2016年01月31日

新刊『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』

『世界が終わる前に BISビブリオバトル部』

 東京創元社 1944円+税

 シリーズ第3作。 2月末予定の新刊です。

>ライバル校のミステリ研究会と交流試合を行うことになったBIS(美心国際学園)ビブリオバトル部。しかしミステリ研会長の早乙女寿美歌(さおとめ・すみか)は圧倒的なプレゼン力と膨大なミステリの知識を持つ強敵で、周囲は振り回されるばかり。両校のビブリオバトル対決の行方は?  寿美歌の個性的なキャラクターの陰に隠された素顔とは?  空(そら)がコミケに初参加する番外編「空の夏休み」を収録した、シリーズ最新刊。


 番外編「空の夏休み」は、空のコミケ初体験を描いたドタバタ話。最近はテレビで何度も取り上げられ、一般の人にもコミケというものの存在が知られるようになりましたが、まだまだ知られていない事が多いんじゃないかと思い、こういう話を書いてみました。

 本編の「世界が終わる前に」は、前作の最後に出てきたミステリマニアの中二病美少女・早乙女寿美歌をめぐる物語。劇中のビブリオバトルで何冊もミステリが紹介されるのはもちろん、この小説自体がミステリになってます。
 現実寄りの設定の話なんで、密室殺人とかの派手な展開はできないんですが、それでも謎めいた事件は起きます。「日常の謎」というやつです。詳しくは書けませんが、派手ではないけども大きなドンデン返しのある話だとだけ言っておきます。
 寿美歌は空のSF知識に匹敵するミステリ知識の持ち主ですが、かなり痛い性格。そのうえ重大な謎を隠している、危険な雰囲気の少女です。
 でも、謎を秘めているのは寿美歌だけじゃありません。実はレギュラーメンバーの中にも、大きな秘密を持つ人物がいたことが明らかになります。

 東京創元社さんはミステリをたくさん出してる出版社なんで、編集者にもミステリ好きが多く、原稿を読んで、僕が仕掛けた大きなトリックを途中で見抜いた人も何人かいたそうです。まあ、アンフェアにならないように、途中で大きなヒントを出してますからね。知ってる人なら、「あのトリックのバリエーションか」と気づくでしょう。
 ただ、最後の最後の意外な展開だけは読めなかったらしいです。実はこれ、1巻からずっと企んでた構想なんですよ。大半の読者が予想しているであろう展開を、わざとはずしたらびっくりするだろうなと。
 編集さんから「びっくりしました」という言葉を聞けて、してやったりと思いました。

 なお、「世界が終わる前に」というタイトル、同じ題名の歌がありますけど、まったく関係はありません。実は作中に登場するSF作品と関係しています。



  


Posted by 山本弘 at 19:17Comments(0)PRビブリオバトル

2016年01月15日

Live Wire「ガルパンはいいぞ! RWBYもいいぞ!~戦闘美少女総進撃」

Live Wire 16.1.29(金) なんば紅鶴

山本弘のSF秘密基地LIVE#54
ガルパンはいいぞ! RWBYもいいぞ!~戦闘美少女総進撃

 毎回オタク的なネタを扱うこの企画、今月はアニメやマンガやライトノベルの世界で大人気の、戦う少女の話です。
 フィクションの中で少女たちはいつから戦うようになったのか。その歴史と傾向の分析……といった堅苦しい話題ではなく(笑)、戦闘美少女の魅力について、いろんな考察や視点を交え、熱くミーハー的に盛り上がろうという企画です。『ガールズ&パンツァー』や『RWBY』、あるいは『プリキュア』『リリカルなのは』『まどか☆マギカ』など、好きな作品・好きなキャラクターについて存分に語り合いましょう!


[出演] 山本弘、鋼鉄サンボ

[日時] 2016年1月29日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円  
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

ご予約はこちらからどうぞ
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=97353579
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 月1回のペースで、もう4年以上続けてきたこのイベント。実はこれまで本格的にアニメの話を取り上げたことがなかったんです。アニメ誌の歴史を振り返ったり、キャラクタープラモを紹介した回ならあったんですが。
 とは言っても堅苦しいアニメ論なんかやっても面白くない。今回は『ガールズ&パンツァー劇場版』と『RWBY』にハマったことから、「戦闘美少女」というくくりで、ミーハー的に論じてみようと思いつきました。
 戦闘美少女といっても、ロボットなどのメカに乗って戦う場合と、生身で(魔法によるパワーアップはあり)戦う場合に大別されます。さらに、メカ派と生身派のハイブリッドで、女の子が兵器であると同時に生身でもある『ストパン』『艦これ』なども出てきたわけです。
 メカ派の行き着いた先が『ガルパン』で、生身派のひとつの完成形が『RWBY』。しかもこの2作品、どっちも学園もの。並べて相違点や共通点を語ると、けっこう面白いんじゃないかと思います。

 先日、ゲストに来てくれる予定の鋼鉄サンボくんと『ガルパン劇場版』を鑑賞した後(彼は初めて。僕は4回目)、喫茶店で雑談していて、「そもそもマンガやアニメの中で女の子が戦うようになったのはいつ頃からか?」という話になりました。
 アメコミの場合、1930年代後半から40年代にかけて、シーナとかワンダーウーマンとかの戦うヒロインがすでに大勢デビューしていたわけですが(スーパーガールの登場はもう少し遅く、1958年)、日本では誰が最初だったのか。「やっぱりキューティーハニー?」とか思ったんだけど、考えてみると元祖は『リボンの騎士』じゃないかなと。
 一方、メカに乗って戦うヒロインのハシリっていったい何だろうな……と考えてみたら。

『キャプテン・スカーレット』(1967)のエンゼル・チームだ!

 いやあ、「女性だけの戦闘機隊」って、今となっては珍しくもない発想だけど、当時はものすごく斬新だったんですよね。
 この後、70年代になると、日本のアニメでも女の子がメカに乗ることが多くなるんだけど、男性ヒーローが操縦するロボットのサポート役だったり、合体ロボでも足の部分だったり、なかなか主人公にはなれなかったんですよね。かろうじてゴワッパー5のリーダーだった岬洋子がいるぐらい。その状況が80年代から少しずつ変わってきたわけで……。

 という風な話をしようと思っています。今では忘れられているマイナー作品も取り上げますが、もちろん「戦闘美少女」もののエポックメーキングと言える『セーラームーン』『リリカルなのは』『プリキュア』『まどか☆マギカ』の話もたっぷりします。
 お楽しみに!
  


Posted by 山本弘 at 18:06Comments(2)美少女PRアニメ

2015年12月27日

『ガールズ&パンツァー劇場版』

[ストーリー]
 華道や茶道と並ぶ女子のたしなみとして、昔から「戦車道」が普及している世界。
 西住みほの率いる大洗女子学園戦車道チームは、全国大会で優勝。それを記念して、大洗市内では大規模なエキシビジョン・マッチが開催されていた。
 そんな時、一度は撤回されたはずの大洗女子学園廃校の話が再浮上。みほたち戦車道チームも愛する学園艦を追われ、山の上の廃校で共同生活を送ることに。
 文科省との交渉の末、大学選抜チームに勝利すれば、今度こそ廃校が撤回されることになる。大学選抜チームを率いるのは、西住流と並び称される島田流戦車道の家元の娘、天才少女・島田愛里寿。
 大洗女子学園のピンチに、聖グロリアーナ、サンダース、アンツィオ、プラウダ、黒森峰など、かつてのライバル校のチームも集結、30輌対30輌の大規模殲滅戦が開始される!

 もう3回観た。正月には4回目に行こうかと思っている。 まだ『スター・ウォーズ』行ってないのに。
 実はテレビ版はそんなにハマってたわけじゃない。DVDも買ってないし、アンツィオ校の話もまだ観てないぐらい。
 でも、この劇場版はハマった!
 思わずBGM集、買っちゃいましたよ。各校のテーマが入ってるの。「ジョニーが凱旋するとき」とか「パンツァー・リート」とか。あと、ボコの歌も(笑)。
 特にエキシビジョンでプラウダ高校の戦車が登場するシーンで流れる「カチューシャ」は、やっぱり燃える。

 でね、これは絶対、劇場で観るべき!
 戦車のエンジン音、キャタピラ音、砲撃、爆発と、その音響効果は劇場でないと堪能できない。東京の立川シネマシティでは、最高の音響設備で「センシャラウンド ファイナル」による「極上爆音上映」というのをやってるんだそうで、これは東京に行く機会があったらぜひ行ってみたい。(冬コミの期間中は無理かも。人が多いだろうから)
 特に丘の上のシーンのあの大爆発は、普通の映画館(梅田ブルク)の音響でもビビったぐらいだから、さぞすごいだろうと思う。

 とにかく戦闘シーンがいい。血沸き肉躍る。
 前半の大洗での大市街戦も、テレビ版の総決算という感じで面白かったんだけど、後半の大学選抜チームとの殲滅戦がその何倍もすごい!
 単に撃ち合うだけじゃなく、頭脳戦が面白い。特にクライマックスの廃遊園地でのバトルは、奇抜なアイデアをものすごい密度で詰めこんでいて、楽しいったらない。ジェットコースターそう使うかとか、バイキングそう使うかとか。

 大勢のキャラクターにみんなきちんと見せ場を作ってるのもいい。
 劇場版で初登場の知波単学園は、前半では圧倒的な弱さを見せつける(笑)。とにかく突撃して散るのが伝統。もちろん、旧日本陸軍を皮肉った自虐ギャグなんだけど、後半、彼女たちがそれまでの戦い方をあらためてトリッキーな戦法を使いはじめてからは、見違えたように大活躍して大学チームを翻弄する。
 他にも印象的なのは、やはり初登場の継続高校。フィンランド軍の自走砲BT-42が、フィンランド民謡「サッキヤルヴェンポルッカ」をBGMに、軽快なフットワークで駆けまわる。この曲を戦闘シーンに流すってのは意表突かれました。
 模型店では今、BT-42がよく売れてるんだそうだ。分かるなあ。この映画観たら買いたくなるわ。今回、いちばんかっこいい戦車だもの。
 あとアンツィオ学園の思いがけない活躍も楽しいし、カチューシャの「撤退するわよ!」というシーンはちょっと泣かせる。

 そうして奮戦する大洗チームをものすごい勢いで屠ってゆく天才少女・愛里寿が、これまたかっこいい。
 クライマックスはその愛里寿と西住姉妹の壮絶なバトル。このへんはもう台詞すらほとんどなくて、3台の戦車が縦横無尽に走り回り、撃ちまくる。熱くなるしかない展開。

 戦闘のない中盤のシーンも、本来ならダレ場のはずなんだけど、ここも大洗のそれぞれのキャラクターの日常をこまめに描いていて、退屈しない。

 小ネタもいろいろ。「ミフネ作戦」というのは『1941』のことだろうし、選抜チームの隠し玉のアレにしても、『プラモ狂四郎』の対シミュレーションゲーマー編のオマージュじゃないかと思える。
 ほんとに細かいことなんだけど、神社のシーンで、怒ってるカチューシャの後ろでノンナが手を合わせてるのが、個人的にすごくおかしかった。戦車で境内に踏みこみはするけど、いちおう礼儀は欠かしてない(笑)。
 ノンナといえば、ノンナ(上坂すみれ)とクラーラ(ジェーニャ)のロシア語の会話はファンサービスだよね。それにしても、「ロシア語ぺらぺらでソ連戦車マニアの日本人声優」と「日本語ぺらぺらで父親がスペツナズ中佐のロシア人声優」がいるんだから、日本のアニメ界は人材豊富だ(笑)。

 アニメファンだけじゃなく、一般の映画ファンにもおすすめしたい。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にしびれた人なら、この映画にもしびれると思う。 冬休みにはぜひ。
 ちなみに、映画の冒頭に、設定とテレビ版のストーリーの解説があるので、初見の人でも支障はないと思う。分からない点は「特殊なカーボン」だと思っておけばいいから(笑)。

 というわけで、ガルパンはいいぞ!
  


Posted by 山本弘 at 17:42Comments(12)美少女アニメ映画

2015年12月27日

コミケ直前情報:2015年冬コミの新刊

12月30日(水) 東 メ-36b
心はいつも15才

新刊『世界の怪獣119』

「ケイブンシャの大百科みたいに、映画に出てきたいろんな怪獣をカタログ的に紹介する本があったら楽しいだろうな」という軽い思いつきで書きはじめた本。最初は50ページ前後の薄めの本にするつもりだったんですが、調子に乗って書いてたら120ページ超えちゃいました(笑)。題名通り、119匹の怪獣を紹介しています。
 最初に出てくるのがレプティリカス、ゴルゴ、ヨンガリ、グワンジだと言えば、怪獣マニアの方ならだいたいどんな本か想像がつくと思います。有名な作品もある一方、よほどのマニアでも聞いたことのないようなマイナー怪獣もいろいろ。『原潜シービュー号』に出てきたメンフィッシュとか、『血に飢えた島』のシリケートとか。
『MM9』シリーズに名前だけ登場するイブ、ユージン、レイ、グレン、アリソン、アーノルドや、『トワイライト・テールズ』で語られる「一九五七年に南カリフォルニアのソルトン湖に出現した巨大カタツムリ」「一九七七年にオレゴン州のクレーター湖に出現した首長竜」「八二年のネス湖」などの事件の元ネタも、これ1冊ですべて分かります。

・日本の映画に登場する怪獣は取り上げておりません。
 外国映画や海外テレビドラマに絞っています。日本の特撮作品については、商業出版でも同人誌でも資料が山ほど出ていて、今さら僕が取り上げる必要もないと思ったからです。
 ただ、日本人のスタッフが特撮を担当していても、外国映画であれば取り上げています。『極底探検船ポーラボーラ』『バミューダの謎』『大蛇王』『北京原人の逆襲』『プルガサリ』など。

・CGを使用した怪獣は取り上げておりません。
 『ジュラシック・パーク』以降、CGが安く使えるようになった結果、巨大怪獣映画が増えすぎて、とてもフォローしきれないからです。ですからこの本で紹介する怪獣は、着ぐるみ、人形アニメ、ギニョール、マリオネットなど、非CGのものに限定させていただきました。
 ちなみにいちばん新しい怪獣は、90年代のザルコー、ガルガメス、グジラです。

・等身大で人間型の生物は「怪人」または「異星人」だと考え、この本には含めておりません。
 怪人や異星人まで入れたら、確実に厚さが3倍以上になりますので。

 また、なるべくいろいろな怪獣を入れたかったので、同じような姿の怪獣は省略させていただきました。たとえば恐竜映画の場合、やたらにティラノサウルスばかり出てくるのは面白くない。だから『最後の海底巨獣』あたりは省略してます。
 あと、向こうの映画、トカゲ恐竜とでっかいクモとゴリラ多すぎ(笑)。なので『紀元前百万年』『吸血原子蜘蛛』『巨大猿怪獣』あたりも省略しました。ラウレンティス版の『キングコング』とかも。
 それだけ削りに削って119匹。
 でもねえ、入れたかったけど入れられなかった怪獣もいるんですよ。『魔獣大陸』のダコへドラとか、資料が何もない。あと、印刷会社に原稿を送った後で、「しまった、ヴァーミスラックス忘れてた!」とか「『エクイノックス』がすっぽり抜けてる!」とか気がついて、頭抱えましたけどね。

 夏に出した『あなたの知らないマイナー特撮の世界』も残部あります。お越しをお待ちしております。
  


Posted by 山本弘 at 16:53Comments(8)特撮PRコミケ

2015年12月12日

新作『怪奇探偵リジー&クリスタル』

『怪奇探偵リジー&クリスタル』
角川書店 12月26日発売 1944円

 第二次世界大戦直前の一九三八年。ロサンゼルスのダウンタウンに探偵事務所を構える私立探偵エリザベス・コルト(通称リジー)と助手の少女クリスタル。二人の元に舞いこむのは、猟奇的な殺人事件や超常現象など、常識はずれの奇怪な事件ばかり。だが、そんな事件に立ち向かう二人も、ただの人間ではなかった!

 こんな話を思いついたきっかけは、戦前戦中のアメリカのホラー映画やモンスター映画、パルプ雑誌などについて調べているうち、こうした懐かしいB級作品の香りを現代に蘇らせられないかと考えたことです。科学が進歩し、コンピュータやインターネットが普及した現代に、こうした話は似合わない。だったらいっそ、ああいう映画や雑誌が実際に作られていた時代を舞台にした方が面白いと。
 また、『事件記者コルチャック』や『狼女の香り』、最近だと『ドクター・フー』や『秘密情報部トーチウッド』といった海外の一話完結式の怪奇・SFドラマが好きなもので、以前からああいう話をやってみたかったということあります。もちろん、先行作品とはかぶらないように、2人のヒロインは非常にユニークな設定にしています。各話のストーリーにしても、「こんなの山本弘でないと書けない」と言ってもらえるようなものばかりだと自負しております。
 ホラーあり、サスペンスあり、SFあり、ミステリあり。スプラッタもあれば笑いもあり、時にはしんみりとさせる。そんな自由奔放でにぎやかな世界が『リジー&クリスタル』なのです。


●第一話 まっぷたつの美女
 リジーの探偵事務所を訪れた美女が、奇妙な相談を持ちかける。恋人が猟奇的な表紙を売り物にしているパルプ雑誌を買い集めているのが不安だというのだ。リジーに説得されて帰っていったが、数日後、まさにパルプ雑誌の表紙を模したかのような残酷な殺人事件が起きる。

 リジーとクリスタルの人物紹介を兼ねた第一話は、この小説を書くきっかけになった、30年代アメリカで流行していたパルプ小説誌をネタにした話。作中に登場する雑誌はすべて実在のもの。この時代のアメリカでは、こんな雑誌が山ほど出てたんです。


●第二話 二千七百秒の牢獄 
 一九三二年、ユニバーサル映画が製作していたものの、さる事情で未完成に終わった密林映画『豹人の女王』。6年後、そのフィルムをめぐって、ユニバーサルの創始者カール・レムリの身に奇怪な現象が起き、リジーもそれに巻きこまれる。フィルムに潜むアフリカの邪神ニャーマトウ。クリスタルはリジーたちを救うため、名特撮マン、ジョン・P・フルトンに助けを求める。

 ジョン・P・フルトンは実在の人物。『透明人間』(33)や『フランケンシュタインの花嫁』(35)の特撮技術は、今見ても素晴らしいです。
 彼に興味を抱くうち、「もしフルトンが恐竜の出てくる特撮映画を作っていたら」と思いつき、その映画の内容を妄想するうちにでき上がったエピソード。『豹人の女王』は完全に架空の映画なんですが、いかにもこの時代に作られていそうなものを考えました。

●第三話 ペンドラゴンの瓶
 一八八〇年、コロラドの田舎町を訪れたカーニバルで、少年が目撃した正体不明の「ペンドラゴンの瓶」。一九三八年、カリフォルニアの山中で起きた謎の獣による惨殺事件。そして一六一七年、イングランドの錬金術師ペンドラゴンが美しい娘ベスを殺害した事件──三世紀の時をまたいで、事件がひとつの線となって結びつく。

 ヒントになったのはレイ・ブラッドベリの「瓶」という短編。何が入っているのか分からない奇妙なガラス瓶をめぐる話です。
 これ以上は何を書いてもネタバレになりそうなのでやめておきます。話が転がってゆく様をお楽しみください。

●第四話 軽はずみな旅行者
 とあるダイナーで、リジーはギャングのカジンスキーと話している男を目にする。数日後、ルークと名乗るその男が探偵事務所を訪れ、カジンスキーに奪われたアタッシェケースを取り戻してくれと依頼する。彼はあるアイテムを手に入れるために二十一世紀末からこの時代にやってきたタイムトラベラーで、アタッシェケースを取り返さないと歴史が決定的に歪んでしまうというのだ。

「怪奇探偵」というタイトルから受けるであろうイメージから大きくはずれた、コミカルなSF話。まあ、『コルチャック』にもロボットや宇宙人が出てくる話がありましたからね。こういう話もアリなのが『リジー&クリスタル』なのです。
 特に後半、SFファンなら大喜びする趣向を盛りこんでおります。

●第五話 異空の凶獣
 かつてクリスタルの母が取り組んでいた四次元空間の実験。科学者ウィッシュボーンがその実験を再開させたところ、地球に隣接する異空間の惑星から、透明な肉食生物ドロウルがこちらの世界に侵入してきた。人間に知られることなく凶行を重ねるドロウル。その姿が見えるのはクリスタルだけなのだ。

 クリスタルと異次元生物の死闘を描くサスペンス編。これもSFファンなら、A・E・ヴァン・ヴォクトの「黒い破壊者」を連想するでしょう。(クァールは透明じゃないですけど)

  


Posted by 山本弘 at 19:14Comments(9)美少女SFオカルトPR レトロ

2015年12月12日

『「新」怪奇現象41の真相』

ASIOS編
『「新」怪奇現象41の真相』
彩図社 12月24日発売 842円


 ASIOSの新刊です。まだまだネタは尽きないですね。
 今回は最初からコンビニ売りになりますので、初版部数も多いです。値段もこれまでのシリーズより若干安く、お求めやすくなっております。

 目次 (カッコ内は執筆者)

第一章 世界を騒然とさせた「怪奇・超常現象」の真相

夢に現れる謎の男「THIS MAN」(本城)
ボリビアの怪人「シャドーマン」(横山)
マヤのピラミッドから伸びる光の柱(本城)
ウィツタブルのポルターガイスト(本城)
宮殿に現れた悪霊「グレイ・レディ」(本城)
警察官を襲う森の精霊「ノーム」(本城)
アポカリプティック・サウンドの謎(本城)
アルゼンチン「幽霊ブランコ」の怪(若島)

第二章 宇宙からの来訪者「UFO事件」の真相その1

黒騎士の衛星は実在するか?(寺薗)
「バナナTV」のUFOは本物か?(秋月)
地球製UFO「TR‐3B」の墜落写真(蒲田)
エルサレムのUFOビデオ(皆神)
大空を飛ぶ「不定形UFO」の正体は?(秋月)
ボイド・ブッシュマンの死の告白(加門)

第三章 人類の未来を見通す「大予言」の真相

世界情勢を予言する「イルミナティ・カード」(山本)
イルカの大量座礁死は大地震の前兆か?(山本)
ネットに広まる「ヒトラーの予言」(山本)
ゲリー・ボーネルの予言(山本)
ブルガリアの予言者「ババ・ヴァンガ」(羽仁)
タイタニック号沈没を予言していた小説(山本)

第四章 宇宙からの来訪者「UFO事件」の真相その2

太陽から給油する超巨大UFO(寺薗)
喜望峰に現れた空飛ぶ円盤の写真(本城)
タリバンを攻撃するUFO型戦闘機(羽仁)
「ロズウェル・スライド」の正体(蒲田)
実在した!? アメリカ空軍UFO調査機関(秋月)
パスカグーラUFOアブダクション事件(加門)

第五章 未知の怪生物と遭遇「UMA事件」の真相

コロラドの「スカイ・クリッター」(本城)
未知の巨大地底生物「トレマーズの死骸」(横山)
謎のミイラ「アタカマ・ヒューマノイド」(本城)
「遠野のカッパ伝説」の真相(皆神)
大発見! 人魚伝説の新たな真実(皆神)
海岸に打ち上げられたドラゴンの死骸(横山)
ウィンダミア湖の怪獣「ボウネッシー」(横山)
超巨大アナコンダとタコ宇宙起源説(横山)

第六章 歴史を変える大発見!?「超古代文明」の真相

ドワーフの都市マクハニックは実在する?(本城)
マンチェスター博物館の動くエジプト像(皆神)
太陽系を司る!? ニネヴェ定数の謎(山本)
死の連鎖が続く「アイスマンの呪い」(ナカイ)
「聖徳太子の地球儀」はオーパーツか?(藤野)
ドイツ・ボンの錆びない鉄柱(原田)
伊勢神宮の神鏡にヘブライ文字がある?(藤野)


 ご覧の通り、僕が担当したのは「イルミナティ・カード」「イルカの大量座礁死」「ヒトラーの予言」「ゲリー・ボーネル」「タイタニック号沈没を予言していた小説」「ニネヴェ定数」です。
「イルミナティ・カード」については、このブログでも何度も取り上げたし、別の本でも紹介したんですが、まだ真相を知らない人が多いんじゃないかと考え、もういっぺん取り上げることにしました。これ、単なる珍説というだけじゃなく、スティーブ・ジャクソン・ゲームズに対する誹謗中傷ですからね。デマを根絶するために、何度でも事実関係を説明しておく必要があると思いました。
「タイタニック号沈没を予言していた小説」は、2年前に同人誌に書いたネタを書き直したものです。
「ヒトラーの予言」は、五島勉氏の創作だってことが知られていないまま、事実であるかのように拡散してるんですよね。やっぱり誰かが真相を書いておくべきかと思いました。
 あと、ゲリー・ボーネル。何であんなに盛大に予言をはずしてきた人物がいまだに信じられているんでしょうか? 不思議でなりません。
「ニネヴェ定数」は前に志水一夫氏が『トンデモ超常現象99の真相』で取り上げていましたが、ツッコミ方が不十分だったので、今回は徹底的に書き直しました。なぜ「「195兆9552億」などという数字が誤訳によって生まれたのか、なぜそれが特別な数字に見えるのか、これを読めばすっきりすると思います。

  
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Posted by 山本弘 at 18:53Comments(2)オカルトPR

2015年12月12日

LiveWire「死霊のクリスマス ~ホラーとゲームを語る夜 」

山本弘のSF秘密基地LIVE#53

死霊のクリスマス ~ホラーとゲームを語る夜

 今月は新作『怪奇探偵リジー&クリスタル』(角川書店)およびASIOS『「新」怪奇現象41の真相』(彩図社)出版にちなみ、怪奇特集です。作家・ゲームデザイナーの友野詳氏をゲストに迎え、若い頃から親しんできたマンガ、小説、映画、テレビドラマなどのホラー作品の魅力や、それらを創作にどう反映させているかといった裏話を語り合います。妖怪の話もいっぱい。『妖魔夜行』『クトゥルフの呼び声』『ゴーストハンター』などのホラー・ゲームの話題もいろいろ。妖怪の好きな方、ゲームの好きな方、クリスマスは怖い話で盛り上がりましょう!

[出演] 山本弘 友野詳

[日時] 2015年12月25日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] ¥1,500
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

チケットのご予約はコチラ↓
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=96140959
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 久しぶりに友野くんにゲストに来ていただくことになりました。知る人ぞ知るホラーマニアで、聞いたこともないようなゾンビ映画を山ほど観まくっている男です。
 先日、グループSNEの忘年会で会った時に、トークのだいたいの方向性でも決めておこうと思って、「みんなが食いつく話題って何だろう? 『事件記者コルチャック』あたり?」「いや、『コルチャック』はマイナーでしょ」とか、いろいろ話したんですが、結論は出ませんでした。どんな話が受けるのか予想がつかない。『コルチャック』がマイナーだったら『悪魔の手ざわり』とか『真夜中の恐怖』とかはどうなるんだと(笑)。
『悪魔の手ざわり』はまだマニアの間では名が知られてるんですけど、『狼女の香り』とかになると、SNEの内輪でも「何それ?」とか言われたりします。いや、好きなんですけどね、どれも。
 とりあえず、先日亡くなられた水木しげる先生の話を枕に、好きなホラーマンガとか、ドラマや映画やゲームの話題を語ってゆくつもりです。お楽しみに!
  
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Posted by 山本弘 at 18:23Comments(3)オカルト特撮PR映画ゲーム

2015年11月23日

それは僕が書いたんじゃありません

 僕に関するデマが流れることは前から何度もあったんだけど、先月、またデマが流れた。
 このブログを僕が匿名で書いたというのである。

王様は裸だ! と叫ぶ勇気 ~伊藤計劃『ハーモニー』の崩壊~

 読んでみて、なるほど、いかにも僕が書きそうな文章だなと思った(笑)。
 この人などもそう考えているらしい。

『ハーモニー』『虐殺器官』を批判する匿名記事を読んでいて気づいたこと

 なんかいかにも推理っぽいことを書いてるけど、まったく見当はずれの迷推理。僕はこんなブログ書きません。

 第一に、僕はそもそも『ハーモニー』も『虐殺器官』も読んでない。
 なぜ読んでないかというと、僕は天邪鬼なもんで、まわりが「すごい」とか「傑作だ」と盛り上がってると、逆に読む気をなくすんである(笑)。ダン・シモンズの『ハイペリオン』を読んでないのもそう。評判になればなるほど読みたくなくなる。それよりも、あまり注目されないけど自分なりに面白いと思う本を見つけるのが好きなのだ。アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』みたいに。

ビブリオバトル・チャンプ本『ゲームウォーズ』

 第二に、この人とは意見が違う。たとえば「The Indifference Engine」は読んでるけど、「アイデアから構成からテッド・チャン「顔の美醜について」にそっくり」とは思わなかった。アイデアが同じでもストーリーが違えば別の作品だ、というのが僕の持論である。そうでなかったら、『地球移動作戦』なんて書くか(笑)。
(もっとも、「顔の美醜について」が「あなたの人生の物語」より優れているという点については同意する。「顔の美醜について」はもっと評価されるべきだと思う)

 第三に、確かに僕は現役の日本SF作家を批判することは避けている。問題が起きそうだから。
 でも故人、それも亡くなって何年にもなる人に対しては躊躇しない。以前からこのブログをお読みの方なら、僕が栗本薫氏についてどう書いていたか、ご記憶のはずだ。

フィクションにおける嘘はどこまで許される?(後編)
クリプトムネジアの恐怖・1

 だから僕がもし伊藤計劃氏を批判しようと思ったら、堂々と実名でやる。匿名になんかしない。

 そもそも僕はパソコン通信の時代から、ずっと「山本弘」というハンドルで通している。別ハンドル使ったことなんか一度もない。
 なぜかというと、僕は自分が信じられないから。
 人間は匿名になるとどんなおぞましい発言でも平気でやる。げんに今もネットにはそんな発言があふれている。僕は自分がそんな風に暴走しない自信がない。だから自分に枷をはめるため、決して匿名は使わないと決めている。

 まあ、これぐらいのデマだったら些細なことで、笑って許せた。僕は10月27日のツイッターでこう書いた。

https://twitter.com/hirorin0015/status/658912910110928896
>このブログの作者が僕じゃないかという憶測が流れてる。違いますよ! 僕は『ハーモニー』読んでないから。

 これでこの件は収まったと思っていた。ところが、後になって調べ直してみたら、笑いごとじゃないことが起きていたことが分かった。検索していたら、こんな意見が見つかったのである。

>これ、絶対に「山本弘の文章を模倣して書いた」というのが分かる極めて悪質な文章。読む人間が読めば、氏の使う文章の特徴的な言い回しがモロに出てて、あいた口がふさがらない。

 実は僕の書いた前述のツイッターにも、他の人からこんなリツイートが来ていたのだ。

>この記事、言葉使いや文章構成があまりにも山本先生っぽいんですよね…「僕はひっくり返った。」とか、と学会本で何度も目にした言い回しですし。これは誰かが「山本弘は人気作を匿名でしか批判できない卑怯な奴」という印象を広めるために意図的に似せてるんでしょうか?

 僕はすぐに「そんな陰謀論は唱えたくないです。このブログの作者に失礼だから」と答えたんだけど、どうも他にも陰謀論を唱えてた人がいたようなのだ。つまり、僕に関するデマは収束したけど、その代わり、ブログの作者に対するデマが生まれたらしいのである。
 僕一人がデマを流されるならともかく、無関係な人までとばっちりくらって「極めて悪質な文章」なんて書かれるとは、きわめて不愉快である。
 だいたいこの文章、本当に僕に似せて書いてるように見えるのか? 内容はともかく、文体が違うだろ。

 僕はこんな頻繁に段落を変えません!

 僕の文章を読んでいたら、1行のみの段落というのがほとんどないことに気づくはず。何行もある段落がいくつも続いていて、その合間に、ぽつっと1行のみの段落が入る(上の「なぜかというと、僕は自分が信じられないから」なんかがそれ)。
 これは僕は眉村卓氏の小説から学んだ技法で、長い段落の中に「だが」とか「しかし」とかいう短い段落が入ると、とても効果的なんである。僕の文章を真似するんなら、段落の長さなんていういちばん目立つ部分を真似しなきゃいかんだろ。つーか、何でわざわざ僕のふりをする必要がある?

 だから僕は、このブログの作者が、わざと僕の文章に似せたなんて思わない。「極めて悪質な文章」なんていうのは、それこそ悪質な誹謗中傷である。迷推理を披露した方々、反省してほしい。





   
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Posted by 山本弘 at 19:25Comments(9)作家の日常

2015年11月23日

『ハヤカワ文庫SF総解説2000』

『ハヤカワ文庫SF総解説2000』
早川書房 1500円+税 11月20日発売


 小さい写真だとよく分からないでしょうけど、この表紙、ハヤカワ文庫SFの表紙がばーっと並んでるんですよ。
〈SFマガジン〉に三回分載された企画をまとめたもの。帯には「文庫創刊から現在まで2000点の書影・書誌データ」を全収録」とあるけど、正確には『ターザン』シリーズで未刊に終わったのが4点あるので、書影は1996点です。
 僕以外には、こういう豪華執筆陣。

縣丈弘、秋山完、東浩紀、天野護堂、池澤春菜、石和義之、いするぎりょうこ、礒部剛喜、乾石智子、卯月鮎、榎本秋、海老原豊、円城塔、大倉貴之、大迫公成、大野典宏、大野万紀、大森望、岡田靖史、岡本俊弥、小川一水、岡和田晃、オキシタケヒコ、忍澤勉、小田雅久仁、尾之上浩司、尾之上俊彦、小山正、風野春樹、片桐翔造、香月祥宏、勝山海百合、鼎元亨、樺山三英、川又千秋、菊池誠、北原尚彦、木本雅彦、日下三蔵、久美沙織、倉田タカシ、coco、五代ゆう、小谷真理、小林泰三、酒井昭伸、堺三保、坂永雄一、坂村健、笹本祐一、佐藤大、佐藤道博、塩澤快浩、下楠昌哉、新城カズマ、水鏡子、鈴木力、スズキトモユ、瀬尾つかさ、関竜司、添野知生、代島正樹、高槻真樹、高橋良平、立原透耶、巽孝之、田中啓文、タニグチリウイチ、東野司、飛浩隆、鳥居定夫、酉島伝法、中野善夫、中藤龍一郎、中村融、七瀬由惟、鳴庭真人、難波弘之、二階堂黎人、仁木稔、西崎憲、西田藍、西村一、野崎六助、野尻抱介、橋本輝幸、長谷敏司、林譲治、林哲矢、東茅子、東雅夫、福井健太、福江純、福本直美、藤井太洋、藤田雅矢、藤元登四郎、船戸一人、冬木糸一、冬樹蛉、古山裕樹、片理誠、細井威男、細谷正充、牧眞司、増田まもる、丸屋九兵衛、宮風耕治、深山めい、六冬和生、森晶麿、森下一仁、森奈津子、八代嘉美、八杉将司、柳下毅一郎、山岸真、山本弘、YOUCHAN、遊山直奇、ゆずはらとしゆき、横道仁志、吉上亮、吉田親司、吉田隆一、渡邊利道、渡辺英樹

 どんなSFがあるかだけじゃなく、誰がどの本をどういう風に紹介しているかを見るのも楽しい一冊。「ほう、やっぱりあの人はこの作品が好きなのか」とか、逆に「えっ、この人がこれを推薦する!?」という意外性があって面白いです。 二階堂黎人さんが〈ペリー・ローダン〉シリーズと〈ターザン〉シリーズを紹介してたり、田中啓文さんが〈ドック・サヴェジ〉紹介してたり。
 僕が紹介したのはこうした本。

ラインスター『青い世界の怪物』
アシモフ『ミクロの決死圏』
ヴァン・ヴォクト『地球最後の砦』
ローマー『突撃!かぶと虫部隊』
ウィリアムスン『航時軍団』『パンドラ効果』
ホワイト『宝石世界へ』
シュミッツ『悪鬼の種族』
キャンベル『暗黒星通過!』
クラーク『天の向こう側』『前哨』『10の世界の物語』『明日にとどく』『楽園の日々』
クラーク&バクスター『過ぎ去りし日々の光』
マッコーラム『アンタレスの夜明け』
モフィット『木星強奪』
スティス『マンハッタン強奪』
アンダースン&ビースン『臨界のパラドックス』

 いやあ、執筆者間の競争がきびしかったです(笑)。人気のある作品はたいてい先に誰かに先に取られてるんですよ。イーガンもソウヤーもベイリーもホーガンもティプトリーも好きなんだけど、1冊も取れませんでした。
 クラークは短編集が意外に人気がなくて、僕にかなり回ってきたんだけど、本当は『渇きの海』がいちばん好きなんですよね。ストルガツキーの『ストーカー』とか、ハリスンの『テクニカラー・タイムマシン』とかも書きたかったなあ。 レムの『星からの帰還』や、シェクリイの『人間の手がまだ触れない』、ムーアの『暗黒神のくちづけ』も。
 このうち、他に書き手がいなくてしかたなく引き受けたのは、『地球最後の砦』と『暗黒星通過!』ぐらい。他はどれも面白いです。『宝石世界へ』 は「夢幻潜航艇」がすごく影響受けたし、『サイバーナイト』の艦隊戦のシーンは『アンタレスの夜明け』 に刺激を受けたもの。あっ、もちろん『時の果てのフェブラリー』のヒントは『ストーカー』です。
 それにしても、『青い世界の怪物』『航時軍団』『悪鬼の種族』あたりに立候補者がいなかったのが、ちょっと驚き。面白いのに!
 まあ、『突撃!かぶと虫部隊』や『マンハッタン強奪』あたりは、僕しか褒める人間はいないかなという気がするんですが(笑)。
  
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Posted by 山本弘 at 18:16Comments(3)SFPR

2015年11月23日

新刊『トワイライト・テールズ 夏と少女と怪獣と』



『トワイライト・テールズ』が文庫化されました。『MM9』の世界を舞台にした番外編で、日本、アメリカ、タイ、コンゴと、様々な土地を舞台に、怪獣がからんだ物語が展開します。文庫化にあたり、副題をつけて、「少女」と「怪獣」をアピールしました(笑)。発売は25日。
 内容についてはホームページに書いた解説を参照してください。

http://homepage3.nifty.com/hirorin/mm9twilighttales.html

 巻末の解説は大倉崇裕さんにお願いしました。 題が「小説、それは怪獣に残された開拓地」。怪獣ファンの大倉氏だけあって、実に「よく分かってる!」という感じの文章。ぜひご一読ください。

 kindle版も同時発売です。

  
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Posted by 山本弘 at 17:49Comments(0)SFPR