2017年02月21日

『幽霊なんて怖くない』文庫化

『BISビブリオバトル部〈2〉 幽霊なんて怖くない』が文庫になりました。


夏休みを迎えた美心国際学園(BIS)ビブリオバトル部は、造り酒屋を営む武人の家で夏合宿を開催する。夜、武人の両親や祖母を招待して行われたビブリオバトルのテーマは〈恐怖〉。部員たちはロウソク一本の明かりのなか、それぞれ得意ジャンルを生かしてとっておきの怖い本を紹介するが、投票段階にはある不思議な出来事が……。
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488737061

 2015年に出版された〈BISビブリオバトル部〉シリーズの第2弾。リンク先でも解説されていますが、今回の表紙は弐久寿です。両親ともに生粋の白人なんですが、日本に帰化していて日本語ぺらぺら。周囲の人に変な二つ名をつけるのが趣味。
 ただ、BB部員じゃないもんでビブリオバトルでは発表せず、空やミーナほど台詞が多くないんですよね。ですから表紙だけでも目立たせてあげようと思いました。
 この巻のビブリオバトルのテーマは、〈恐怖〉そして〈戦争〉。重いテーマなんですが、決してお話自体は重くありません。それどころかギャグもサービス・シーン(笑)もいろいろ。もちろん本をめぐるうんちくも盛りこまれていて、楽しめる内容になっていると自負しています。

 前の巻では声優の池澤春奈さんに解説をお願いしましたが、今回は作家の福田和代さんに書いていただけました。
 福田さんは神戸で『読まなきゃ!』というビブリオバトルを主催されています。僕もお呼びがかかって発表させていただいたことがあるんですが、その時のエピソードも解説の中で触れていただいております。大変に的確で熱のこもった解説でした。ありがたいです。

 また、文庫化に合わせて、自分のサイトを一部更新しました。

『BISビブリオバトル部2 幽霊なんて怖くない』登場作品リンク集
http://kokorohaitsumo15sai.la.coocan.jp/bibliobatllebu002a.html

 作中に登場する本を紹介しています。マクスウェル・テイラー・ケネディの『特攻 空母バンカーヒルと二人のカミカゼ』は、分厚い本ですが面白くて引きこまれますし、もちろん『馬の首風雲録』『野生のティッピ 動物と話す少女』『七時間目の怪談授業』『軍靴のバルツァー』『びっくりモンスター大図鑑』なども、みんなそれぞれ面白いんでおすすめです。

BISビブリオバトル部 埋火家のSFコレクション その2
http://kokorohaitsumo15sai.la.coocan.jp/bibliobatllebu002b.html

 こちらは作中で埋火家の書庫のシーンに登場する本を紹介。古いSFが中心ですが、ジェラルド・ハード『地球は狙われている』はかなりレアではないか思います。

 前作のデータはこちら。

『翼を持つ少女』登場作品リンク集
http://kokorohaitsumo15sai.la.coocan.jp/bibliobatllebu02.html

BISビブリオバトル部 埋火家のSFコレクション
http://kokorohaitsumo15sai.la.coocan.jp/bibliobatllebu04.html


 ちなみに、AMAZONへのリンクが切れていないか確認していたら、カヴァーリ‐スフォルツァの『わたしは誰、どこから来たの』にカスタマーレビューが増えているのを発見。『翼を持つ少女』を読んでくださったんでしょうかねえ?
  


Posted by 山本弘 at 19:51Comments(0)PRビブリオバトル

2016年07月01日

そんなのはビブリオバトルじゃありません

 先日、「ビブリオバトル春のワークショップ」というイベントに行って、Bibliobattle of the Year2016優秀賞というものをいただいてきたのであります。

http://www.bibliobattle.jp/workshop2016
http://www.bibliobattle.jp/bibliobattle-of-the-year/2016/award

 場所は三重県伊勢市の皇學館大学 というところ。深い森の中にあって、「神社!?」と言いたくなるような佇まい。こんな大学があるんだなあ。

 さて、会場では日本各地で行われている様々なビブリオバトルの活動もいろいろと聞いた。かなり普及してきているようで、喜ばしい。
 でも、喜んでばかりもいられない。ビブリオバトル人口が増えるにつれ、問題点も出てきているようだ。
 会場では、『読書とコミュニケーション ビブリオバトル実践集』という本も買ってきた。



 ビブリオバトルの公式ルールというのは本当にきわめて単純なもので、難しいことなんか何もない。誰でもすぐできる。
 ……そのはずなんだけど、やっぱりこういう教師に指導するためのテキストが必要らしい。
 この本の第一章にはこうある。


> その一方で、ビブリオバトルを導入した学校の児童・生徒たちから、ビブリオバトル普及委員会に不満の声が寄せられることもあります。理由は明白で、不満の声が上がる事例は「教員が課題図書を決める」「発表のための下書き原稿を書かせる」「さらに添削する」「その原稿に従った発表の練習をさせる」「先生が優秀者を決める」「あるいはチャンプ本を決めない」などなど、ビブリオバトルと称して、「ビブリオバトルらしきもの」が行なわれているケースがほとんどなのです。

 そう、こういう問題点はよく耳にする。そして、それはビブリオバトル普及委員会の責任ではまったくない。だって、これってみんなルール違反だもの。

 たとえば「教員が課題図書を決める」。これがまずだめ。
 公式ルールの一行目にちゃんと書いてある。「発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる」と。 「他人が推薦したものでもかまわないが,必ず発表者自身が選ぶこと」という項もある。
 つまり発表者自身が面白いと思って選んだ本でないといけないのだ。教師が「この本を紹介しなさい」と決めるなんてもってのほか。
 だってビブリオバトルというのは、面白い本を紹介し合うものなんだから。自分が面白いと思わなかった本を他人に勧めるなんて、根本的に間違ってる。
 つーか、面白いと思わなかった本を「面白い」と言って他人に読ませようとするのは、はっきり言って「嘘つき」だから。そんなのを教育者が教えちゃだめでしょ。

「発表のための下書き原稿を書かせる」というのも絶対ダメ。
 ツイッターでビブリオバトル関連の発言を読んでいたら、教師から無理にビブリオバトルをやらされてるらしく、「明日までに1600字書かなくちゃいけない」みたいなことを嘆いている人がいて、ほんとに気の毒になる。

 それ、単なる読書感想文ですから!

 子供は読書感想文って嫌いでしょ? 僕も嫌いだったよ。あんなもんで子供は本好きになんかならないよ。
 それをなぜ生徒にやらせようとするの? ビブリオバトルは読書感想文とは違うんだよ!
 どうも生徒がちゃんと喋れるかどうか心配して、あらかじめ原稿を書かせるらしい。でも、それ、根本的に間違ってるよ。常識で考えて分かるでしょ? 本の感想でも何でもそうだけど、思ったことをただ喋るのと、それをわざわざ文字にするのと、どっちが大変か。わざわざハードル上げてどうすんだ。
 さらに言うと、「原則レジュメやプレゼン資料の配布等はせず,できるだけライブ感をもって発表する」というルールもある。そう、大切なのはライブ感。用意してきた原稿を読み上げるんじゃだめなんだよ。
 このルールなんかまさに、ビブリオバトルの「読書感想文」化を防止するためのもののはずなんだけど。
 まあ、どうしてもアドリブで話せないという人が、あらかじめ原稿作って練習するのはかまわないけど、それはあくまで自分の意思でやるべきこと。教師がそれを強制しちゃだめだよねえ。

 他にも公式ルールには、「チャンプ本は参加者全員の投票で民主的に決定され,教員や司会者,審査員といった少数権力者により決定されてはならない」という項もある。
 つまり「先生が優秀者を決める」なんてのは完璧にルール違反!
 なんで教育者たるものが、そんなひどいルール違反を堂々とやるわけ? おかしいでしょ? 大人ならルール守れよ。

 他にもよく耳にする話では、「バトル」という言葉に難色を示す人がいるらしい。子供に「バトル」をやらせるなんてけしからん。子供にはただ本の発表だけやらせればいい。チャンプ本なんか決めなくていいじゃないか……というのだ。
 だから、それもうビブリオバトルでも何でもありませんから!

 なぜこんなルール違反の「ビブリオバトルらしきもの」が横行するかというと、根本的にビブリオバトルの意義を取り違えてるんだと思う。
 どうも「プレゼンの腕を磨くためのもの」と誤解してる人が多いらしい。
 だから、学生に表面だけきちんとしたプレゼンをさせることにこだわって、下書き原稿を書かせたり、本人が好きでもない本を紹介させたりするんだろう。まったく本末転倒だ。

 喋り方が少しぐらい下手でも、本が面白ければ勝つこともあるのがビブリオバトル。
 逆に、プレゼンだけは上手くても、「明らかにこいつ、この本が好きじゃないな」と分かるようなのはダメなんだよ。


>「ならバトルである必要ないでしょ?」
>「本を紹介するのに、それが適した手法だからだ──これが単に、本の内容を発表して、それを聞くだけの会だったらどうだ? みんな、あんなに集まるか?」
> 想像してみました。確かにそんな退屈そうな会、参加したいと思う人は少ないでしょう。
>「“バトル”と名がつくから、普段は本に興味のない者も、期待して集まってくる。最後に投票しなくちゃいけないから、聴講参加者は身を入れて発表を聞く。発表参加者は自分の推薦する本をいかにアピールすればいいかと工夫する。だからどっちも真剣になる。最終的にチャンプ本が決まるが、それは結果にすぎない。本に関する情報を交換する。面白い本を互いに薦め合い、発見し合う――それがビブリオバトルの目的だ。

『翼を持つ少女』の中で僕はこう書いたんだけど、もしかしたら『翼を持つ少女』を読んでない教師が多いのかもね。
 というわけで、全国の教職員のみなさん、ビブリオバトルをはじめる前に、まず『BISビブリオバトル部』を読みましょう(笑)。Bibliobattle of the Year2016優秀賞ですよ!
  

Posted by 山本弘 at 17:09Comments(6)作家の日常ビブリオバトル

2016年05月12日

『BISビブリオバトル部』文庫化&特設ページ

〈BISビブリオバトル部〉シリーズの第一作、『翼を持つ少女』が文庫化されました。すでに書店に並んでいます。


 すでにご存じの方も多いでしょうが、ビブリオバトル部に入部したSF好きの少女を主人公に、実在する本の話題が飛び交うシリーズです。
 文庫化を記念し、この世界により親しんでいただこうと、特設ページを作りました。

BISビブリオバトル部 翼を持つ少女 
登場作品リンク集

『翼を持つ少女』に登場する本を紹介するページ。空の紹介するSFだけじゃなく、『ジャングルの子』『九月、東京の路上で』『全国アホ・バカ分布考』『新装版 不確定性原理』『冥王星を殺したのは私です』『小説 仮面ライダークウガ』『ウミウシ 不思議ないきもの』『野﨑まど劇場』『小学4年生の世界平和』など、どれも面白くておすすめの本ばかりです。

BISビブリオバトル部
BB部の本棚

『翼を持つ少女』第3章に出てくるBB部の部室の本棚を、手持ちの本で再現してみました。

BISビブリオバトル部
埋火家のSFコレクション

 はい、これが今回の一番の目玉! 埋火武人の家の書庫のシーンに出てくる、彼の祖父が遺したSFコレクションの一部。作中では文章でしか書けなかった『地底の世界ペルシダー』『テクニカラー・タイムマシン』『大宇宙の魔女』『大魔王作戦』などの表紙が見られます。
「現代のライトノベルのスタイルの源流は、創元推理文庫とハヤカワ文庫」というのは作中でも書きましたが、これを見れば納得できるでしょ? 「表紙が露出度の高い女の子で、マンガチックな絵で、カラー口絵と本文イラストが入ってて」というのが。

 これからも作中に出てくる本を少しずつアップしてゆく予定です。〈BISビブリオバトル部〉シリーズを楽しむための参考になれば幸いです。

 最後に〈BISビブリオバトル部〉第4作『君の知らない方程式』が、〈Webミステリーズ!〉で連載中! 無料で読めます!
 ちなみに今回のテーマはマンガとライトノベル。空と武人と銀の三角関係を描くラブコメでもあります。お楽しみに
!  


Posted by 山本弘 at 21:56Comments(7)PRビブリオバトル

2016年02月16日

イベント:ビブリオバトルをやってみよう#3

山本弘のSF秘密基地LIVE#55
『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』発刊記念
 ビブリオバトルをやってみよう#3


 本を通して人と人をつなぐ知的書評ゲーム〈ビブリオバトル〉。それを題材にした山本弘の新刊『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』(東京創元社)の発売にちなんで、今回もイベントを開催します。
 会場ではビブリオバトルの実演も行ないます。チャンプ本を決める投票には、会場に来ていただいたみなさんも参加していただけます。
 なお、今回はビブリオバトルの出場者(発表参加者)も募集します。出場を希望される方は、当日、発表したい本を持ってお越しください。出場者には参加賞として、山本弘の新刊を1冊差し上げます。(参加希望者が多い場合はジャンケンになります。ご了承ください)


[出演] 山本弘

[日時] 2016年2月26日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円  
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

 詳しい情報はこちらから。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=98297876
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 いつものように、大阪でもイベントをやります。今回は会場に来ていただいた方の中から、発表参加者も募集します。
 ルールは簡単。初心者でも本1冊あれば誰でも参加できます。

ビブリオバトル公式ルール
http://www.bibliobattle.jp/koushiki-ruru

 特にテーマは決めません。小説でもノンフィクションでもマンガでもかまいません。
 さすがに出場していただくのに何のお礼もしないというのはまずいと思うので、発表していただいた方全員に僕の新刊(『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』か『怪奇探偵リジー&クリスタル』のどちらか)を差し上げることにしました。
 どっちも価格が料金(1500円)を超えてますから、発表すれば事実上、料金が無料になるわけです!
 ふるってご参加ください。
  


Posted by 山本弘 at 20:01Comments(2)PRビブリオバトル

2016年01月31日

新刊『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』

『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』

 東京創元社 1800円+税

 シリーズ第3作。 2月末予定の新刊です。

>ライバル校のミステリ研究会と交流試合を行うことになったBIS(美心国際学園)ビブリオバトル部。しかしミステリ研会長の早乙女寿美歌(さおとめ・すみか)は圧倒的なプレゼン力と膨大なミステリの知識を持つ強敵で、周囲は振り回されるばかり。両校のビブリオバトル対決の行方は?  寿美歌の個性的なキャラクターの陰に隠された素顔とは?  空(そら)がコミケに初参加する番外編「空の夏休み」を収録した、シリーズ最新刊。


 番外編「空の夏休み」は、空のコミケ初体験を描いたドタバタ話。最近はテレビで何度も取り上げられ、一般の人にもコミケというものの存在が知られるようになりましたが、まだまだ知られていない事が多いんじゃないかと思い、こういう話を書いてみました。

 本編の「世界が終わる前に」は、前作の最後に出てきたミステリマニアの中二病美少女・早乙女寿美歌をめぐる物語。劇中のビブリオバトルで何冊もミステリが紹介されるのはもちろん、この小説自体がミステリになってます。
 現実寄りの設定の話なんで、密室殺人とかの派手な展開はできないんですが、それでも謎めいた事件は起きます。「日常の謎」というやつです。詳しくは書けませんが、派手ではないけども大きなドンデン返しのある話だとだけ言っておきます。
 寿美歌は空のSF知識に匹敵するミステリ知識の持ち主ですが、かなり痛い性格。そのうえ重大な謎を隠している、危険な雰囲気の少女です。
 でも、謎を秘めているのは寿美歌だけじゃありません。実はレギュラーメンバーの中にも、大きな秘密を持つ人物がいたことが明らかになります。

 東京創元社さんはミステリをたくさん出してる出版社なんで、編集者にもミステリ好きが多く、原稿を読んで、僕が仕掛けた大きなトリックを途中で見抜いた人も何人かいたそうです。まあ、アンフェアにならないように、途中で大きなヒントを出してますからね。知ってる人なら、「あのトリックのバリエーションか」と気づくでしょう。
 ただ、最後の最後の意外な展開だけは読めなかったらしいです。実はこれ、1巻からずっと企んでた構想なんですよ。大半の読者が予想しているであろう展開を、わざとはずしたらびっくりするだろうなと。
 編集さんから「びっくりしました」という言葉を聞けて、してやったりと思いました。

 なお、「世界が終わる前に」というタイトル、同じ題名の歌がありますけど、まったく関係はありません。実は作中に登場するSF作品と関係しています。



  


Posted by 山本弘 at 19:17Comments(20)PRビブリオバトル

2015年10月12日

イベント「勇者集結!SFビブリオバトル&トーク」

 10月23日(金)~11月1日(日)に開かれる第56回 東京名物神田古本まつりで、こんなイベントに出演します。
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◆勇者集結!SFビブリオバトル&トーク
[主催] 神田古書店連盟  
[共催] SF文学振興会
[協力] 千代田区立千代田図書館
[会場] 東京古書会館 7階
[日時] 10月25日(日) 14:00~16:00(開場13:30)
[参加費] お一人様 1000円
[定員] 100名(先着順)
[予約・お問い合わせ先] 2012sfstart@gmail.com(SF文学振興会)
★本の祭典「神田古本まつり」での書評合戦「ビブリオバトル」、今年はSF がテーマのビブリオバトルとトークの2本立てです。
前半は、各地のSFサークル、読書会より参戦の選りすぐりバトラーによる、ビブリオバトルをお送りします。
テーマは、「中高校生に読んでもらえそうなSFはこれだ(仮) 」。勇者達はなにを紹介するのか?昔懐かしい本がでてくるか、あるいは最新の本がでてくるか、お楽しみに。
発表された本は千代田区立千代田図書館の「出張古書展コーナー」に展示(11/4~約1ヶ月間の予定)します。  
後半は、世界初のビブリオバトルをテーマにした小説「翼をもつ少女BISビブリオバトル部」を発表された、SF作家 山本弘先生をおまねきしてのトークセッション。 新作「幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部」のエピソードも交えて、ビブリオバトルからひろげる読書の楽しみについて語っていただきます。
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 とにかく本好きとしては「古本まつり」というだけでわくわくしちゃうわけですが(笑)。
 何でも前日には倉田英之氏と三上延氏のトークライブなんてものもあるらしくて、時間が許せば覗いてみようかなと思ってます。




  


Posted by 山本弘 at 14:13Comments(8)PRビブリオバトル

2015年06月12日

『BISビブリオバトル部』番外編「空の夏休み」



http://www.webmysteries.jp/special/biblio-01.html

 ミーナの頼みで、夏コミでサークルの手伝いをすることになった空。初めてのコミケ、初めてのコスプレでとまどうことばかり。さらには、特撮ファンのおじさんたちの二次会に参加することになり……。

 これまでコミケを題材にしたマンガや小説やアニメはたくさんあったけど、意外に知られていない部分がたくさんあるんじゃないかと思いつき、小説にしてみました。見本誌チェックとか一斉点検とかキャリーバッグのマナーとか森林保護募金とか、参加したことのある人なら常識だろうけど、コミケ体験のない人はたぶん知らないんじゃないかと思います。
 今回の前半の見せ場はコスプレです。空の人生初コスプレもいいんですけど、やっぱり、自分でもいいと思うのは銀くんのコスプレ! 版権にひっかかるから絵にはできませんけど(笑)、頭の中で思い描いていただきたいです。

 後半は居酒屋を舞台に、特撮ファンのおじさんたちによる特撮本をめぐるトークが展開します。今回はビブリオバトルをやらないので、番外編ということにして、サブタイトルにも「これはビブリオバトルではありません」と入れることにしました。
 ルールも何もないぐだぐだなおしゃべりですが、いろんな本や特撮作品の話題が出てきます。これ書くためにわざわざビデオで『さよならジュピター』観直しましたよ(笑)。

 このウェブ連載、登場する本や映像作品にリンクが貼られるんですが、今回は『マリみて』『ニンスレ』『ログホラ』『キャプスカ』『ギャレゴジ』などの略語に正確にリンク貼ってあるのに感心しました。編集さん、ご苦労様です。
  


Posted by 山本弘 at 15:26Comments(8)特撮PRコミケビブリオバトル

2015年06月12日

LiveWire「ビブリオバトルをやってみよう#2 」

山本弘のSF秘密基地LIVE#47
「BISビブリオバトル部 幽霊なんか怖くない」発刊記念
ビブリオバトルをやってみよう#2


 本を通して人と人をつなぐ知的書評ゲーム〈ビブリオバトル〉。それを題材にした山本弘の新刊『BISビブリオバトル部 幽霊なんか怖くない』(東京創元社)の発売を記念したイベントを開きます。
 前半はビブリオバトルの実演、後半はビブリオバトルをめぐるトークショー。ビブリオバトルの実演では、会場に来ていただいたみなさんも投票していただけます。ふるってご参加ください。


[出演] 山本弘(SF作家)、谷口忠大(ビブリオバトル創始者・立命館大学情報理工学部准教授)、福田和代(作家、ビブリオバトルin神戸「読まなきゃ!2014」主催)、鋼鉄サンボ(マイナープラモ研究家)

[日時] 2015年6月27日(土) 開場・14:30 開始・15:00
 いつもはその月の最終金曜の夜にやっていますが、今月は土曜の午後です。ご注意ください。

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有
http://benitsuru.net/about

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

チケットのご予約などはこちらに。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=90634127
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『翼を持つ少女』の時にもやりましたが、ビブリオバトルのイベントです。いつもLiveWireのトークショーは夜の7時半からやってるんですが、今回は土曜日の昼間です。いつもと違う客層の方が来ていただければいいなと期待しております。小さくて、あまりきれいじゃない(婉曲表現)会場ですが、驚かないようにお願いします。
  


Posted by 山本弘 at 14:40Comments(1)PRビブリオバトル

2015年06月12日

新刊『幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部』




東京創元社 1728円
6月26日発売予定
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488018214

 夏休み。BISビブリオバトル部のメンバーは、埋火武人の家で合宿を行なう。深夜に開催される、〈恐怖〉のテーマにした百物語風ビブリオバトル。そこで思いがけない怪現象が発生する。
 そして公共図書館で開催されるビブリオバトルのエキジビション。テーマは〈戦争〉。部員たちは体験したことのない〈戦争〉とどう向き合うのか?



『翼を持つ少女』に続く、『BISビブリオバトル部』シリーズの第2巻です。
 タイトルだけ見て誤解される方がおられるかもしれませんが、これは「幽霊なんているわけないよ」という単なるオカルト否定の話じゃありません。ネタは明かせませんが、まさに「幽霊なんて怖くない」という話です。
 もちろん、前作に引き続き、SF、科学、雑学、歴史、マンガなどなど、いろんな本が登場します。お楽しみに。

 発売に先立って、あとがきを〈Webミステリーズ!〉に掲載しております。 ネタバレはありません。お読みいただけると幸いです。

http://www.webmysteries.jp/sf/yamamoto1506.html 
  


Posted by 山本弘 at 14:30Comments(9)PRビブリオバトル

2015年01月09日

ビブリオバトル・チャンプ本『ゲームウォーズ』

 先月26日のLiveWire「ビブリオバトルをやってみよう」は成功でした。応援を頼んだ鋼鉄サンボくんや、阪大の菊池誠先生、神戸大学の学生さんらの協力もあり、ビブリオバトルの実演が盛り上がりました。
 紹介されたのは次の4冊。

小田雅弘『模型歳時記』(トイズプレス)
吉川浩満『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社)
高野秀行『幻獣ムベンベを追え』(集英社)
アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』(SBクリエイティブ)

 どれも面白そうだ!
 僕が投票したのは、鋼鉄サンボくんが持ってきた『模型歳時記』。いやー、『理不尽な進化』『幻獣ムベンベを追え』も前から評判は聞いていて、読もうと思ってはいたんですけどね、やっぱりストリームベースの小田さんのエッセイ集ときたら、読むしかないでしょ!
 結果は僅差で、僕の紹介した『ゲームウォーズ』がチャンプ本になりました。本当はもっと大差つけて勝つつもりでいたんだけどなあ。

 というわけで、チャンプ本になった記念に、『ゲームウォーズ』の内容を紹介いたします。できるだけビブリオバトルの雰囲気を出すために、会場で喋った内容を可能な限り思い出して再現してみました。

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 どうも、今日は勝ちに来ました!
 というのも、この本はすごく面白い! 読み終わって何日も興奮が収まらなかった。そんなすごい本なんです。冷静に紹介してなんかいられない。エキサイトさせていただきます。
 アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』。近未来を舞台にしたSFです。
 時は2041年。〈オアシス〉というバーチャル・ゲームが全世界に普及しています。単なるゲームじゃなく、すでにインターネットはほとんど〈オアシス〉と一体化しています。たとえば学校教育なんかも〈オアシス〉が使われている。生徒は自分の家にいながら、仮想空間の学校に通って勉強ができる。そういう時代なんです。
 そんな時、〈オアシス〉の開発者である天才プログラマーのハリデーという男が亡くなります。彼は死の直前に遺言を残していて、その映像が全世界に流れます。その遺言というのは──
「私の資産、総額2400億ドルを1人の人物に譲る」
 彼は〈オアシス〉のどこかに〈卵〉を隠した。いわゆる「イースター・エッグ」というやつですね。それを手に入れた者が遺産を受け継ぐことができるんです。

 さあ、このあたりでもう、頭の中に『ONE PIECE』のOPのナレーションが流れてきて(笑)、盛り上がってくるわけですが。
 当然、世界中の人間が〈卵〉探しに熱中します。〈卵〉を手に入れるためには3つの鍵が必要で、まずその鍵を見つけなくちゃいけないんですが、それがなかなか見つからない
 というのも、〈オアシス〉の世界はとんでもなく広いんです。何千というワールドがあって、それぞれに何十もの惑星がある。行き当たりばったりに探したって見つかるわけがない。ハリデーの遺したヒントを解かなくちゃいけないんです。
 ここで重要なのが、ハリデーは1972年生まれだという設定。つまり1980年代に少年時代と青年時代を過ごした。おまけに、がちがちのオタクです。
 だもんで、ハリデーの遺した謎を解くためには、80年代サブカルチャー──ビデオゲーム、TRPG、映画、ドラマ、音楽、アニメとかに関する膨大な知識が要求されるんです。

 ここに登場するのが主人公のウェイドという少年、高校生です。かわいそうな身の上なんですよ。両親を早くに亡くして、おばさんに引き取られてるんですけど、貧乏だからトレーラー・ハウスに住んでる。社会の最下層の人間です。でも、オタクなんです。ゲームに課金とかできないから、〈オアシス〉の中でも、ただで遊べる古いゲームばかりプレイしてる。
 そのウェイドが、あるきっかけで、最初の鍵を発見するんです。たちまちネットの世界で有名人になってしまいまして、〈卵〉の争奪戦に巻きこまれます。
 当然、悪役も出てきます。IOIという世界的大企業が、ハリデーの資産と〈オアシス〉の乗っ取りを企んで、〈卵〉を先に手に入れようと卑劣な工作を仕掛けてきます。目的のためなら平然と人殺しもするような、ほんとに悪い連中なんです。
 ウェイドは頼りになる仲間とともに、現実世界でIOIの陰謀から逃れながら、仮想空間で宝を探します。もちろんバトルもありますし、ヒロインとのロマンスもあります。だからこれはSFなんですけど、『宝島』のような、財宝をめぐる昔ながらのアドベンチャーでもあるんですね。
 で、やっぱりこの小説の魅力は、山のように詰めこまれた70年代や80年代のゲームや映画に関するトリビアです。それが謎を解く鍵になってる。たとえば最初の鍵のありかですけど、『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』の初期のモジュールの中にヒントが隠されてたりします。
 ネタバレになるから詳しくは話せないんですが、下巻の展開をちょっとだけ。
 クライマックス。ゲーム世界の命運をかけた一大決戦。IOIの軍団がたてこもる〈オアシス〉の中の惑星に、IOIに立ち向かう世界中のゲーマーが集結してる。その戦場に主人公が赴くんですよ。巨大ロボットに乗って。その巨大ロボットというのが──

 レオパルドンです!

 いや、ほんと。ブレスレットに向かって「チェンジ・マーベラー!」と叫ぶと、ちゃんとマーベラーに変形するんですよ。
 その最終決戦がまた、とんでもないことになってるんですけど、それは読んでのお楽しみということにしておきます。
 この小説、すでに映画化が決定してまして、監督を探してるところなんだそうですけど、でも、これを映像化しようとしたら……

 東映と東宝と円谷プロとダイナミックプロとサンライズにどんだけ版権料払わなあかんのかなと(笑)。

 でも、見たい! このクライマックス・シーンはぜひ映像化してほしい! そんな夢の詰まった作品です。

【質疑応答】
Q.私は80年代のサブカルに詳しくないんですが、楽しめますか?
A.作中にいちいち「これはこういうもので」という解説が入りますんで、理解するのに支障はないと思います。僕も正直、音楽関係のことはぜんぜん分からないんですけど、それでも楽しめましたから。

Q.主人公の冒険は仮想世界の中がメインなんですか?
A.現実の世界でIOIの魔の手から逃れながら、並行してゲーム世界での冒険も繰り広げます。現実世界とゲーム世界の比率が半々ぐらいですかね。

Q.仮想空間に入るのは、やっぱり脳にジャックインとかして?
A.いえ、インプラントとかは必要なくて、基本的にヘッドマウントディスプレイとグローブを使用します。現代の延長線上の技術ですね。

Q.サイバーパンクなんですか?
A.サイバーではあるけどパンクじゃないですね。




【補足】
 何で主人公がレオパルドンを持ってるかというと、そのひとつ前のミッションで、クリヤーするとご褒美に好きな巨大ロボットを一台もらえるんですよ。
 ガンダムやマジンガーやエヴァンゲリオンがずらっと並ぶ中、主人公が迷わず選んだのがレオパルドン! 素晴らしすぎます。

 下は台湾のSharksDenというイラストレーターが描いたファンアート。公式のイラストじゃありません。

http://sharksden.deviantart.com/art/Ready-Player-One-423782453

 冗談抜きで、こんなシーンがあるんですよ!

 ちなみに映画の監督はクリストファー・ノーランがオファーされてるらしいんだけど……うーん、ノーランじゃ何か違うかも。