2014年12月21日

ツイッターはじめました。

 先日からツイッターをはじめてます。

 何で今頃? もうとっくにみんなやってるのに? と疑問に思われる方もおられるでしょうけど、僕はツイッターのどこが面白いのか、よく分からなかったんですよ。
 大事件に遭遇したから急いで報告する……というなら分かる。
 テレビを観ながら感想をつぶやいて、全国にいる人たちとリアルタイムで感想を共有するというのも分かる。(うちの娘は毎週『ヴァンガード』観ながらツイッターやってます)
 でも……。
 ごく普通の日常生活の中で、何でいちいち「〇〇なう」などと報告しなきゃいけないのかなと。
 その心理が理解できないんですよね。
 語りたいことがあれば、翌日にでもきちんとまとめて、ブログにでも書きこめばいいんじゃないのかな? 1日ぐらい遅れたって何の問題もないはずだし。
 もちろん、ツイッターで近況をつぶやいてる人たちを非難する気はまったくないんだけど、ただ、自分が「〇〇なう」と報告したいという欲求が、あまりなかったんですよ。

 あと、不便。
 タイムラインというやつ、すごく分かりにくい。単発の発言ならいいけど、複数の人間が議論してたりすると、どういう話の流れなのか、即座に把握できない。おまけに流れてゆくのが速いから、ちょっと前の発言がすぐ埋もれてしまう。
 議論するんなら、掲示板とかmixiのコミュとかの方が分かりやすいんじゃないかな?
 僕の場合、Toggeterで誰かがまとめてくれたものを読むのは好きだけど、リアルタイムでツイッター上の議論に参加したいとは思わないんですよ。

 あと、すぐ炎上したり、デマが拡散したりする。
 自慢じゃないけど、僕は炎上させない自信ありません(笑)。けっこうアンチ多いし。僕が何もしなくても、ちょっとしたことでつっかかってくる奴がいるに決まってる。
 だから長いこと、ツイッターには手を出さなかったんです。

 それがどうしてツイッターをはじめる気になったかというと……。







 モバマスの3周年記念ボイス争奪選挙で、結城晴を推したかったから!(笑)

 モバマス、もう3年近くやってます。気がついたら、すでにレベルが150を超え、ランクSに。
 最初に好きになったのは佐々木千枝で(レアのデビリッシュゴシックを手に入れるために、初めて課金しました)、次が輿水幸子。橘ありすにちょっと浮気してたこともあるけど、結城晴の登場で、いっぺんにメロメロに。

 いや、分かってるよ! 晴って人気ないよ! 総選挙の中間発表でも50位以内に入ってないよ! 冬コミのカタログでも、サークルカットに晴の絵が2つしかなかったよ!
 でも、しょうがないじゃん、好きなんだから!
 口の悪い「オレっ子」でスポーツ少女ってところが、『妖魔夜行』のガンチェリーを思わせる。他の女の子たちがプロデューサー(つまり僕)にけっこうデレデレなのに対して、なかなかデレないってところが逆にいい。デレられると逆に嫌かもしれない。「お前はそんな奴じゃないだろ!?」と。
 プロデューサーを恋愛や憧れや尊敬の対象じゃなく、「頼りになる相棒」という感じで見てくれてるんである。だから「よっしゃ頼られてやろうじゃないか」という気にさせられる。

 だからボイス争奪選挙でも、まあ無理だろうなとは思いつつも、応援しなくてはいられなかった。投票券、何十枚も注ぎこんだ。
 今回の選挙で面白かったのは、キャッチコピーを作れて、それをツイッターで拡散できるということ。「姉を凌駕する」とか「センターに立つ」とか「霊長類最強の」といったフレーズが3つ、ルーレットでランダムに流れてきて、その組み合わせでコピーができる。
 いやー、これにはハマったね。なかなか思うようなものができなくて、毎日、何十回もルーレット回したよ。
 中でも自信作がこれ。

 シュールだ!
 古生代石炭紀末期かよ! ウミサソリと泳ぐのかよ! とかツッコミたくなったけど、面白いから採用。
 このシステム、イベント以外でも実装してほしいな。もっとフレーズも増やして。



 何の話だっけ?
 そうそうツイッターね。
 うん、そういうわけで、結城晴を応援するためにはじめたツイッターだから、そんなに熱心には書きこみませんから。あまり期待しないでいただきたい。
 特に長文は絶対に書きません。長文だったらブログに書きます。

 あと、はじめてみた分かったのは、やっぱりツイッターってこわいな、ということ。
 特に自分がこわい。
 気軽につぶやけるってことは、気軽にいいかげんなことを言える、気軽に暴言も吐けるってことなんだ。
 だから注意してないとすぐ暴走しそうになる自分がいる。なるほど、炎上がすぐ起きるわけだ。常に自制が必要。
 気軽につぶやけるからこそ、気軽につぶやいちゃいけない。

 あと、リツイートってのもヤバい。
 面白そうな話が回ってきたから、リツイートしようとして、ふと、「ちょっと待て。これ事実なの? デマじゃないの?」とか、「これ、ほんとにこの人が考えたの? パクツイじゃないの?」と疑って、手が止まってしまうんですよ。
 いちいち検証するのも大変だから、公式の情報以外はなるべくリツイートしないように、慎重になってます。デマやパクツイの拡散に手を貸すわけにいかないから。
 特に有名人の訃報はデマが多いから、公式に発表があるまでは拡散しません。
 逆に、気軽にいろいろリツイートしてる人たちを見てると、警戒心の薄さが心配になってくるんですよね。それ、デマかもしれないのに、って。

 とりあえず、のめりこまないよう、ぼちぼちとやっていきます。
  

Posted by 山本弘 at 18:48Comments(0)作家の日常ツイッター

2014年12月21日

「ビブリオバトルをやってみよう」追加ゲスト決定

 以前に告知した26日の「山本弘のSF秘密基地LIVE#41 ビブリオバトルをやってみよう」ですが、

http://hirorin.otaden.jp/e407049.html

 ゲストとして、大阪大学の菊池誠先生にも出演していただけることになりました!
 いつもの鋼鉄サンボくんも加わり、ビブリオバトルを実際にやります。

 ここで宣言。

 今回は勝ちに行くよ!
 今年に最高にエキサイトした1冊を持っていくから!
 この本、読み終わっても何日も興奮が冷めないんだよね。これは絶対、面白い!
  

Posted by 山本弘 at 18:01Comments(0)PRビブリオバトル

2014年12月21日

全国大学ビブリオバトル2014~京都決戦~

 翌12月14日は京都大学へ。 「全国大学ビブリオバトル2014~京都決戦~」を観てきた。

http://zenkoku14.bibliobattle.jp/home

 全国各地のブロックを勝ち抜いてきた大学生の発表者30人が、5つの準決勝会場に分かれてバトルを行ない、その中から勝ち残った5人が決勝に進出する。

 出場本の一覧はこちら。

http://zenkoku14.bibliobattle.jp/records2014/book-honsen

 高校生のビブリオバトルに比べ、やはり小説の割合が少ない。

 準決勝会場ではハプニングがあった。聴講参加者の数が多すぎて椅子が足りない! 京大の人たち、ビブリオバトルでこんなに人が集まるとは予想していなかったのか。慌てて椅子を持ってきて追加していた。
 もうひとつの問題は、マイクがなく、肉声で発表しなくてはならなかったこと。ひとつの部屋を仕切りで分割して使用しているので、マイクを使うと隣の会場の迷惑になるからだ。
 それでも学校の教室よりやや狭いぐらいのスペースだから、大きめの声で言えば後ろまで届くはずなんだけど、最初の人はそれに思い当たらなかったらしい。小声でぼそぼそ発表していたもので、後ろの方の席ではほとんど聞き取れない。
 会場では、主催者側の対応を非難していた人もいたけど、どうなんだろうね。自分の声が小さすぎることに気がつかないというのは、発表者側の不注意のようにも思うんだが。後ろの方の人にまで声が届いてるかどうか、普通は気にするもんじゃないだろうか。(のどの病気か何かで、大きな声が出せないならしかたないけど)
 まあ、主催者も事前に「大きな声で言ってください」と注意すべきだったとは思うけど。

 ただ、大ホールで行なわれた決勝戦は盛り上がった。
 驚いたのは、勝ち残った5人が全員、女性だったこと。出場者にそれほど大きな男女比はないはずなので、まったくの偶然。
 さすが勝ち残ってきた本は、どれも読みたくなるものばかりだった。『どんどん変に…エドワード・ゴーリー インタビュー集成』も気になったけど、 『極卵』もテーマが面白そうだ。
 悩んだ末に僕が投票したのは、『タテ書きはことばの景色をつくる』。タテ書きとヨコ書きの文章の読まれ方の違い、書き方の違いを、実験を通して研究した本だという。作家として、それは気になる問題だ。
 優勝は『ペナンブラ氏の24時間書店』。奇妙な書店を舞台にしたファンタジー・ミステリらしい。これも読まなくちゃなあ。
  

Posted by 山本弘 at 17:53Comments(0)ビブリオバトル

2014年12月21日

ビブリオバトル・シンポジウム 2014

 12月13日、立命館大学・朱雀キャンパスで開かれたのが、ビブリオバトル・シンポジウム2014。
 僕もビブリオバトルの考案者である立命館大学の谷口忠大先生とトークライヴしてきた。

http://sympo14.bibliobattle.jp/puroguramu
 
 前にも書いたかもしれないけど、谷口先生は学生時代に『ソード・ワールドRPG』にハマってたのだそうで、僕の名前も知っておられた。そもそも本の紹介をゲームにするという発想自体、TRPGをプレイしてきた経験の影響なんだそうだ。
 おかげで『BISビブリオバトル部』の企画もすんなり受け入れてもらえた。僕にとっては大変なラッキーである。
 いちおう本の宣伝はいっぱいしてきたけど、さあ、これでどれだれ売り上げが伸びるかな。

 谷口先生の基調講演のスライド。
http://sympo14.bibliobattle.jp/puroguramu/plenary-talk

・「読書感想文の二の舞」はさけなくてはならない。
・北風でなく太陽
・「楽しい」は正義

 というあたりが特に重要かな。
 一部にビブリオバトルを「子供の読書嫌いを治すツール」と勘違いしている人がいるという。 たとえば学校の先生が生徒に本を読ませようとして、ビブリオバトルをやらせる。それも生徒に自由に喋らせるんじゃなく、事前に発表原稿を書かせてチェックしたりする。それって要するに「読書感想文」だよね? 子供の嫌いな(僕も苦手だったけど)。
 読書感想文が子供を本嫌いにしている面はあると思うし、その失敗を繰り返してはいけないと思う。 ビブリオバトルの公式ルールで、レジュメの使用を禁じてるのは、まさに「読書感想文の二の舞」を避けるためなのだ。
 シンポジウムでもたびたび強調されていたのは、ビブリオバトルは「ゲーム」であり「遊び」だということ。結果的に子供が本を好きになることがあるとしても、それは副次的なもの。まずゲームを楽しむことが大切だ。

 シンポジウムを聴いていてあらためて思ったのは、ビブリオバトルの幅の広さ。
 大きな会場で行なわれる全国大会というのはむしろ特殊で、仲間内のごく少人数で行なうのが普通。図書館、教育現場、地域コミュニティでも活用されている。
 すでに日本の大学の約4分の1でビブリオバトルが行なわれているそうで、さらに広まりそうな気配である。

 その形態もいろいろ。たとえば古民家でやる「古民家ビブリオバトル」とか、登山で登頂後にみんなでやる「山頂ビブリオバトル」なんてのもあるのだそうだ。
 おかしかったのが「山頂ビブリオバトル」の人が、キリマンジャロの山頂でビブリオバトルをやろうとしたという話。空気が薄くて苦しいうえに、本を持ってきたのが一人だけだったので、不成立だったらしいが。
 こういう「エクストリーム・ビブリオバトル」というジャンルも、もしかしたらこれから流行るかもね。

 他にもテーマ別のビブリオバトルの話。たとえば妖怪関係の本だけの「妖怪ビブリオバトル」とか、深海テーマ縛りの「深海ビブリオバトル」なんてものが、すでにある。
 他にも、いろんなジャンルのマニアの人が集まって、ジャンルごとにビブリオバトルができそうである。「特撮ビブリオバトル」とか「ガンダム・ビブリオバトル」とか。

 話を聞きながら、『BISビブリオバトル部』のネタがいくつも浮かんだ。やばい。これ、長期シリーズになっちゃうんじゃない?


 ところで、ぜんぜん関係ないけど、「BIS」を「ビス」と発音する人が多いのに気がついた。これ、正しくは「ビー・アイ・エス」ですから。
 実際のインターナショナルスクールでも、OIS(オー・アイ・エス)とかSIS(エス・アイ・エス)と発音している例が多い。まあ、「オイス」や「シス」じゃ語呂が悪いしね。「ビス」もかっこよくないよ。「ビー・アイ・エス」でないと。
 うーん、作中に「ビー・アイ・エス」と書いておくべきだったな。反省。
  

Posted by 山本弘 at 17:41Comments(0)ビブリオバトル

2014年12月21日

『謎解き超常現象IV』

『謎解き超常現象IV』
ASIOS 彩図社
1389円+税
12月25日発売予定


はじめに――オカルトの醍醐味(本城)

第1章 人智を超えた奇跡の力「超能力事件」の真相
超能力者ユリ・ゲラーの真実【科学者と裁判所が本物と認めた?】(皆神)
FBI超能力捜査官vsオウム逃亡犯【犯人逮捕で実証された透視の実力】(山本)
マリア・ローザ・ブージィの千里眼【湖底の死体を発見する驚異の能力者】(本城)
伝説の霊能者ブラヴァツキー夫人【神智学協会を創設したオカルトの巨人】(原田)
サイキックたちからの挑戦【ASIOSが調査した超能力実験】(本城)
H・G・ウェルズの予言【SFの父が遺した戦慄の未来予想図】(山本)

第2章 奇想天外「怪奇・ミステリー事件」の真相
バミューダ・トライアングルの謎【通るものがこつ然と姿を消す“魔の海域”】(本城)
フライト19消失事件の真相【編隊が消えた!? “魔の海域”最大の謎】(本城)
恐怖の怨霊「将門の首塚伝説」【触れるものすべてを祟る関東最大の怨念】(皆神)
火事を招く少年の絵【恐怖のジンクスが絵の所有者を襲う】(本城)
東京スカイツリーに隠れた魔の数字【日本一の建造物に秘められた陰謀①】(山本)
東京スカイツリーは鬼門にある?【日本一の建造物に秘められた陰謀②】(山本)

魂の重さを量った医師【死の瞬間に消失した21グラムの謎】(羽仁)
「口裂け女伝説」を追う【子どもたちを震え上がらせた恐怖の都市伝説】(本城)

第3章 異星人の襲来!? 「UFO事件」の真相
ロドファー・フィルムの真相【アダムスキー型円盤実在の証拠?】(山本)
ロサンゼルスUFO攻防戦【第二次大戦中にアメリカ軍がUFOと交戦?】(皆神)
日航ジャンボ機UFO遭遇事件【CIAが隠ぺいしていたUFO事件】(皆神)
ラエリアン・ムーブメントとは?【「異星人を迎えよう」と運動する人々】(山本)
江戸『うつろ舟』ミステリー【新発見、伝説の起源は「金色姫伝説」にあった?】(加門)
オーロラ事件の真相【テキサスの田舎町に火星人の宇宙船が墜落?】(加門)
バレンティッチ行方不明事件【セスナが残した管制塔との謎の交信記録】(加門)
レンドルシャムの森事件【米兵がイギリスの森で墜落したUFOに遭遇?】(羽仁)

第4章 未知なる怪生物「UMA事件」の真相
モンゴリアン・デスワーム【中央アジアの砂漠に潜む恐怖の猛毒生物】(横山)
エイリアン・ビッグキャット【イギリスで相次いで目撃される黒い巨獣】(横山)
メテペック・モンスター【メキシコに現れた正体不明の謎の生物】(本城)
妖精の写真は実在するか?【2014年にイギリスで撮影された神秘の1枚】(横山)
伝説の生物「人魚」は存在する?【世界各地に伝わる「人魚のミイラ」の真偽((横山)
シャンプレーン湖の怪物チャンプ【目撃情報が相次ぐアメリカのネッシー】(バーソロミュー)

第5章 失われた過去の遺産「超古代文明」の真相
遮光器土偶は宇宙人の像?【東日本各地で出土する宇宙人実在の証拠】(原田)
イースター島とモアイの謎【モアイ像は高度な文明で造られた?】(ナカイ)
「デリーの鉄柱」は超文明の産物【発見された“ナノテクノロジー”の痕跡】(若島)
「デリーの鉄柱」が錆びない理由【インド人研究者が暴いた驚きの仕組み】(若島)
ミッキーマウスの壁画【中世のフレスコ画に描かれたあの有名キャラクター】(本城)
「日猶同祖論」の源流を探る【マクラウドが明治の日本で見た“幻想”】(藤野)

おわりに――現代に復活した口裂け女 (本城)

----------------

 青字で示したのが僕の原稿。
「ロドファー・フィルムの真相」と「ラエリアン・ムーブメントとは?」の項は、『トンデモ超常現象99の真相』の焼き直しだけど、いろいろと加筆が入ってます。
「FBI超能力捜査官vsオウム逃亡犯」と「東京スカイツリーに隠れた魔の数字」は、このブログに載せた文章を元に、大幅に加筆。
 完全新作原稿と言えるのは「東京スカイツリーは鬼門にある?」と「H・G・ウェルズの予言」。特に後者は『翼を持つ少女』の最終章と並行して書いたので、続けて読んでいただけるとありがたいです。H・G・ウェルズについて、五島勉がどれだけひどい嘘をついてるかがよく分かります。大川隆法もそうだけど、偉大なSF作家であり遠大な理想を持っていたウェルズの名を、こんな風に利用するって腹が立ちます。

 僕以外の人の原稿だと、「サイキックたちからの挑戦」が面白いです。ASIOSに挑んできた、自称「超能力者」たちの実験の記録。どれもこれもしょぼい(笑)。
  

Posted by 山本弘 at 17:19Comments(0)オカルトPR

2014年12月11日

NHKバリバラ ドラマ「悪夢」

 先日、再放送で視聴した。

「悪夢」
http://www.nhk.or.jp/baribara/special/akumu.html
 
 いやー、すごいドラマだった。
 素晴らしかった。 絶賛しておく。

 ストーリーは、こちらのレビューを参考にしていただきたい。

バリバラ「悪夢」レビュー ~障害者ドラマを超えた何か~
http://togetter.com/li/754668#c1700249

 実は僕はこのレビューを読んで、再放送を観てみようという気になったのである。うまく後半のネタバレを伏せてくれているのもありがたかった。
 公式サイトでも触れられていないし、この人も触れていないけど、主人公をはげますマキちゃんという明るい少女(少年? どっちだかよく分からない)の存在が大きい。劇中でどんな役割を果たすのかは、それこそネタバレになるから書けないけど。

 さて、公式サイトでは「ハートフルコメディー」ということになってるけど、正直言ってあまり笑えない。扱っているテーマがシリアスで重いということもあるけど、こわいシーンがいくつもあるからだ。

 特にこわいのは、統合失調症の主人公(ハウス加賀谷)がいつも苦しめられている幻覚「シロイヒト」。
 特撮も何も使わず、昼間の普通の商店街を、裸で白塗りの男たちがのたのたと歩いてくるというシュールな映像。通行人は誰もそれに気がつかない。
 手抜きのように思えるかもしれないけど、これはリアルな表現なんである。幻覚というのは(まだ見たことはないけど)、多くの場合、現実と同じぐらい存在感があるのだそうだ。実際にそこにいるかのように思える。だから特撮なんか使うとかえってぶち壊しなんである。
 幻覚のために奇行に走る主人公。しかし、周囲の健常者にはそれが見えないから、何をやってるか分からない。そのギャップがうまく表現されている。
 しかも幻覚と現実の区別がつかないというのが、ちゃんとクライマックスの伏線になっている。
 ちなみに主演のハウス加賀谷自身、12歳の時から統合失調症を発症しており、彼の実体験も作中に反映されているのだそうだ。

 で、やっぱり素晴らしいと思えたのは、「健常者お断り」と書かれた障害者だけが集まる店の描写。
 本物の障害者(脚がない人、顔が変形している人、脳性まひの人、などなど)が大勢出演してるんだけど、最初こそ緊張するが、だんだん普通に見えてくるのだ。
 そうか、こんな風に普通に障害者を描いても良かったんだな。
 このへんはほんと、テレビのタブーを大胆に破ってくれて快感である。

 さらに秀逸なのは、この店に迷いこんだ主人公が、障害者たちにおびえ、「ここに普通の人はいないのか!?」と叫ぶところ。彼は明らかに障害者に対する差別意識を持っている。
 同じ台詞を健常者に言わせたら単に不快になるだけだけど、精神障害者である主人公に言わせるのだ。
 障害者を扱ったドラマというと、差別表現回避に過敏になるあまり、障害者を無垢な存在として描きがちなんだけど、ここでは障害者でさえ差別意識を持っていることを示すことで、逆に障害者も普通の人間であることを表現している。

 この脚本書いた人、ただ者じゃない!

 少なくとも、この表現方法は僕には思いつかなかった。いや、思いついても「これ、やっていいの?」と悩んだと思う。

 そこに現われた謎の男が、主人公に「食べれば障害が治る」という不思議な果実を渡す。ただし、副作用として、過去の記憶を失う。
 障害に苦しみながら生きるか、それとも記憶を失うか。
 この二者択一が秀逸で、特にクライマックスで大きな意味を持ってくる。

 で、ラスト。
 一見するとハッピーエンドのように見えるけど、「ほんとにそれでいいの?」と視聴者に考えさせる、そんなもやもやした結末になっている。
 安易な結論は出ないし、出しちゃいけない──そこまで考えて作っている。

 ぜひ多くの人に観てほしい。再々放送、もしくはソフト化を熱望する。
  
タグ :障害者NHK

Posted by 山本弘 at 12:33Comments(7)テレビ番組

2014年12月11日

初めてRPGを知った日のこと・そして3D小説

 11月28日にやったLiveWire「 『ゴーストハンター』とグループSNEの世界」のご報告。

http://hirorin.otaden.jp/e402334.html

 特に話す内容を打ち合わせずに、即興でやったんだけど、安田さんがいっぱい喋ってくださって助かりました。 正直、『パラケルススの魔剣』書いた頃のこと、あまり覚えてないもんで。
 ちなみに第3作の『アルケリンガの魔海』には僕は噛んでないんだけど、安田氏のプロットを基に川上亮(秋口ぎぐる)が執筆、それをさらに安田氏が手を加えるという合作。来年1月に発売予定だそうだ。

 おそらく出版関係者なら驚く(出版関係者でないと驚かない)と思われるのは、SNEの社員が『ソード・ワールド』とかの小説書いても、印税の9割が作者に行く、という話。つまりSNEが取るロイヤリティは印税の10%。
 普通、ありえませんよ、こんな数字。安田さんが業界の常識をよく知らずに飛びこんだってこともあるんだけど、僕も長いことSNEでしか仕事してなかったから、10%が当たり前だと思ってたよ(笑)。
 聞くところでは、50%ぐらい取るところや、もっと取るところとかもあるらしい。会社によっていろいろだけど。

 あとは3D小説の話題。グループSNEの企画で、去年、第一弾をやって、今年の7月に第二弾をやったらしい。
「らしい」というのは、恥ずかしながら、僕はリアルタイムで見ていなくて、知ったのは8月のJGC(ジャパン・ゲーム・コンベンション)だからである。

公式サイト
http://3dnovel.jp/#top

ASCIIの紹介記事
http://ascii.jp/elem/000/000/926/926193/

 この紹介動画を見ると、だいたいの雰囲気が分かる。



 ライブRPGや脱出ゲームに似てるけど、違うのはプレイヤーが日本全国に散らばっていて、協力して謎を解いてゆくということ。危機に陥るのはプレイヤー自身じゃなく、小説の登場人物を救うのが目的だということ。
 僕は後から追っかけただけだけど、凝った暗号とかを仕掛けても、プレイヤーたちの協力であっさり解かれてしまうのだ。集合知ってすごい。
 あと、プレイヤーの提案によって、作者がどんどんストーリーを変えてゆくのだそうで、このへんはPBMに近いかな。 『朝のガスパール』とかも。
 確かにこれは面白そう。大流行するかどうかは分からないけど、ハマる人間は多いだろうと思う。
 ちなみに、聞いた瞬間に僕が連想したのは、『アイの物語』の中の「宇宙をぼくの手の上に」だった。あれを書いたころはまだツイッターというものはなかったわけだけど、「みんなの協力で小説の主人公をバッドエンドから救う」というコンセプトは、だからすごく理解できるんである。

 司会の井田さんが食いついてきたのが面白かった。この人も実はSFファン。SFファンなら、これがどれほどすごい概念なのか、すぐピンとくるんだろう。
 もしこれが普及し、さらに拡張現実が取り入れられるようになったら、世界が変わる。ゲームと現実が地続きになる。フィクションと現実の境界がなくなるってことなのだ。
 すべての人間が3D小説をプレイしていて、ゲームと現実の区別がつかなくなった未来……というのを想像すると、すごいSFが書けそうな気がするんだよね。

 それで思い出したのが、1970年代の末頃、安田さんが〈SFマガジン〉誌上で、「今、アメリカでは『D&D』というゲームが流行っていて」と、初めて紹介された時のこと。
「何これ? ロールプレイング・ゲーム? よく分かんないけど、すごそうなものが出てきたぞ!」と、わくわくしたのを覚えている。
 あの時のわくわく感と同じものを感じるのだ。

 ちなみに、「どうやって儲けるんですか?」と訊ねたら、やはり関連書籍(リプレイ本とか)の販売で回収するのだという。
 すでにドワンゴが噛んでるんだけど、提携する企業がいくつも出てきたら、ゲーム内広告とかでも儲けられそうな気がするんだけどねえ。
  

Posted by 山本弘 at 12:16Comments(1)ゲーム

2014年12月11日

「僕らは何故、電子の歌声に魅了されるのか?」報告

 遅くなりましたが、11月30日にやったイベントの報告。

 まず最初は、司会の大須賀さんによる、人工的に人間の声を作ろうとしてきた人々の歴史の解説。ベーコンあたりまで遡るんだけど、18世紀にケンペレンが作った音声合成機(これ、今ならニコニコ技術部の人が作りそう)やら、ボコーダーの誕生やら、1960年代に作られた「デイジー、デイジー」と歌うマシン(もちろん『2001年宇宙の旅』の元ネタ)やら、80年代の声の出るエロゲやら、面白い話題がいろいろ。こういう試みが初音ミクの誕生につながるわけだ。
 この話聴けただけで、「来て良かった」と思えた。

 特別ゲストのotomaniaさんの話も面白かった。あの名作「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」は、『初音ミク』が発売されて4日目の2007年9月4日にニコ動にアップされてるんだけど、歌自体は9月2日にもう完成していたのだとか。早い! なのに今聴いてもまったく色褪せない完成度。



 トークしながら、即興でぱぱぱと『初音ミク』を操作して歌わせたりもしてくださいました。なるほど、こうやって作るのかと感心。
 ちなみに、あの悪名高い『アッコにおまかせ』事件では、実はotomaniaさんもTBSから出演の依頼があったんだけど、寸前で向こうの方からキャンセルしてきたんだとか。ああ、たぶんTBSのディレクターが求めていたものと合わなかったんだろうな……。
 頭の固い人間に受け入れられなかったのも無理はない。当時は、まさかボカロ曲がオリコン上位に入るのが当たり前の時代がこんなに早く来るなんて、僕だって夢にも思わなかったよ。それどころか、今や小林幸子が「千本桜」歌うんだもの。
 ミクが登場して、まだたった7年だよ!?

 僕はというと、『ミク』発売当初からニコ動で追いかけていた。
 リアルタイムで僕が楽しんだのは、こういうのとか、



 こういうのとか、



 こういうのとか、



 きわめつけ、こういうのも。みんながコメントで盛り上がってるのが楽しい。



 これらはすべて、2007年9月30日までにアップされた動画なのだ。「『初音ミク』はこんなにもいろんな遊びができる」というのが、あっという間に知れ渡ったわけである。
 他にも「恋スルVOC@LOID」が9月13日、「みくみくにしてあげる♪」が9月20日と、すでにオリジナルの名曲がいくつも生まれているし、3Dモデルを作って動かしている人もいた。発売されてたった1か月で、その後のムーブメントの基本はかなり出揃っていた感がある。
 やはり、ニコ動の人気が盛り上がった時期とちょうど重なったというのが、『ミク』のヒットの要因だろう。

 ちなみに(前にも書いた気がするけど)、僕が最も衝撃を受けたのが、その年の12月18日にアップされたこれだった。



 僕はこの曲を聞いて、感動のあまり、ぼろぼろマジ泣きしてしまったんである。普段、人間の歌で泣いたりしないのに。 今もこの曲を聴くたびに、パブロフの犬のごとく、目頭が熱くなる。
 それまで、まだ僕はミクを甘く見ていた。「面白いソフトウェア」「声の出るシンセサイザー」という程度の認識だった。だが、「金の聖夜霜雪に朽ちて」を聴いて思い知らされた。
 機械の歌は時として、人間以上に情動を動かす力があるのだと。

 他にも、『地球移動作戦』のヒントになったこれとか、



 やはり『プロジェクトぴあの』に大きな影響を与えた「サイハテ」とかの話もいろいろ。 もちろんotomaniaさんたちからも、面白い話をいっぱいうかがえた。

 有意義なイベントだったと思う。
  

Posted by 山本弘 at 11:42Comments(1)ニコニコ動画サブカル

2014年12月11日

『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』


 東京創元社 2052円
 12月22日発売

 中高一貫の国際学園BISに通う埋火武人(うずみびたけと)は、ある日、図書館で同級生の伏木空(ふしきそら)とばったり出会う。
 空はSFが大好きな少女。SFの話をはじめると止まらない。
 武人の亡くなった祖父はSFマニアだった。彼の遺した膨大な蔵書に魅了される空。しかし武人はノンフィクションしか読まず、SFを毛嫌いしている。
 武人は空をビブリオバトル部に勧誘する。初めてビブリオバトルを観戦する空。BISビブリオバトル部には、部長の聡(さとる)をはじめ、理系のクールな美少女・明日香(あすか)、腐女子のミーナ、かわいいものが大好きな少年・銀(ぎん)など、それぞれに本を愛する個性豊かな面々が揃っていた……。


 キャッチコピーは「日本初の本格的ビブリオバトル青春小説!」。日本初じゃなく世界初じゃないかと思ってるんですが。
 きっかけは去年のSF大会で「子供たちにSF本を」というパネルディスカッションを見たことでした。

SF大会レポート2:SF大会で新作のアイデア浮かんだ
http://hirorin.otaden.jp/e284093.html

 どうすればSFを知らない若い世代にSFの面白さを伝えられるのだろうか……と考えていた時、このパネルの中でビブリオバトルの話題が出てきたもので、「これだ!」とひらめいたわけです。SFが大好きな少女を主人公にしてビブリオバトルをやらせようと。
 しかも、考えてみれば、べつにSFに限定することはないんですよ。各キャラクターごとに得意分野があることにすれば、ノンフィクションだろうと科学本だろうと図鑑だろうとマンガだろうとライトノベルだろうと、本なら何でも取り上げられる。本を読むことの楽しさを伝えられる。
 と学会ではずっと、ひどい内容の本ばかり紹介してきたわけですが(笑)、逆に面白い本ばかりを紹介するのもいいんじゃないかと思いついたわけです。
 作中に登場する本はすべて実在のもの。世界の名作とかベストセラーとかではなく、(一部を除いては)ややマイナーな本が多いです。本好きの読者でさえ「そんな本あるんだ!?」と驚くような本をセレクトしました。

 もちろん、ただ本を紹介するだけでは小説にはなりません。「ドラマを盛り上げる」」「バトルを熱くする」という点に全力を注ぎました。
 特に苦労したのはビブリオバトルのシーン。バトルといっても物理的に戦ってはいないわけですが、それでも熱く見えなきゃいけない。どんな本を登場させるかはもちろん、誰がどの順番で紹介するか、どういうアピールをするか、各キャラクターがその本にかけた想い、そして誰に勝たせるか……と、バトルの手順を組み立てるのが、毎回、書いていて悩ましいし、楽しいんです。
 あと、青春小説なんで、もちろん恋も出てきます。特に空と武人の関係。1巻では、すでにお互いに意識し合ってるのに、表面上はぶつかり合ってる……というライトノベル的王道展開が、書いてて楽しいんですよね。2巻以降は、明日香や銀など、他の部員にもスポットを当ててゆく予定です。

 本好きの方ならおおいに共感していただけるでしょうし、本をあまり読まない方も、この機会に本を好きになっていただけると期待しています。

  

Posted by 山本弘 at 11:21Comments(1)SFPRビブリオバトル

2014年12月11日

山本弘のSF秘密基地LIVE#41: ビブリオバトルをやってみよう

山本弘のSF秘密基地LIVE#41
ビブリオバトルをやってみよう

 本を通して人と人をつなぐ知的書評ゲーム〈ビブリオバトル〉。それを題材にした小説『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』(東京創元社)の発売を記念したイベントを開きます。
 前半はビブリオバトルの実演、後半はビブリオバトルをめぐるトークショー。ビブリオバトルの実演では、会場に来ていただいたみなさんも投票していただけます。ふるってご参加ください。


[出演] 山本弘(SF作家)

[日時] 2014年12月26日(金) 開場・19:00 開始・19:30

[会場] なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9 レジャービル味園2F / Tel. 06-6643-5159)(地図)南海なんば駅より南海通り東へ180m・駐車場有

[料金] 1500円
(店内でのご飲食には別途料金がかかります。入場時に別途ワンドリンクをご購入いただきますのでご了承ください)

予約はこちらから。
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=80568322
----------------------------------------

 今年最後の「山本弘のSF秘密基地LIVE」はビブリオバトルです。互いに面白いと思う本を持ち寄り、熱くアピールし合います。僕もとびきり面白い本を持っていきます。
 今のところ出演名が僕だけになってますが、他にも有名ゲストの方をお招きしようと交渉中です。決まり次第、お知らせいたします。お楽しみに。

  

Posted by 山本弘 at 10:06Comments(2)PR