白いんですよ。
 こんな番組が忘れられるなんて、あってはならない──そう強く思います。

 執筆の途中、資料を調べていて、番組のトリビアもいろいろ知ったんだけど、どこまで入れるかは悩みましたね。やっぱりマニア的に見て面白いものに厳選しようと。
 たとえば演出陣。ドン・シーゲルやリチャード・ドナーやジャック・スマイトが演出してたのは知ってたけど、『キャット・ピープル』や『遊星よりの物体X』や『宇宙水爆戦』の監督がいたっていうのは、恥ずかしながら、今回初めて知りました。そう言えば『宇宙水爆戦』って特撮は注目してたけど監督の名前覚えてなかった(笑)。

 下は裏表紙。この意味、分かる人なら分かりますよね?

  


Posted by 山本弘 at 14:50Comments(13)SFPRコミケテレビ番組

2016年08月06日

「イルミナティカード」でテレビに出たのはいいけれど……

 これまでこのブログや本で何度も「イルミナティカード」(正式名称「Illuminati: New World Order」)の嘘を暴いてきた。

http://hirorin.otaden.jp/e164900.html
http://hirorin.otaden.jp/e175801.html
http://hirorin.otaden.jp/e258455.html
http://hirorin.otaden.jp/e261607.html

http://www.asios.org/books.html#b14


 こんなデマが広がったら危険だな……とは思っていたが、まさか大量虐殺をやる奴まで現れるとは、まったく予想外だった。
 この手紙のことが報じられたら、僕はすぐにツイッターでも情報を流した。

大量虐殺事件の容疑者が言及していた「イルミナティカード」とは何か?
http://togetter.com/li/1005428

 それを見たらしく、TBSから取材が来た。
 以下は7月29日放映のTBS『ニュース23』の内容。TBSの動画ニュースから引用させていただいた。(現在は掲載期間が終了したので削除)



障害者19人殺害 “犯行予告”に同封の紙入手

 植松容疑者が衆議院議長にあてた犯行予告ともとれる手紙には、7枚の紙が同封されていました。不可思議なカードが印刷されているものが5枚、イラストが2枚。「NEWS23」が独自に入手しました。
 障害者施設の入所者19人が殺害された事件で逮捕された植松容疑者。「イルミナティ」と書かれたカードにどんな意味が。

 「イルミナティが作られたイルミナティカードを勉強させていただきました」(植松容疑者が衆院議長に送った手紙より)

 イルミナティとは秘密結社の名称のこと。この「イルミナティ・カード」を持っている人物に私たちは接触することができました。SF作家でゲームに詳しい山本弘氏。アメリカで90年代に発売されたカードゲームで、秘密結社同士が組織の拡大を競い合うゲームだと説明します。しかし・・・

 「もう何年も前からカードが秘密結社の“陰謀の計画書”というばかな説が流れている」(SF作家 山本弘氏)

 きっかけは、2001年のアメリカ同時多発テロでした。

 「カードの中にニューヨークのツインタワーが爆発する絵がある。それを見た人が“現実の予言”と騒ぎ、注目を集めた。陰謀論者が“世界征服をたくらむ陰謀組織の計画書だ”と・・・ありえない」(SF作家 山本弘氏)

 植松容疑者が衆議院議長にあてた手紙。その中に、まさにそのカードのコピーも含まれていました。

 「隕石衝突、疫病、飢餓・・・あらゆる災害や事件のカードがある。現実と一致するのは当たり前」(SF作家 山本弘氏)

 一方、植松容疑者が議長にあてた手紙には、ゲームの中で“伝説の指導者”とされる人物のカードも。彼に自らを重ねたのか、指導者の名前「BOB」の文字を独自の解釈で「4013」と読み替えた上で、逆さから自分の名前と同じ「サ・ト・シ」と読んでいました。

 「私の名前はサトシです。2月15日に気が付き、愕然としました。今こそ革命を行い、全人類の為に必要不可欠である辛い決断をする時だと考えます」(植松容疑者が衆院議長に送った手紙より)

 植松容疑者は、イルミナティ・カードに勝手な解釈を加え、実際にはあり得ない陰謀論の世界に入り込んでいたのでしょうか。

 「陰謀論を信じると非常に都合がよい。自分に不利な情報が出てきても陰謀組織がばらまいたデマと言える。自分の世界が完全無欠になる」(SF作家 山本弘氏)

 背景を説明しておくと、「イルミナティカード」の件で『ニュース23』から急に取材の申し込みが来たのは、7月29日。
 その日は東京創元社「第7回創元SF短編賞贈呈式+トークイベント」のために東京に行っていた。イベント前に創元社の会議室で大森望氏らと雑談をしていたら、早川書房経由でTBSから電話がかかってきた。
 その日は、これもたまたま『SPA!』からも同じ件で問い合わせがあって、インタビューの予定があったもんで、実物を見せた方がいいだろうと、僕が所有しているINWOのスターター・キットを家から持っていっていた。(結局、『SPA!』は電話インタビューになったので、使わなかった)
 電話が来てから30分ほどして、TBSのスタッフが僕の泊まっているホテルにやってきて、ホテルの一室を借りて撮影を行なった。 インタビューのためにわざわざ部屋を借りるというのは初めて知った。

 けっこういろいろ喋ったんだけど、放映を見てがっかり。多少はカットされるのは覚悟してたけど、いちばん大事な部分がばっさり切られてる!

「これはスティーブ・ジャクソン・ゲームズが作った、陰謀論をパロディにしたトレーディング・カードゲームです」

 僕は何回も何回もそう説明したんだけどなあ。そこがいちばん重要だよねえ?
 あと、こうも言ったよ。

「こんな事件が起きたからって、ゲームをバッシングするのはやめてほしい。ゲーム会社も、ゲームで遊んでいる人たちも、これが冗談ゲームだと分かってて楽しんでるんですから。ゲームのことを何も知らない人間が勝手に騒いでるだけなんです」

 でも、そこもカット。
 これではたしてINWOについての正しい知識が視聴者に伝わったんだろうか? あの番組内容じゃ、TCGであることすら分からないんじゃないかと思うんだが。
 これを機会に、テレビを使って、INWOをめぐるデマを徹底的に潰したいと思ってたんだけど、これではちょっと難しいかも。

 なぜカットされたのか?
 実はディレクターさん自身が、TCGというものをまったく知らなかったんである。僕が「『ポケモンカードゲーム』とか『遊戯王』みたいなもんです」と説明しても、きょとんとしてた。
 どうも自分に理解できないから、視聴者にも理解できないと思ってカットしたんじゃないかと思う。
 そう言えば、フジテレビがこの植松容疑者の手紙のことをニュースで報じた時、なぜか「イルミナティ」「イルミナティカード」という箇所を黒く塗りつぶしてあったんだそうだ。なぜ塗りつぶしたのか? ネットではなんか深読みしている人が多かったけど、僕が思うに、理由は簡単。
 フジテレビのディレクターも、「イルミナティカード」って何なのかまったく理解できなかったんだと思う。それで万が一、登録商標か何かで抗議が来るとまずいと考えて消したんだろう。
 消すんだったら「フリーメーソン」の方だろって思うんだけど。イルミナティは実在しないけど、フリーメーソンは実在の団体だぞ!

 もちろん僕はTBSのディレクターに、TCGについて説明し、さらにスティーブ・ジャクソン・ゲームズの『トゥーン』とか『ニンジャバーガー』についても説明し、グループSNEにいた頃に『GURPS』関係の仕事をしてたから無関係というわけでもないと語った。

「そのがーぷすというのもカードゲームなんですか?」
「いや、これはテーブルトークRPGで……」

 そこから今度はテーブルトークRPGについても解説するはめに!(笑) あー、めんどくせえ! でも、もちろんそこもカットされた。

 他にも植松容疑者の手紙には、「18」という数字に注目してる箇所があった。僕が「ははあ、なるほど18ですね」と納得していたら、「18って何か意味があるんですか?」と訊かれた。「6+6+6。獣の数字666ですよ」と説明したんだけど……。

 ディレクター氏、「666」も知らない!

「ヨハネ黙示録の中に出てくる数字で……」と説明したけど、どうもヨハネ黙示録自体、分かってないみたい。
 まあ、しかたないなあ。オカルトとかゲームとかに興味のない一般人の知識ってこんなものか……。
 そう言えば思い出した。21年前のオウム事件の時、マスコミ関係者で「ハルマゲドン」という言葉を知らない人がいたという話を。『幻魔大戦』がアニメになった時、テレビでさんざん「ハルマゲドン接近」って言ってたはずなのに。

 もっとも、マスコミ関係者がみんな無知というわけじゃない。他にも取材してきた新聞記者の方の中には、僕が「トレーディング・カードゲームって分かります?」と言うと「『遊戯王』みたいなやつですよね」と即答された方もいた。
 だからマスコミ関係者の中にも、知識のある人とない人がいるんだろう。


 ちなみにニュースの中に出てきた「伝説の指導者」ボブというのは、亜天才教会(Church of the SubGenius)という冗談宗教の教祖とされる人物。そのBOBを数字に置き換えて13013になってるわけ。

 植松容疑者は最初の1と3を足して4にし、「4013」にして、それを逆から読んで「3 10 4」=「さとし」にしていた。
 もちろん、そんなこじつけに何の意味もないのは言うまでもない。
 亜天才教会については、解説するのは面倒だし僕も詳しくないんで、ウィキペディアを読んでほしい。

https://en.wikipedia.org/wiki/Church_of_the_SubGenius

 アメリカには他にもこういう冗談宗教がいくつもある。

http://www.h7.dion.ne.jp/~samwyn/parorels.htm

「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」は日本でも本が出ていて有名。他にもINWOには、不和の女神エリスをシンボルとする「ディスコルディアン」も出てくる。

https://en.wikipedia.org/wiki/Discordianism

 こういうものを知らない日本人が多いのはしかたないけど、検索すれば一発で出るからね? 分からなかったら検索しようね。

【8月11日追記】
 同じ7月29日に、『SPA!』からも電話で取材を受けたことは書いたけど、『SPA!』8月9日号に載った記事を見てびっくり。
 僕がこのゲームのことを「IWNO」と言ったことになってる! それも2回も!

 いや、確かにINWO(イルミナティ:ニュー・ワールド・オーダー)と言ったよ、何度も。これじゃまるで僕が間違えたように見えるじゃないか。
 それに僕の知識も正確とは限らないし、電話越しでは聞き取りミスもあるかもしれないと思って、「詳しいことはスティーブ・ジャクソン・ゲームズのサイトに行けば書いてありますから読んでください」とも言ったはず。
 でも、この記者、ゲームの名前なんて基本的なことも間違えるってことは、結局、スティーブ・ジャクソン・ゲームズのサイトも見ずに記事を書いたってことだろう。
 信じられない。
 何で記事を書く前にその程度の手間をかけないんだ?
  


2016年06月18日

ドラマ『重版出来!』最終回

火曜ドラマ 重版出来!
http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/

 最近、めっきり地上波でドラマなんて観なくなってたんだけど、この番組だけは例外。毎週、欠かさず観てたし、録画もしてた。
 マンガと小説、ジャンルこそ違うけど、身につまされることが多かったから。

 人気出なくて打ち切り食らったこともあったし。
 いくら新作の企画を提出しても通らないこととか。
 後から出てきた新人にすごい勢いで追い抜かれていったことも何度もある。
 かと思えば、書店さんにプッシュしていただいて、サイン会開かせていただいたことも。
 だから登場人物たちの想いが痛いほど理解できる。

 世の中には「視聴率が裏番組に負けてた」とか言ってけなす奴がいるみたいだけど、そんなこと言ったら『宇宙戦艦ヤマト』だって裏の『ハイジ』に負けて打ち切られたんだし、『カリオストロの城』だって劇場公開時の成績はさんざんだったんだから。
 視聴率や観客動員数なんて、作品の良し悪しを計る指標にはならないんだよ。

 特に先日放送された最終話は、リアルタイムで視聴して、おおいに感動した。

#重版出来 最終回は三蔵山先生が魂の演説!エキストラ参加した漫画家も多数の大盛況【画像】
http://togetter.com/li/987572

 実は裏で努力していた五百旗頭さんのかっこ良さとか、中田伯のサイン会にアユちゃんが来るところとか、マンガ家になる夢を捨てて実家に帰った沼田が、三蔵山先生の受賞記念パーティに酒を搬入してくるところとかも良かったんだけど、やっぱり最高に盛り上がったのは三蔵山先生の受賞記念スピーチ!
 かっこ良すぎるよ、先生!
 第一話で「オワコン」と呼ばれ、落ちこんで引退も考えていた状態からの復活&再スタート宣言。熱い! 熱すぎる!
 観ながらぼろぼろ泣いちゃったよ、こんちくしょう!

 もちろんね、ドラマは現実じゃないことは分かってるんだよ。
 中田みたいに初連載でいきなり人気が爆発するなんてことは、現実になかなかない。
 三蔵山先生みたいに賞をもらえるマンガ家なんて、マンガ家全体のごくごく一部だよ。
 でも、現実にまったくないわけではない。
 夢みたいな話だけど、夢じゃない。ぎりぎり現実にある話。その微妙なバランス感覚、リアリティが見事なんである。

 特に中田の成功は、単に天性の才能ゆえじゃなく、連載を勝ち取るまでの、三蔵山先生の下でのアシスタント経験とか、心とのネームのやり取りの積み重ねとか、地味な部分がちゃんと描かれていたからこそ説得力がある。
 才能さえあれば人気が出るわけじゃないし、ベテランでも気を抜けば凋落してゆく。そんなシビアな世界。
 小説もマンガもね。

 だからこそ三蔵山先生のあの最後の大演説に心打たれちゃうんである。ああ、僕もがんばらなくちゃいけないなと。

 作家を続けてゆく勇気をもらいました。ありがとう。
  


Posted by 山本弘 at 19:27Comments(5)マンガテレビ番組

2016年06月18日

『幻解!超常ファイル』裏話

幻解!超常ファイル17「超能力捜査の謎&究極UFO解析バトル」
http://www4.nhk.or.jp/darkside/5/

 9日に放送したこの番組の裏側を少し。
 スタッフが仕事場に来られて、僕の出演シーンを撮影したのは5月23日なんですが、実は本編収録前、4月にスタッフの方と東京でお会いして、打ち合わせをやってます。
 向こうは僕の『超能力番組を10倍楽しむ本』を読んでおられて、あの本の内容をベースに番組を作れないかという話でした。
 ただ問題は、さすがに『FBI超能力捜査官』や『TVのチカラ』といった民放の番組名を具体的に出すことができないということ。
 どうやって番組名を出すことなく嘘を暴けるのか……と悩んだあげくに僕が提案したのが、『超能力番組を10倍楽しむ本』の中でやった実験──ある場所で選んだ10個のターゲットを、別の場所で探してみるというのを、番組内でやってみたら、というもの。
 いちおうあの実験は実際に自分でやってみたんだけど、はたして他の人が再現してうまくいくかどうかは自信がなかったんですよね。でも、スタッフがやってみたら、かなり劇的な結果になったと分かってひと安心。

 なぜ、あの手の番組の中では、デタラメな透視の結果を元にして行方不明者が見つかるのか?
 収録の際には、「あの手の番組内で見つかる行方不明者の多くは、仮名で、顔にもモザイクがかかっているから、はたして実在の人物なのか分からない」という話もしたんですが、そこはカットされました。
 収録前に、「他局の番組がインチキをやっていると番組内で断言するのはまずいんじゃないか」という話がNHKの局内で出ているという話は聞いてたんで、まあカットされるのは予想の範囲内でしたが。

 実際、『TVのチカラ』の中では、探偵の調査や一般からの情報によって行方不明者が見つかった例はあるけど、超能力者の透視が役立ったことは一度もない。
『FBI超能力捜査官』の場合、たとえば2007年の『FBI超能力捜査官 第12弾』で、「麒麟」の田村裕の行方不明の父親を見つけているけど、これもかなりのインチキ。
 マクモニーグルが透視した、田村の父親の居場所は、

・大阪のなんば駅の近く。
・近くに丸いビルと地下街がある。
・ピーチカラーの建物の3階。

 でも、実際に田村の父親が住んでいたのは、

・なんば駅から10km以上離れており
・近くに丸いビルも地下街もなく
・古い木造アパートの2階

 つまりマクモニーグルの透視は見事にはずれていたんだけど、番組中では、あたかも透視によって見つかったように編集されていたんですな。
 さらにスタッフは、ベージュ色の建物を、画面上で色を変えて「ピーチカラー」に見せかけただけではなく、「ピーチ色の建物ってあれじゃないですか?」「ああーっ! あれかねー」というわざとらしい芝居までやってみせていました。

 なお、田村の父親発見の回について詳しく知りたい方は、『と学会年鑑BROWN』を参照してください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4903063283


『幻解!超常ファイル』では、具体的に『FBI超能力捜査官』という番組名こそ出さなかったものの、『USO超能力捜査ファイル』という架空の超常番組を再現。その映像が見事に『FBI超能力捜査官』そのまんま!
 ナレーターの声や喋り方まで似せてるうえに、「あれじゃないですか、あれ?」「あれか」「クリーム色」というわざとらしい会話(これ、明らかに田村の父親の回のパロディだ!)、最後にモザイクのかかった依頼者が父親に手紙を書くところまで完璧!
 いやー、『幻解!超常ファイル』のスタッフの凝りように感心しましたわ。

 後半はUFO映像の話。
 あのロシアのUFO、僕は藤木文彦さんの分析で終わっちゃってると思うんですけどね。藤木さんの指摘の通り、目撃者が指している方向がUFOと一致していないのがおかしいし、撮影者が言っているように手持ちの携帯電話で撮影していたなら、移動するUFOを追ってパンしないって変。