2015年12月27日

『ガールズ&パンツァー劇場版』

[ストーリー]
 華道や茶道と並ぶ女子のたしなみとして、昔から「戦車道」が普及している世界。
 西住みほの率いる大洗女子学園戦車道チームは、全国大会で優勝。それを記念して、大洗市内では大規模なエキシビジョン・マッチが開催されていた。
 そんな時、一度は撤回されたはずの大洗女子学園廃校の話が再浮上。みほたち戦車道チームも愛する学園艦を追われ、山の上の廃校で共同生活を送ることに。
 文科省との交渉の末、大学選抜チームに勝利すれば、今度こそ廃校が撤回されることになる。大学選抜チームを率いるのは、西住流と並び称される島田流戦車道の家元の娘、天才少女・島田愛里寿。
 大洗女子学園のピンチに、聖グロリアーナ、サンダース、アンツィオ、プラウダ、黒森峰など、かつてのライバル校のチームも集結、30輌対30輌の大規模殲滅戦が開始される!

 もう3回観た。正月には4回目に行こうかと思っている。 まだ『スター・ウォーズ』行ってないのに。
 実はテレビ版はそんなにハマってたわけじゃない。DVDも買ってないし、アンツィオ校の話もまだ観てないぐらい。
 でも、この劇場版はハマった!
 思わずBGM集、買っちゃいましたよ。各校のテーマが入ってるの。「ジョニーが凱旋するとき」とか「パンツァー・リート」とか。あと、ボコの歌も(笑)。
 特にエキシビジョンでプラウダ高校の戦車が登場するシーンで流れる「カチューシャ」は、やっぱり燃える。

 でね、これは絶対、劇場で観るべき!
 戦車のエンジン音、キャタピラ音、砲撃、爆発と、その音響効果は劇場でないと堪能できない。東京の立川シネマシティでは、最高の音響設備で「センシャラウンド ファイナル」による「極上爆音上映」というのをやってるんだそうで、これは東京に行く機会があったらぜひ行ってみたい。(冬コミの期間中は無理かも。人が多いだろうから)
 特に丘の上のシーンのあの大爆発は、普通の映画館(梅田ブルク)の音響でもビビったぐらいだから、さぞすごいだろうと思う。

 とにかく戦闘シーンがいい。血沸き肉躍る。
 前半の大洗での大市街戦も、テレビ版の総決算という感じで面白かったんだけど、後半の大学選抜チームとの殲滅戦がその何倍もすごい!
 単に撃ち合うだけじゃなく、頭脳戦が面白い。特にクライマックスの廃遊園地でのバトルは、奇抜なアイデアをものすごい密度で詰めこんでいて、楽しいったらない。ジェットコースターそう使うかとか、バイキングそう使うかとか。

 大勢のキャラクターにみんなきちんと見せ場を作ってるのもいい。
 劇場版で初登場の知波単学園は、前半では圧倒的な弱さを見せつける(笑)。とにかく突撃して散るのが伝統。もちろん、旧日本陸軍を皮肉った自虐ギャグなんだけど、後半、彼女たちがそれまでの戦い方をあらためてトリッキーな戦法を使いはじめてからは、見違えたように大活躍して大学チームを翻弄する。
 他にも印象的なのは、やはり初登場の継続高校。フィンランド軍の自走砲BT-42が、フィンランド民謡「サッキヤルヴェンポルッカ」をBGMに、軽快なフットワークで駆けまわる。この曲を戦闘シーンに流すってのは意表突かれました。
 模型店では今、BT-42がよく売れてるんだそうだ。分かるなあ。この映画観たら買いたくなるわ。今回、いちばんかっこいい戦車だもの。
 あとアンツィオ学園の思いがけない活躍も楽しいし、カチューシャの「撤退するわよ!」というシーンはちょっと泣かせる。

 そうして奮戦する大洗チームをものすごい勢いで屠ってゆく天才少女・愛里寿が、これまたかっこいい。
 クライマックスはその愛里寿と西住姉妹の壮絶なバトル。このへんはもう台詞すらほとんどなくて、3台の戦車が縦横無尽に走り回り、撃ちまくる。熱くなるしかない展開。

 戦闘のない中盤のシーンも、本来ならダレ場のはずなんだけど、ここも大洗のそれぞれのキャラクターの日常をこまめに描いていて、退屈しない。

 小ネタもいろいろ。「ミフネ作戦」というのは『1941』のことだろうし、選抜チームの隠し玉のアレにしても、『プラモ狂四郎』の対シミュレーションゲーマー編のオマージュじゃないかと思える。
 ほんとに細かいことなんだけど、神社のシーンで、怒ってるカチューシャの後ろでノンナが手を合わせてるのが、個人的にすごくおかしかった。戦車で境内に踏みこみはするけど、いちおう礼儀は欠かしてない(笑)。
 ノンナといえば、ノンナ(上坂すみれ)とクラーラ(ジェーニャ)のロシア語の会話はファンサービスだよね。それにしても、「ロシア語ぺらぺらでソ連戦車マニアの日本人声優」と「日本語ぺらぺらで父親がスペツナズ中佐のロシア人声優」がいるんだから、日本のアニメ界は人材豊富だ(笑)。

 アニメファンだけじゃなく、一般の映画ファンにもおすすめしたい。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にしびれた人なら、この映画にもしびれると思う。 冬休みにはぜひ。
 ちなみに、映画の冒頭に、設定とテレビ版のストーリーの解説があるので、初見の人でも支障はないと思う。分からない点は「特殊なカーボン」だと思っておけばいいから(笑)。

 というわけで、ガルパンはいいぞ!
  


Posted by 山本弘 at 17:42Comments(18)アニメ映画

2015年10月12日

『六花の勇者』で考えたこと

注・ネタバレはありません。

 今年夏のアニメで、個人的にいちばん面白かったのが『六花の勇者』。
 古来より、魔神が復活する時に現われるという伝説の6人の勇者。選ばれた者は身体のどこかに六花の紋様が浮かび上がる。
 また魔神復活の時が迫り、新たに勇者たちが集まってくる。だが、森の中の神殿で、何者かが作動させた結界の中に閉じこめられ、脱出できなくなる。
 しかも集まった勇者はなぜか7人。結界は内部から作動させることしかできず、7人目は魔神に味方する偽者である疑いが濃い。だが、いったい誰なのか?

 ファンタジーものの定番の「魔神の復活」「選ばれた勇者」という設定を利用した犯人当てミステリ。閉ざされた状況下で、誰が犯人か分からず登場人物が互いに疑心暗鬼に陥るという、『そして誰もいなくなった』以来の王道の設定なんだけど、それをファンタジーでやったのが面白い。
 最後に犯人を指し示す決定的証拠が唐突に出てくるのは、ややアンフェアだと思うけど、そこに至るまでのサスペンス、結界の作動方法のトリックの解明は、きっちりミステリの手順を踏んでいた。特殊能力を何も持たないアドレットが、7人目だと疑われて窮地に陥るも、知識と論理で謎を解いて危機を打破するという構成は見事。
 さらに、最終話を見てあっと驚いたのはエンディング。基本的に第1話のEDと同じものなんだけど、7人目が誰かを知ってから見ると、あるカットの意味が違って見える! いや、これには恐れ入りました。

 放映の翌日、さっそく原作1巻を買ってきて読んだ。 以前から評判は耳にしていたのだが、アニメ化すると聞いた時から、アニメが終わるまで読むのを待とうと思っていたのだ。
 今回の1クールは原作の1巻だけを使っているというのは知っていたのだが、読んでみて驚いたのは、アニメがびっくりするほど原作に忠実だったこと。 どのシーンも台詞もほとんど原作にあるもので(一部、アレンジはされているけど)、何も足してないし何も引いていない。

 ネットでは「展開が遅い」という批判もある。
 それは当然だ。ライトノベルのアニメ化といったら、1巻の内容を3話か4話ぐらいでやるのが普通だ(『ニャル子さん』など、たった2話だった)。当然、冗長な台詞とか、アニメにしてもあまり面白くないくだりとかは、ばっさりカットされる。
 それに対し、『六花の勇者』は、1巻のストーリーを12話かけてやった。だから当然、ラノベのアニメ化を見慣れた層からは、「遅い」と思われるだろう。
 でも、この作品に関しては、それはしかたがないことなのだ。ミステリである以上、下手に改変できない。伏線を削るわけにいかないのはもちろん、些細なシーンでもミスディレクションとして機能している場合がある。だからカットせずに、原作に忠実に描くのが正解なのだ。

 もっとも、アニメならではの面白さもある。特に戦闘シーン。第一話から炸裂する自称「地上最強の男」アドレットの繰り出すトリックプレイをはじめ、ナッシェタニアが無から生み出す剣、チャモの能力の気色悪さなど、絵的にすごく面白いものに仕上がっていて、毎回、興奮した。
 あと、美術が凝っている。アステカ文明あたりがモチーフらしいが、これまでの中世ヨーロッパ風のファンタジー世界とは一味違う雰囲気だ。
 これはまったく理想的なアニメ化だ。

 このアニメが楽しめない層というのは、そもそも、これがミステリだということを理解してないんじゃないかという気がする。「さっさと魔神を倒しに行け」とかいう感想を見ると、特にそう思う。
 たとえて言うなら、『孤独のグルメ』に対して「飯ばっかり食ってないで仕事しろ」と文句つけてるような、そんな印象があるのだ。
 確かに第一話だけ観たら、王道のファンタジー・アニメだと誰でも思うだろう。それを期待していたら、そういう作品じゃなかったので裏切られた、という不満もあるんだろう。 それは分かる。
 でも、考えてみてほしい。

『新世紀エヴァンゲリオン』にしても、『魔法少女まどか☆マギカ』にしても、最初からああいうアニメだと思ってましたか?
『涼宮ハルヒの憂鬱』もそうだし、最近だと『がっこうぐらし!』もそう。原作を読んでいない人、最初からああいう話だと思ってましたか?
 途中で、「えっ? これってそんなアニメだったのか」と気づいて、見る目を変えたんじゃないですか?

 たとえて言うなら、レストランでメニューを見て、「こういう料理だろう」と予想して注文したけど、イメージしたのと違う料理が出てきたようなもの。
 それでも美味しければいいはずだ。

 作り手は常に読者や視聴者の期待通りの料理を出さなきゃいけないわけじゃない。期待を裏切ってもいい。失望させてもいい。その失望を上回る面白さを見せればいいのだ。
  


2015年07月13日

LiveWire「70~80年代・懐かしのアニメ雑誌で盛り上がろう!」

山本弘のSF秘密基地LIVE#48
70~80年代・懐かしのアニメ雑誌で盛り上がろう!

『ファントーシュ』『OUT』『アニメージュ』『アニメック』『ジ・アニメ』『ファンロード』『マイアニメ』『アニメディア』……70年代後半から80年代前半にかけて林立したアニメ雑誌。その多くは、今では休刊しています。そこにはいったいどんな記事が載っていたのでしょうか?
 当時の新番組紹介、連載マンガ、広告、パロディ、論争、読者投稿……当時の雑誌の実物の紹介を交えつつ、B級アイテム・コレクターの鋼鉄サンボ氏とともに、あの熱い時代を懐かしく振り返ります。
[出演] 山本弘、鋼鉄サンボ

[日時] 2015年7月24日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

チケットの予約などはこちらに。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=91203164
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 先日、鋼鉄サンボくんと話をしていて、「あの頃のアニメ誌って、今読むと面白いよね」という話になりました。 単なるノスタルジーじゃなく、今では忘れられた話、今の若いアニメファンは聞いても信じないような話がいっぱい載ってるんですよ。

 ほんの一例を挙げれば、1980年当時、『ムーの白鯨』がアニメファンの間ですごく人気があった。

 言われてみれば、「ああ、そうだった!」って思い出すんですよ。マドーラがキャラクターの人気投票で一位になったりとか。僕も毎週、観てました。でも今、ぜんぜん話題にならないんですよね、『ムーの白鯨』。ロボットものじゃないから、『スーパーロボット大戦』に出て来れないとか(笑)、そういう事情も関係してるのかなと思うんですけど。
 他にも「ええ、そうだったんだ!?」とか「こんなのがあったんだ!」と驚く話がいろいろ出てくると思います。

 ちなみに80年代、僕がいちばん熱心に読んでたのは『ファンロード』です。嵐馬破天荒氏のパロディマンガとか大好きで、今でもちょくちょく「あやしさ大爆発だーッ」とか「どっかよそでやれよそで」とか使うぐらいです(笑)。
 もちろん『ファンロード』の常連投稿者でしたし、『アニメック』にも何度か投稿してます。『OUT』もよく読んでました。
 当時の僕の投稿の載ってる号を引っ張り出してきて、投稿体験をお話ししようかと思っています。
  
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Posted by 山本弘 at 15:29Comments(8)PRアニメ

2015年02月04日

Monty Oum氏、死去

 昨日、流れてきた驚きのニュース。慌ててRooster Teethの公式情報を確認しに行った。

http://roosterteeth.com/members/journal/entry.php

 以前から健康を害していたらしく、治療中にアレルギー反応を起こして急死したらしい。
 享年33歳。
 よく有名人の訃報のたびに「早すぎる死」とか言われるけど、これはあまりにも早すぎる。

 僕が初めてこの人の作品を目にしたのは、2007年10月。ニコ動に転載された「Dead Fantasy Ⅰ」。びっくりして公式に配信された動画に飛んだ。
『ファイナルファンタジー』と『デッド オア アライブ』の女性キャラたちが戦うという3分ちょっとの作品。


 これだけでもすごいのだが、次の「Dead Fantasy Ⅱ」はさらにすごかった。10分以上ある動画のほとんどが戦闘シーン! しかも単純な繰り返しじゃなく、塔の上→塔の側面を落下→マグマの上を流れる岩の上→氷の上、とステージを変えながら、ありとあらゆるアクションを見せてくれる。
 塔の側面を滑り降りながらのバトルなんて、「そんなアホな!」「ありえねー!」と思いつつも、ものすごいスピード感と迫力に見入ってしまう。

 Monty Oumの描くアクションの魅力は、その「流れ」だ。このキャラがこうきて、それに対して相手がこう動いて、それに対してさらに……という一連のアクションの組み立て、日本で言うところの「殺陣(たて)」がものすごく流麗で絶妙なんである。
 もちろん、たくさんのゲームをさんざんやりこんだ成果なんだろうけど、単なるゲーム再現じゃなく、いろんな面白いアイデアが山のように詰めこまれている。
 これは「二次創作」なんて概念を軽く振り切ってる。完全に自分の世界にしてしまっているのだ。
 だいたい、これだけの長さと密度の動画のコンテを切るだけでも、大変な労力のはず。好きじゃなきゃできるわけがない。
「この人は女の子を戦わせるのが好きで好きでたまらないのだなあ」というのが僕の印象だった。

 だからOum氏がオリジナルのシリーズ『RWBY』をはじめた時には狂喜したもんである。しかもキャラクターが見事に日本のアニメ風の美少女で、やっぱりすごいアクションを見せまくる!

 このトレイラーにしても、ルビーの武器クレセントローズの描写がとにかく素晴らしい。変形して射撃用と格闘戦用の両方に使える武器なんて、僕ら日本人はそれこそ日曜朝の番組で見慣れてるんだけど、ここまでかっこよく表現してみせるとは。

 あと、やっぱり、ルビーのかわいさ。いや、もちろんワイスもブレイクもヤンもいいんですけど。
 これまでのアメリカのアニメでも、『ティーンタイタンズ』みたいに、日本のアニメの要素を取り入れようとしていた作品はあった。それはそれで誇るべき傾向だとは思うけど、やっぱり日本人の目から見て、「何か違うなあ」という苛立ちは感じていた。
 だが、『RWBY』にはそれがない。日本の「萌え」文化を完璧に理解して、吸収している。ゲームだけじゃなく、きっと日本のアニメも見まくったはず。
 これは好きじゃないと作れない。
「美少女が戦うアニメを作りたい」という欲求と、類まれな才能が一致して、『RWBY』が生まれた。

『RWBY』は第2シーズンが終わったところ。主要キャラクターが出揃って、おそらく最終的には、敵味方が入り乱れるものすごいクライマックスが構想されていたはず。
 ぜひ続けてほしいと思う反面、あんな超絶的なコンテを切れる人が他にいるのかと、少々不安でもある。

 とにかく早すぎる。
 早すぎるよ、ちくしょー!
 僕はあんたの作ったアニメをもっともっと観たかったんだよ!

 これから世界的に有名になっていくはずだった才能が失われたことが、残念でならない。
  
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Posted by 山本弘 at 19:08Comments(9)アニメ

2014年11月25日

『楽園追放-Expelled from Paradise-』

 先日、梅田ブルク7で観てきた。

http://rakuen-tsuiho.com/

 いやー、面白かった!
 監督・水島精二、脚本・虚淵玄だから、ハズレではないだろうと思ってたけど、期待以上の面白さだった。
 どのへんがいいのか、詳しく紹介するとネタバレになるから曖昧に書くけど、とにかくSFがよく分かってるんである。

 肉体を捨てて電脳空間で生きている人類、AIの進化、外宇宙への進出などなど、古今東西のいろんなSFの要素をうまくまとめ、きっちりとオリジナリティあふれるSF作品に仕上げている。基本設定を聞いて僕が最初に連想したのは『地球移動作戦』の劇中劇『セカンド・アース』だけど、実際に観てみたら、むしろ『アイの物語』が混じってるかも? と感じた。
『翠星のガルガンティア』でも思ったが、SFガジェットを表面的に使っているだけではなく、その扱い方が手馴れているのだ。「SFが好きなんだなあ」というのがよく分かるんである。
 設定や展開もよく考え抜かれていて、ツッコミどころがほとんどない。なぜヒロインが大人の女性ではなく少女の姿なのかということまで、きっちり説明されてるのには参った。今の日本のアニメでは、そこはお約束としてスルーされるところなのに。
 観てて気になったのは、L1やL3はラグランジュ安定点じゃないってことぐらいか。(まあ、それを言ったらファースト『ガンダム』もおかしいんだけどね)
 特にラスト近く、ディンゴがフロンティアセッターに投げかける言葉は、SF者なら感動すること間違いなし。うんうん、そうだよなあ。

 かと言って、非SFファンは置いてけぼりかというと、そんなこともない。難しいのは導入部分だけ。美少女アンジェラ(声・釘宮理恵)がロボットに乗ってバトルを繰り広げるアクション&萌えアニメとしても、素直に楽しめるんである。
 特にクライマックスのバトルが大迫力。絶望的な状況からの逆転。圧倒的な戦力差のある敵に、機体性能の差+策略で立ち向かうというシチュエーションが燃える。
 あと、メカデザインがいい。主役メカであるアーハンもかっこいいんだけど、フロンティアセッターの操る古くさい作業用ロボットのデザインが、すごくもっともらしくて感心する。

 あと、些細なことなんだけど、最初のシーンに出てくる軽薄なナンパ男の声が古谷徹だとか、クライマックスに出てくるチョイ役の三人の女性キャラの声が林原めぐみと高山みなみと三石琴乃だとか、変なところが豪華。
 いやあ、下手な俳優とか起用するより、こういうサービスの方がよっぽど嬉しいよね。

 世間では、虚淵脚本だというだけで、『まどか☆マギカ』みたいな鬱展開だと思いこんでる人も多いみたいだけど、そんなことはない。ラストには大きなカタルシスがあるし、希望を感じさせる話になっている。 幸せな気分で映画館を出られるので、ご安心を。
 僕はてっきり『まどマギ』が人気が出たから虚淵氏に脚本の依頼が行ったもんだと勘違いしてたんだけど、実は『まどマギ』の放映前からあった企画だそうだ。

 もうひとつ僕が勘違いしていたこと。
 フルCGアニメなのにキャラクターの表情がものすごくセルアニメ的で自然なので、かなり手描きの絵が混じってるんだと思っていた。特に戦闘中にアンジェラが絶叫するカットとかは、表情がCGだとは思えなかったのだ。しかし、プログラムを読むと、手描きの部分はほとんどないらしい。
 うーむ、セルルックCGってここまで来てたのか。『SHIROBAKO』で、いずれ手描きのアニメはなくなるかも……と言ってたけど、こんなの見せつけられたら納得するなあ。
 もちろん、手描きアニメを手がけてきた監督や演出家の経験の集積があるからこそ、CGを使いこなせるんだろうけど。

 人類の未来だけじゃなく、アニメの未来も見せてくれた。

 しかし、この映画、上映館数が少ないんだよね。大阪では1館だけ、東京でも2館というのは、なんとももったいない。
  
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Posted by 山本弘 at 18:19Comments(21)SFアニメ最近観た映画・DVD

2014年11月07日

『RWBY』シーズン2完結


 ちょっとだけテンプレートの設定変えました。

「『RWBY』って何?」という方は、まずこちらからどうぞ。

http://hirorin.otaden.jp/e289532.html
http://hirorin.otaden.jp/e292154.html

 仕事がちょっとだけ暇になったもんで、これまで溜まってたシーズン2をまとめて消化した。

 シーズン1に比べ、ずいぶん良くなった。
 まず、絵が格段に向上してる。モブシーンがシルエットじゃなくなったし、表情のつけ方とかも上手くなってる。シーズン1では戦闘シーンが少なかったんだけど(本格的なバトルは1話と8話と最終話ぐらい)、シーズン2では戦闘の回数も増えて、飽きさせない。

 シーズン1では、ストーリー面の弱さが気になったんだけど、それもかなり改善された印象がある。戦闘の合間にキャラクターを掘り下げたり、いろいろ伏線張ったりと、話の面白さにも力を入れているのがよく分かる。
 あと、シーズン1ではギャグがしらじらしいことが多かったんだけど、シーズン2はいきなりのギャグ回。「フードファイト」には大笑いさせてもらった。他の回でも笑えるシーンがいろいろ。
 作品を作りながら、スタッフがノウハウを蓄積して、どんどん上手くなっている感がある。

 もちろん、戦闘シーンはMonty Oumの面目躍如で、いろんなアイデアを詰めこんだ演出があいかわらず秀逸。4話のvsロボ戦は、10回ぐらい見直した。4人の絶妙のチームワークが、とにかくかっこいい。
 考えてみると、美少女が生身で大きなロボットを倒すって、「DAICON3オープニングアニメ」からの伝統だよなあ。それを見事に換骨奪胎されちゃってるよ。

 もうひとつのおすすめは11話。まさか日本のマンガ・アニメの定番「ここは俺にまかせて先に行け」をここで見れるとは!

 この回はアクションてんこ盛りで、目が離せない。4話のようなチームワーク戦闘もいいけど、全員それぞれ異なる戦闘スタイルをじっくり見せてくれるのは嬉しい。
 感心するのは、ものすごくスピーディな戦いなのに、何をやってるのかがちゃんと分かること。ワイスが魔法陣で時間加速かけたり、ブレイクがワイスから貰ったダストを使って残像に属性を付与したり、いちいち解説なんかなくても理解できるんである。
 他にも、流麗なアクションでヤンを圧倒するニオ、それをさらに一瞬で退ける謎の新キャラ(正体バレバレですけど)と、見どころが多い。

 でもって第2シーズン最終話。

 ルビーたちのピンチに仲間たちが集まってくる展開が、やはり胸熱。特にこれまで謎だったCFVYチームの活躍が目立つ。ココさん強すぎだろ!? あと、今回使わなかったベルベットの武器が気になるなあ。
 でもって、ラストでいよいよあのキャラが登場して、シーズン3へと引く。これまた満足のいく出来。堪能しました。
 これはシーズン3にも期待大だな。シーズン2のブルーレイも買わなくちゃ。

 ちなみに、本国で出ているDVDは、リージョンの関係で日本の機器では見られない場合があるけど、ブルーレイは問題なしに見れる。2時間分ぐらい入ってて、送料入れても3000円以下というお値段もリーズナブルである。

 あいにく字幕は入っていないけど、ニコ動には字幕をつけて上げてくださっている方がいるので(いつも感謝です!)、そちらでストーリーを把握したうえで、製作者へのお布施としてブルーレイを買うのが良いと思う。

 ちなみに来年、日本語吹き替え版の発売も決定しているとか。

http://www.kotaku.jp/2014/08/rwby-japan.html

 ワーナーさん、発売時には声かけてください! 推薦文でも何でも書きますから。
  


Posted by 山本弘 at 15:29Comments(9)アニメ

2014年11月07日

『ガンダムビルドファイターズ マニアックス』

『ガンダムビルドファイターズ マニアックス』


 昨日、amazonから届いた。『ガンダムビルドファイターズ』のムック本。
 しかし……。

 1日じゃとても読みきれねーっ!

 何このボリュームと密度。
 エピソード紹介は、各エピソードにつき2ページ。フルカラーで、もちろん写真も豊富。その回にちらっとしか出てこないキャラクターの線画設定資料まで。そのうえ、すべてのエピソードに、監督・長崎健司と脚本・黒田洋介のコメントが入っていて、裏話をいろいろ知ることができる。
 キャラクターの紹介ページもフルカラー。もちろん名場面・名台詞もいろいろと。個人的にはフェリーニの「痛いか、ファニーチェ……? すまねえ……。でもな、俺がお前を作ったのは棚に飾って愛でるためじゃねえ……!!」という台詞にしびれたな。
 各キャラの能力ゲージも載ってるんだけど、アイラの「食いしん坊」、ラルさんの「いぶし銀の魅力」、フェリーニの「ガンプラナンパ術」とかのゲージがMAXなのが納得。
 当然、登場ガンプラの紹介ページ、それらのキット(実在)の紹介ページもある。
 あと、モブシーンのお遊び、特に23話にいっぱい出てくるそっくりさんをすべてカラーで紹介。これだけでもかなり感動する。
 劇中に大量に出てくるチョイ役のガンプラたちは、さすがに小さい写真だけど、それでもすべて紹介されているようだ。
 全192ページの大半がフルカラーで、モノクロなのは巻末の設定画資料とスタッフ・インタビューのページだけ。おおう、川口名人(本物)インタビューまであるぞ!
 当然、次回予告のテキストとその元ネタもすべて紹介。まさに痒いとこまで手が届く配慮。

 もともと情報量の多い番組だから当然とはいえ、この本の情報量には圧倒される。まさに「マニアック」。
 これで2000円(+税)。うむ、いい買い物だった。
 何日もかけてじっくり読ませていただこう。
  


Posted by 山本弘 at 14:35Comments(3)アニメ最近読んだ本

2014年10月25日

『SHIROBAKO』2話が神回だった

 今期のアニメ、『ログ・ホライズン』二期と『ビルドファイターズトライ』はどちらも前作からの安定した面白さで楽しめるし、作画の美しさでは『神撃のバハムート』、ギャグでは『繰繰れ! コックリさん』が一番かと思う。
 しかし、個人的にイチオシしたいアニメは『SHIROBAKO』だ。

http://shirobako-anime.com/

 TVアニメ『えくそだすっ!』を制作しているプロダクションが舞台。これまで、アニメの世界を描いたアニメはいくつかあったけど、この番組はとにかくリアリティが素晴らしい。
 もちろん現実そのままじゃなく、いろいろアレンジされてはいるんだろうけど、「ああ、実際にこうやって作ってるんだろうな」とか「番組の裏側ではこういうトラブルもあるんだろうな」とか納得させられるんである。
 第一話からすでに、原画マンが逃げたり作画監督が倒れたり(もちろんアニメの中でですよ。念のため)というピンチの連続で、スケジュールがかなり苦しくなってきており、『えくそだすっ!』がちゃんと最後まで放映できるか危うい状況。それでも制作進行のヒロイン・あおいやスタッフたちのがんばりで危機を乗りきってゆく。まさに綱渡りで、そんじょそこらのバトルアニメやサスペンスアニメよりはらはらさせられる(笑)。

 特に先日放映された2話『あるぴんはいます!』にはノックアウトされた。
 まず、Aパートのアフレコのシーンがいい。あるぴん役の声優・茅菜夢衣役の茅野愛衣(ややこしいな)の演技にも感心するけど、BGMを「感情につける」「シチュエーションにつける」という意味がすごくよく分かる。
 そこからが大変。アフレコに立ち会った監督が、あるぴんの解釈が違うと言い出し、彼女の過去の設定(それも最初からあったんじゃなく、今思いついたばかりの)を語りだして、ついにはスケジュールがせっぱ詰まっているにもかかわらず、作画リテイクを言い出す。
 ここの檜山修之の演技がまたいいんだわ。昔は勇者王だったのに、最近は三枚目も板についていて、この回でも「いてよーし! みたいな」とか「お姉さんだったわけだー」というあたりがおかしくて、何度も聴き直しちゃったよ。
 この監督、以前に別のアニメでスケジュールを崩壊させた前科があり(あるあるこういう話!)、おかげで自分の演出回が「伝説の作画崩壊回」になってしまった演出家が、今でもそのことを根に持っている……という、アニメ関係者なら胃が痛くなりそうな状況。
 Bパートでは、監督の主張をめぐって、スタッフ全員が集まり、ディスカッションを繰り広げる。このくだり、ほとんど狭い室内だけで展開する会話劇で、アクションなんかないにもかかわらず、見ていてぐいぐい引きこまれる。しかも熱くシリアスに口論している内容が、美少女キャラクターの表現や設定についてなんだから、その落差がたまらない。
 冷静に一歩引いて考えると、何でそんなことで大の大人たちが激論してるんだよとツッコミたくなるんだけど、素人には「どうでもいいこと」に思える部分にこだわるのがプロというものなんだろうな。
 しかも、リアルなだけじゃなく、あおいのピントのずれた発言から、話が思いがけない方向に転がっていって、最後にアニメならではのファンタスティックな表現が炸裂する。このドアホウな展開(褒め言葉)には、深夜にもかかわらず笑い転げた。「『ミスター味っ子』かよ!?」と。
 個人的に、この回は神回認定したい。
 ちなみにアフレコの後で絵の方を直すというのは実際にも稀にあることらしい。『カレイドスター』5話で、そらが空港で泣くシーン、広橋涼が演技を超えてマジ泣きしてるもんで、佐藤順一監督がそれに合わせて絵の方を描き変えるよう指示したという。たぶんそのへんがヒントになってるんじゃないだろうか。(実際、すごい出来だったよ、あのシーン)

 リアルすぎるアニメって、ちょくちょく「これって実写でやってもいいんじゃない?」と疑問に思ってしまうことがあるんだが、この『SHIROBAKO』はまさにアニメであることに意味がある。アニメを愛する人間なら見て損はない。
 なお、ニコニコ動画で公式配信されてるので、見逃した人も今からでも追いかけられる。

http://www.nicovideo.jp/watch/1412927306

 ちなみに、関西では今夜(10月25日深夜)、第3話の放送。ネットでの評判はいいので楽しみである。でも、 「総集編はもういやだ」ってサブタイトルがすごく不吉なんだけど(笑)。
  


Posted by 山本弘 at 16:00Comments(6)アニメ

2013年09月19日

『RWBY』はやっぱりいい。

 前に書いた『RWBY』の話の続き。

http://hirorin.otaden.jp/e289532.html

 8話が素晴らしかった。まさに「神回」というやつ。

RWBY Episode 8: Players and Pieces
https://www.youtube.com/watch?v=ctiDu69kIho


 特に後半、主要キャラ8人による、2体の大型モンスターとのボス戦が燃える。『Dead Fantasy』で培ったテクの数々を惜しげもなく注ぎこみ、三次元空間を巧みに使った、まさに立体機動のアクション。4人が一列に並んで遠距離攻撃かけるところも胸が熱くなるけど、なんといっても最高なのは、巨大怪鳥にとどめを刺すルビーの豪快な技! これはしびれる。
 ルビーの鎌もいいけど、ノーラのハンマーの使い方もかっこいいよなあ。
 快感の秘密のひとつは、歌の使い方。劣勢に立たされてた主人公側が、テーマソングが流れ出すと反撃に転じて、歌の終わりで必殺技で仕留めてビシッとポーズを決めるってのが、日本のアニメや特撮ものが昔から洗練させてきた手法なんだよね。『コン・バトラーV』とか。
 このバトルだけ、20回以上は見直した。

 ストーリー的にも、これまでずっとルビーのことをバカにしてたワイスが、ようやくルビーの実力を認め、最後は息の合った連携プレーで敵を倒すのが、お約束とはいえ気持ちいい。ずっといいところのなかったジョーンくんが、やっと才能があるところを見せたのも嬉しい。
 最後はチームRWBYの結成、そして次回への引きと、どこまでもサービス精神旺盛だ。

 9話からまた学園を舞台にした日常コメディ路線に戻ったんだけど、ワイスの寝顔とか、4人の制服姿とか、これまた萌ポイントがいろいろ。
 ギャグもけっこう面白くて笑っちゃう。どこの世界に美少女が鼻ほじくるところをドアップで見せるアニメがあるのかと(笑)。

 というわけで、今、ものすごく『RWBY』にハマっちゃってるもんで、あんまり日本のアニメ観てません。ごめんなさい。『ヤマト』とか『げんしけん二代目』とかは観てるんだけど。

 あっ、日本に輸入する時は喜んでノヴェライズ書かせていただきますので、お声をかけてください>出版社の方。
  


Posted by 山本弘 at 20:33Comments(21)アニメ

2013年09月05日

『パシフィック・リム』と『RWBY』

『パシフィック・リム』、初日の午前中に観てきた。
 途中までは割と地味な展開が続くけど、後半の香港防衛戦のあたりからどんどん盛り上がる。
 仲間の危機に駆けつけるジプシー・デンジャーのかっこいいこと!
 香港の街中で、巨大怪獣と巨大ロボットがビルを盛大にぶち壊しながら、ガツンガツン殴り合う!
 これまで日本の怪獣映画やロボットアニメがさんざんやってきたことのはずなのに、こうして金かけて真面目にきっちり映像化したものを見せつけられると、新鮮な驚きだらけだ。
 公開前から『エヴァンゲリオン』とか『ジャンボーグA』とか『マジンガーZ』とかいろいろ言われてたが(設定的にいちばん似てるのは『ゴーダンナー』だと思うんだけど)、実際に見てみると、『ガメラ 大怪獣空中決戦』への明らかなオマージュとか、探せばいろんなネタがちりばめられている。
 しかし、表面上のパロディじゃなく、それら日本作品の魂が作品の中にきっちり溶けこみ、オリジナル作品として昇華されている。

 特撮以外で注目したいのは、マコの少女時代の回想シーン。「小さな女の子が巨大怪獣に追われて逃げる」という場面が、芦田愛菜の演技力によって、リアルに仕上がっている。この子、この若さで、よくこんな演技できるな。
 映画全体を見ても、人類が追い詰められ、滅亡の縁に立たされているという重苦しい雰囲気が、話を盛り上げていた。
 難点を挙げるなら、夜間や水中のシーンが多くて、怪獣やロボットがはっきり見えにくいこと。昼間の戦いももっと見てみたかった。
 あと、クリムゾン・タイフーンはもっと活躍してほしかったな。あれのギミックがいちばん面白いんだもの。

 はっきり言おう。これは日本の「怪獣文化」「ロボ文化」の危機だ。

 だって、今の日本じゃこれ、作れないよ。
 仮にこの映画のおかげで怪獣ブームが来て、また東宝がゴジラ映画作ったとして、それがいつもの平成ゴジラ・シリーズみたいな水準の作品だったら……って想像してごらんよ。情けなくなるから。
 予算の問題だけじゃない。怪獣を縦まっぷたつにするシーンとかも、昔は『ウルトラマンA』とかでやってたけど、残酷な描写がいかんとかで、最近はやらなくなった。好きなんだけどな、バーチカル・ギロチン。
 言ってみれば、そうした今の日本の映画界・テレビ界が忘れてしまった精神を受け継いだのが『パシフィック・リム』なのだ。
 これから、怪獣映画は何を作っても、『パシフィック・リム』と出来を比較されることになる。かと言って、これを超えるものを日本人が作るのは、とてつもなく難しいだろう。
 もしかしたら、優れた怪獣映画を作れるのは外国人ばかりになり、もう「怪獣」「巨大ロボ」は日本の誇る文化じゃなくなってしまうかもしれない。

 初回は字幕版だったが、後で日本語吹き替え版も観た。杉田智和の「ロケットパーンチ!」も良かったけど、司令官の玄田哲章はまさにハマリ役だし、林原めぐみ、古谷徹、三ツ矢雄二、池田秀一、千葉繁、浪川大輔と、『エヴァンゲリオン』『ガンダム』『コン・バトラーV』『トランスフォーマー』などロボットアニメに縁のある声優を集めたのが嬉しい。特に古谷徹のニュートンが実に上手くて聞き惚れる。ただハーマン役の三ツ矢雄二だけは、歳のせいかちょっと舌が回っていないのが気になった。
 ハンニバル・チャウ役のケンドーコバヤシもいい味出してた。
 やっぱり声は大事だなあ……と、『風立ちぬ』を観た後なんでよけいにそう思う(笑)。


 もうひとつ、今、僕がハマってる作品が、先日のMMD杯で知った『RWBY』というアニメ。
 ニコニコ大百科によると、

http://dic.nicovideo.jp/a/rwby

>様々なゲーム動画やマシニマ(FPS等のグラフィックエンジンを用いて制作する動画のこと)、自作アニメーションや実写映像等を世に送り出してきたRooster Teeth Productionsが、『Dead Fantasy』等を手がけた人気アニメーターのMonty Oum氏を迎えて企画・制作したオリジナルアニメーション作品。

>2012年11月に最初のトレイラー「Red」、翌年2月に「White」、3月に「Black」、6月に「Yellow」が発表され、7月18日に待望のEpisode1「Ruby Rose」が発表された。公開はRooster Teeth公式サイトとYouTubeの専用チャンネルにて行われている。

 おおっ、あの『Dead Fantasy』作った人か!?
 まだ観てない人は観た方がいい(検索すれば一発で出る)。『デッド・オア・アライブ』と『ファイナル・ファンタジー』の女性キャラたちが壮絶なバトルを繰り広げるCGアニメ。アクションの組み立て方が凝りに凝っていて、何度観ても楽しめる。
 その作者がいよいよ二次創作じゃなく、オリジナルに乗り出してきたのだ。しかもバリバリの日本アニメ風の美少女キャラで!
 こんなすごいものを最近まで知らなかったのは、我ながら不覚だった。

 まず観たのが4本のトレイラー。

RWBY "Red" Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=pYW2GmHB5xs
RWBY "White" Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=Vt9vl8iAN5Q
RWBY "Black" Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=ImKCt7BD4U4
RWBY "Yellow" Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=QCw_aAS7vWI

 4人の女の子のイメージ、武器や戦い方のコンセプトがみんな違う。武器に魔力の弾丸をリロードするのはやっぱり『なのは』かなとか、たぶん『ソウルイーター』も見てるよなとか、ちょっと『デビルメイクライ』っぽい?とか、いろんな日本製のアニメや格闘ゲームの影響は指摘できるけど、それらを吸収して、一段とすごいアクションに仕上げている。つーか、日本のアニメでもここまで見せてくれるのはなかなかないぞ。
 やっぱりいちばんしびれるのがルビーのアクション。大鎌を振り回す女の子とか、銃にもなる接近戦用武器というのはよくあるけど、発射の反動で敵をぶった斬るのが最高に快感。
 4本とも素晴らしくて、何回観直したことか。『Dead Fantasy』で培ったモンティ・オウムの演出の才能が、存分に発揮されている。
 なんかもう、「美少女バトルもの」の完成形を提示されちゃったって感じだ。

 その後、本編も見た。
 ハードな戦闘が満載だったトレイラーとは対照的に、こっちはわりと脳天気な学園コメディ。それでも第1話の魔法バトルがやっぱりかっこいい。

RWBY Episode 1: Ruby Rose
http://www.youtube.com/watch?v=-sGiE10zNQM

 現在は7話まで公開中。しばらくは学園での話が続くらしい。
 武器フェチで人づき合いが苦手なルビーは、オタク心をくすぐるキャラ。
 おとなしいイメージかと思っていたワイスが、実は典型的な高飛車お嬢様キャラだったというのは意外。お嬢様キャラ定番の「これで完璧ですわ、おほほほ」妄想まで(笑)。で、性格の合わないルビーとの掛け合いが、やっぱり定番なんだけどすごく楽しい。
 暗い過去のありそうなブレイク。やっぱりあの不自然なリボンは獣耳を隠しているのか? 3話でヤンとルビーに読書を邪魔された時のツンなリアクションが、個人的にツボにはまった。
 そして、かわいい顔してやることがえげつないヤン。その落差がやっぱり魅力的。
 あと、男性キャラでは、ジョーンくんの空回りとヘタレっぷりが、逆に好感持てちゃうんだよね。

 しかし、こいつらほんと、徹底的に日本のアニメ研究しやがったな。
『ティーン・タイタンズ』とかだと、日本のアニメを取り入れようとしてるけど表面的な模倣にとどまっているぎこちなさがもどかしく感じられたんだけど、『RWBY』に関してはまったくそれがない。ごく自然に「日本のアニメ」として見れる。
 今、日本のどのTVアニメよりも、『RWBY』の更新が待ち遠しい。

『パシフィック・リム』もそうだけど、日本の作品に影響を受けたクリエイター(ギレルモ・デル・トロはメキシコ人、モンティ・オウムは東洋系アメリカ人)が、日本人以上のものを創ってきてるのは驚異である。いや、脅威と言うべきか。
 うかうかしてられないぞ、日本人。
  


Posted by 山本弘 at 16:04Comments(14)アニメ